目次
TOEFLライティングスコアの読み方・換算方法
スコアレポートの読み方
ご存知のとおり、TOEFLの各セクション(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)は30点満点で、合計120点が満点です。
スコアレポート(成績表)をもらった時、まず分かりやすく確認できるのが、各セクションの点数と合計スコアですね。
そして、各セクションのレベル感とパフォーマンスについて詳しい評価が記載されています。
ライティングの場合は、30点レンジの代わりに、「Limited、Fair、Good」の三段階評価と「0~5.0」のスコアが出ています。
換算方法
2010年以来、ETSは「E-rater」を導入し、ライティング文章は1名の採点官とパソコン「E-rater」の採点(0,1,2,3,4,5)で決定されるようになりました。
その平均点は、下記の「Level」列に反映され、二つのライティングの総合平均点は「Writing Rubic Mean Average」列に反映され、それぞれに対応する最終スコア(0-30点レンジ)は「Scaled Score」列に反映されます。
例えば、Integrated Taskが3.0(Fair)、そして、Independent Taskが4.5(Good)とします。合計7.5で、二つ平均したら、「Writing Rubic Mean Average」は3.75となります。
そして、「Writing Rubic Mean Average」の3.75は「Scaled Score」の24点になります。
Integrated Task採点基準
さて、次にIntegrated Taskはどういう基準で採点されるのか見ていきます。
Integrated Taskでは、まず3分の時間内で短いパッセージを読み、その後だいたい2分程度の録音を聞きます。
録音の内容は、リーディングのパッセージの内容に関する議論となります。録音を聞き終わったら、20分間エッセイを作成します。エッセイではリーディングとリスニングの内容を使って質問に答えます。
リーディングの内容はスクリーンの左側に表示されているのでいつでも読めますが、リスニングは一回だけの再生です。そのため、聴きながらメモを取らなければなりません。
ETSのオフィシャルサイトに公開された採点基準 (一部抜粋)を見てみましょう。
出典:https://www.ets.org/s/toefl/pdf/toefl_writing_rubrics.pdf
簡潔にまとめると、下記の四つが判断基準となります。
- リスニングから重要な情報を入れ込むことができているのか。
- リスニングにあるポイントとリーディングのポイントをうまく繋げているのか?
- エッセイの全体構成とディテールの提供。
- 文法、語彙やライティングの基本ルール(正しいスペリング、文法、大文字・小文字等)の運用を含め、英語の表現力があるかどうか。
つまり、「構成、文法、語彙・正確性、完成度を総合的に評価」が大切です。
満点の基準
5点満点の基準を読むとわかりますが、リスニング材料への理解は、リーディング材料のまとめよりずっと重要です。そのため、エッセイを書くとき、リーディングよりリスニング材料の内容を中心に書くべきです。
A response at this level successfully selects the important information from the lecture and coherently and accurately presents this information in relation to the relevant information presented in the reading. The response is well organized, and occasional language errors that are present do not result in inaccurate or imprecise presentation of content or connections.
要点さえ掴めば、構成について、Integrated taskはテンプレートを適用できます。Writing 26+クラスの中で教えている3パターンのテンプレートを適用させて満点を目指しましょう。
4点5点の基準を見ると、文法やスペリング等にある程度のミスがあっても許容されます。一方、重要なポイント一つでも漏れると、3点以下になってしまいます。
文字数について
学生の中によくある誤解は、TOEFLのライティングで、文字数が多ければ多いほどスコアが高い、ということです。それは大きな間違いです。
ETSの採点基準をよく読んでください。文字数は得点のポイントになっていません。
繰り返しになりますが、「リスニングの要点を掴む」+「うまくリーディングの内容に繋げる」+「全体の構成が良い」+「英語表現に大きなミスがない」のポイントを満たせば、文字数が多くても少なくても「Good」になります。
20分しかないので、得点につながるものを書きましょう!150文字以上であれば、それ以上文字数を増やすための無駄な内容を入れる必要はありません。文章が長ければ長い程、文法やスペリングのミスが増えるリスクも大きくなります。
一般的には、満点のエッセイ(Task 1)はだいたい200ー250文字程度です。
