世界的に有名な大学ランキングに名を連ねるトップレベルの名門大学が多く集まるアメリカ。
その中でも、アメリカ北東部にある私立大学8校は、アメリカを代表する名門校「アイビーリーグ(IVY League)」に分類され、世界中にその名を馳せています。
また、その他の大学を分類した名称として「アイビープラス(IVY Plus)」というものがあります。
その中の1校「スタンフォード大学」は、いわずと知れた数々の有名人・卒業生を輩出している名門大学。
そんな西海岸の「ハーバード」ともいわれる超難関校「スタンフォード大学」は、一体どのような大学なのでしょうか。
今回のこちらの記事では、そんな「スタンフォード大学」の場所や入学条件・学費などの学校情報はもちろん、そのほかにも知っておきたい「スタンフォード大学」について、幅広くまとめて紹介させていただきます。
この記事の筆者:Antieやや
タイ在住。語学力を生かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、現在イギリスの大学で心理学とマーケティングを学ぶ息子あり。
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。
目次
アメリカの名門校:スタンフォード大学とは
スタンフォード大学の基本情報
- 名称:Stanford University(スタンフォード大学)
- ホームページ:https://www.stanford.edu/
- 所在地/アクセス:450 Serra Mall, Stanford, CA 94305 United States
- 電話番号:+1 (650)723-2300
- 創立年:1891年
- 学校形態:大学・大学院
- 学生数:学部生 7,761名 大学院生 9,231名(2022年時点)
スタンフォード大学の特徴と学部紹介
大学の魅力・特徴
スタンフォード大学を初めて訪れる誰もが感じる第一印象は、そのキャンパスの広さです。
広大なキャンパスの敷地内には、8万人以上は収容できるだろうスタジアムやゴルフコース、その他のスポーツ施設、ジムもキャンパス内に複数設置されています。
また、81棟の学生寮に加え、スーパーやレストラン、巨大なブックストア、さらには銀行や郵便局などが揃い、キャンパスの中だけで生活することができてしまいます。
また、ハイテク企業が集まるサンフランシスコ・シリコンバレーに位置することから、コンピューターサイエンスやエンジニアリング、起業などに強みを持ち、さまざまな企業との研究や開発にも積極的に取り組んでいます。
例えば、Apple、インテル、ナショナル セミコンダクター、Google、Facebook、アプライド・マテリアルズ、Yahoo! などの会社がオフィスを構えています。
世界有数のエリート学生が集まる大学で「勉強ができる」ということは当たり前のこと。大切なのはその頭脳を活かすというところにあります。スタンフォード大学の校訓は、
“ Die Luft der Freiheit Weht(ドイツ語「自由の風が吹く」)”
とあり、人種や性別、民族や宗教を問わずに優秀な学生を集め、教養がありかつ社会に役に立つ人材を育成することを目指しています。
学部一覧と学術分野
アメリカのほとんどの大学では、入学時に専攻を決めておく必要はなく、1、2年生は一般的な教養を身につけるカリキュラムを受講します。
2年生の終わりまでに専攻を決め、3年生からは自分の専攻を学びます。専攻の選び方は人それぞれで、異なる2つの学部の中から2つの専攻を決めることも可能です。
理系・文系合わせ、スタンフォード大学で学べる主なる学部・学科(スクール)は以下の7つとなっています。
- Business (ビジネス学部)
- Earth energy an environmental sciences(地球エネルギー環境学部)
- Education(教育学部)
- Engineering(工学部)
- Humanities and Sciences(人文・理学部)
- Law(法学部)
- Medichine(医学部)
※このうち経済学部、法学部、医学部は大学院のみとなっています。
これら各学部にはあらとあらゆる専攻があり、入学してから2年間をかけ自分の学びたい専攻をじっくりと選ぶことができます。
学生の数は多いのですが、20人以下のクラスの割合が全体の約73%を占めており、教授から丁寧な指導が受けられるなどきめ細やかな教育環境が整っています。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
盛んなスポーツ活動
さらに、スタンフォード大学は教育や研究だけでなくスポーツにも力を入れており、サッカー、テニス、バスケ、野球、フットボールなど各スポーツチームはアメリカ全土で強豪としても知られ、優勝するなど優秀な成績を収めています。
» スタンフォードMBAを知る 日本人ブログ+留学情報まとめ
世界大学ランキングと評価
スタンフォード大学は、各種大学ランキングでの評価も非常に高く、全米屈指の名門大学として毎年上位にランクされています。
THE世界大学ランキング 2023
世界ランキング | THE |
1 | オックスフォード大学(英) |
2 | ハーバード大学(米) |
3 | ケンブリッジ大学(英) |
3 | スタンフォード大学(米) |
5 | マサチューセッツ工科大学(米) |
QS世界大学ランキング 2023
世界ランキング | QS |
1 | マサチューセッツ工科大学(米) |
2 | ケンブリッジ大学(英) |
3 | スタンフォード大学(米) |
4 | オックスフォード大学(英) |
5 | ハーバード大学(米) |
USニュース大学ランキング
世界ランキング | U.S. News |
1 | ハーバード大学(米) |
2 | マサチューセッツ工科大学(米) |
3 | スタンフォード大学(米) |
4 | UCバークレー大学(米) |
5 | オックスフォード大学(英) |
いずれのランキングでも、日本の東京大学や京都大学等よりずっと上位に位置している名門大学です。
スタンフォード大学の偏差値と難易度
スタンフォード大学の偏差値は、その合格率や難易度から80以上と言われていますが、海外の大学には偏差値という概念はなく、その入り方の難易度は入学条件や合格率から判断されます。
また、スタンフォード大学は私立大学ですが、日本で言うと国立大学の最難関の東大や京大よりも入学難易度の高い大学として知られています。
世界3位のスタンフォード大学。難易度はどれくらいなのでしょうか?
