グローバル化が進んで日本を訪れる外国人観光客や労働者が増えてきた今、英語の必要性は従来よりも格段に高まっている。
少しでも将来英語を話して仕事がしたい、留学がしたい等々、英語を話せるようになりたいという願望があるのであればこの先を読んで欲しい。
英会話スクールにもいかず、インターナショナルスクールでもない普通の公立高校を卒業して、すぐにアメリカの四年制大学に留学した私がやった中高生だからこそできる実践的な英語学習法を紹介しようと思う。
この記事の著者:田中さん家の犬
日本の公立高校を卒業後アメリカに渡り、テキサスの四年制大学で医療工学を専攻。日本生まれ日本育ちだが、両親が中国人である為英語の他に中国語も堪能。趣味は読書、洋画観賞、漫画収集、筋トレ。最近はプログラミングの勉強にお熱。
目次
はじめに:TOEFL109点のレベル感
TOEFL iBT | IELTS | TOEIC | 英検 |
35–45 | 5 | -600 | 2級 |
46–59 | 5.5 | -700 | 2級 |
60–78 | 6 | 700-800 | 準1級 |
79–93 | 6.5 | 800-950 | 1級 |
94–101 | 7 | 950- | 1級 |
102–109 | 7.5 | NA | NA |
110–114 | 8 | NA | NA |
115–117 | 8.5 | NA | NA |
118–120 | 9 | NA | NA |
(参考: TOEFL iBT® and IELTS® Academic Module Scores)
英語はとにもかくにも単語・語彙力
さて、どんなに効率的な勉強法でも言語を学ぶ限り、単語を覚えるという作業は欠かせない。
日本語を勉強するときに、食べる、走る、リンゴ、バナナ等々単語を覚えなければ会話にもならないし文章も読み取れないだろう。
それと同じで英語を学習するときに一番大事なのが単語のインプットだ。むしろ、単語力=英語力と捉えていい。
日本語でも、私、走る、速い、ととりあえず単語だけを繋げても意味が通じるように、英語でも文章の繋げ方は分からなくても単語さえ分かっていればそれを繋げて意味を通じさせる事ができる。
だから、実践的な英語力を身に着けるための初めの一歩はとにもかくにも単語だ。しかし、この単語を詰め込む作業が苦痛で英語学習を断念してしまう人が多いのが現実だろう。
日常会話に中学三年生までの単語を!
ここで朗報なのだが、単語というのは無限にあるが実際に日常会話でよく使うのは中学三年生までに学ぶ単語で大体網羅できる。
学術論文の実験結果についての意見討論など、高度な会話には勿論中学校で学ぶよりも一つ二つ上の単語力が必要だが、どこどこのご飯が美味しかった、この前の週末何をした、宿題の期限がいつだったかといったような、日常会話は中学英語の単語力があれば十分に可能なのである。
だから英語を話すために辞書を丸覚えだとか、英字新聞の単語をいちいち調べて意味を覚えるだとかそういう非現実的な努力をする必要はない。
私が留学を志して英語学習に本腰を入れ始めたのが中学一年生で、最初にごく普通の会話をネイティブスピーカーと成立させるのを目標として始めたのが英検三級用の単語帳の丸覚えだった。
単語帳の使い方、単語の覚え方
使ったのは旺文社英検書の「英検三級 出る順パス単 1300語」という単語帳で、その頃からものぐさだった私は一つ一つの単語を書いて覚えるが面倒だったので、音声ファイルを聞きながら単語帳を持って読み上げて覚えるという方法を取っていた。
そして、10回ここの動詞のセクションを読み上げたら意味の部分を隠して単語を読み上げる、もしくは単語を隠して意味を読み上げると言ったように、自分の中で一定の基準を決めその日の気分でどちらかを隠して自分が本当に覚えたかテストをした。
単語の部分を隠した場合は、スペルはうろ覚えでも正しく発音できたものには印をつけて、意味の部分を隠した場合は、一つでもかすっていたもしくは似たような意味を言えたら印をつけた。
そして三回連続して印がついたものは飛ばして印のついていない単語だけをテストするという過程をすべての単語を覚えるまで繰り返した。
