海外大学院やMBAへの進学は、多くの日本人にとってキャリアや人生を左右する重要な選択だ。
「自分のスコアでどの学校を狙えるのか?」
「TOEFLやGMATの点数が足りているのか?」
「どの学校に出願すれば後悔しないのか?」
こんな疑問を抱えながら、情報の多さに圧倒されてしまう人も少なくない。
さらに、留学コンサルタントや経験者からのアドバイスは千差万別で、どれを信じていいのかわからないこともあるだろう。
本記事では、スコアに基づく志望校選びの考え方や戦略を徹底解説する。
目次
スコアの基準と志望校選びの考え方
GPA・TOEFL・GMATとは?
大学院進学の選考において、GPA、TOEFL、GMAT(またはGRE)は重要な役割を果たす。
これらのスコアは、出願者が学問や職業的に成功する能力を備えているかを示す指標だ。
- GPA
: 学問的な基盤の強さを示し、特に過去の学習能力が評価される。
- TOEFL(またはIELTS)
: 非英語圏の学生に対する語学力の証明として利用される。多くの学校では最低基準スコアが定められている。
- GMAT/GRE:
ビジネススクールや大学院が、出願者の論理的思考力、分析力、数学力を判断するための試験。
これらの試験は、学校が出願者を第一段階でふるいにかける基準であると同時に、志望校を絞り込む指針としても利用できる。
各種スコアが志望校選びに与える影響
スコアは志望校を選ぶ際の「目安」として非常に有用だ。
同じスコア帯でも、学校ごとに評価基準が異なるため、スコアを基にした戦略的な志望校選びが重要になる。
例えば、GPAが高くGMATがやや低い場合は、アカデミック重視の学校を優先したり、TOEFLスコアが基準を満たしているだけならエッセイやインタビューで補う方法もある。
次のセクションでは、スコアに基づいてどのように志望校を選ぶべきか考えていこう。
スコア別の海外大学院・MBAの選び方
とても簡単で乱暴なまとめ方をすると、ざっくり下記の基準で志望校を絞ると良い。
志望校を選ぶ際には、自分のスコアに応じて現実的な選択肢とチャレンジ校のバランスを取ることが重要だ。
GPA3.6~4.0、GMAT 730点~(又はGRE330点~)
このスコア帯の学生は、世界トップ20の大学院を目指すのに十分な競争力を持っている。
この層にとっては、単なるスコア以上に、エッセイやリーダーシップ経験での差別化が合否を分ける。
トップスクールへの出願を中心に、一部安全校としてトップ20〜50の学校を加えるのが戦略的である。
GPA3.2~3.5、GMAT680点~(又はGRE320点~)
平均以上のスコアを持つこの層は、トップ40~60の大学を現実的な選択肢として考えるべきだ。
一部チャレンジ校としてトップ20〜30の学校に出願しつつ、ランキング60〜80の学校も候補に含めて幅広い可能性を模索する。
エッセイでの一貫性と職歴の強調が重要となる。
GPA3.0~3.1、GMAT600点~(又はGRE310点~)
この層の学生は、ランキング80位前後の学校をメインに志望校を選ぶことで、合格の可能性を高めることができる。
スコアが平均を下回る場合、学業以外の独自のストーリーや強みをアピールすることが鍵だ。
また、志望校リストには、安全校として100位以内の学校も加えておくのが安全策である。
GPA、TOEFL、GMATの具体的な目標設定
志望校に合格するためには、GPA、TOEFL、GMATのスコア目標をどのように設定するかが重要である。
ただし、地域や学校ごとに重視されるポイントが異なるため、それを理解した上で準備することが求められる。
GPA: 変更不可能な過去の成果
アメリカ
アメリカでは、大学院やMBAプログラムの選考においてGPAは重要な評価基準の一つだが、ホリスティック(総合的)なアプローチが取られるのが特徴である。
GPAが3.5以上であれば好評価を得られる一方、3.5未満の場合でもエッセイやリーダーシップ経験、インタビューでの人間的な魅力を示すことで補完可能である。
特にハーバードやスタンフォードなどのトップスクールでは、多様性を重視する選考方針があるため、GPAが多少低くても他の要素で差をつけられる。
イギリス
イギリスでは、GPAや学業成績が最も重視される。
特に学部での成績が、First-Class Honours(GPA 3.7〜4.0)やUpper Second-Class Honours(GPA 3.3〜3.7)に相当することが、多くのトップ校での基本条件となる。
アメリカのようなホリスティックな選考は少なく、成績の高さが選考結果を左右することが多い。
そのため、GPAが高い学生にとっては明確なメリットがある一方で、成績が基準に達していない場合は挽回が難しいといえる。
アジア
アジアでは、GPAがアメリカと同様に重要視されるが、それに加えて学校独自の試験や面接、推薦状の内容が合否を左右することが多い。
