TOEFLスピーキングで高得点を目指すには、どのように勉強を進めれば良いのだろうか。
多くの受験者がテンプレートを使った学習に取り組むが、「点数が伸びない」「実際の試験で緊張して使えない」といった悩みに直面することが少なくない。
その原因の一つは、日本人特有の英語学習法がTOEFLスピーキングの採点基準に適していないことである。
テンプレートに頼りすぎると、流暢さや発音、内容の一貫性といった評価ポイントを満たすことが難しくなり、結果的にスコアが伸び悩む。
この記事では、TOEFLスピーキングの試験形式を分かりやすく解説するとともに、テンプレートを捨てた上でスコアを向上させるための実践的な戦略を紹介。
スピーキングへの不安を取り除き、目標スコア達成への道筋を明確にするためのヒントを、ぜひ本記事から得てほしい。
目次
TOEFLスピーキング|新形式のポイント
TOEFLスピーキングは、新形式の導入により試験時間が短縮され、全4問構成となった。
話す力だけでなく、リーディング、リスニング、スピーキングの総合的な観点で英語力を評価しており、その本質は変わらない。
変更点は、問題数が6問から4問に減り、試験時間が約17分に短縮されたことである。
ここでは、問題形式を簡潔に説明しつつ、実践的な対策を紹介する。
スピーキング試験の概要
TOEFLスピーキングは、以下の4問で構成される。
セクション | 内容 | 準備時間 | 回答時間 |
---|---|---|---|
Independent Task | 意見を述べる問題 | 15秒 | 45秒 |
Integrated Task 1 | キャンパス生活に関する話題 リーディング+リスニング+スピーキング | 30秒 | 60秒 |
Integrated Task 2 | 講義の一部 リーディング+リスニング+スピーキング | 30秒 | 60秒 |
Integrated Task 3 | 講義の一部 リスニング+スピーキング | 20秒 | 60秒 |
これらのタスクでは、リスニングやリーディングで得た情報を正確に要約し、自分の言葉で表現するスキルが求められる。
これは旧形式から変わらないが、問題数が減ったことで試験全体の集中力を維持しやすくなっている。
対策ポイント:スピーキング20点への近道
Independent Task(パート1)
このタスクでは、自分の意見を簡潔かつ論理的に述べることが求められる。
以下のポイントを意識すると良い。
- 構成の型を覚える: 「主張 → 理由1 → 例 → 理由2 → 例 → 結論」の流れを意識。
- 具体的なエピソードを用意: 旅行、趣味、学びの経験など、よくあるトピックに対応できるエピソードを事前に準備。
- サンプル問題に挑戦: サンプル問題を活用し、練習。
Integrated Task(パート2〜4)
リーディングやリスニングを要約し、自分の言葉でまとめて話すタスクである。
これらのタスクは以下を意識して練習しよう。
- リスニング力の強化: 音声内容を正確に聞き取ることが最重要。
- メモ取り: 試験中にメモを活用して重要なポイントを記録し、回答に組み込む。
- 要約練習: 聞いた内容を30秒以内に簡潔にまとめる練習。
- パート2
リーディング+リスニング。30秒で準備、60秒で回答。
あるトピックに関して、大学又は生徒の提案がリーディングで掲示され、リスニングでその提案に対する会話が2人の生徒で行われる。提案に対する意見(agree/disagree)をディスカッションされる。
- パート3
リーディング+リスニング。30秒で準備、60秒で回答。
教授がリーディングのトピックの説明を行う。
- パート4
リスニングのみ。20秒で準備、60秒で回答。
教授があるトピックの講義を行う。多くは生物学又はビジネス。
実際に試験を体験する
形式を理解するだけでなく、実際の試験を体験することがスコア向上の鍵となる。
以下の無料模擬試験やサンプル音声を試してみよう。
純ジャパが目指すべきTOEFLスピーキングスコアの目安
TOEFLスピーキングで高得点を目指す日本人受験者(純ジャパ)にとって、現実的な目標スコアを設定することは重要である。
ここでは、実際にスコアを達成した読者の声を交えながら現実的なスコア設定について考える。
現実的な目標スコア
