世界で初めてとなる授業料が無料のオンライン大学としてその名を広めている「ピープル大学(University of the People: UoPeople)」
ピープル大学の制度やシステム、カリキュラム、学生へのサポートなどは、オンライン学習の効果と強みを活用する前提でデザイン。
自宅学習をメインとし、多忙な社会人でも計画的に学業を継続しながら学位取得を目指すことができます。
こちらの記事では、そんな「ピープル大学」について深堀りしながらご紹介。
アメリカだけでなく海外留学を検討している方、留学はしたいけどなかなか踏み出せないでいる方にも注目していただきたい情報をまとめていきます。
この記事の筆者:Antieやや
タイ在住。語学力を生かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、現在イギリスの大学で心理学とマーケティングを学ぶ息子あり。
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。
目次
ピープル大学はどんな大学?
ピープル大学のビジョンと使命
ピープル大学は、世界初となる授業料が無料のオンライン大学。2009年にイスラエル人起業家のシャイ・レシェフ氏(Shai Reshef)により設立されたアメリカの非営利の高等教育機関です。
レシェフ氏は高等教育は基本的人権であると考えており、高等教育へのアクセスをグローバルに開放。
経済的、国の事情などの政治的問題、家庭の事情による個人的理由により進学が難しいなど多様なバックグランドを持つ学生にも、最小限のコストで質の高いオンラインの学位授与教育プログラムを提供することを使命としています。
学生数は?
世界で初の授業料が無料のオンライン大学とあって、場所や環境に関わらず多くの学生が集まるピープル大学。
2022年10月現在、世界200ヶ国以上から12,600人以上の学生が学んでいます。
参照元: University of the People Data
ピープル大学について知っておきたいこと
日本ではまだあまり認知されていないオンライン大学「ピープル大学」。学費が無料と聞いてその質はどのようなものかと気になる方も多いと思います。
ここからは、ピープル大学についての詳細を具体的に解説。ピープル大学がどのような大学なのかを理解をした上で進学を検討しましょう。
学費が無料って本当?
「学費が無料」とは、他の大学とは異なりピープル大学が学生にコースの授業料を請求しないことを意味します。また登録費、テキスト代なども無料で提供。
独自のオンラインモデルにより全体のコスト削減を行い、高等教育のための持続可能な新しい学びのモデルを構築しています。
ピープル大学の授業料は無料ですが、大学の継続的な運営を補うために入学時の申請料に60ドル、1コース終了毎に評価料(学部課程では120ドル、大学院課程では240ドル※2021年3月現在)を支払います。
学士号(4年制)の取得には40単位(コース)を履修することが必要となるため、卒業するまでにかかる費用は4,860ドル、日本円で約52万円(2021年3月時点のレートで換算)となります。
しかしピープル大学ではこれら費用を一括して支払う必要はなく、各コースの試験期間終了時までに各評価料を請求。誰もが持続して教育を受けられるようサポートしています。
その他に必要となる費用が「試験監督費」となります。ピープル大学は完全にオンラインの大学のため行われる試験も当然オンライン。
試験監督が必須となるコースでは試験を受ける学生本人がオフライン、またはオンライン試験監督を選定する必要があります。
オフライン試験監督となるための条件は決まっており無料となりますが、条件に合う試験監督が見つからない場合にはオンライン試験監督を「proctoru」というオンラインサービスを通じて選定。
proctoruの利用は有料となり15分から60分の試験は14ドル、60分以上の試験では17.50ドルの費用がかかります。費用についての詳しい情報はピープル大学公式ホームページ内、Our Feeをご覧ください。
奨学金制度は?