さっそく、スタンフォード大学の合格率データを見てみましょう。
最新の2022年は合格率が3.68%となっており、倍率で換算すると約27倍です。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
コロナが流行した2020年を境に、スタンフォード大学に限らず全米の大学で合格率が下がっている傾向があります。
理由としては、後ほど紹介する試験の提出が任意となり、出願のハードルが下がったためだと想定されます。
とはいえ、スタンフォード大学はコロナ禍以前から他のアイビーリーグの大学と比べても合格率が低く、日本のトップ校よりも難易度が高い大学として知られています。
人種構成と留学生の割合
スタンフォード大学の人種構成を見てみましょう。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
2022年の新入生は、33.7%がアジア系、25.4%が白人系となっており、他校と比べてもアジア系が多い結果となっています。
また、留学生率は約11%となっています。
スタンフォード大学の卒業生・有名人
著名な卒業生には、政界やメディア業界のみならず、IT関連企業とはじめとする起業家が多いことでも知られており、アップルの故スティーブ・ジョブズの卒業式での式辞は有名な話となっています。
- イーロン・マスク – スペースX、テスラ、PayPalの創業者として知られ、技術革新と起業家精神で世界をリードしています。
- サンドラ・デイ・オコナー – アメリカ合衆国初の女性最高裁判所判事として歴史を刻み、法曹界での影響力を持っています。
- タイガー・ウッズ – プロゴルファーとして数々のメジャー大会で優勝し、ゴルフ界を代表する選手です。
- シガニー・ウィーバー – 『エイリアン』シリーズなどで知られる女優で、ハリウッド映画界での活躍が際立っています。
- ラリー・ペイジ – Googleの共同創業者として、検索エンジンと広告技術の進化に寄与し、情報アクセスを一変させました。
- フィリップ・ナイト – ナイキの創業者であり、スポーツウェア業界での成功を収め、ブランド力を世界中に広めました。
スタンフォード大学卒の日本人卒業生
スタンフォード大学の日本人卒業生は、多様な分野で際立った業績を上げており、日本国内外でその影響力を発揮しています。
- 鳩山由紀夫 – 日本国第93代内閣総理大臣を務めた政治家で、スタンフォード大学で工学博士号を取得しました。彼は民主党のリーダーとして、日本の政治に大きな影響を与えました。
- 石井一 – スタンフォード大学で教育を受けた後、民主党の参議院議員や自治大臣、国家公安委員会委員長を務めました。彼は、日本の地方自治と政治改革に貢献しました。
- 浅尾慶一郎 – スタンフォード大学でMBAを取得し、みんなの党の代表や参議院議員として活躍しました。経済政策に注力し、日本の経済成長に貢献しました。
- 浦田秀次郎 – スタンフォード大学で博士号を取得し、早稲田大学教授として、経済学の分野で多くの研究成果を上げました。彼の研究は、日本とアジアの経済関係に深い洞察を与えています。
- 小泉潤二 – スタンフォード大学で博士号を取得し、大阪大学で物理学の教授として活動しています。彼の研究や実験は、物理学の基礎を深めるもので、教育者としても多くの学生を育てています。
これらの日本人卒業生は、それぞれの分野で卓越した成果を上げ、スタンフォード大学と日本の名声を国際的に高めています。
スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式スピーチ
Steve Jobs’ 2005 Stanford Commencement Address
スタンフォード大学の学費・留学費用と奨学金
学費と生活費の目安
※ 参照元 The Student Budget/Stanford
スタンフォード大学に留学するには、年間の学費や滞在費、保険などに加え、航空券代などもかかり、年間の出費は約8万7千ドル、日本円に換算すると1,200万円前後と高額です。(1ドル=139.40円で換算)