TOEFLライティング【Integrated Task】Class 1 Part 1 Things to Remember
Independent Task採点基準
Independent Taskでは、特定のトピックや問題について質問されます。
30分の時間でそのトピックや問題に関して自分の意見(論点)を述べ、また自分の意見(論点)を支えるような理由とサポーティング材料を示さなければなりません。文字数は300以上をおすすめします。
ではまた、ETSの採点基準をみてみましょう。
出典:https://www.ets.org/s/toefl/pdf/toefl_writing_rubrics.pdf
簡単にまとめると、大切なのは下記の4点になります。
- 問題に適切に答えているかどうか
- うまく議論を展開し、自分のアイディア・論点をサポートしているか
- 自分のアイディア・論点をエッセイの結論とうまく繋げているのか、全体の構成はいいのか
- 文法、語彙やライティングの基本ルール(正しいスペリング、文法、大文字・小文字等)の運用を含め、英語の表現力があるかどうか。
高得点のための4つのポイント
採点基準に基づいて、ライティング対策で重要な下記の4つのポイントを押さえておきましょう。
問題に答える
Off-topic、つまり、問題に適切に答えていないことは一番の減点ポイントとなります。
具体例を含める
あなたの理由・論点を支えるため、具体例(サポーティングアイディア)を挙げる必要があります。
例がない、例に具体性が欠けている、または具体例の説明が足りないようなエッセイは基本3点以下になってしまいます。
具体例(サポーティングアイディア)の書き方について、ロジック的に論点を支える書き方を読んでみてください。
構成を整える
完全なエッセイには、
- 自分の意見・総論を提起する明確なイントロパラグラフ
- 意見・総論をサポートする理由・論点を展開するボディパラグラフ(二つか三つ)
- 最後に結論を述べるConclusionパラグラフ、
が含まれています。
それぞれの段落はどう書くべきかは、添削例で学ぶTOEFLライティングを参考してくださいね。
英語の表現力アップ
文法やスペリングのミスがない(少ない)ことは大切です。小さいミスはある程度許容されますが、その文法やスペルミスによって文章の意味が伝わらなくなる場合は減点されます。
文字数について
たくさんの日本人学生からこのような話を聞いています。
「先生、450や500文字以上のエッセイは高得点になりやすいと聞いているけど、どうやって書けますか?」
「文字数が足りない時、文量を増やす方法を教えてもらえませんか?」
残念ながら、私は30分以内に450や500文字以上タイピングできません。
Independent Taskで満点を取るとには、前述した4つのポイントが満たせば十分です。文字数は300ー350字が目安となります。
TOEFLライティング対策の最後のアドバイス
ライティングの採点基準がわかりました。さて、さらにライティング力を向上させるため、何をしたら良いのでしょうか?いくつかのアドバイスがあります。
ブレインストーミングの練習
本番でアイディアが思いつかない、という声をよく聞きます。普段から、Independent writingのお題でブレインストーミングの練習し、3~5分でアイディア出しをしてみましょう。
最新の問題はTOEFL出題傾向の分析と対策にあります。TOEFLライティング厳選過去問も活用してください。
Writing 26+クラスの学生には、本試験の約1週間前に、本番で出題される可能性が高い問題を60ー80問をお渡します。目を通してぞれぞれアイディア出しのブレインストーミングをしておきましょう。
毎日書く練習
毎日30-60分をかけて、書く練習をします。
Writing 26+クラスの学生は、文法から内容、構成まで丁寧にフィードバックいたします。一人で書いていて不安があれば、ぜひクラスに入って添削サービスを活用してくださいね。
インプットを増やす
単語力や表現力が限られている場合、いくら書く練習をしても限界があります。
普段から、質の高いサンプルエッセイを読んだり、英文のニュースや英語雑誌を読んだりして、そこで出会った言葉/表現を整理し、ライティングの練習にできるだけ使って、自分のものにする必要があります。これはライティングだけでなく、リーディング力の向上にも繋がります。
There is No Magic!!では、たくさんの英語学習リソースを紹介していますので、ぜひ毎日のルーチンに取り入れて、活用してくださいね!
TOEFLライティング【Independent Task】 Class 1 Part 1 Things to remember
初めまして。来年秋から米国大学院に留学を考えているものです。
今までこのサイトを参考にしながらTOEFLを受験してきました。本サイトはとても参考になりました。
いまのところ最高点は93点(R29, L25, S17, W22)です。
100点を超えるためにはWをもう少し上げたいところですが、何かいい方法はあるでしょうか? Wの最高点は23点です。
細部としましてはIntegratedとIndependentでどちらかがGood、どちらかがFairになるレベルです。
よろしくお願いします。
yoshiさん、質問ありがとう!