誰もが教育を受ける権利があり経済的制約のために誰も取り残されるべきなはない、という信念のもと、ピープル大学ではさまざまな奨学金制度を用意。
利用可能の奨学金制度はこちらで確認することができます。
認定された大学である
アメリカでは、さまざまな認定機関により教育機関またはプログラムの質をレビュー。認定基準に満たされていることを証明、また教育の質を保証するために行われています。
アメリカには非認定の大学が多く存在していることが知られていますが、非認定の大学の実態はさまざまであり、学位をビジネスとして利用する組織も多く存在。
しかし政府公認の認定機関に認定されていない大学を卒業しても、学士、修士、博士といった学位は公に通用しないこともあるため注意が必要です。
オンラインの授業を開校している大学がきちんと認定されていることは、その大学で履修した科目が卒業単位として認められるための最低条件となるため、その大学が認定されているかをあらかじめ確認しておくことが大切です。
ピープル大学は、米国教育省によって認定機関としてリストされるDistance Education Accrediting Commission : DEAC (遠隔教育認定委員会)によりオンライン大学として認定。
Council for Higher Education Accreditation : CHEA(高等教育認定評議会)にも承認され、これらからの定期的な評価結果と外部レビューを通じて継続的に高い学術水準を維持しています。
世界中どこからでも登録可能
参照元:University of the People Fact Sheet
ピープル大学では、およそ200の国と地域からの学生が学んでいます。完全オンラインのため、入学要件を満たしていればどこからでも登録が可能。
以下はピープル大学の入学要件となります。
学部課程
- 16歳以上であること
- 高校卒業を証明できる
- 英語能力証明書
修士課程
- 学士取得を証明できる
- 最低2年間の実務経験
- 英語能力証明書
- 1通の推薦状
難易度レベル
入学要件を満たしていれば登録が可能となるピープル大学。
しかし本科生として学位取得を目指すためには、基礎コースの履修が必要となります。(基礎コースについての詳細は後述)
入学は比較的に容易ともいえますが、卒業するためには、各学部/学科が定める履修規定に従い単位を取得し、一定の成績を収める必要があります。
さらに本科生として在籍するための規定が細かく定められているため、これら要件をあらかじめ理解しておくことが必要です。
学士課程の要件はUndergraduate Academic Degree Requirements、修士課程はGraduate Academic Degree Requirements をご参照ください。
編入はできる?
ピープル大学は世界のいくつかの大学と提携。他の大学への編入(トランスファー)を希望する場合にはピープル大学で取得した単位の移行も可能。
また提携大学のプログラムを履修することにより、ピープル大学での学士取得という市場価値を高めることができます。
提携大学には以下の大学が含まれます。
編入の際には大学、学科、専攻により単位認定の細かい規定がありますが、一般的に他の大学への編入を希望する際にはよい成績(GPA)をキープすることがとても重要となります。
また、ピープル大学で取得した単位の移行を受け付けるかどうかは、受け入れる側の大学次第。まずは希望する各大学へ問い合わせ、確認することが必要です。
ピープル大学で選択できる学部は?
ピープル大学には現在4つの学部があり、学部によりAssociate’s Degree(準学士)、Bachlor’s Degree(学士)、Master’s Degree: MBA(修士)、いずれかの課程を選択することができます。
学位を取得するためには、ピープル大学でのプログラムを開始した時点で、自分が選択した学部カタログに記載されている学位取得要件を理解し、その条件を満たす責任があります。
取得できる学位
2020ー2021年度の準学士/学士号のコースカタログはこちら、修士号のコースカタログはこちらで確認することができます。
ここからは各学部で取得できる学士号または修士号についての詳細をみていきましょう。
Business Administration(経営学):学士課程
プログラム概要
ピープル大学での経営学の学士号取得のためのオンラインプログラムでは、戦略的問題解決力、リーダーシップ、ビジネスにおける意思決定と分析力などに焦点を当て、企業目標の形成と達成のプロセスにおいて必要となる包括的な知識を提供。
会社などの企業組織の内外において発生するさまざまな課題を「管理」という職能によりいかに解決していくかを学びます。
カリキュラム
カリキュラムは、幅広い教養と総合的な判断力を育成する一般教養必修科目、経営の理解を目的とする専門科目、そして選択科目(Electives)とに大別されます。
なお1科目につき3クレジット(単位)を得ることができます。
◆ 一般教養必修科目(18科目)
- Online Education Strategies
- English Composition 1
- English Composition 2
- Business English
- College Algebra
- Calculus
- Introduction to Economics
- Introduction to Statistics
- Statistical Inference
- Introduction to Environmental Sciences
- Discrete Mathematics
- Art History
- Introduction to Philosophy
- Introduction to Sociology
- Introduction to Psychology
- Globalization
- Ethics and Social Responsibility
- Greek and Roman Civilization
◆ 専門科目(16科目)
