



TOEFLスピーキングのIntegrated Task(統合型タスク)は、多くの日本人学習者にとって難関とされるセクションである。
短い時間でリーディングやリスニングの情報をまとめ、的確に伝える能力が求められるため、「どんなテンプレートを使えばいいのか」「どう練習すればスコアが伸びるのか」という悩みが多い。
このセクションで高得点を取るには、テンプレートを丸暗記するだけでは不十分だ。
重要なのは、内容を正確に理解し、自分の言葉で伝える力である。
「もうスピーキングに悩まされるのは終わりにしたい」という方は、ぜひ最後まで読み、今日から実践できるスキルを手に入れてほしい。
目次
TOEFL スピーキング:integrated taskの基本情報
integrated taskの問題形式(タスク2~4)
タスク | 内容 | 準備時間 | 回答時間 |
---|---|---|---|
2 | キャンパス生活に関するお知らせを読み、学生の会話を聞いたうえで、その意見と理由を要約する。 | 30秒 | 60秒 |
3 | 学術的なトピックに関する短い文章を読み、教授の講義を聞いたうえで、その内容を要約する。 | 30秒 | 60秒 |
4 | 教授のレクチャーを聞き、それを要約する。 | 20秒 | 60秒 |

integrated task の採点基準
Integrated Speakingの採点基準となる三大要素を以下にまとめた。もちろん、これはタスク1にも共通している。
評価基準 | 説明 |
---|---|
内容 | 聞き取った情報や読んだ内容を正確に把握し、回答に反映する力が求められる。不正確な情報や曖昧な回答は減点対象。 |
構成 | 論理的でわかりやすい話の流れがあるかどうかを評価。結論→理由→具体例の順序が基本。 |
発音/イントネーション | 聞き取りやすい発音と適切なイントネーションが重要。流暢さもスコアに影響を与える。 |
1. 内容の正確性
聞いたの内容を正確にメモして回答に反映できているかどうか。曖昧な理解で不正確なことを言うと、3.0は絶対に取れない。
つまり、リスニング力をあげて講義、会話内容を理解することが大切。



2. 構成のわかりやすさ
タイムマネジメントをしっかりと行い、聞き手にわかりやすい構成で喋っているかどうかが高スコアのポイント。これは後ほどテンプレートと共に説明する。



3. 発音/イントネーション
発音は、1人で練習しているとなかなか上達が難しい。
ポイントとなる発音をについて、リンク先の記事一読して理論は理解しておくことをおすすめする。
» 【図解】英語の母音10個の発音のコツを徹底解説!【動画で学ぶ】
»【図解】英語の子音24個の発音のコツを全部解説!【動画で学ぶ】
TOEFL スピーキング: integrated task で使えるテンプレート
スピーキングのテンプレートと言っても、これはしっかりとした構成で喋るための道しるべでしかない。
できる限り、テンプレートは最低限にした。内容を充実させることを意識しよう。
Integrated Task全般に言えることだが、主人公の性別 She/He Woman/Manは間違いやすいので注意しよう。
それと、リスニングの内容を順番通りに話した方がややこしくならない。聞いた順に上から話すことを心がけよう。
タスク2:キャンパス関連の読解+会話の要約
タスク2の問題形式と例題
50秒でリーディング(学校からの通知や手紙など)を読み、その内容に関する生徒同士の会話を聞く。準備時間は30秒で、60秒でリーディングと会話内容のサマリーを発表する。
ETSの動画で例題も練習できるので活用しよう。
タスク2のテンプレート
⑴ Reading内容の説明 (10秒)
The student letter said the university should 〜 / The university will change 〜
⑵ Listening内容の説明 (50秒)
The man/woman agrees/disagrees with this idea.
The first reason is 〜
The second reason is 〜



タスク3:アカデミックな読解+講義の要約
タスク3の問題形式と例題
50秒でリーディング(アカデミックな内容)を読み、プロフェッサーによる補足のレクチャーが行われる。準備時間は30秒で、60秒でリーディングとレクチャー内容のサマリーを発表する。
ETSの動画で例題も練習できるので活用しよう。
タスク3のテンプレート
導入(5-10秒)
The professor discusses an example of / a personal example of / two example of 〜
リスニング内容の説明(残り)



