大学生で会計士の資格を考えるのであれば、日本の公認会計士かUSCPAか悩んでいることだろう。
10年前、私が大学生の頃は、米国公認会計士の知名度は今ほど高くなく、会計の資格といえば簿記か公認会計士であった。
しかし、昨今USCPAの知名度は格段と上がっている。私は、公認会計士とUSCPAの両方を持っているが、USCPAは非常にコスパの良い資格だと考える。
特に、下記のような人にはUSCPAが向いている。
- 専門性をつけ、就活を有利にしたい人(特に文系の人)
- 英語を使って仕事をしたり、将来海外で働いてみたい人
- コスパ良く給料を上げたい人
今回は、大学生こそUSCPAを取得すべき理由を深く考えていきたい。
この記事の著者:Ryo
初めまして!Ryoです。大学大学中に日本の公認会計士試験に合格し、大手監査法人に勤めた後スタートアップでIPOや投資を経験。その後アメリカにMBA留学し、卒業後に現地の会計事務所に就職したことがキッカケでUSCPAの勉強を開始、アビタスを利用して約半年で全科目に合格しました。
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目次
大学生のうちにUSCPA取得!おすすめの5つの理由
受験チャンスが多いため、公認会計士より合格しやすい
このページを見ている皆さんは、USCPAか日本の公認会計士どちらを取得するべきか悩んでいる人もいると思う。
公認会計士試験の受験スタイル・合格率
日本の公認会計士も、日本で仕事をするのであれば、信頼性獲得につながる資格ではあるが、その問題は合格率の低さと、受験スタイルだ。
1次試験である短答式試験の合格率は10%程度、論文式の合格率は30%であり、年に数回しか受験をするチャンスがない。
受験も科目ごとにすることはできず、決まった日に全科目を受験をするスタイルだ。そのため、ほとんどの受験生は勉強時間を確保しやすい大学生。
受験のプレッシャーも非常に高く、1度失敗すると来年・・ということにもなりかねず、4年生までに合格ができないと、会計士浪人又は実質的に会計士を諦めることになる。
USCPAの受験スタイル・合格率
一方で、USCPAはどうだろうか?
一度に全ての科目を受験する必要もなく、科目ごとに受験が可能。受験日も1年中自分で選ぶことができ、通年で同じ科目を何度も受けることができるのでプレッシャーもそこまで高くはない。
そして、USCPAの各科目の合格率は50%前後と、2人に1人は合格することができる。もちろん、問題の難易度は簡単ではないのが、合格はしやすい試験と言って良いだろう。
仮に大学生のうちに全科目合格できなかったとしても、卒業後に新卒で働きながらでも十分に合格を狙うことができる。
学生のうちに勉強時間が確保しやすい
ほとんどのUSCPA受験生は社会人のため、仕事をしながら勉強をしている。学生であれば、勉強時間が取りやすいため、より短期間で合格まで持ってくることができる。
合計1000~1200時間程度の学習が必要とされるUSCPAだが、一日2-3時間勉強するとすると、おおよそ1年から1年半程度の期間が必要。
一方で、学生であれば1日3-5時間程度の勉強時間の確保は容易だろう、場合によっては8時間~10時間程度は勉強できる。半年から8ヶ月程度での合格も可能のはずだ。
勉強時間の確保がしづらい社会人と比較しても、完成度を高くして受験に挑めるため、合格の可能性は高くなる。
私も大学生の時に公認会計士の学習をしていた時には、1日平均7-8時間は勉強をしており、おおよそ1年半から2年程度かけて合格を勝ち取った。
USCPAであれば、半年程度の期間で済み、もっと部活や大学生活を楽しめた!かもしれない。必要な勉強時間と合格の難易度、そしてキャリアへのインパクトを考えると、USCPAは本当にコスパの良い試験だと言える。
しかも、日本の公認会計士の場合は、他の受験者はほとんど学生のため、大学生であることが有利には働かない。USCPAであれば、多くの受験者が忙しい社会人なので、時間的に余裕のある学生がアドバンテージになる。
専門性がつき、就活の選択肢が広がる。国際的信頼性UP
大学生や新卒であるほど、USCPA取得によるキャリアの幅は広がりやすいと考える。
新卒の就職活動になると、他の候補者と比較できるものがほとんどなく、学歴やコミュニケーション能力で比較されがちだが、資格があれば、専門性やガクチカとしてUSCPAをあげることができる。