- Principles of Business Management
- Basic Accounting
- Microeconomics
- Macroeconomics
- Business Communications
- Principles of Marketing (proctored course)
- E-Commerce (proctored course)
- Principles of Finance 1
- Multinational Management
- Entrepreneurship 1 (proctored course)
- Business Law and Ethics (proctored course)
- Business and Society (proctored course)
- Organizational Behavior (proctored course)
- Business Policy and Strategy (proctored course)
- Leadership (proctored course)
- Quality Management
◆ 選択科目(7科目)
- Personal Finance
- Financial Accounting
- Consumer Behavior
- Managerial Accounting
- Entrepreneurship 2
- Principles of Finance 2
- Strategic Management
学士号取得要件
- 卒業要件科目の単位(一般教養必修科目を含む)を120以上取得
- 全履修科目の平均を算出した累積GPAが2.0以上
- 専門科目で履修した全てのコースの平均GPAが2.0以上
- 50学期以内で学士取得要件全てを完了する※
- 11の監督付き試験を受ける
※ ピープル大学(学士課程)の学年度(2020-2021)は9月3日から8月18日までです。学年度には5つの学期があり各学期の長さは10週間です。
経営学、学士課程についての詳しい情報はUndergraduate Calalogにてご確認ください。
Business Administration(経営学):修士課程(MBA)
プログラム概要
ピープル大学での経営学修士号(MBA)では、経営に必要な知識と技術を体系的に学ぶことができます。
またこれらを単なる座学として学ぶだけではなく、現場で通用する実践力を身につけることを主眼としており、ビジネスやコミュニティーなどにおけるリーダーシップ育成のスキルへの実践的なアプローチを提供しています。
カリキュラム
ビジネスパーソンにとって欠かせない財務会計、マーケティング、経営情報システム、戦略的意思決定と監理といった科目を中心に構成されており、専門的な分野を深く掘り下げ、プロフェッショナルなスキル、身に付けることができます。
MBAのカリキュラムは、ビジネスにおける理論、原則、概念など経営管理の分野を包括的に学ぶコア科目、選択科目(Electives)、プロジェクト(Capstone Project)の3つで構成されています。
なお1科目につき3クレジット(単位)を得ることができます。
◆ コア科目(8科目)
- Managerial Accounting
- Marketing Management
- Financial Management
- Organizational Theory and Behavior
- Management Information Systems and Technology
- Business Law, Ethics and Social Responsibility
- Operations Management
- Strategic Decision Making and Management
◆ 選択科目(4科目)
- Managing in the Global Economy
- Learning in Today’s Dynamic Contexts
- Human Resource Management
- Managing Projects and Programs
プロジェクト
Capstone Projectとは卒業プロジェクトこと。MBAコース学びの総仕上げとして、卒業論文・卒業制作に取り組みます。
修士号取得要件
- 卒業要件科目の単位を36以上取得
- 全履修科目の平均を算出した累積GPAが2.5以上
- コア科目で履修する全ての科目(8科目)の平均GPAが2.0以上
- 選択科目で履修する4科目のうち3科目以上がGPA2.0以上
- プロジェクトで3.0以上のグレードを取得
- 25学期以内で修士号取得要件全てを完了する
経営学、修士課程についての詳しい情報はGraduate Catalogにてご確認ください。
Computer Science(コンピューターサイエンス):学士課程
プログラム概要
さまざまなオペレーションシステムの設計、開発、テスト、および文書化に関する包括的な理解、データベース管理、プログラミング言語、コンピューターの論理、プライバシー、セキュリティーに関する知識などを含む、コンピューターサイエンスの分野に関連する深い知識と分析スキルを習得。
幅広いキャリアパスへの扉を開くコンピューターサイエンスの学士号を取得することができます。
カリキュラム
カリキュラムは、コンピューターサイエンスに関連する幅広いトピックを網羅できるようバランスよく構成。
一般教養科必修科目、専門科目、そして選択科目(Electives)とに大別されます。なお1科目につき3クレジット(単位)を得ることができます。
◆ 一般教養必修科目(18科目)
◆ コンピューターサイエンス学部必修科目(2科目)
- Programming Fundamentals
- Programming 1
◆ 専門科目(15科目)
- Programming 2
- Computer Systems
- Databases 1
- Communications and Networking
