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Luna
静岡県のIB一条高校出身。2021年に国際バカロレアディプロマを取得し、2022年からUCLのBachelor of Arts and Sciences 学部に柳井正財団奨学金第6期生として進学。アイドルと競技クイズ、誰かとご飯を作って食べることが好き。
大学出願時の英語力・経歴など
出身・経歴
静岡県で生まれ育ち、静岡県にある私立の国際バカロレア一条高校を卒業しました。
中高一貫校だったため、MYPとDPどちらも取得しました。
英語試験
最初は、英語のスピーキングとリーディングがあまり得意ではなくTOEIC 600点レベルでした。
たくさんのまわり道をしたのですが、最終的にはIELTS 7.0、Duolingo 120点を達成しました。
一番最初はTOEFLを受験したのですが、パソコンで受けるスタイルが肌に合わず、IELTSに変更してから点数が伸び始めました。
出願した大学と奨学金について
イギリスの大学へ出願する時に使用するUCASは5校まで1つの出願資料で出願できるので、University of Edinburgh, University College Londonの2学部、The University of Manchester、Kings College Londonに出願しました。
他にも、IBスコアを使ってMcGill University、University of Toronto、The University of Sydneyにも出願しました。
また、出願時には奨学金や資金確保ができていなかったため、年間30万円程度と学費が安いベルギーのKU Leuvenにも出願しました。
最終的に、柳井正財団の海外大学留学奨学金の第6期生として、University College LondonのArts and Sciences学部 Culture メジャーに進学しました。
出願プロセスの違い
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それぞれの国の大学への出願プロセスは、少しづつ違います。まず、エッセイの有無が大きな違いです。
私の場合、イギリスの大学とベルギーの大学はエッセイ(Personal Statement、 Motivation Letter、 CV)が必要でした。特に、UCASを通して提出する必要があるPersonal Statmentはアカデミックな興味などにフォーカスする必要があります。
一方で、カナダ・オーストラリアの大学は基本的にはエッセイ等は提出せず、IBのスコアと英語試験スコア(私の場合はDuolingo English Test/ IELTS)を提出するだけで、出願することができました。
ですが、学部や学科等によって大きく変化するので、ウェブサイトなどでリサーチをしてみてください!
SATに関して
イギリスの大学を受験するにあたり、私はSATの提出が必要ではなかったため、私はSATの受験をしませんでした。
課外活動について
高校生の時は模擬国連やスタートアップスタジオでのインターンなどの課外活動をしていました。
学校内の活動にも力を入れていて、吹奏楽部や、体育祭でのチアダンス、図書委員長も務めていました。
一つの活動で出会った人たちと繋がることで、どんどん自分の世界が広がる感覚が楽しかったですね。
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イギリス(ロンドン)について
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どうしてイギリスを選んだのか
まず、UCLには、私が元々興味を持っていた分野の権威である教授がいらっしゃり、その教授の授業を受けてみたい、と思ったのがUCLを目指すきっかけでした。実際に、3年生になったらその授業を受ける予定です。
また、ヨーロッパを旅行しやすいことや文化の質の高さも魅力の一つでした。
芸術などの文化的資本が高いところや都会で大学生活を送ってみたいと考えていました。
気候について
気候は、思っていたほど悪くないです。
イギリスに行く前はもっと雨が降ってどんよりしているのかな、と覚悟していました。しかし、もちろん曇りの日も多いですが、晴れている日もかなり多いです。
ロンドンに限って言うと、東京と比べても暖かいです。2022年も1度しか雪が降りませんでした。
ですが、冬の間(特に11月〜12月)は日が沈むのが15時ごろと、日照時間が短く、メンタルの調子を崩す人も多いそうです。
何より、花粉がないのが(個人的には)すごくありがたいです。
暮らしてみて感じた、ロンドンの魅力
美術館や博物館、オペラなどが基本的には無料だったり、芸術に気軽に触れられる機会が多いところが気に入っています。
UCLの徒歩5分ぐらいに大英博物館があるのですが、その博物館ももちろん無料なので、空きコマに気軽に行くこともできます。
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大英博物館は巨大で、いまだに見切れていません。
また、イギリスから他の国に旅行がしやすいところも気に入っています。
Reading Weekという一週間の休みが毎学期あるのですが、その時に友人とオスロ、パリ、アムステルダム、スペインに行きました。