自力で93点取れたのは素晴らしい!是非100点を獲得して、大学院留学を達成して欲しい!!
ライティングの高得点の方法に関して、下記の記事を参考してみよう。構成を工夫したり、上級の表現/単語を入れ込むことで、スコアアップが可能なはず。
https://www.path-to-success.net/toefl-integrated-task-100
https://www.path-to-success.net/toefl-writing-100
https://www.path-to-success.net/toefl-ibt-99-to-109#i-5
また、もし必要であれば、No Magicのライティングクラスの受講を検討して見よう。
https://www.path-to-success.net/toefl-writing-online-school
やはり、ライティングで高得点を目指すにあたって、書き方やテンプレートが分かった上で、添削とフィードバックを通じて構成や表現を見直したり、自分の癖などを把握して軌道修正していくことも大切だと思う。
今の点数(93点(R29, L25, S17, W22))から見ると、ライティングの他、リスニングも3点以上伸ばしてほしい。リスニング力が伸びれば、スピーキングとライティングのIntergrated Taskへの相乗効果も期待ができる。yoshiさんは、リスニング25点と既にある程度のリスニング力はあるので、TOEFLの音源での練習の他、ポッドキャストなどを通学時間に聞くことを数ヶ月続けてみることをおすすめしたい。
下記の体験談でおすすめされているポッドキャストもチェックして見よう。
https://www.path-to-success.net/toefl100#26-4
https://www.path-to-success.net/stanford-toefl-yuta#i-7
ここまでくれば100点越えまであと少し!やりきろう!!
何か質問があればいつでもして欲しい!
ありがとうございます!とても参考になりました!
ライティングに関しての追加の質問なのですが、英作文力をつけるのにおすすめの勉強法はありますか? 言いたいことがあっても効果的な英文が素早く作れません。
よろしくお願いします。
こんにちは!質問ありがとう。英文を素早く作れるようにするためには、シンプルだけど英文をたくさん作る練習をするしか方法はない。下記の方法も良いし、他にもいろんな人の経験談があるので、やってみたい、自分にあっていると思うものを組み合わせて使ってみよう。
1 毎日日記を書く
https://www.path-to-success.net/stanford-toefl-yuta#i-13
2 毎日一つTOEFLのライティング問題を解く
https://www.path-to-success.net/toefl-writing-100#370_words
にゃんこ先生様
こんにちは。ご無沙汰しております。以前ここで相談させていただいたものです。
2019年4月にTOEFLを受験したのですがWriting20点しか取れず目標点に届きませんでした。(100点を超えた暁にはにゃんこ先生様にお礼申し上げようと考えていたのですが…)
したがって再度受験するのですが、何か注意すべき点などはありますでしょうか。
ちなみに前回2回目の受験では25点(Integrated fair, Independent good)だったのが
今回20点(Integrated good, Independent limited )でした。
思い当たる点としては
両タスクとも前回受験時とほぼ同様の自分なりのテンプレートを使っていずれも3800の単語帳RANK3辺りに載っているような単語を織り交ぜたりしながら5段落300ワード以上、4段落430ワード程度書きました。
残り3分はスペルチェックに充てました。
やはりIndependentでテンプレートが弾かれてしまったのでしょうか…
それともボディの1段落が冗長になり過ぎて余計な情報を含んでいたせいでしょうか…
お忙しいところ恐縮ですが何かご意見いただけますと幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
nickyさん
質問ありがとう!
nickyさんのテンプレートがどんなものかは分からないけど、インディペンデントタスクについて、どのような構成で、それぞれの段落でどのように書くべきかについて、こちらの記事で詳しく記載しているので是非参考してみてね!
https://www.path-to-success.net/toefl-ibt-writing-essay-editing-1
また、問題タイプによって構成やロジックの作り方を変えなければならないこともあるので、一つのテンプレートですべての問題タイプに対応できるわけではないので注意が必要。インディペンデントタスクはテンプレートというよりも、構成やロジックがかなり重要になってくる。
ライティングは1人で学習しても息詰まることもあるので、弱点や改善点のアドバイス、ペースメーカーとして外部のサービスを使ってみるのもよいと思うよ!