タスク4:教授の講義の要約
タスク4の問題形式
プロフェッサーによるレクチャーを聞く。準備時間は20秒で、60秒でレクチャーの内容のサマリーを発表する。
テンプレート
(1)導入(5-10秒)
The professor talked about two kinds/ideas of 〜
(2)論点1(25秒)
The first 〜 is
(3)論点2(25秒)
The second 〜 is



- 時間配分を守る
リーディング、リスニング内容のバランスを保ちつつ、指定の回答時間内に話し終えることを意識する。
- テンプレートに頼りすぎない
テンプレートは構成を整えるための道具であり、回答内容の正確さが重要である。
- リスニング内容の順序を守る
教授や登場人物の発言をそのままの順番で話すと、一貫性が保たれやすい。
TOEFLスピーキング:よくある失敗例とその対策
以下に、TOEFLスピーキングのよくある失敗例と対策をまとめた。
以下の点を意識しながら実践練習を積むことで、時間内に的確に回答する力をつけよう。
失敗例 | 対策 |
---|---|
リーディング内容に時間をかけすぎる | リーディング内容を1文で要約し、リスニングに時間を確保する。 |
リスニング内容を正確に再現できない | キーワード(主張、理由、例)をリスニング中にメモし、それを元に話す。 |
回答が途中で終わる | 練習時に時間配分を確認し、回答を60秒以内に収める練習をする。 |
テンプレートをそのまま使用し、内容が薄い | テンプレートを基に、リスニング内容を具体的に肉付けすることを意識する。 |

さらにスコアアップ!TOEFLスピーキングの練習法と学習教材
TOEFL Integrated Speakingで高得点を取るには、リスニング力、メモ力、発音・イントネーションの三本柱を強化することが不可欠だ。
以下に、それぞれの具体的な練習方法と推奨リソースを紹介する。
リスニング力の強化
公式問題集を使った精聴
TOEFLスピーキングで高得点を狙うためには、公式問題集を活用してリスニング力を強化することが不可欠だ。
ステップ | 目的 | 注意点 |
---|---|---|
問題を解く | 本番形式に慣れる | 時間を測り、正答率を記録する |
音源を繰り返し聞く | 聞き取れる部分を増やす | 聞き逃した箇所に注意し、繰り返し練習する |
スクリプトを確認する | 聞き取れなかった箇所を補完し、理解を深める | 聞き取れなかった理由を分析する(発音、スピードなど) |
音源を再度聞く | 理解した内容を聞き取れる状態にする | スクリプトを見ずに聞く練習を行う |

ニュースやポッドキャストで多聴
日常的にニュースやポッドキャストを聞くことで、幅広いトピックに慣れることができる。
特に、アカデミックな話題に触れることがIntegrated Speaking対策に役立つ。
- BBC Learning English: TOEFLに近い内容で練習可能。
- NPR Podcasts: 社会問題から科学トピックまで多岐にわたる。
- CNN 10: 学生向けの簡潔なニュース番組。

TOEFLメモ力の強化
Integrated Speakingで高得点を取るには、リスニング中に効率よく要点をメモするスキルが求められる。以下に具体的な方法とキーワードの略語例を解説する。
- 要点を簡潔にまとめる:
メモは「主張」「理由」「具体例」を中心に書き留める。文章をそのまま書き写すのではなく、短いフレーズやキーワードに絞ることが重要だ。
- 略語や記号を活用する:
スピードを上げるため、以下のような略語や記号を使用する。
内容 | 略語例 | 使い方の例 |
---|---|---|
主張(Main Point) | MP | MP: New rules needed (新しいルールが必要) |
理由(Reason) | R1, R2 | R1: Saves $(お金を節約できる) |
具体例(Example) | Ex | Ex: Library hours reduced(図書館の時間短縮) |
肯定/否定 | + / – | + Improve health(健康改善) / – High cost(高コスト) |
大学 | Univ | Univ: Changing campus policy(大学が方針を変更) |
生徒/教授 | Std / Prof | Std: Agrees / Prof: Gives example |
時間関連 | hrs / wks | Library hrs extended(図書館の時間延長) |