飛行機のチケットが安いこともあり、気軽に旅行に行って新たな文化に触れることもできます。
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友人とパリに行った時の一枚。 ユーロスターを使えば、2時間程度でパリに行くことができます。
カルチャーショックとして感じたこと
すごく多様なところに、最初はすごく衝撃を受けました。
ロンドンは、いろんな人種の人が住んでいるため、本当にさまざまな言語が聞こえてきます。
また、ロンドンのレストランには、ヴィーガンやベジタリアンなどたくさんのオプションが当たり前にあります。
こういうふうに、いろんな選択肢があるけれども基本的にはお互いに関して無関心なところも衝撃でした。ですが、すごくオープンでお互いを尊重しあう空気が、今ではすごく好きなところの一つです。
UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)について
にゃんこ先生解説!UCL基本情報
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UCLは、ロンドン中心部の観光名所にも徒歩圏内と好立地な場所にある、都市型の大きな大学です。
UCLのシンボル的存在のPortico
一つの場所に授業を行う教室があるのではなく、市街のいろんなところに教室が点在しています。
また、近代的で現代的な教室で授業を受けることが多いです。
また、寮もロンドン市内に点在するため、生徒は徒歩・バス・電車などを使って大学に通っています。
UCLは多彩なコースを提供していて、大きく18の学部、440以上の専攻分野から学位を取得することができます。
アメリカやカナダの大学とは異なり、UCLを含むイギリスのフルタイムの学士課程は基本的に3年制で、1年目から専攻に特化した科目を履修し学位を取得します。
UCLの特徴&魅力
まず、その留学生率の高さが大きな特徴です。
設立当初から人種や地位、宗教など分け隔てなく入学を認めていることもあり、現在では全体の半分以上を留学生が占めています。
確かに、私の周りも留学生率が高く、中国やアメリカ、韓国やレバノンなどさまざまな国出身の同級生がいます。
留学生率が高いため、大学側の留学生サポートも手厚いです。
本当に多様なバックグラウンドを持つ学生が多い大学のため、留学生として自分がマイノリティであると感じたことはほぼないです。
また、大規模な大学だからこそたくさんのイベントやセミナーが開催されています。
さらに、Society(サークルのようなもの)なども数えきれないほどあり、自分にぴったりのものが見つかると思います。
UCLのここはちょっと残念ポイント
まず、都市型の大学で寮も市内に点在しているため、アメリカの大学や寮のようにたくさんのクラスメイトと密接な関係を作ることが難しい点が、通っていて感じる少し残念な点です。
そして、オックスブリッジのように伝統もあまりない点も残念です。
また、3学期はテスト学期のため1学期と2学期しか授業がないところも少し残念な点です。
UCLでの勉強
在籍学部について:何を学んでるの?
私は、Bachelor of Arts and SciencesのCulture Majorコースに在籍しています。
私のコースでは、一年生のうちは3単位は学部全員が受けるコアモジュールをとり、それ以外の4単位は自分で好きな授業を取ることができます。
例えば、1学期は選択授業として Introduction to Material and Visual Culture(物質視覚文化入門)という人類学の授業をとりました。そこでは、物質から読み取れるさまざまな事象について学びました。
例えば、「お箸」は、日本と中国と韓国では全然形も使い方も違うという気づきから、「人はどのようにお箸の違いを認識してアイデンティティーとするのか」について分析しました。
さらに、大英博物館におけるお箸の展示方法から、西洋と東洋のヒエラルキーの視覚化についてとその裏側にある植民地主義について学びました。
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ラボワークで分析した、アフリカのスプーン
他にも、言語を一つ学ぶことが必須条件なのですが、私はアラビア語を選択していて週三時間アラビア語を勉強しています。
授業やテストについて
授業は、基本的にレクチャーと呼ばれる講義とセミナー(チュートリアル)と呼ばれる少人数のディスカッションの二つで構成されています。
レクチャーでは、教授や先生の授業を50分一コマで受けます。イギリスの大学生は勉強意欲がある人が多く、レクチャーホールが満杯になることもあります。
セミナーやチュートリアルでは、10人程度のグループに振り分けられて博士課程のTeaching Assistantと一緒にレクチャーについて議論したり、質問をしたりします。
セミナーやチュートリアル、レクチャーを理解するためには、事前図書のリーディングが必要で、授業ごとに20ページ程度の論文や本を読むことが多いです。
テストの有無は授業ごとに異なり、私は今学期はテストはありません。しかし、エッセイやポートフォリオ、フィールドワーク記録などさまざまな課題を提出します。