例えば、中国や韓国の大学院では、研究計画書や教授との面談が重視されるため、GPAがやや低くても他の要素でアピールする余地がある。
シンガポールや香港のトップスクールでも、GPAだけでなく、TOEFLやIELTSのスコア、リサーチ経験が重要視される場合が多い。
TOEFL: 必要最低ラインを超えることが重要
スコア目標を決める上で注意してほしいのは、TOEFLスコア(各項目のスコアを含む)は、志望校が求めている最低基準に満たせば良いと言うことだ。
100点以上が最低基準であれば、100点でも105点でも審査に影響はしない。
大学が求めている最低ラインをクリアできれば、それ以上高い点数をいくら取っても合格の確率は変わらない。
多くの場合、以下のラインを満たすことが目標となるだろう。
- アメリカ: 100点以上(トップ校では105点以上が多いが、100点で十分な場合も多い)。
- イギリス: 一般的に92点〜100点が最低基準として求められるが、大学によっては条件が異なる。
- アジア: トップ校では90点以上が基準となる。
TOEFLは学力テストではなく、単純に英語の試験であり、申請書類を次の審査ステップに行かせるかどうかの判断基準でしかないのだ。
GMAT(またはGRE): 選択肢を広げるカギ
地域ごとの考え方の違い
- アメリカ:
700点以上がトップスクールでは重要視される。スコアが合否に大きく影響を与えるため、GMATでの高得点が不可欠。
- イギリス:
600点代でも十分合格可能な場合が多い。GPAや職歴が優れていればGMATスコアが補助的な役割を果たすに過ぎないこともある。
- アジア:
一部のトップ校を除き、GMATの重要性は相対的に低く、600点代で合格に十分な場合もある。
スコア以外の要素で差をつける方法
海外大学院やMBAプログラムの選考では、スコアが重要な指標であることに間違いない。
しかし、同じスコア帯の応募者が多い中で合否を分けるのは、エッセイやインタビュー、職歴・活動歴といった「スコア以外の要素」である。
エッセイの質を高める方法
エッセイは、応募者の人間性や価値観、キャリアビジョンを示す最も重要なパートの一つである。
学校側が重視するのは、単なる実績の羅列ではなく、「あなたらしさ」が伝わるストーリーである。
過去・現在・未来をつなぐ物語
自分のこれまでの経験(過去)が、現在のキャリアや志望動機にどうつながり、将来どのような目標を達成したいのかを明確にする。
例えば、エンジニアとしての経験があれば、それをどう活かしてビジネスリーダーとして活躍したいのかを語る。
学校との具体的なフィット
志望校が提供するカリキュラムやリソースに、自分の目標がどう合致しているかを具体的に述べる。
例えば、「この学校のスタートアップ支援プログラムを通じて、自身の起業アイデアを具体化したい」といった具体例が効果的だ。
インタビュー成功の秘訣
インタビューは、応募者の人柄やコミュニケーション能力を直接確認する場である。
単なる形式的な回答ではなく、学校に「この人と一緒に学びたい」と思わせることが求められる。
事前準備の徹底
志望校のミッションや特徴、プログラム内容を深く理解し、それが自身のキャリア目標にどう役立つかを具体的に話せるよう準備する。
具体例を用いて話す
回答には具体例を盛り込み、単なる主張ではなく、自分の経験やスキルを証明する形にする。
「リーダーシップを発揮しました」だけでなく、「プロジェクトでチームをまとめ、締切を守りながら成果を上げた具体的な経験」を語ると説得力が増す。
職歴や活動歴をどうアピールするか
職歴や課外活動は、応募者の実績を示すだけでなく、学校にどのような価値をもたらせるかを伝える重要なポイントである。
定量的な成果を示す
職歴やプロジェクトで達成した成果を数字で示す。
「営業成績を前年比120%達成」「プロジェクト予算を20%削減」といった具体的な数値が説得力を高める。
リーダーシップとイニシアチブ
障害を乗り越え、チームをリードした経験を強調する。
例えば、新しいプロセスを導入し、効率を改善した経験などを述べると良い。
課外活動での多様性をアピール
コミュニティ活動やボランティア経験を通じて、社会貢献や多文化理解を示す。
特に、多様なバックグラウンドを持つ学生が集まるMBAでは、こうした活動歴がプラスに働く。
志望校選びの重要な基準:留学の目的と価値観
さて、本当はこのような、試験の点数のみによる、学校選びの方法は適切ではない。
留学の成功は、自分のキャリア目標や価値観と学校の特徴がどれだけ一致しているかに大きく左右される。
学校選びの答えは基本、自分自身にしかない。留学先を選ぶ際には、以下のことを考えてみよう。
留学の目的を明確化する
まず、自分がなぜ留学したいのかをはっきりさせる必要がある。目的によって選ぶべき学校やプログラムのタイプは異なるからだ。
「留学最優先」「TOP校最優先」?