そのためスタンフォード大学では、親の収入、学生の学力などに応じてさまざまな奨学金制度を設けていますが、大学が提供する主なる奨学金はアメリカ在住の学生が対象になるため、日本を含めた留学生は対象外となっています。
しかし、枠に限りはあるものの留学生向けの奨学金制度もあり、Need-based Scholarshipというもので、家庭の収入などの状況に応じて、奨学金支給の有無が決定されます。
データを参考にしてみましょう。下記のデータは、Need-based Scholarshipを申請した生徒のうち、実際に奨学金を受給している生徒の割合です。
ここ5年間で大きな変動はなく、毎年80%近くの申請者が何らかの奨学金を受給していることが分かります。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
留学生向けの奨学金制度
また、奨学金給付額についても見てみましょう。
近年、スタンフォード大学に限らずアメリカの大学は費用が高騰傾向にあると聞いたことがある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
事実として、下記のグラフから読み取れるように、費用は高騰しています。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
※上記2点のデータはアメリカ人学生を含み、大学からの奨学金のみならず政府等からの奨学金も含まれていることをご留意ください。
しかし、注目すべきは「カバー率」です。2022年の大学にかかる費用に対する奨学金カバー率は、前年度と比べ6%上昇しています。
そのため、費用は高騰しているものの、同時に奨学金受給額も増加していることが分かります。
また、優秀な学生向けの奨学金制度が、さまざまな公的機関や民間団体によって整えられているので、そうした制度を利用することも可能です。
スタンフォード大学に入るには?合格のヒントと入学条件
スタンフォード大学のアドミションオフィサーは、アプリケーションを通じて学業の優秀さ、その他エッセイや課外活動などから出願者の人間性を探ろうとします。
ここでは、スタンフォード大学への出願の際に特に重視される項目を詳しくみていきましょう。
学校の成績(GPA)とその重要性
2022年にスタンフォード大学に入学した学生の平均GPAは3.95となっています。
また、高校全体の学年順位で上位に入っているということも考慮されます。
全体の約7割は満点のGPA4.0となっており、かなりハイレベルであることが分かります。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
高校全学年を通じてよい成績を修めている方が望ましいのはもちろんですが、徐々に成績が上がっていれば、それは努力をしていると評価。
逆に、3年生になり成績が下るというのはあまり良くなく、特に3年生の1学期の成績は「Mid-Year Report(ミッド・イヤー・レポート)」と呼ばれ、出願後にも提出を求めているためにしっかりと成績をキープしなくてはいけません。
SAT/ACTスコアの基準と準備方法
スタンフォード大学では、出願者1人1人の人物像を探る際に参考となる書類の1つとして、Standardized Test(共通テスト)のスコアを使用することがあります。
スタンフォード大学が提出を可能としているテストスコアは、下記の通りです。
- SAT(エッセイパートの提出は必要なし)
- ACT
- AP(オプション)
SAT・ACTは、コロナ禍をきっかけに任意提出となりました。
2022年の入学者のうち、SATを提出した生徒は49%、ACTを提出した生徒は23%となっています。そのため、約3割の人はいずれのテストのスコアも提出していないこととなります。
For 2022–23 first-year and transfer applicants, Stanford will review applications with or without ACT or SAT test scores, leaving the decision in the hands of the applicant.