例えば、Introduction to visual and Material Cultureでは、Field Work Diaryという自分の選んだ物質に関する分析をまとめたレポートや、1500 wordのエッセイ、1500字の実験レポートを提出する必要があります。
UCLでの生活について
スケジュール
大学がある日のスケジュール
大学がある日は、こんなスケジュールです。
7:00〜7:30 起床、朝ご飯を食べたり学校に行く準備をする。お弁当を作る |
8:40を目標に寮を出て、大学に向かう (徒歩15分程度) |
9:00から1コマ50分単位で授業を受ける |
15:00~16:00 帰宅 課題をする |
18:00 夕飯を作って食べる(フラットメイトとおしゃべりしながら食べる時もある) |
19:00~23:00 課題をしたり、youtubeをみたり本を読んだり、インターンしたりお風呂に入ったり |
23:30 就寝 |
学部や学期によってタイムスケジュールは異なりますが、1学期の月曜日と火曜日は一日中授業、水曜日は午後が休み、木金は午後の2コマしか授業がありませんでした。
もちろん、学期末になると課題で忙しくなってくるのですが、ある程度は自由時間もあるスケジュールで気に入っています。
休日の過ごし方
休日は、友人と出かけたり、ご飯を食べたりします。ですが、課題の提出期限が近いと課題に追われたりもします。
ロンドンは遊ぶところには困らないです。
例えば、フラットメイト(キッチンやシャワーを共有している友人のこと)とBourgh Marketに行ったり、中華料理を食べに行ったりしています。
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中国人が多いロンドンは、中華料理が美味しいです!
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友達とバレエやオペラを見に行きました!
課外活動
大学での課外活動は、Japan Society/Baking Soceity/Dodge Ball Societyに入っています。
また大学外の課外活動として、リモートで日本の企業でインターンをしたり、難民子女の学習支援ボランティアをしたり、次世代ユネスコ国内委員会のメンバーとして活動しています。
また、中国人の友達に中国を教えてもらうtutoringを受けたり、日本語を教えるlanguage tutorのボランティアもしています。
たくさんのSociety(サークルの様なもの)があるので、きっと気に入るSocietyが見つかると思います!
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Baking Society:みんなでハロウィンモチーフのお菓子を作って持ち寄ります!
大学生活を過ごしてみて
生活面では、自分の意見をきちんと言うこと、頑張りすぎずに自分を大切にすること、困ったら人に助けを求めることを学びました。
自分の意見をきちんと言うこと
フラットシェアや大学の授業でのグループワークを通して、自分の意見をきちんと主張することは大事なのだなと思いました。
日本では、「空気を読む」「遠慮をする」などが当たり前となっていますが、イギリスではそうではありません。
自分の意見をきちんと言わないと、自分の希望が全く通らなかったりしますし、ストレスも溜まります。
だからこそ、正直に自分の意見を言うことによって、人間関係やグループワークは円滑に明快に進むんだなと学びました。
頑張りすぎずに自分を大切にすること
私は、IB生だった事もあって勉強で忙しいことに慣れてしまい何度か無理をしすぎて体もメンタルも調子を崩すことがありました。
でも、そうではなくてメリハリを持って勉強するときは勉強する、休む時は休むことが大事なんだと学びました。
イギリスで大学生活を送ることは、慣れない環境もあり大変でストレスが溜まることもあるのですが、少しづつ息抜きをしながら生活することを心がけるようになりました。
自分から行動すること
イギリスの大学は、自分からどんどん質問したり助けを求めたり等しないと何も始まりません。
大学側から自動的に与えてくれるものは少なく、自分から能動的に動ける人から機会や情報が与えられます。
だからこそ、待つだけではなく積極的に行動することを学びました。
もちろん生活面でも、自分から質問したり、人を誘ったり、行動をすればする分だけ新しい事をしれたり体験できるのだなと学びました。
留学費用について
年間の学費とその他雑費
学費は、留学生であるか否かや学部によっても大幅に異なるのですが、私が在籍しているArts and SciencesのTuition Feeは年間£26,000です。
一般的に、文系学部より理系学部の方が学費が高くなる傾向があります。
生活費・食費・住居費等の相場感
生活費としては、寮費が大体週£250程度(自炊)・週£350程度(寮のご飯付き)あたりが相場の印象です。
私は、自炊のプランを選んでいるので、それに加えて食費が月£120ほどかかります。
物価としては、やはりロンドン市内は高い印象を受けます。
もちろんスーパーにもよるのですが、この前は卵が6個で£5もしてびっくりしました。
お肉や魚は高いのですが、一方で野菜やフルーツはすごく安いです。
こういうふうに、スーパーを選んだり食材を工夫したりすることによって、節約は可能です!