留学できることが最優先?あるいはTOP校にしか行きたくない?
「留学最優先」寄りの人は、期待値が低いため、なにかしら学校に受かる確率は高い。
「TOP校最優先」寄りの人は、受かる確率は低くなるが、良い学校に受かる確率は「留学最優先」派よりは高いだろう。
キャリア目標は何か?
国際機関でのキャリアを目指すのか、起業したいのか、それとも専門分野での知識を深めたいのか。
学びたい分野は具体的に何か?
MBAプログラムの中でも、マーケティングやファイナンスに特化したいのか。
地理的な優先度はあるか?
留学後にその国で就職したい場合、現地のネットワークを構築しやすい学校を選ぶべきである。
リスクへの考え方:バランスの良い志望校選び
自分ににこう聞いてみよう
- もし、ハーバードに受かる確率が0.1%と事前に知っているなら、あなたは申請する?
- もし、ハーバードに受かる確率が1%と事前に知っているなら、あなたは申請する?
- もし、ハーバードに受かる確率が5%と事前に知っているなら、あなたは申請する?
- もし、ハーバードに受かる確率が10%と事前に知っているなら、あなたは申請する?
- もし、ハーバードに受かる確率が20%と事前に知っているなら、あなたは申請する?
留学の目的は別として、リスク/リターンに対する考え方は人による。
ある人は20%或いは80%の確率がないとリスクを冒したくない、ある人は1%の確率でも試す価値があると考えている。申請するかどうかは、自分次第である。
あなたの考え方を考慮せず、「●●点がないと申請しないほうがいい」というアドバイスは無責任で、まったく参考にする必要はない。
「TOP校」と「確実に進学可能な学校」のバランスを取る
志望校リストを作る際には、チャレンジ校・マッチ校・セーフティ校の3つのカテゴリをバランス良く選ぶことが重要。
- チャレンジ校(10~20%)
自分のスコアや経験では少し厳しいが、可能性がゼロではない学校。
- マッチ校(50~70%)
自分のスコアや経験と合致する学校。
- セーフティ校(20~30%)
基準を確実に満たしており、合格の可能性が非常に高い学校。
これにより、現実的な選択肢を確保しつつ、チャレンジのチャンスも得られる
地域ごとの基準や考え方の違いを理解する
志望校選びでは、地域による基準の違いを理解することも重要だ。
アメリカ
GPAとGMATのスコアが特に重視される。例えば、トップMBA校ではGMAT 700点以上が一般的な目標となる。一方で、リーダーシップや課外活動などの総合的な評価も欠かせない。
イギリス
アメリカと比べてGPAがさらに重視される傾向がある。また、GMATのスコア要件はアメリカほど厳しくなく、600点代でもトップ校への合格が可能な場合がある。
アジア
英語能力試験(TOEFLやIELTS)の基準はイギリスやアメリカと同様に設定はされるが、低くても合格可能性がある。また、GMATのスコア要件はアメリカほど厳しくなく、600点代でもトップ校への合格が可能な場合がある。
終わりに:学校選びの答えはあなた自身にある
最後に、学校選びで悩んでいる申請者へ3つのアドバイスがある。
TOEFLの点数で悩まない
多くの申請者は、留学コンサルの「105点ないとTOP校に申請できない」という話を信じ、TOEFLの高得点のため相当のエネルギーを使う、あるいはTOP校を諦める。
志望校が求めているTOEFL最低ライン(各項目のスコアを含む)をクリアしたら、GMATスコアを高めることにフォーカスしよう。
ランキングを気にしすぎない
TOP20校は、50位前後の学校よりは優秀だが、TOP8とTOP9、30位と35位の間はそんなに違いはない。
TOP20校をチャレンジしたい人へ
TOP20校では、世界中最も優秀な人たちと競う必要があるため、GMATやGPAが高いだけでは目立たない
自分の経歴の中で、目立つもの、人に共感を呼ぶものを深く掘り起こしてエッセイを書きなぐり、インタビューに望もう!