発音とイントネーションの改善
TOEFLスピーキングで高得点を狙うためには、発音とイントネーションを磨くことが欠かせない。
ネイティブ並みの発音を目指す必要はないが、相手に伝わる明確さが重要だ。
母音と子音を意識
日本語にない音(/θ/ や /ð/ など)や、母音の違い(/æ/ と /ʌ/)を練習することで、より自然な発音に近づける。
音節の強弱に注意
英語は強弱のあるリズムが特徴的。重要な単語を強調し、短い機能語(a, the, andなど)を軽く発音する習慣をつける。
リエゾンやリダクションを理解
ネイティブがよく使う音のつながりや、省略を学び、スムーズな発話を目指す。
疑問文と陳述文を区別する
疑問文では語尾を上げ(Do you agree?⤴)、陳述文では語尾を下げる(I think so.⤵)。
句読点を意識して練習
スクリプトや文章を読む際、コンマやピリオドで自然に区切ることでイントネーションが改善される。
ストレスの位置を学ぶ
単語内でストレスの位置を覚える(e.g., present[動詞: プリゼント、名詞: プレゼント])ことで発音の明瞭さが向上する。


スクリプトと解答例の活用
TPO1~25のスクリプトと模範解答を共有する。
マネをする必要はないが、解答する上である程度の目安になるだろう。

終わりに
テンプレートに得点は配点されない。いくら長〜いテンプレートを覚えても点数が伸びないのはそう言う理由。
内容と、構成、そしてイントネーションと発音が大事なのだ。
構成はすぐにでも取りかかれる。内容を良くするためにはリスニング力+メモ力が必要だ。そして、イントネーション、発音もバカにせず、理論を知り、練習できる機会を見つけよう。
中国TPOで実践問題を行い、本番形式に慣れていこう。




これを使って、スピーキングやったんですが、スコアが22のままでとまってるんです。全然伸びなくて。どうしたら、25以上とれるんでしよう?
みかんさん、コメントありがとう!
まず、スピーキング22点おめでとう!TOEFLで100点とか105点を目指すとしても、一般的な日本人の目標点は23点だから、22点というのはかなり良い点数なんだよ。なので、ここで紹介しているテンプレートや対策はindependent taskのものも含めて、まず23点を取ることを念頭に入れている。みかんさんの全体のスコアのバランスはわからないけど、スピーキングよりも他のスコアの方が伸びやすい場合もあるから、他のセクションのスコアも教えてもらえるともっと適切なアドバイスができると思うよ。
ちなみに、テンプレートは構成を整えるためのものだから、より高い点数を目指したい場合、発音とかイントネーションも重要になってくる。
23点以上を目指すレベルの高い対策方法はこちらの記事に乗っているので、参考にしてみてほしい。
https://www.path-to-success.net/toefl-speaking-template
また、independent taskの重要な過去問もこちらの記事にまとまっているので、練習が必要であれば、こちらの問題で練習するとより本番に近いと思う。
https://www.path-to-success.net/toefl-speaking-2013-2016
にゃんこ先生、いつも記事を拝見しています。
質問なのですが、なぜPart3ではReadingの内容を入れる必要がないのでしょうか?Conceptについて説明するように聞いているので必要なように感じるます。
質問ありがとう!
実はこちらのテンプレートは満点を目指すものではなく、あくまで22、23点程度を狙うための最短ルートのようなものだね。
基礎が弱い人は、リーディングを読んで理解してまとめることを省き、リスニングの内容だけ綺麗にまとめれば良い。
24点以上を目標にしている人は、こちらの記事も参考にしてみよう。
https://www.path-to-success.net/toefl-speaking-template#4
にゃんこ先生、いつもお世話になっております。
公式問題集で、優れた参考例を聞くことができるのですが、半分以上の解答が解答を全て言い切らず終わっています。ある程度内容が予測できるのであれば、文章を言い切らなくてもいいということなのでしょうか。
経験上も、採点基準から見てっも、言い切らなきゃいけないということはないよ。
特に、理論的で流暢に話していて、最後は時間制限で言い切れなかったという場合、全く減点対象にはならない。
一方、内容の一貫性があまりなく、そもそも流暢に話せていない中、ネガティブな印象を減らすため、極力時間制限内に言いたいことを全部言ったほうがおすすめだね!