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「TOEFLってよく聞くけど、iBTとITPって何が違うの?」
「海外大学を目指すならどっちを受ければいいの?」
「TOEFL ITPのスコアって出願に使えるの?」
こんな疑問を持っていませんか?
TOEFLには 「iBT」 と 「ITP」 という2つの種類があり、試験の目的や形式、スコアの使い道が大きく異なります。
しかし、違いが分かりにくく、「どちらを受験すればいいのか迷う…」という人も多いのではないでしょうか?
特に、海外大学・大学院への進学を目指している方にとって、正しい試験を選ぶことは非常に重要です。
実は、「TOEFL ITP」は個人受験ができず、海外大学の出願には基本的に使えないのをご存知でしょうか?
この記事では、TOEFL iBTとTOEFL ITPの違い を 試験の目的・試験形式・スコアの活用方法などの観点から徹底比較し、「あなたに最適な試験はどちらか?」 を分かりやすく解説します。
目次
TOEFL iBTとITPの基本情報|試験形式・受験目的の違い
TOEFL iBTとは?試験概要と特徴
TOEFL iBT(Internet-Based Test)は、海外の大学や大学院に進学するための英語力を測る試験です。
英語圏の大学での授業に対応できるかどうかを評価するため、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能を総合的にテストします。
試験形式(4技能テスト)
セクション | 内容 | 時間 |
リーディング | 学術的な英文を読み、内容を理解する問題 | 約35分 |
リスニング | 講義や会話を聞き、内容を理解する問題 | 約36分 |
スピーキング | 与えられたテーマについて話す | 約16分 |
ライティング | 文章を書いて意見を述べる | 約29分 |
スコアの評価基準
TOEFL iBTのスコアは 0〜120点で評価され、各セクション(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)のスコア(各30点満点)が合計されて最終スコアとなります。
TOEFL iBT スコア | 評価レベル | 説明 |
100点以上 | 非常に優秀 | 海外の難関大学レベル |
80〜99点 | 優秀 | 多くの海外大学の入学基準 |
60〜79点 | 標準 | 一部の大学では要件を満たす |
60点未満 | 基礎レベル | 大学入学には追加対策が必要 |
実施頻度・受験料
- 試験実施頻度:ほぼ毎週実施(試験日は公式サイトで確認)
- 受験料:約US$245(日本円で約36,000円前後)
- 受験場所:テストセンターまたは自宅受験(TOEFL iBT Home Edition)
個人受験が可能
TOEFL iBTは、個人で自由に申し込みが可能です。
日本国内外のテストセンターや、オンライン(TOEFL Home Edition)での受験も選択できます。
- 海外大学・大学院進学を目指す人
- 英語4技能(読む・聞く・話す・書く)のスコアが必要な人
- 奨学金申請で英語証明が必要な人
- キャリアアップのために高い英語力を証明したい人
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TOEFL ITPとは?試験概要と特徴
TOEFL ITP(Institutional Testing Program) は、大学や企業が団体で実施する試験です。
個人で申し込むことはできず、大学や企業などの団体がまとめて受験する方式になっています。
試験内容はTOEFL iBTとは異なり、リスニング・文法・リーディングの3技能を測定する試験です。
スピーキングとライティングの試験は含まれません。
試験形式(3技能テスト)
セクション | 内容 | 時間 |
リスニング | 短い会話や講義を聞き、内容を理解する問題 | 約35分 |
文法・構文 | 文法や語彙の正確さを問う問題 | 約25分 |
リーディング | 長文読解の問題 | 約55分 |
スコアの評価基準
TOEFL ITPのスコアは 310〜677点の範囲で評価されます。
各セクション(リスニング・文法・リーディング)のスコアを合計し、総合スコアとして換算されます。
TOEFL ITP スコア | 評価レベル | 説明 |
600点以上 | 非常に優秀 | 高度なアカデミック英語力 |
500〜599点 | 優秀 | 日本の大学入試や研修で求められる基準 |
400〜499点 | 標準 | 基本的な英語力はあるが、発展的な学習が必要 |
399点以下 | 基礎レベル | 英語力の強化が必要 |
団体受験のみ(個人で申し込み不可)
TOEFL ITPは大学や企業の団体向け試験のため、個人では申し込むことができません。
主に国内の大学の英語力判定や企業研修などで利用されます。
- 国内大学の英語クラス分け・単位認定のために受験する人
- 企業研修や英語研修プログラムでTOEFLスコアを活用する人
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TOEFL iBTとTOEFL ITPの違いまとめ
項目 | TOEFL iBT | TOEFL ITP |
名称 | Internet-Based Test | Institutional Test Program |
テスト形式 | パソコン受験 | ペーパー受験 |
試験内容 | リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング(4技能) | リスニング・文法(G)・リーディング(3技能) |
スコア範囲 | 0〜120点 | 310-677点(Level1) |
試験時間 | 約2時間 | 約1時間55分 |
受験料 | US$245(約36,000円) | 2,430〜4,200円(実施機関により異なる) |
受験方法 | 個人受験可能(テストセンター・自宅受験) | 団体受験のみ(個人申込不可) |
試験頻度 | ほぼ毎週実施 | 受験機関により異なる |
スコアの用途 | 海外大学・大学院の出願、奨学金申請、ビザ申請など | 大学の英語力判定、企業研修の英語試験 |
おすすめの受験者 | 海外大学進学希望者、英語4技能を証明したい人 | 国内大学生、企業研修受講者 |
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スコアの活用方法|海外大学・大学院入試で有利なのは?
