海外留学や海外MBAを目指すうえで重要なのは学校選び。
しかし、海外の学校を選ぶうえで、一つ大変なのは情報集めである。日本語の情報も少なく、イベントや学校説明会も気づいたら終わっていることも多い。
これは、そんな学校を選ぶうえで役に立つであろう情報、サイトを、学校ごとにまとめていくシリーズ第38段。今日は、南カリフォルニア大学MBA。
WEBページを行ったり来たりする手間や、有用な情報を探す手間が省け、本来やらなければならないことに時間が使えるようになれば幸いだ。
また、ここのページに漏れており、役に立つ情報があれば、ドシドシコメント欄に共有してほしい。
目次
南カリフォルニア大学MBA (USC Marshall) の概要
USC Marshallの基本情報
基本情報
- 正式名称:USC Marshall School of Business
- 公式HP:https://www.marshall.usc.edu/
- 所在地: 3670 Trousdale Parkway Los Angeles, California 90089
- プログラム:フルタイムMBA(2年)、パートタイムMBA(3年)、エグゼクティブMBA(2年)、国際教育及びリサーチ(IBEAR) MBA(1年)、オンラインMBA (2年)
特徴
南カリフォルニア大学(USC)は、カリフォルニア州ロサンゼルスの中心部にある全米トップクラスの私立の研究型大学です。 そのUSCのビジネススクールは、USC マーシャル・スクール・オブ・ビジネス (USC Marshall School of Business)です。
USCの経営大学院は、3500万ドルの寄付をしたUSCの卒業生で、事業家また慈善家であるゴードン・マーシャル氏に因んで、USC マーシャル・スクール・オブ・ビジネスに改名されました。
USC Marshallは、ハリウッドに近い立地から、エンターテイメントやゲームビジネスとの関係が強いのが特徴です。
そして、起業という言葉が広くまだ浸透していなかった1972年にアメリカで最初に起業プログラムを設立した、起業に強いビジネススクールであることでも知られています。
また、USC Marshalのフルタイム MBAプログラムは、全体的にSTEM認定を受けていることも大きな特徴です。
STEM認定プログラムの学位を取得して卒業した留学生は、STEM OPT制度により、STEM適格のポジションでMBA卒業後に3年間の実習ビザがもらえるという大きな特典があります。(通常OPTビザは1年。)
USC Marshallが提供するMBAプログラム
USC Marshallには、フルタイムのMBAの他に、パートタイムMBA、エグゼクティブMBA、国際教育及びリサーチ(IBEAR) MBA、そしてオンラインMBAがあります。
- フルタイムMBA: 8月始まりの2年(24ヶ月)
- パートタイムMBA: 8月始まりの3年(33ヶ月)
- エグゼクティブMBA: 8月始まりの2年(22ヶ月)、中堅プロフェッショナル用のハイブリッド型(オンラインと通学)
- 国際教育及びリサーチ (IBEAR) MBA: 6月始まりの1年(12ヶ月)、中堅プロフェッショナル用
- オンラインMBA: 12月始まりの2年(21ヶ月)
学費とクラスプロファイル
USC MarshallのフルタイムMBAの概要は下記のとおりです。
学費
- プログラム期間:2年
- 学費: 2年の総額 USD152,526 (1年目:USD79,893、2年目:USD72,633)
クラスプロファイル
- 学生数(フルタイムMBA):199人
- 女性比率:35%
- 留学生比率:41%
就職状況・平均給料
- 卒業後の平均的な初任給:USD181,308
- 卒業後3ヶ月雇用率:86%
USC MarshallのMBA世界ランキング
QSグローバルMBA及びファナンシャルタイムズのランキングで以下のようになっています。
- 37位(世界)
- 15位(米国)
- 33位 (世界)
- 17位(米国)
フルタイムMBAカリキュラム
必須科目
5学期間にわたって14科目を履修します。
- 経営のためのミクロ経済学
- 競争戦略の現代的課題
- 専門的価値の基盤
- マネジメントのためのコミュニケーション
- 会計概念と財務報告
- ビジネスのためのデータ科学
- 非構造化問題に対する構造化分析
- コーポレートファイナンス