- Web Programming 1 (proctored course)
- Operation Systems1 (proctored course)
- Software Engineering 1
- Date Structures (proctored course)
- Web Programming 2 (proctored course)
- Databases 2 (proctored course)
- Operation Systems 2 (proctored course)
- Comparative Programming Languages (proctored course)
- Data mining and Machine Learning (proctored course)
- Discrete Mathematics
- Calculus
◆ 選択科目(7科目)
- Analysis of Algorithms
- Information Retrieval
- Software Engineering 2
- Advanced Networking and date Security
- Mobil Applications
- Computer Graphics
- Artificial Intelligence
学士号取得要件
- 卒業要件科目の単位(一般教養必修科目を含む)を120以上取得
- 全履修科目の平均を算出した累積GPAが2.0以上
- 専門科目で履修した全てのコースの平均GPAが2.0以上
- 50学期以内で学士取得要件全てを完了する※
- 11の監督付き試験を受ける
コンピューターサイエンス、学士課程の詳しい情報はUndergraduate Catalogにてご確認ください。
Health Science(健康科学):学士課程
プログラム概要
ピープル大学の健康科学では、人間の健康増進とその維持のための理論や方法論について科学的な視点から学びます。
学びの領域は、公衆衛生、医療、生命倫理、栄養学、解剖学、心理学など健康維持に関わる広範囲な基礎分野のほか、医療システムがどのように機能するかなどについても学びます。
カリキュラム
カリキュラムは、健康科学に関連する幅広いトピックを網羅できるようバランスよく構成され、一般教養科目、専門科目、そして選択科目(Electives)とに大別。
さらにインターンシップ実習での単位取得が必要となります。なお1科目につき3クレジット(単位)を得ることができます。
◆ 一般教養必修科目(18科目)
◆ 健康科学必修科目(3科目)
- Biology 1 for Health Studies Majors
- Introduction to Health Psychology
- Introduction to Sociology
◆ 専門科目(12科目)
- Biology 2 for Health Studies Majors
- Human Anatomy & Physiology (proctored course)
- Infectious Diseases
- Nutrition
- Health Science 1 (proctored course)
- Health Science 2
- Epidemiology (proctored course)
- Human Development in a Global Perspective (proctored course)
- Genetics (proctored course)
- Psychopathology and Mental Health (proctored course)
- Biostatistics (proctored course)
- Health Policy and Management (proctored course)
◆ 実習科目
- インターンシップ(6単位)
◆ 選択科目(4科目)
- Human Disease
- Health Systems and Structures
- Community Health
- Bioethics
学士号取得要件
- 39科目以上、卒業要件科目の単位(一般教養必修科目を含む)122以上を取得
- 全履修科目の平均を算出した累積GPAが2.0以上
- 専門科目で履修した全てのコースの平均GPAが2.0以上
- 50学期以内で学士取得要件全てを完了する※
- 11の監督付き試験を受ける
健康科学、学士課程の詳しい情報はUndergraduate Catalogにてご確認ください。
Master of Education, M.Ed.(教育学):教職修士課程
プログラム概要
ピープル大学のオンラインM.Ed.は、教育活動の質を高める実践的問題解決能力を持った教員の育成、また高度の専門的な能力および優れた資質を有する教員の育成を目的。
スキルの高い教員の育成のため、国際バカロレア(IB)と提携しプログラムをスタートしました。
カリキュラムはIBのアプローチを反映しているため、IBの教育学に精通した教員の採用を検討している学校へのニーズにも対応しています。
カリキュラム
人間学習理論、行動管理を含む学際的なアプローチを通じて、専門職として理論と実践の往還により確かな能力として定着させ、学校教育に関わる課題に学校内、地域と協働しながら取り組み、責任感と意欲を持った人材育成のためのカリキュラムを提供しています。
カリキュラムは、コア科目、専門分野科目、専門選択科目、プロジェクト(Capstone Project)の3つで構成。
なお、専門分野科目を選択する際には、小学校/中学校教育、または高等学校教育のいずれかに特化することを選択する必要があり、それにより単位取得のための科目が異なります。なお1科目につき3クレジット(単位)を得ることができます。
◆ コア科目(8科目)
- Leaning Theory and Implications for Instruction
- Curriculum Design and Instructional Decision Making