TOEFL iBTとITPのどちらを受験するかを決める際には、スコアの活用方法を理解しておくことが重要です。
結論から言うと、海外大学・大学院入試ではTOEFL iBTが必須であり、TOEFL ITPは出願に使用できません。
国内大学受験でTOEFL iBTが認められるケース
近年、日本の大学入試では、TOEFLのスコアを活用できる学部が増えています。
特に、英語外部試験を活用する大学や国際系の学部では、TOEFL iBTのスコアを英語試験免除や出願要件として認めるケースが増加しています。
- 出願要件として必須
- TOEFL iBTのスコアが必須であり、一定の基準スコアを満たす必要がある。
- 加点・得点換算
- TOEFL iBTスコアを一定基準で大学の試験得点に換算、または加点として利用。
- 英語試験の免除
- TOEFL iBTスコアを提出することで、大学独自の英語試験を免除できる。
TOEFL iBTを一般入試で利用できる大学一覧(2023年最新)
大学名 | 活用方法 | 基準スコア |
北海道大学 | 出願要件(国際総合入試・医学部など) | 79点以上 |
東北大学 | 出願要件・合否判定の一部 | 79点以上 |
東京大学 | 一部の学部で出願要件として利用 | 明確な基準なし |
一橋大学 | 出願要件・英語試験免除 | 93点以上 |
東京外国語大学 | 出願要件 | 72点以上 |
早稲田大学 | 一部学部の出願要件・英語試験免除 | 80点以上 |
上智大学 | 出願要件・英語試験免除 | 79点以上 |
国際基督教大学(ICU) | 出願要件 | 79点以上 |
名古屋大学 | 出願要件・合否判定の一部 | 61点以上(学部により異なる) |
京都大学 | 出願要件(AO入試・推薦入試など) | 61〜80点以上(学部により異なる) |
大阪大学 | 出願要件 | 80点以上 |
九州大学 | 出願要件・得点換算 | 学部により異なる |
立命館アジア太平洋大学(APU) | 出願要件・英語試験免除 | 75点以上 |
広島大学 | 得点換算 | 72点以上 |
このように、TOEFL iBTのスコアを持っていると、英語試験免除・加点・出願資格の緩和などのメリットが得られる大学が増えているため、国内進学を考えている方もTOEFL iBTの受験を検討するとよいでしょう。
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TOEFL iBTスコアが求められる海外大学のレベル別一覧
海外大学・大学院の入試では、大学のレベルに応じて求められるTOEFL iBTのスコアが異なります。
以下の表では、トップ大学から中堅大学まで、一般的に求められるスコアの目安を示します。
大学のレベル | 必要スコア(TOEFL iBT) | 例 |
トップ大学(最難関) | 100〜110点以上 | ハーバード大学(100+) スタンフォード大学(89+) カーネギーメロン大学(102+, 各セクション25以上) オックスフォード大学(100+, R24/L22/W24/S25) ケンブリッジ大学(110+, 各セクション25以上) |
上位大学(難関) | 90〜100点以上 | UCLA(100+) ミシガン大学(84+) ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(100+, R25/L24/W27/S24) エディンバラ大学(92+, 各セクション20以上) メルボルン大学(90+) |
中堅大学(一般的な英語圏の大学) | 79〜90点以上 | トロント大学(79+) ブリティッシュコロンビア大学(79+) ワシントン大学(76+) シドニー大学(85+) ノッティンガム大学(79+) |
英語圏以外の大学(英語プログラム) | 70〜85点以上 | 香港大学(80+) ソウル大学(80+) ルンド大学(75+) ダブリン大学(79+) |
参考:英語圏の大学基準スコア
特に、トップ大学や大学院では100点以上が求められることが多いため、高スコアを狙う必要があります。
一方で、英語圏以外の大学でも英語プログラムの場合はTOEFL iBTスコアが求められることがあるため、志望校の要件を事前に確認し、目標スコアを設定しましょう。
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TOEFL ITP®の活用状況と国内大学での利用