公認会計士の場合、ほとんどが監査法人に就職することになるが、USCPAであれば監査法人以外でも、コンサルティングや経理財務、経営企画、内部監査などとの親和性も強い。
資格の無い候補者と比べても、専門性の高い業種を狙いやすくなる。USCPAは新卒だけではなく、第二新卒の転職でも活かせるだろう。
また、USCPAは、一定程度の英語力の証明になるだけでなく、会計、経営、ITなどを総合的に学ぶことができる。
海外の監査法人や会計事務所では、USCPAをもった日本人が活躍しており、私自身もアメリカの監査法人で勤務をした経験がある。
その他にも、USCPAとしてオーストラリアやタイ、シンガポール、香港などで働く日本人の友人はたくさんいる。
事業会社に勤務する場合も、英語力に加えて、USCPAのような資格があれば、海外勤務のチャンスを掴みやすいと聞くこともある。
やはり、海外で管理職として駐在する際に、現地スタッフに信頼される資格は、簿記や日本の公認会計士ではなく、USCPAなのだと感じている。
私も、アメリカで働いていた際には、アメリカ人に「JCPAよりもUSCPAを信頼する」と言われたことがあり、国際的に地位の高いUSCPAを受験することにした経緯がある。
若いほどキャリアチェンジをしやすい
キャリアチェンジを真剣に考えている若手にとっては、USCPAはコスパの良い資格。
合格することで監査法人への転職へのパスポートになるだけでなく、前述した経理財務、経営企画、内部監査、コンサルなどへのキャリアチェンジのチャンスを掴みやすくなるだろう。
資格を取得するだけで、転職やキャリアチェンジが確約されるわけではないが、合格のための努力は自信につながるだけでなく、自分のやりたい仕事を見つけるためのきっかけになることは間違いない。
お勧めとしては、USCPA合格後はできるだけBig4の監査法人やコンサルを挟むと良い。
個人的な経験に基づいているが、Big4の職歴は特に海外で評価されるため、一度経験をしておくとその名前の恩恵を長いこと受けることができる。
投資を短期間で回収できる
次にUSCPA取得の費用を確認しておこう。
米国公認会計士試験を日本で受験するためには、一科目あたり7万円程度、4科目で最低28万円〜の受験費用の他、予備校代と合わせて100万円ほどかかることが一般的だ。
USCPAに、この100万円の投資価値はあるのだろうか?
私は、100万円の投資回収は簡単で、USCPAはキャリアに長期的に良い影響を与えてくれると考えている。
新卒で監査法人に就職したとして、初年度の年収は600万円程度。それに対して、日本の平均年収は400万円程度。普通に就職をするのに比べて1年で投資を回収したとは言えないだろうか?
また、USCPAは日本で監査法人に就職できないと勘違いしている人もいるが、USCPAでも監査業務は問題なく行うことができ、昨今は大手監査法人もUSCPAを積極的に採用をしている印象だ。
大学生でも受験できる?米国公認会計士の受験資格と必要単位
USCPAを受験するためには、受験資格を満たす必要があり、大学生うちに受験ができるの?という質問を受けることがある。
結論から言うと、大学在学中に合格をすることは可能だ。
受験資格は、一般的には❶4年生大学卒業 ❷ビジネス・会計単位数で構成され、受験をする州によって要件が異なってくる。
多くの州では、4年生大学卒業を求めているので、大学在学中は受験ができないが、大学生でも受験ができる州がいくつかある。
また、会計やビジネス単位数については、大学の専攻が会計などでない限り、足りない単位が出てくるため、USCPAの予備校を利用して単位を得ることが一般的。予備校を使うことで単位は簡単に取ることができるので安心しよう。
ここでは、大学生が早めに試験を受験できる州を紹介したい。
ニューヨーク州
- 総取得単位120単位
- 4つの指定科目単位を取得(12単位)
大学生に一番おすすめの受験州はニューヨーク州。受験自体は大学の卒業は不要のため、在学中から受験をすることができる。
一方で、取得単位数で120単位が必要のため、実際に受験ができるようになるのは、大学3年生か4年生であることが想定される。
例えば、大学2年生までに80単位取得していれば、予備校で+40単位を取得をすれば受験資格を得ることができる。
私の利用した予備校のアビタスでは、定額コースで最大57単位が取得できるため、大学1年で多めに単位を取っていれば、2年生の後半には120単位の要件を満たすことができるかもしれない。
また、受験だけでなく、将来のライセンス登録を考えてもニューヨーク州は便利になる。