一見面倒くさそうに見えるが、単語を繰り返し言う、見る、そしてできるだけ短時間で多くの単語に触れるという事を目的にしているので、覚えたという基準は本当に緩くていい。
発音があってた、意味が一つでも言えたらオッケーとして、どんどん新しい単語に行くようにした。
こうしてとにかく多くの単語に触れるという事を続けていくと、ある一定の単語に触れた時点でこのスペルならこの発音というように、見ただけでどう読むのか分かるようになる。
そうすれば単語を覚える速度は格段にあがるので、とにかく最初は数に触れるのが大切だ。
そしてこれも重要なのだが、ある程度単語を覚えたら学校や塾の先生、親御さん、友達でもいい。その都度誰かに最近単語何個覚えたんだよ!と自慢してほしい。
あなたが誰かに何かをされて悲しかった、嬉しかった、感動したというような記憶をいつまでも持っているように、人間の記憶は感情が絡むと定着がしやすい。
だから単語を覚えて人に褒められれば、その「嬉しい」という感情が必ず学習の助けになる。要するに成功体験を積み重ねるのだ。
これは英語に限らずどんな勉強をしていようと共通して重んじるべき事なのでこの先もしも新しく何かを学習する機会があれば自分が達成したことを人にどんどん伝えて褒めてもらおう。
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単語の次は英語耳・リスニング力を育てる
単語の学習が一通り終わったら、次はリスニング力のトレーニングに移る。
すぐに会話をし始めるんじゃないの?と疑問に思う人もいるかもしれないが、正直単語を覚えて真っ先に会話の練習をするのも悪くはない。
中学校高校によっては、アメリカやカナダ、イギリスなど主要な英語圏の国からいらっしゃったネイティブスピーカーの先生が常在しているであろうし、その先生達にいきなり話しかけるというのもありだ。
しかし、個人的にリスニングのトレーニングを先にまたは並列してしているのとしていないのとでは、英会話の上達速度が格段に違うと感じる。
例えば具体例を挙げるとすれば、リスニング力がないと発音の練習をする際にネイティブの発音と自分の発音のどこがどう違うか具体的につかめなかったり、長い文章になると聞き取れなかったりしてしまう。
だから私は聞く力をつけるために主に二つの事をした。
ディクテーションのやり方
一つ目は学校の英語の教科書や英検の参考書など、英文を読み上げてくれる音声ファイルがついている教材ならならなんでもよい。
その音声を流しながら聞こえてきた英文を紙に書きとった後に、教材の答案や原文と比べてみて自分が現状どれほど聞き取れるかを可視化するようにした。
この時に意識するのは、聞き取れたけれどスペルを間違えた等マイナーなミスは無視して、すでに学習したのに聞き取れておらず書き取れなかった単語、そもそも知らなかったので書き取れなかった単語に印をつけた。
そして、もう一回同じ音声を流して書き取りをする。そこでも聞き取れず二回以上印がついた単語は、後で意味を調べて十回読むようにした。
これを週一で半年ほど繰り返した。
そうすると単語力が上がるのもそうなのだが、英語を恒常的に聞いている状態になるので段々と頭が英語に慣れ、聞いた傍から言葉が理解できるようになる。
海外ドラマや洋画を使った勉強法
そしてこの書き取りと並行して行ったのが、海外ドラマや映画を繰り返し見るという方法だ。
Netflix、Amazonプライムビデオ、hulu等の動画配信サービスで見るもよし、ツタヤで借りるもよし、自分の好きな海外映画やドラマを選んで繰り返し見てほしい。
この時に字幕ありで見て、次は字幕なしで見て、その次はまた字幕ありで見るなど、すべてのセリフを耳で聞いたときにその日本語訳がすっと頭に浮かぶ状態まで、何回でも字幕を付けたり外したりして見ることが重要だ。
別に、毎回通しで見る必要はなく、このシーンだけ何を言っているか良くわからなかったから、もしくはこのシーンは好きだからもう一回見る等々個人で工夫してみてほしい。
私は最初は比較的使われている言葉が簡単なディズニーやピクサー映画から初めて、その次はゴシップガール、バンパイアダイアリー等のティーン向けの海外ドラマ、最終的には行われている会話が一番自然なアメリカのバラエティー番組やトークショーと段々と内容を難しくしていった。