純ジャパがTOEFLスコアを目指す際、スピーキングスコアの目安を以下のように設定するとよい。
目標(TOTAL) | Reading | Listening | Speaking | Writing |
---|---|---|---|---|
80点 | 22-24 | 20-22 | 15-17 | 21~ |
100点 | 28~ | 28~ | 20~ | 24~ |
105点 | 29~ | 28~ | 22~ | 26~ |
スピーキングスコアのパーセンタイルから見る難易度
TOEFLスピーキングのスコアをパーセンタイルで見てみると、目標スコアごとの達成可能性が明確になる。
スコア | パーセンタイル(全体での順位) | 難易度の目安 |
---|---|---|
15点 | 上位92% | 「何かしら話す」だけでも達成可能なスコア。 |
20点 | 上位65% | 基礎力があれば十分到達可能。独立型と統合型でバランスを重視。 |
23点 | 上位48% | 流暢さや論理的な構成が求められる。高得点ゾーンの入口。 |
25点 | 上位18% | 試験慣れ+高度な表現力が必要。 |
読者の声: スコア達成者のリアルな体験
以下は、読者から寄せられた実際の成功体験だ。
読者Aさん(大学3年生、TOEFLスコア105点、スピーキング22点)
「スピーキングはテンプレートに頼らず、自分の言葉で話すことを意識しました。毎日オンライン英会話を活用し、リスニング力も並行して鍛えたのがスコアアップにつながったと思います。」
読者Bさん(社会人、TOEFLスコア100点、スピーキング20点)
「業務で英語を使う機会を増やし、実際の会話を通じてスピーキング力を伸ばしました。また、リスニングセクションを徹底的に対策することで、スピーキングへの応用がスムーズになりました。」
読者Cさん(交換留学経験あり、TOEFLスコア110点、スピーキング24点)
「スピーキングで24点を取るために、毎日自分の声を録音して改善点を確認しました。特に、リスニングした内容を要約して話す練習を続けたことが大きかったです。」
TOEFLスピーキングでテンプレートに頼ると失敗する理由
TOEFLスピーキングの対策として多くの人が「テンプレート」に頼りがちである。
しかし、テンプレートは一見便利そうに見えても、実際には多くの問題を抱えており、スコアが伸び悩む原因になることが多い。
ここでは、テンプレートの弊害を詳しく解説し、その代替案を提案する。
テンプレートの問題点
内容の自由度を奪う
テンプレートに依存すると、回答の構成が固定化され、柔軟な発想が妨げられる。
例えば、質問内容がテンプレートに当てはまらない場合、無理に型にはめ込もうとして話の流れが不自然になることがある。
例:
質問: 「あなたが最近行った旅行の中で、特に印象的だった場所はどこですか?」
テンプレートに頼ると: 「First of all, I believe that traveling is very important. Second, it provides opportunities to learn new things…」→ 質問に答えられていない。
本質的な英語力が身につかない
テンプレートを使うことで、準備したフレーズを覚えるだけで済み、本来求められる英語の即興力や表現力が鍛えられない。
その結果、リスニングやスピーキングの総合力が向上せず、他のセクションでも影響が出る可能性がある。
採点基準に合致しない
TOEFLスピーキングでは、流暢さ、発音、語彙の多様性、一貫性が重視される。
テンプレートを多用すると回答が機械的になり、採点者に「自然なコミュニケーション能力が欠けている」と判断され、スコアに悪影響を与える可能性がある。
試験形式の変化に対応できない
テンプレートは想定される質問に基づいて作られるため、問題形式が変化すると対応できなくなる。
特にTOEFLでは、近年質問の難易度が上がり、具体的で即興的な回答が求められる傾向にある。
短期的な便利さ vs 長期的な成長
短期的な便利さ
テンプレートは、試験直前に暗記するだけで「準備している感覚」を得やすい。
また、初学者にとっては回答の骨組みを理解する助けにはなる。
長期的な成長
一方で、長期的に見ればテンプレートに依存する学習は成長を妨げる。