ライセンス登録は、実務経験を積んでから、ハードルが低いワシントン州で行うことになるが、ニューヨーク州であれば合格実績の有効期限がないため、全科目合格後、いつまでにライセンスを登録しなければならないという縛りがない。
他の州で受験する場合、全科目合格後に3年以内にライセンス登録をしなければならないということもあり、その間に監査や会計関連の実務経験をしなければ合格実績が失効することがあるため、注意が必要になる。
グアム
- 4年制大学の学位又は総取得単位120以上
- 会計24単位
- ビジネス24単位
- 18ヶ月以内の見込み受験が可能
グアムの特徴は、見込み受験が可能のことだろう。18ヶ月以内に大学を卒業見込みであれば、単位数も不要で受験をすることができる。
そのため、3年生の春頃に、卒業が確実であればすぐに受験をすることができる。しかし、注意しなければならないのは、初回の受験をしてから18ヶ月以内に卒業をし、残りの単位数を全て満たさなければならないことだ。
早めに受験ができたとしても、単位取得に追われ、安心して受験科目の勉強ができないような感覚もある。
いずれにせよ、グアムの場合は、大学3年生からが受験対象。
普通にやっていれば大学2年生までに70-80単位程度は取得をしていることが想定されるため、先走ってグアムで受験を開始するのであれば、予備校で必要な単位数を満たした後にニューヨークで受験をした方が、一科目づつ落ち着いて勉強ができると考える。
ちなみに、グアムに関しては、実務経験がなくてもInactive Licenseという形でライセンス登録ができるのはメリットになる。Inactiveの場合は監査業務はできないため注意しよう。
アラスカ州
- 4年制大学の学位
- 会計15単位
大学生であれば、ニューヨークかグアムで受験をすることになるが、卒業間近、あるいは新卒であればアラスカ州も選択肢になるだろう。
学位+会計15単位で受験ができるようになるため、既に大学を卒業していれば、会計単位を取るだけで最短で受験資格を得られるはずだ。
私がUSCPAを受験した時には、すでに大学を卒業していたため、アラスカ州で受験をすることなった。
ライセンス登録まで見越すのであれば、アラスカ州の場合も全科目合格後3年以内に実務経験を積んで登録をすることが必要になる。
大学卒業後すぐに監査法人や経理・税務などに就職ができれば問題がないが、異なる部門になった場合は実務経験としてカウントされずに合格実績が失効してしまう可能性があることは覚えておこう。
モンタナ州
- 会計24単位
- (Financial Accounting・Auditing・Taxation・Management Accountingを含む)
- ビジネス24単位
大学1、2年生で早めに受験を開始したい場合はモンタナ州も選択肢になってくる。
モンタナ州での受験では、大学卒が必要ないため、高卒でも受験が可能(短大・専門も可)。
デメリットとしては、全科目合格後にワシントン州でライセンス登録をする場合に、1年以上かつ2,000時間以上の実務経験が必要になり、早めに実務経験を得なければ合格実績が失効してしまうことだ。
もちろん、モンタナ州で受験したとしても、ライセンス登録には4年生大学の学位も必要になる。
ライセンス登録まで考えた上でモンタナ州で受験する場合は、大学1年または2年から勉強を開始、2年生または3年生で初受験、3年生または4年生で全科目合格し卒業した後、すぐに監査法人などに就職して実務経験を積む必要がある。
受験州とライセンス登録州について
USCPAは、出願州とライセンス登録州という概念があり、出願州とライセンスを登録する州は一致している必要はない。
出願する州やライセンス登録州は、就活には全く影響しないと考えよう。
日本人の受験者の場合は、一番受けやすい州で出願して受験をし、全科目合格後にワシントン州でライセンス登録をすることが一般的。
ワシントン州は認められる実務経験の範囲が広く、直接の上長以外のUSCPA保有者でも実務経験の証明ができるため、ライセンス登録のハードルが低いのだ。
ワシントン以外の州は、アメリカ在住や直属の上長であるUSCPA保有者による実務経験の証明が必要となる場合が多く、日本在住でライセンス登録することが難しい場合が多い。
グアムは実務経験がなくてもInactiveという形でライセンス登録をすることが可能だが、個人的にはInactiveがつかないワシントンでライセンス登録をすることがおすすめだ。
大学生におすすめのUSCPA予備校は?