例えばGPA3.0でGMAT770点の場合、ハーバードやプリンストンのようなトップスクールでも望みはあるでしょうか?自分は3年が終わった現時点で評定2.0下回ってます(泣)卒業はできます…。GMATやGREの点数次第で挽回できるなら諦めたくないです。
GPAの算出方法で質問なのですが、自分はかなりの数、単位を落としているのですが、これもやはり計算に含まれてしまうのでしょうか。落単はなかったことにできる、なんて制度はないですよね…。
めぐみるくさん
落とした単位はGPA0として表示される。今からできることは4年目しっかり勉強して素晴らしいGPAを取って、「最初はダメだったけど努力して最後の1年間は素晴らしい成績が取れた」というストーリを作って挽回すること。GPAが低い場合どうしよう、については下記の記事を参考してみよう。
https://www.path-to-success.net/low-gpa-mba-possible
繰り返しになるけど、出願者の審査はGPAだけでもなく、GMATだけでもない。GPAやGMATが示した学力に加え、職歴/研究歴、英語力、エッセイ、インタビュー等を通じて総合的に判断する。ただ、一つ知って欲しいのは、ハーバードやプリンストンの出願者は、GPAやGMATだけが高い(例:GPA3.8以上、GMAT 730以上等)だけでなく、他の面でも素晴らしい実績を残した人ばっかりなので、めぐみるくさんはGPAが低い分、他の面において他の出願者よりさらに素晴らしい結果を出せないと、合格の可能性は低くなる。
4年目のGPAを極力高めた上、TOEFL/IELTSとGMAT/GREで高得点を取ろう。目指しているのがMBAであれば、卒業したら良い職歴を作る必要があるし、他の研究科に行きたいなら、自分の研究実力を証明するには論文を発表したりする必要もある。さらに、自分の人生やこれから実現したい夢をよく考え、心が打たれるようなエッセイを書こう。
また、アメリカのトップスクールだけでなく、ヨーロッパやアジアの学校も滑り止めで出しておくと、アメリカより競争が激しくないので、受かりやすくはある。
先は長くて大変だと思うけど、諦めずに頑張ってね!
GPA2.4でしたが欧米トップ10に合格し、通学しています。なお、書類選考では出願した5校(いずれもトップ10)のうち3校通過しています。また、GPA2点代でトップ10に通っている友人を複数知っていますので、以下の記事の内容は(少なくとも日本人アプリカントに対しては)ミスリーディングだと思います。受験を検討されている方のためにも、修正されるか、あるいは少なくとも情報ソースを明記される方がよろしいかと思います。
“ GPA3. 0は大学院のボトムライン。GMAT550は確実に低いスコアで、この条件でTOP10をチャレンジするのは時間の無駄”
こうやって不十分な情報を出して「GPA2点代でもTop10に行ける」という無責任な発言こそ、受験生にとってミスリーディングだと思う。この記事を読んでいる方々は、下記のことを意識しながら、上記のコメントを考えてほしい。
・「欧米TOP10」について:世界ランキングではあまり差がないように見えるけど、LBS、Insead、オックスブリッジ以外のヨーロッパのTop10と、アメリカのTop10の入学難易度は全く違うので、「欧米Top10」で一括りにしないようにしよう。
・学力を証明にはGPAとGMAT(ビジネススクールの場合)があるため、GPA2.4、GMAT何点でどの「欧米Top10」に入ったのを知りたい。GPA2点台でさらにGMAT500点台前半だと、明らかに学力が低いので、無理やり主流のTop校にチャレンジしなくても良い。もちろん、ヨーロッパには競争が激しくなく入学難易度が低い「Top校」もあるのでそれを目指すのは良い。ここで余計な論争にならないように学校名は控えておく。
・大学か、大学院か、専攻によって入学基準も違うし、さらに英語力、職歴/研究歴やエッセイ等も選考の一環になる。他の情報は一切言及せず、単に「GPA2.4でもTop校行けた」と安易に信じて、他の選考要素の準備を疎かにしたら、結局辛いのは受験生のみんなだから、気をつけよう。
「GPAが低いけどMBA・海外留学に行きたい」という方は、こちらの記事を参考してみよう!