- Creating Positive Classroom Environments
- Understanding Barriers to Learning
- Assessment and Evaluation
- Teaching for Diverse and Inclusive Classrooms
- Living and Learning Globally
- Education in Context: History, Philosophy and Sociology
◆ 小学校/中学校教育 専門分野科目(2科目)
- Child Development
- Instrument Techniques for the Elementary and Middle School Classroom
選択専門分野科目 (1科目選択)
- Advanced Practices for Teaching Elemental and Middle School Literacy
- Practices for Teaching the STEM Fields at the Elementary and Middle School Levels
◆ 高等学校教育 専門分野科目(2科目)
- Adolescent Development
- Instructional Techniques for the Secondary School Classroom
選択専門分野科目(1科目選択)
- Advanced Practices for Teaching Literature and Writing at the Secondary Levels
- Advanced Practices for Teaching the STEM Fields at the Secondary Levels
◆ プロジェクト
Capstone Projectとは卒業プロジェクトこと。学びの総仕上げとして、卒業論文・卒業制作に取り組みます。
教職修士号取得要件
- 卒業要件科目の単位を39以上取得
- 全履修科目の平均を算出した累積GPAが2.5以上
- コア科目で履修する全ての科目(9科目)の平均GPAが2.0以上
- 選択科目で履修する科目のうち3科目以上のGPAが2.0以上
- プロジェクトで3.0以上のグレードを取得
- 25学期以内で修士号取得要件全てを完了する
教職修士号課程についての詳しい情報はGraduate Catalogにてご確認ください。
ピープル大学への入学プロセス
ピープル大学への出願はシンプル。出願だけでなく、受験料決済、合否紹介、入学手続きなど全てオンライン上で行います。
また入学試験は実施しておらず、SATやACT、GMAT(修士課程)などのテストスコアの提出も必要ありません。
オンライン出願についての詳細は、How to Complete the Online Applicationを参考にしてください。
ここからは入学のためのステップ、要件などを詳しく解説していきます。
入学ステップ
ピープル大学では、学士・修士号を取得するために「2ステップシステム」を採用。 学位プログラムに受け入れられるためには、学生はFoundations(基礎)コースを履修する必要があります。
このコースでは、専攻する学科の論理や基礎知識などを学び理解を深めたり、オンライン授業がどういうものであるか、また自分に合った勉強スタイルであるかを再確認するなど、その後の授業を問題なく履修でき学位取得に必要なスキルを身に付けるように設計されています。
ステップ1 Foundations(基礎コース) :学士課程
学士課程(16才以上)
- オンライン申請書を提出
- 申請料を支払う(6ドル)
- 英語能力証明書を提出※
※ 学士課程で必要となる英語能力は、TOEFL (iBT) 61、IELTS 6.0となっています。
これらを提出後に問題がない場合には5科目までの基礎コースを履修することができます。
まずは大学が設定した基礎コースでの2科目を履修。その後に希望する学部に関連した科目、3科目を選択することができます。
なお、学部により必修となる科目があるため、選択する科目は各学部サイトにてご確認ください。
大学設定基礎コース科目(2科目)
① Online Education Strategy
② 学部に関連した科目を選択
- Principles of Business Management
- Programming Fundamentals
- Introduction to Human Psychology
基礎コース科目(3科目)
- Art History
- Biology 1 for Health Studies Majors
- Introduction to Biology
- Basic Account
- Microeconomics
- Macroeconomics
- Programming 1
- Introduction to Economics
- English Composition 2
- World Literature
- Introduction to Environmental Sciences
- Greek and Roman Civilization
- College Algebra
- Introduction to Statistics
- Globalization
- Introduction to Psychology
- Introduction to Sociology
ステップ1 Foundations(基礎コース) :修士課程
修士課程
- オンライン申請書を提出
- 申請料を支払う(6ドル)
- 英語能力証明書を提出※
※ 修士課程で必要となる英語能力は、TOEFL (iBT) 71、IELTS 6.5となっています。
これらを提出後に問題がない場合には4科目までの基礎コースを履修することができます。
まずは、大学側が選択する希望する関連学部基礎コースでの3科目を履修。その後に以下のリストから1科目を選択することができます。