即興的な表現力や柔軟な思考が身につかず、スピーキングセクションで高得点を取るための基礎力が欠如してしまう。
それでもテンプレートを教える理由
TOEFLスピーキングの恐怖を減らす現実的戦略
鉄板ネタを準備する
ここでは、点数の上がらないテンプレートや、実践が不可能な対策を教えることはしない。
必要なのは、限られたエピソード(鉄板ネタ)を複数用意し、それをどのような質問にも応用できるように練習することだ。
- 旅行: 「一番印象的だった旅行先」
- 学び: 「これまでに得た重要な教訓」
- 趣味: 「好きな趣味やその理由」
- 日常生活: 「家族や友人との特別な思い出」
- 文化: 「自国の文化で誇れるもの」
詳細の内容については、次項を参考にして自分のエピソードを考えてみよう。
完璧を求めない
スピーキングでは、流暢さや発音が重要視されるが、必ずしも完璧な文法や高度な単語を使う必要はない。
焦らずシンプルな英語で、話の一貫性を保つことが高得点への鍵となる。
例:
質問: 「あなたが最も感動した映画は何ですか?」
回答:“One of the movies that moved me the most is The Pursuit of Happyness. The story is very inspiring because it shows the importance of perseverance. For example, the main character faces many challenges but never gives up. This movie taught me to stay strong during difficult times.”
練習を日常化する
日常的にスピーキング練習を取り入れることで、試験当日の緊張を軽減できる。
オンライン英会話やレコーディングを活用し、自分の声を聞きながら改善点を見つけることが効果的である。
鉄板ネタの作り方+具体的なTOEFLスピーキング対策法
鉄板ネタ作りについて、どこかで聞いたことを言っていると思うかもしれないが、どこにもやり方は書いていない。
ここでは、鉄板ネタの具体的な例を紹介する。
リンクから各エピソードを確認して自分の経験に転換してみよう。
Independent Tasks (パート1)
Integrated Tasks(パート2〜4)
Integrated Tasksではテンプレが有効だが、最小限にし、あくまで構成を整えるために使う。
スピーキング対策記事
» 非帰国子女が一発で24点を取ったTOEFLスピーキング完全対策
» TOEFL110点、スピーキング28点の私(純ジャパ)が教える対策と勉強法
» 純ジャパがTOEFLスピーキング24点!テンプレートより、英語力をあげる自己訓練
スピーキング模範解答
一部のスピーキング過去問(TPO1~25)の模範解答を共有する。ネタ出しなどに活用しよう。
Independent Taskの他、Intergrated Taskのスクリプトや音源もあるためリスニング強化にも利用できるだろう。
TOEFLスピーキングに欠かせないリスニング力とメモ術
TOEFLスピーキングのIntegrated Taskでは、リスニング内容を正確に理解し、それを簡潔に要約する能力が求められる。
特にパート2〜4では、リスニングで得た情報をもとに回答を構成するため、リスニング力とメモ力がスコアに直結する。
リスニング力の重要性
リスニング力はスピーキングセクションでも命。ここをおろそかにしてはいけない。
Integrated Taskの難しさは、会話やレクチャーの内容が聞き取れないことから来る。
内容が聞き取れれば、自分で新たにコンテンツを作る必要は一切ないため、Independent Tasksほどの不安はなくなるはずだ。
特にIntegrated Taskでは以下のスキルが重要である。
- 要点の把握: 長い音声から主旨や重要な詳細を素早く見つける能力。
- 話者の意図を理解: 会話の流れやトーンから、話者の意図や感情を読み取るスキル。
- キーワードの聞き取り: 数字や固有名詞などの具体的な情報を正確に捉える力
メモ術の役割
リスニング力とともに、メモ術はIntegrated Taskで効率的に回答を構成するための必須スキルである。