USCPAの受験には、基本的には専門予備校を使う必要がある。有名な予備校は、アビタス、TAC、プロアクティブ、大原の4つだ。
大学生であれば、コスト意識が高いと思うので、一番安いプロアクティブが気になるとは思うが、私のおすすめはアビタスだ。
なぜなら、安かろう悪かろうで、プロアクティブは教材のクオリティに難があるのと、テキストは全て英語のため、高い英語力が必要になるからだ。
アビタスの良いところは、日本語で勉強ができるところ。私はMBA留学を経験したため、英語を読むことに苦労はしなかったが、理解のスピードは日本語で読んだほうが格段に速くなる。
また、受験資格についても、オンラインで必要単位を迅速に取得することができるので、受験までの期間を短くすることができた。
最後に、アビタスは業界No.1の合格実績を持っており、4つの予備校で唯一合格人数を公開している。
USCPAは受験費用が非常に高く、各科目一回の受験で確実に合格をしたかったため、アビタスを選ぶこととした。(結果として、私は働きながら全科目を一発で合格をすることができた。)
私が利用したアビタスの詳細はこちらをチェックしよう。
また、アビタスであれば、私から紹介することで以下の特典が得られる。
- 模擬試験1セット無料追加(約24,000円相当)
入会者全員に1セットついている模擬試験だが、紹介の特典として、
※科目は、必須科目のFAR/AUD/
- USCPA用語集無料付与
通常の入会者にはついていない用語集を無料で付与。会計や監査に関する専門用語を瞬時に検索し、
※関連科目の表示は旧試験制度に準拠だが、
アビタスの模試は非常にクオリティが高く、これが無料で1セット追加されるのは非常に心強い。
また、用語集についても会計初学者や英語初心者は重宝するだろう。
通常の入会だと手に入れられない特典のため、アビタスに決めた際には必ず利用しよう!
また、USCPA予備校比較で各スクールの詳細を比較しているので、気になる方は読んでみよう。
終わりに
いかがだっただろうか?
USCPAは簿記や公認会計士と比較してコスパの良い資格のため、大学生で時間のあるうちにぜひチャレンジしてみてほしい。
必ず、将来のキャリア構築の役に立つことだろう。
専門性をつけ、グローバルに活躍するための1歩を踏み出してみよう!
このブログが動画になりました!ご視聴よろしくお願いいたします!
こんにちは。
JとUS両方のCPA合格者です。一応アメリカで働いています。今いろいろあり帰国してますが。
JCPAは歴史も長いので情報が多く、難易度も(いくぶん盛られているものの)よく伝わってますけど、USCPAはちょいと、難易度と価値については不正確な情報が多いように感じます。
予備校やブログは「誰でも受かる」的な広告が多いので、ちょいと良くないと思ってます。
まず私はJから合格しました。簿記1級は大学3年で取って、そこから就職浪人までして受かるまでは地獄の思い出でしたが・・・USも結構大変でしたね。米国の税や法律(REG)とかかなりきついですよね。
同僚観てて、USから入られた人は英語がかなりできる人が多いですし高学歴が多く、地頭がいいんだろうなという人が多いです。1年以内で受かったという方は、すでに会計士、仕事辞めて専念、MBAなどをお持ちの方です。働きながらだと2年で受かれば優秀だと思います。
USで経験者に簡単なのは、FARとBECの仕訳や限界計算の部分。これは簿記2級ぐらいでしょう。
誰が言ったか、「簿記1.5級×4科目を英語で受かる」ってのが目安、これは本当にぴったりですね。
なので、すでにバックグラウンドがある方の「私も受かったがんばろう」はかなり割り引いて考えてちょうどよいと私は思ってます。
もし、全く会計資格もなく英語もできないなら止めたほうがいい。
その前に簿記2級、できれば1級やってから(最悪受からなくても60点取れるぐらいい勉強)のほうがいいと言います。1級はこの世界で生きていく覚悟があり、USやるぐらいの気概があるなら1年で受かると思います。