https://www.path-to-success.net/low-gpa-mba-possible
某留学支援サービスの最近の出願データベース見ると、GPA2点台前半でHAAS、Tuck、Kellogg、LBS、2点台後半でColumbia、Boothの合格出てます。ちなみにその方々のGMATはいずれも各校のAdmits平均よりとびぬけて高いわけでもないです。もちろん出願にあたってGPAは高いに越したことはないですし、合格率からみると3.0以上を目指すべきとは言えるかと思いますが、”GPA3. 0は大学院のボトムライン”はデータからは言えませんね。
Boothの日本人の方のデータは一般公開されているのでご参考までに載せておきますね。GPA 2.9 GMAT 680ですね。
記事で言ってるのは、GPA(3.0以下)もGMAT(550以下)も両方低い(つまり自身の学力を証明できていない)人の場合、TOP校をチャレンジすることはおすすめしないこと。
おっしゃったGPA 2.9、GMAT 680の方は、TOEFLも109で、スコア的に極めて不利な立場ではない。
しかも、リンク先を見たらGPA2.9の人は10数人のうち1人のみ。他の人はGPA3.5前後、GMATも730ぐらいある人がほとんどだね。
例外のケースを見てGPA2点台でもTOP校に合格できると思うのではなく、合格者の平均的なレベル感、スコアで表現できていない実力も総合的に考えて出願戦略を練る必要があるということ。
最後に、何度も言ってるけど、GPAが低いことだけで留学を諦める必要はない!
おっしゃる通りかと思います。ですので大変僭越ですが、記事の該当部分は例えば次のように修正されると意図がより正確に伝わってよろしいかと思います。”大学院合格者のマジョリティはGPA 3.0以上。GPAが3.0未満で、GMATが80th %ile下限(米Top 10だと680点前後が多い)を下回る場合などは、合格率が極めて低いと思われるので受験校を再検討する必要”
当方、M7 MBA修了者ですが、この記事、かなり違和感があります。
まずGPAとGMATをセットで論じているのがおかしい。この二要素では圧倒的にGMATが重要で、
これらをセットで評価しているMBAはないと思います。
(そこそこGPAを満たしていることは求められるががGMAT、TOEFL程重視されない。)
またTOEFLの最低基準を満たしていれば後は関係ない、というのも暴論もいい所です。
例えば90点を基準にしている所でも、90点そこそこでの合格者は少ないですし、
Stanfordなどは100点を基準にしていますが、100点ではまず無理、実際は110点前後が最低ラインで、
合格者もそうなっています。
あなたは、トップMBAを受験したり、受験者を支援したことはありますか?
とてもそうとは見受けられないのですが。
根拠のない情報や推測をもとにした記事はやめた方がよいと思います。
この記事の目的は、学生の条件を全面的に考慮せず「TOEFL/GMATXXX点ないとこのTOP校は無理だ」と言って夢を諦めさせる予備校・エージェントへの反論にある。関係者からのコメントなら控えてね。
①「MBAはGPAとGMATをセットで評価している」とか、「GPAとGMATは同様に重要」とかは、どこにも書いていないので、勝手に解釈しないでほしい。
GPAは(学部時代の)学力をアピールするもので、GMATは(大学院で順調に学習できる)学力をアピールするもので、両方とも低い場合、学力の優秀さは証明できない、という話だけ。
②逆に聞きたいけど、他の条件に大差がない前提で、「TOEFL100点+GMAT750点」の候補者と、「TOEFL115点+GMAT550点」の候補者、どちらの合格率が高いと思う?
胸を張って後者だと言える?繰り返しになるが、TOEFL110点等のために無駄に時間を使うなら、最低ラインクリアしたらGMATスコアのブラッシュアップに時間をかけるべき、という主張。もちろん自身が納得できるGMATスコアを既に持っていて余裕があればTOEFLスコアをもっと伸ばして問題ない。
③私たちはハーバード、スタンフォードを含むアイビーリーグやM7 MBAの合格者数人を無料で支援しただけで、大した実績ではないけど、推測をもとにして、メインの論点を見ずに細かいところにつっこんでくることはやめた方が良いと思う。