- マーケティングマネジメント
- オペレーションマネジメント
- 組織行動とリーダーシップ
- 問題解決と意思決定:統合アプローチ選択科目(コンサルティング・プロジェクト)
- グローバル競争戦略における現代的課題
- グローバルビジネス: PRIME(海外研修)
《参照:フルタイムMBAプログラム &サンプルカリキュラム》
選択科目
100近くの選択科目があります。選択科目は、1年生の春学期から7.5単位を取ることができ、2年生には自分のキャリア目標に合わせて30単位取ることができます。
人気のある選択科目は、交渉と意思決定、CFOの観点での戦略とオペレーションです。
《参照:クラススケジュール》
南カリフォルニア大学MBA (USC Marshall)に留学する理由
起業に強い
USC Marshalは、1972年にアメリカで最初に起業プログラムを設立した、歴史のある起業に強いビジネススクールです。
起業経験のある教授や、ベンチャーキャピタル出身の教授がいるので、ビジネス戦略立案から資金調達まで包括的な授業を受けることができます。
日本の経済産業省の2002年度アントレプレナーシップ育成プログラムの受け入れ校に選出されています。
エンターテイメント業界に強い
USC Marshalは、ハリウッドに近い立地から、エンターテイメントや、音楽、ゲーム関連の企業と繋がりが強いことで知られています。ハリウッドの資金調達などの知識を得ることもできます。
そのため卒業後に、映画やテレビ業界関連、コンサルや投資銀行で働く学生も多く在籍しています。
卒業生の進路は以下の通りです。
- コンサルティング:28%
- テクノロジー:24%
- 金融サービス;17%
- エンターテイメント・ゲーム:10%
カリフォルニアのロサンゼルスという立地
USC Marshalは気候が温暖で海岸に近い南カリフォルニアのロサンゼルスにあります。
ロサンゼルスの中心街にキャンパスを構えているので、外部のスピーカーを招待したり、同窓会イベントの開催など催しやすい環境にあります。
また、キャンパスでの採用イベントには、多くの有名な会社が訪れることでも知られています。ゴールドマンサックス、メリルリンチ、モルガンスタンレー、フィデリティー、マッキンゼー、BCG、P&Gなど、多くの企業が訪れ、説明会と面接が行われます。
そしてなんといってもカリフォルニア生活が楽しめることが大きな魅力です。ドジャースタジアム(ドジャース本拠地)やステープルセンター(レイカーズ本拠地)へのアクセスに優れているほか、西部にはサンタモニカなどビーチ、また美術館や博物館などの文化施設も充実しています。
必須の海外研修があり、グローバルビジネスに力を入れている
USC MarshalはアメリカのMBAの中では、特にグローバルビジネスに力を入れているビジネススクールです。
USC Marshalは、必須科目の1つとして、海外研修プログラムであるPRIMEプログラムを掲げています。
PRIME は、海外での体験型プログラムで、現場視察、工場見学、企業担当者との討論などを通じて、最新のビジネス情勢を学ぶことができます。
そして多国籍企業、国内企業、政府機関と連携して、経済問題や社会問題に対する提案や解決策を策定します。(コンサルティングプロジェクト)
元々PRIME プログラムは、Pacific Rim Education Program(環太平洋教育プログラム)の略でしたが、現在はヨーロッパのドイツやイギリスでの研修も選択に含まれています。
2024年のPRIME先は、以下の通りでした。自分のキャリア目標によって1つを選択します。
- ドイツ: グローバルキャピタル市場
- 日本: マーケティングと商品開発
- 日本: グリーバルビジネス
- シンガポール: AIによる適応型ソリューションの構築
- シンガポール&タイ: グローバルビジネス
- 韓国&香港: グローバルメディアとエンタメ業界ダイナミックス
- 英国: テクノロジー、ヴァーチャルリアリティー、消費などの特別な経験
トロイ(Trojan)と呼ばれる卒業生ネットワークが非常に強い
USC Marshalには、トロイ(Trojan)と呼ばれる450,000 人を超える USC 卒業生のグローバルなネットワークがあります。
USC Marshalの中には、メンタープログラムがあり、MBA の学生と卒業生を結び付け、学生が十分な情報に基づいてキャリアを決定できるよう支援しています。