- 簡潔さを重視: キーワードや要点だけを記録する(例: “solar energy → reduce cost, environment friendly”)。
- 記号や矢印を活用: 素早く情報の関係性を記録する(例: “→” = 原因と結果、”*” = 重要なポイント)。
- 情報をカテゴリ分け: リスニング内容を「主張」「根拠」「具体例」に分類する。
根本的なスピーキング能力の向上
TOEFLスピーキングで高得点を目指すには、試験対策だけでなく、根本的なスピーキング能力を向上させる必要がある。
そのためには、オンライン英会話を活用して実践的な会話の練習を行い、録音を用いて自分の進捗を確認することが効果的だ。
ここでは、おすすめのプラットフォームや練習方法を解説する。
オンライン英会話での実践練習
スピーキングは、壁や鏡、レコーダーに向かって自分一人で練習してもなかなか上達しない。
つまらないからなかなか手がつかない。
ここでおすすめなのは、オンライン英会話をうまく利用して毎日英語を喋る時間を確保することだ。
録音を活用したセルフチェック
お手持ちのスマホを活用して、自分の回答を録音してみよう。
自分の声を録音して確認することは、スピーキング練習の効果を最大化するための重要な方法だ。
録音を通じて自分の弱点を客観的に把握し、改善につなげることができる。
- TOEFLの質問形式で回答: 試験を意識し、タイマーを設定して回答を録音する。
- 自分の録音を聞き返す: 発音、イントネーション、一貫性をチェックする。
- フィードバックを取り入れる: 改善点をリストアップし、次回の練習に反映させる。
発音、イントネーションの重要性
発音、イントネーションも、スピーキングの採点基準の1つである。
また、これらの要素は、英語を効率的に学ぶ上で、とても重要である。
こちらの記事を参考にして、正しい発音とイントネーション身につける基礎を作って欲しい。
終わりに
TOEFLスピーキングで高得点を目指すには、テンプレートに頼るのではなく、自分の経験や意見を自然に表現できるスキルを磨くことが重要である。
本記事で紹介した実践的な戦略や練習方法を活用すれば、スピーキングへの恐怖を克服し、自信を持って試験に臨むことができるだろう。
自分に合った学習法を見つけ、焦らずに目標に向かって進んでいこう!
エピソードはどういったジャンル・基準でどれ位のストックを準備すればよいのでしょうか?
こんにちは!コメントありがとう。
ここでは8つのエピソードを紹介している。
https://www.path-to-success.net/toefl-speaking#i-6
どのジャンルで、どれくらいストックすれば良いという決まりまないけど、
上記を参考にしながら10個ぐらい定番のエピソードを作ってみるのはどうだろうか。
また、先にエピソードを10個作るのではなくて、問題演習もやりながらちょとずつ汎用性のあるネタを作っていくほうが良いかもしれないね。
最近TOEFLのスピーキングトピックは難しくなっていて、作ったエピソードをどうやってその質問に応えるためにアレンジできるのかという瞬発力がすごく大事。これは、練習をして培うしかない。下記に練習問題のリンクを貼っておくので活用してほしい。
練習問題
https://www.path-to-success.net/toefl-speaking-independent-task
https://www.path-to-success.net/toefl-speaking-2013-2016
>”ちなみに、リスニングのダミー問題がなくなったから、他の人のスピーキングを 事前に聞いたり、テンプレートをメモ用紙に書いたりする戦略は役に立たなくなったよ。”
ここの部分についてよくわからないので詳しく教えていただきたいです。
リスニングのテスト中にリスニングを捨ててスピーキングの盗み聞きができなくなったということでしょうか?
ゾゾさんのご理解の通りだよ!
昔はリスニングのダミー問題はわかりやすかったので、ダミー問題はランダムクリックして、余った時間をスピーキングの準備をすることが流行っていたんだ。
ここ数年でダミー問題の区別がつかなくなったので、リスニングの最中にスピーキングの準備をすることができなくなったと言うことだね。