なお、学部により必修となる科目があるため、選択する科目は各学部サイトにてご確認ください。
大学が選択する基礎コース科目(3科目)
基礎コース科目(1科目)
- Managerial Accounting
- Financial management
- Marketing Management
- Organization Theory & Behavior
- Business Law, Ethics & Social Responsibility
- Operation Management
- Managing in the Global Economy
- Education in Context
- Learning Theory
- Curriculum Design
- Creating Positive Classroom Environments
ステップ2 Degree Seeking Student: DSS(学位取得コース)
大学が設定した基礎コースにて一定の成績を修め、必要書類を送信することで希望する学部/修士課程にて学位学生として学業を継続することができます。
基礎コースで取得した科目の単位数は、学位取得のための単位要件に算入されます。必要書類は以下の通りです。
学部課程
- 2科目のGPAが2.0以上、または基礎コース5科目の平均GPAが2.0以上
- 高校修了証明書
修士課程
- 2科目のGPAが2.67以上、または基礎コース5科目の平均GPAが2.67以上
- 大学修了証明書
- 履歴書(2年間のフルタイム就業経験が必要)※
- 推薦状※
※ MBA取得希望者のみ提出
出願期限
参照元:ピープル大学カタログ
ピープル大学では通年で願書を受け付け、随時書類審査を行っています。
基礎コース(ステップ1)のための出願期限は、各学期表示の “Application Deadline”となっており、その後学位取得コース(ステップ2)への継続を希望する学生は、前学期表示の “Deadline for Submission of Official Transcripts and Diplomas”が期限※となっています。
※例:2学期目に学位取得コースをスタートしたい場合には、1学期目の “Deadline for Submission of Official Transcripts and Diplomas” に表示されている日付までに基礎コースを完了し必要書類を提出します。
ピープル大学で学ぶメリットとデメリット
個々のニーズ、能力、スタイルに合ったさまざまな方法で学位取得が可能となった近年。
多様化する学びの場の1つとして話題の大学が、全てをオンラインで完結し授業料が無料(申請料などの諸費用あり)であるピープル大学です。
ここからはそんなピープル大学で学ぶメリットとデメリットを比較。進路選択は人生にとって大きな岐路ともいえる大切なもの。
漠然としたイメージだけではなくさまざまな情報を精査した上で判断しましょう。
メリット
① 費用が安く抑えられる
アメリカの大学費用はとにかく高いということはよく知られた話。
アメリカの大手デジタルメディア「U.S.News ( US News & World Report )」のデータによると、オンラインコース(学士号)のプログラム平均総費用は38,496ドルから60,593ドルとなっています。
前述の通り、ピープル大学では授業料が無料。低コストで学位取得を目指すことができます。
② 面倒な手続きなしにアメリカの教育システムを体験できる
留学生がアメリカの大学に入学するとなると、ビザ、渡航準備、滞在先、そしてその後の現地での生活準備など何かと面倒な手続きも多々。
ピープル大学のオンラインコースの場合、自宅で出願、課題も試験も全てオンラインで完結するため、煩雑な手続きを経なくても、日本にいながらにしてアメリカの教育と学習の理論・実践を享受することができます。
③さまざまな制約から解放される
ピープル大学では、自分のペースでコースワークを完了することができます。勉強スケジュールも自分で設定するため時間を効率的に使うことが可能。
いったん就職したあとに学業に戻りたいと考えている社会人にとっても、時間と場所を拘束されないオンライン授業では仕事との両立がしやすくなります。
④多様なバックグラウンドを持つ世界中の学生や先生と繋がることができる
オンライン大学は世界のどこにいても参加が可能のため世界中の人が参加。ピープル大学ではおよそ200ヶ国からの学生が在籍しています。
⑤提携している有名大学に編入できる
ピープル大学は民間の協定協会により大学として認定されています。
そのため学位取得のために認められた科目の単位であれば、大学の学部や学科、専攻による単位の認定規定に則して、提携大学の卒業単位にも移行することが可能です。
デメリット
①自己管理能力が必要である
ピープル大学では学生支援システムが充実。Office of Student Services(学生サービスセンター)では、大学に関連する情報はもちろん、コース登録、スケジュールサポート、卒業期限管理などあらゆるガイダンスを提供しています。
しかしオンラインプログラムの場合、学生は自主性、計画性を持つことが重要。自らがコースのフレームワークを理解し、自分のスケジュールは責任をもって管理することが必要です。
②モチベーション維持が大変である
オンキャンパスのプログラムとは異なり、定期的に授業への参加をする必要がないため1人で取り組む課題がほとんど。
自らが学習環境を整え、メリハリをつけながらモチベーションを維持していくことが求められます。
③英語力は必須
ピープル大学での課題はリーディング、ライティングがメインとなっており、英語力が足りない場合にはこれら課題をこなしていくのに時間がかかってしまうことも。
ピープル大学では、オンラインプログラムによって学生の質を落とし、結果として大学自体の評価を下げることを避けるために、授業の内容や試験の難易度などはオンキャンパスのプログラムと同レベルを維持。
授業にきちんとついていけるためにもある程度の英語力は必須となります。
UoPeople卒業後の進路サポートは?