メンターはさまざまな職種や業界の経験豊富な USC Marshalの卒業生です。このネットワークを通じて、就職に役立つ幅広いビジネスコネクションを築くことができます。
USC Marshallの偏差値は?出願の難易度や入学条件
海外の大学には、偏差値とという概念がないため、出願の難易度は出願の要件から判断することになります。
MBAの難易度と出願要件
USC Marshallへの出願で必要なものは以下の通りです。これはほとんどのMBA留学準備では同様になります。
このように、海外のMBA進学の難易度は、英語力や学力の証明など各種スコアの準備やエッセイ、インタビューなどの準備がハードルとなってきます。
USC Marshallでは、英語試験の最低要件がIELTS6.5/TOEFL90になっており、比較的難易度は優しい方になっております。
- 学士学位
- 大学成績書
- 履歴書(最低2年の職務経験)
- エッセイ
- 推薦状2通
- GMAT / GRE
- TOEFL / IELTS
- インタビュー
《参照:フルタイムMBA入学情報》
- GPA平均:5 (3.09-3.87)
- GMAT平均:722 (681-760)
- 最低語学要件:英語力:IELT: 6.5(各セクション6以上)、TOEFLiBT: 90(各セクション20以上)
出願準備はTOEFL/IELTS対策から
学費と奨学金
学費 (2024年度)
- フルタイム MBA学費: USD 152,526 (2年)
- パートタイムMBA学費: USD 145,341 (63単位の計算)
- エグゼキュティブMBA:USD 180,000 (22ヶ月)
- 国際教育及びリサーチ(IBEAR) MBA: USD139,222 (1年)
- オンラインMBA: USD125,771 (21ヶ月)
奨学金と助成金
USC Marshalには、学校から支給される奨学金があります。
入学許可を受けたすべての応募者は、成績に基づく奨学金の対象となり、入学時に奨学金の決定が通知されます。この奨学金授与には、別途申請手続きをする必要はありません。
出願の流れと出願期限
出願の流れは、英語試験等をクリアし関連書類の準備→出願→面接→合否となる。
出願締切日は例年3回に分かれており、今年のスケジュールは以下の通り。
締切日 | 決定日 | その他 | |
第1ラウンド | 2024年10月1日 | 2024年12月15日 | 奨学金のプライオリティー対象 |
第2ラウンド | 2025年1月10日 | 2025年4月18日 | 奨学金のプライオリティー対象 |
第3ラウンド | 2025年4月15日 | 2025年6月15日 |
スケジュールは毎年変わるため、入学方法の詳細は公式HPから確認しておこう。
南カリフォルニア大学MBA日本人向けの情報
日本人向けサイト
日本人サイトはありません
日本人留学ブログ一覧
- Los Angeles MBA diary (Class of 2018)
- ロサンゼルスMBA留学記 (Class of 2015)
- Mr.Kの人生の旅日記 (Class of 2012)
- ラブレア@ロサンゼルス (Class of 2006)
- No surf no life (Class of 2006)
学校説明会・イベント情報
https://www.marshall.usc.edu/news-events/usc-marshall-events
まとめ
USC Marshalは、留学生に人気のカリフォルニア州ロサンゼルスで取得できるMBAです。ロサンゼルスらしくエンタメ業界に強く、また起業に強いMBAということが特徴的です。
そしてSTEM認定プログラムであり、オンキャンパスリクルートに優良企業がおとずれるため、留学生でも卒業後にアメリカで働くことができる可能性も高い学校です。
人気のあるビジネススクールのため、GMATの平均スコアは722と高めですが、英語の出願基準数値は、IELTSは6.5、TOEFLiBTは90と低めとなっていて留学生を考慮したビジネススクールといえます。
USC Marshallの情報をまとめていただき、ありがとうございます。
卒業生のものです。
日本人向けのホームページがありますので、ぜひ以下のリンクを記載いただけますと幸いです。
Keiさん
情報提供ありがとう!早速リンクを記事に追加したよ!