TOEFL ITP®は団体向けの試験プログラムであり、海外大学・大学院入試には利用できませんが、日本国内の大学ではクラス分け、成績評価、プレテスト・ポストテスト、実力測定、入試・院入試、留学関連など、幅広い目的で活用されています。
- クラス分け:入学後の英語授業のレベルを決定するために活用されます。
- 成績評価:英語科目の成績の一部として利用されることがあります。
- プレテスト・ポストテスト:授業やプログラムの開始前後で学習成果を測定するために実施されます。
- 実力測定:学生の英語力を客観的に把握するための試験として利用されます。
- 入試・院入試:一部の大学では、入試の判定材料の一つとして活用されています。
- 留学関連:学内の留学プログラムの選考において、英語力の基準として用いられることがあります。
TOEFL ITP®を活用している主な大学
以下の大学では、TOEFL ITP®が公式に活用されています。
大学名 | 活用方法 |
北海道大学 | クラス分け、成績評価、実力測定、入試・院入試、留学関連 |
東北大学 | クラス分け、成績評価、プレテスト・ポストテスト、実力測定、入試・院入試、留学関連 |
東京大学 | クラス分け、実力測定、入試・院入試 |
慶應義塾大学 | クラス分け、成績評価、プレテスト・ポストテスト、実力測定、入試・院入試 |
名古屋大学 | クラス分け、成績評価、実力測定 |
大阪大学 | 成績評価、実力測定 |
京都大学 | 成績評価、プレテスト・ポストテスト、実力測定、入試・院入試 |
九州大学 | クラス分け、成績評価、実力測定、留学関連 |
TOEFL ITP®は個人での受験ができず、大学や教育機関が団体として実施する試験です。
そのため、一般の受験生が入試の出願要件として利用することはできません。
しかし、国内の大学に進学した後の英語教育や留学準備において、多くの大学でTOEFL ITP®が活用されています。
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結局どっちを受けるべき?TOEFL iBT・ITPの選び方
TOEFLにはTOEFL iBTとTOEFL ITPの2種類がありますが、どちらを受験するべきかは目的によって異なります。
それぞれの試験の特徴を理解し、自分の目標に合ったものを選びましょう。
TOEFL iBTを受けるべき人
TOEFL iBTは、海外の大学・大学院への出願を目指す人にとって必須の試験です。
また、英語4技能(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)を総合的に評価するため、英語力を幅広く証明したい場合に適しています。
- 海外大学・大学院への出願を目指している人
→ 海外の学位プログラムではTOEFL iBTのスコアが必須となるケースがほとんど。 - 英語4技能を評価してもらいたい人
→ TOEFL iBTではスピーキングとライティングのスコアも測定され、実践的な英語力を示せる。 - 個人で申し込んで受験したい人
→ TOEFL iBTは世界中のテストセンターまたは自宅受験(Home Edition)で受験可能。
TOEFL ITPを受けるべき人
TOEFL ITPは、大学や企業が団体で実施する試験であり、クラス分けや英語力の測定を目的としています。
スピーキングとライティングのセクションがなく、リーディングとリスニングのスコアが中心です。
- 大学のクラス分けや企業の英語力測定を目的とする人
→ 一部の大学では、英語授業のクラス分けや進級判定のためにTOEFL ITPを活用。 - 英語の試験対策の練習として受験したい人
→ 大学経由なら安価に受験できるため、レベルチェックや試験対策として活用可能。 - 大学や企業で団体受験の機会がある人(個人での申し込み不可)
→ TOEFL ITPは個人で申し込めず、大学や企業の団体受験の枠が必要。
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終わりに
TOEFL iBTとTOEFL ITPは、それぞれ異なる目的に応じた試験であり、どちらを受験するかは自身の目標次第です。
海外大学・大学院の出願を目指す場合は、TOEFL iBTの受験が必須となり、高スコアを取得することで進学の選択肢が広がります。
一方、TOEFL ITPは国内の大学や企業での英語力測定に活用されることが多く、大学経由であれば安価に受験できるため、英語の実力を試す目的にも適しています。
自身の目的に合わせて最適な試験を選び、効率的に英語力を向上させていきましょう。
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