また、大学の近くにアジアンスーパーがたくさんあり、日本の食材を購入することもできます。
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外食をすると、やはり少し高くつくかもしれません。
サービス料等を含めて、例えばラーメンは一杯£12以上します。レストランで食事をすると、全部で£30以上かかることもあります。
私は、大学の近くに住んでいて大学まで徒歩で通っているので、交通費はかからないのですが、一般的にバスが一律£1.65、電車が一律£2.5かかります。
奨学金
私は、柳井正財団の奨学金を頂いており、学費と生活費のほとんどをカバーできています。
UCLは、日本国内のいろんな奨学金財団の対象校だと思うので、ぜひチェックしてみてください!
受験について
受験方式について
私は国際バカロレアを取得したので、IBの資格とスコアを用いて受験しました。
残念ながら日本の普通の高校の卒業資格はUCLの入学資格として認められておらず、ファウンデーションコースの修了が必要です。ですが、もしもAレベルやGCSEを取得していれば、入学・受験資格として認められることになります。
また、イギリスの大学はUCASというシステムを通じて5校まで1つの書類で出願することができます。
UCASに、IBスコア、IELTSの点数(私はIELTSの代わりに、IB EnglishB HLの点数を提出しました)、推薦状、Personal Statement、個人情報などを打ち込んで提出しました。
その後、各大学のポータルサイトに案内されるので、各ポータルサイトに自分のパスポートのコピー等を提出しました。事前にパスポートをスキャンして、pdfにしておくと楽かもしれません。
UCLのArts and Sciences学部は少し特殊で、Personal StatementやIBスコアとは別Questionnaireという別のエッセイを提出する必要がありました。ですが、インタビューはありませんでした。また、IELTSやTOEFLなどの英語技能スコアも提出しました。
出願ワンポイントアドバイス
私の時は、11月下旬に出願して3月に合否が出るほど、結果が出るのが遅かったため、すごく不安に感じたのを覚えています。ですが、全体的にUCLは結果を出すのが遅いらしく、あまり焦らなくても大丈夫だったかもしれないと思います。
また、Arts and SciencesのQuestionareは、いかにユニークに書くかを心がけていました。
例えば、学問に対する興味の裏付けとして、その学問との出会いや自分なりにリサーチをしたこと、そこから得た学び等を書くことで、本気度を示そうと心がけていました。
最後に
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通っている大学は、どんな人におすすめ?
UCLは、とにかく規模が大きい分、自分で動けば動くほど機会に恵まれます。
そういった意味で、自分からどんどん動くことで未来を切り開きたいと思っている人におすすめです。また、学部や学科がとにかくたくさんあるので、ニッチな分野を学びたいと考えている人も、ぜひ一度UCLの学部を検索してみてほしいです。
さらに、ロンドンという大都会で学生生活を送りたい人にもおすすめです。いろんな人がいていろんな物の最先端に触れられることは、自分のその後の人生においてすごく良い経験になるのではないかと、私自身も感じました。
受験生へのメッセージ
失敗しても成功しても、少しづつコツコツ誠実に続けていけば、何かしらには結びついたり思ってもいなかったところで成果が生まれたりするのだろうと私自身の受験を振り返っても思います。応援しています!
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