英語が公用語ではない日本で英語のリスニング力を鍛えるのはとても難しいことであるので、普段から進んで英語を聞く機会を増やす事が必要だ。
映画やドラマなどの娯楽は、英語を比較的抵抗なく脳に流し続けられるという点で非常に優秀と言える。
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英会話のコツは恥を捨てること
身近で話せる機会を探そう
さて、肝心の英会話の実践だが英語をペラペラに話すために必要な初めの一歩はズバリ恥を捨てることである。
間違えたら笑われるなんて考えを持っていたら、いつまで経っても話せるようにはならない。
ネイティブスピーカの先生が常勤していたり、そうでなくとも英語の先生が身近にいる中学校、高校はわざわざ英会話スクールに通わなくとも自分がその気になればいくらでも無料で英会話を練習できる素晴らしい施設だ。
であるのに日本の学生の英会話力が乏しいのは、日本の英語教育が会話力を育てるのに適していない以上に、間違えるのが恥ずかしい、わざわざ英語で話しかけるのが恥ずかしいという意識に原因があるように思う。
だがその考えがまず間違いである。
別の立場になって考えてみてほしいのだが、もし日本語を一生懸命勉強している学生が日本語で話しかけてきたら貴方はどう思うだろうか。
どれだけたどたどしい日本語でも、精一杯勉強して話しかけてくれている以上嬉しいと思うだろう。
これは中学校、高校にいるネイティブスピーカーの先生方、そして英語を担当されている先生方も同じだ。
そもそもネイティブスピーカーでさえ、文法的には大間違いな英語を日常的に使っている。
英会話は自分が思っている事が相手に伝われば、それ自体が成功体験になり、話すことがどんどん楽しくなる。
まずは騙されたと思って、恥ずかしいという意識を捨てて、文法や語順、発音がめちゃくちゃでも、単語を繋げるだけでもいいので、兎に角身近にいる英語のできる先生に話しかけてみてほしい。
発音のトレーニングのやり方
そしてある程度、英語を話すという事に対する恥の意識が薄れてきたら、さらなるステップアップを狙って、発音に気を付けてみよう。
どうせ英語を話すのであれば、分かりやすいカタカナ英語よりもネイティブに近い発音の方が格好がいいし相手にも理解されやすい。
私が発音を矯正する時に実践したのが、ネイティブスピーカーの口の形をひたすらに見て真似をするという作業だった。
実際に英語圏出身の先生が常勤している場合は、その人に発音練習に付き合ってもらおう。その際、苦手な単語を発音をする際に、先生がどのような唇の動きをしているかつぶさに観察しよう。
音だけを真似ても上手くいかない場合は、この唇の動きがついていけていない事が多い。
もし学校にネイティブスピーカーの先生がいない場合は、できるだけカタカナ英語ではない先生に発音練習に付き合ってもらおう。
Youtubeで上がっている発音動画や日常系のドラマや映画で使えそうなセリフを選んで繰り返し見て口の形を真似るというのも良い。
英会話を上達させるには、話す、音と口の形を真似るをひたすら繰り返す。
英語の読み書きリスニングはもちろん大事だが、言葉というのはあくまでツールであり、その肝は、言葉を通して色々な人間とコミュニケーションを取れるようになるところであろう。
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まとめ
言語学習は単語を覚えたり、その単語の用法を覚えたり、聞き取れるようになるまでに時間を要したりただでさえ苦労が多い。
その分、自分が吸収した知識を用いて本来であれば意思疎通ができなかった人間と会話ができるようになった時の感動と楽しさというのは、努力と時間を費やした本人にしか計り知れない。
その深い成功体験は、第二言語を習得するというスキルだけでなく、この先の人生で必ず貴方の心の支えになる自信をもたらしてくれる。
なので、今から英語を勉強しようと思っている人も、何かしらの目的があり既に英語を勉強し始めている人も、時間はかかるだろうが、ここに書いている学習方法を真似たり、他の学習法と組み合わせるなど、自らにあった方法を模索しながら、是非とも自分が思う理想の英語力まで諦めずに言語学習の道を邁進してほしい。