ピープル大学のキャリアプログラム (Career Development Program)は、キャリアサービスセンター、インターンシップ、メンタリング、グローバル雇用ネットワークなど、全ての学生が利用できる多数のツールとリソースで構成し、卒業後の進路相談を受け付けています。
Career Service Center(キャリアサービスセンター)
レジュメなどの添削、企業との面接準備など、学生の進路選択に関するさまざまな相談を受けることができます。
ピープル大学では、インターンシップの全面的なサポートに力を入れており、さまざまな分野において貴重な仕事の経験とネットワークの機会を提供しています。
学生と信頼できる社会人が直接出会い、卒業後の進路やライフプランについて相談できる機会を大学が提供する制度です。
ピープル大学に登録されたメンターは業界をリードする専門家やグローバルコミュニティーのメンバーであるなど、いずれも豊富な社会経験の持ち主。学生を成功へ導くための学業やキャリア形成における課題へのサポートを行います。
Global Employment Network(グローバル雇用ネットワーク)
ピープル大学では、世界中のトップクラスの大学、企業、財団の一部から集まる教職員、また190ヶ国以上から集まる学生とのオンライン上のネットワークコミュニティーにより学生のキャリアオプションを強化。
優れたネットワークの扉を開き、学生の雇用機会を広げます。
ピープル大学ではここ数年、一定の内定率を維持しており、大学の認知度や卒業生の評価の高さが伺われます。
ホームページには、卒業生の就職先リストの一部を掲載。詳細はこちらをご参照ください。
最後に
今回はピープル大学について詳細に解説いたしました。ピープル大学における「オンライン大学」とは何か、理解を深めていただけましたでしょうか。
ピープル大学では、独自のシステムにより世界中のどこからでも受講が可能、そして授業料が無料という新しい学びのスタイルを構築。
学びたい分野がはっきりしており、学位を取得することを目的とする場合には、ピープル大学のオンラインプログラムを進路の選択枠の1つに加えることを検討してもよい大学といえるでしょう。
しっかりとリサーチをし、英語での学位取目指してください。
UoPeopleは地域認定されていないので、まともな大学院や企業からは学位として認められません。
補足ありがとう!
もちろん名門校や「まともな大学・大学院」を目指している人に、無理やりにPeople大学をすすめるつもりはまったくないね。
一方、世の中には、経済的に恵まれていないが高等教育や留学のチャンスを掴みたい人がいるので、People大学は選択肢の一つになるかもしれない。
提携先にはいくつか「まともな大学」もあるので、頑張って奨学金を取ってそちらに編入すれば、大学院や企業から認められる学位ももらえるであろう。
誰でも入れるような大学かもしれないけど、全てオンラインで強制力もないので、自分で努力ができる人しか卒業できないと思うし、
みんなそれぞれ、様々な制限の中で、自分にとって最善なことを選んだり、自分なりにブレークスルーをしたりしているので、「学位は認められない」かもしれないけど、その努力は尊重すべきではないかと思う。UoPeopleを卒業できる人は、自分の道を切り開いていける力を身に付けられるはず。
UoPeopleのレベルが低いと言いたいのではなくて、将来大学院に行きたい人がこういう記事で勘違いして入学して、頑張って卒業したのに大学院に行けないという、何年も無駄にするようなことがあってほしくないのです。
すいません、地域認定されていない、またまともなとはどういうことでしょうか?
アメリカの学校を評価するのは地域認定機関(6つあり)と全国認定機関(52あり)がある。
地域認定のほうがより厳しい基準を設けているので、全国認定を受けた学校で取得した単位や学位は、地域認定機関から認定を受けた大学では認められないことがあるらしい。
UoPeopleは全国認定(DEACという組織より)があるけど、地域認定機関からはまだ認定されていない。そのため、UoPeopleの学位や単位は一部の大学・大学院に認められないことがある。一方で、既に提携している有名校もあり、その数も今後増えていくのではないかな。
まともというのは、通りすがりさんの言葉をそのまま使っただけで、深い意味はないのでそこまで気にしないでね。
丁寧に返信ありがとうございました。地域認定の件知らなかったので勉強になりました!ありがとうございます。
この”まともな~”系の議論はオンライン大学にはついて回るものなんでしょうね…しかしUopeopleの提携先にはぞくぞくと有名大学も上がってきていますので今後の未来は明るいと感じています。
こちらこそ、返信ありがとう!何か新しいことにチャレンジしようとすると、何かネガティブなことを言いたい人はたくさんいる(デメリットを考えるのは良いことだけど)ので、あまり気にせずに自分の信じる道を行こう!こうやって誰もに教育の機会、チャンスができてくることは素晴らしいことだし、我々もそれを後押しするため、質の高い情報提供ができるように精進したい!
高校生でも、ファウンデーションコースを受けることは可能なのでしょうか?
こんにちは!高校生でも要件を満たしていればファウンデーションコースを受けることができるよ!
30代半ばになって、アメリカ短期留学をし、やはりアメリカの大学で学びたいと思い、いろいろと調べてUoPeopleを知りました。準備が整い次第、出願する予定です。何歳だろうと、どんな形であろうと学びたい時に、学びたいと思った人が教育を受けられるのは素晴らしいと思います。
実際にCSのbachelorコースで授業を受けているものです。
課題が多くて大変な時はありますが、誰でもどこでも学べる環境があるのは素晴らしいと思います。また他国の学生さんとディスカッションできる機会があるというのも良いですね。私個人は学ぶこと自体が楽しいため、有名大学かどうかより主体的に授業に参加して体系的な知識を身につけたかったのでこの大学に入ったことは非常に満足しています。
米在住の日本女性がUoPeople から、UCバークレーへと編入してその後、MITの大学院に進学されたようです。「まともな大学・大学院」というのが有名な大学という意味ならチャンスが全くないとわけでもないようですよ。
https://twitter.com/UoPeople/status/1348648502902071304
どこで学ぶにしても、いろんな背景の人がいるので様々な考えがあってよいと思いますが、積極的に学ぼうとする姿勢というのは大切なものですね。
コメントありがとう!実際にUoPeopleを活用しているんだね!
おっしゃる通り、どこで学ぶより、積極的に学ぶ姿勢が大切!
学ぶチャンスを広げてくれるUoPeopleは、必要な人にとってはありがたい存在だね。
教育学では修士号しかないようですが、これは学士を大学でとっている学生のみが受けられるのでしょうか?
もし、修士から始められるということでしたら、学士課程はどうなるのでしょうか? 高校生が修士課程からは始められないと思いますが。
記事に書いてあるように、修士課程の入学要件は大卒だね。高卒の場合まず学士を取ろう!
日本で修士をしながら、UoPeopleのCS学士を取ることはできるのでしょうか?できるとしても大変ですかね、、
学士の入学要件を満たせれば、誰でも入学はできるはず!
けど、おっしゃる通り、色々な課題や時間的なコミットも必要になるので、やり切るハードルは高いだろうね。
頑張って!!
初めまして。詳しく丁寧な記事ありがとうございます。私も地域認定についてこのコメント欄で初めて知りました。そこで質問です。
UOPEOPLEに入学、卒業しても履歴書には書けない。と言うことはありませんか?
私的に履歴書に書けなければショックだなと言う感じなので、もし何かご存知であれば教えていただきたいです
UoPeople のHealth Science 学士コースを受けているものです。インターンシップは必須ではないですよ。Research seminorかInternshipのどちらか選べます。Uopeple のカタログ確認されましたか?間違った情報を発信するのはよろしくないかと思います。