参考出典:https://admission.stanford.edu/announcements/
SAT
2022年のデータを見てみましょう。
SATを提出をした入学者においては、総合スコアが1400点〜1600点の人が約94%を占めています。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
2022年のSAT受験者全員の平均スコアは1050点であることから、レベルがかなり高いことが分かります。(参考:2022 Total Group SAT Suite of Assessments Annual Reportより)
また、教科ごとのスコア分布も見てみましょう。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
Readingでは、約90%の入学者が700点〜800点を取得しています。
また、Mathでは約95%の入学者が700点〜800点を取っています。
非ネイティブの日本人の場合、Mathで満点を取り、Readingでも少なくとも600点以上取ることが戦略として良いでしょう。
ACT
また、ACTを提出した入学者のスコアデータも見てみましょう。
ACTも同様にハイレベルとなっており、約96%の人が30点〜36点を取得していることが分かります。
実際に息子の周りでスタンフォード大学への出願をした子供たちは、ほぼ満点という高得点を取り出願。
しかし、SAT・ACTは任意提出となっており、上記で紹介したスコアが取れなくても合格のチャンスがあることをご留意ください。
英語力レベルの証明(TOEFL/IELTS/DET)
高い英語力が身に付いていることは、スタンフォード大学入学のための前提条件。
ただし、英語力を証明するためのスコアの提出は義務つけていません。それでも自分の英語力をアピールするためには有効な手段。
留学生のほとんどがTOEFL、IELTS、Duolingo English Testといった、英語を母国語としない人を対象にした英語のテストのスコアを提出しています。
スタンフォード大学は最低限のTOEFLスコアや平均点の開示をしておりませんが、他の名門校と同様TOEFL100点、IELTS7.0、Duolingo English Test130点以上は最低限のスコア(合格する人はさらに上を取るのが普通)と考えると良いと思います。
課外活動とリーダーシップ経験の重要性
参考出典:https://kininarukotomatome.com/
アプリケーションでは、学力だけではなく、どのようなことに興味があり、さらに活動を通じてどんな経験を積んできたのかなど、出願者が情熱を注ぎ続けているものから、スタンフォードというコミュニティへの貢献の可能性を見つけ出そうとします。
そのため、サマーキャンプやサマークール等も含め、積極的に課外活動に取り組む姿勢が大切。これは、多くの課外活動に参加すればいいというものではありません。
1つ、または2つでいいので、活動を通して自分の興味、関心を掘り下げることが重要です。
エッセイ:スタンフォード大学に求められる書き方
アメリカの大学への出願はエッセイがとても重要です。
スタンフォード大学もエッセイを重視しており、課外活動などから自分の経験や価値観を伝えて大学に自分を知ってもらい、入学したいという熱意をアピールします。
アドミションオフィサーが知りたいのは、スタンフォードというコミュニティにとってあなたが社会的、学問的に適した人材であることです。
そして、エッセイはそうした資質をアピールするための絶好なツールとなります。
スタンフォード大学は、Coalition ApplicationまたはCommon Applicationの全出願大学に共通で提出するエッセイと、大学特有のサプリメンタルエッセイの提出を求めています。
ちなみに、Coalition ApplicationとCommon Applicationとは、アメリカの大学へ出願する際の書類の1つのことで、多くの大学への出願ができる「共通願書」ことです。
この2つの「共通願書」の大きな違いは、出願を受け付けている大学の数です。
出願する大学がどちらの願書を受け付けているのか、確認が必要となります。基本的には、Common Applicationを使用する人が多いです。
サプリメンタルエッセイは、5つのショートアンサー(50ワード以内)と、3つのエッセイ(100〜250ワード)となっており、他校と比べても量が多いため早めに取り掛かる必要があります。
100〜250ワード
- The Stanford community is deeply curious and driven to learn in and out of the classroom. Reflect on an idea or experience that makes you genuinely excited about learning.
- Virtually all of Stanford’s undergraduates live on campus. Write a note to your future roommate that reveals something about you or that will help your roommate—and us—get to know you better.
- Tell us about something that is meaningful to you and why.
50ワード
- What is the most significant challenge that society faces today?
- How did you spend your last two summers?
- What historical moment or event do you wish you could have witnessed?
- Briefly elaborate on one of your extracurricular activities, a job you hold, or responsibilities you have for your family.
- Name one thing you are looking forward to experiencing at Stanford.
これらのトピックでは、主に「なぜスタンフォード大学に入学したいのか」「スタンフォード大学との相性は良いか」という出願者の「本気度」を測る質問となっています。
そのためスタンフォード大学のカリキュラムや特徴などについて徹底的に調べることが必要不可欠。
スタンフォード大学・サプリメンタルエッセイ・サンプルを参考に「本気度」をアピールできるエッセイを準備しましょう。
推薦状:効果的な書き方は?
アメリカの大学の入学審査は書類選考で行われるため、ほとんどの大学で推薦状の提出を求めています。
推薦状はエッセイと同様に、学力だけでは読み取れない出願者の人間像、または他の出願者との違いを探るためにとても重視。
スタンフォード大学では教員2名とスクールカウンセラー、合計3通の推薦状の提出を求めています。
推薦状は、出願者の資質、能力を第三者が客観的に評価し推薦する文書のことです。そのため自分のことをよく理解してくれている先生に書いていただくことがおすすめ。
スクールカウンセラーと面識がない場合は、担任の先生に依頼することが通常です。
また、もし専攻が決まっている場合には、その専門分野の科目の先生に書いていただくのもいいかと思います。
インターナショナルスクールであれば、先生は効果的な推薦状の書き方を心得ていると思いますが、日本の高校だと推薦状を書くことに慣れていない先生がいるかもしれません。
その場合には、先生が推薦状を書きやすいように留学の動機、学業面だけではなく、クラブ活動、リーダーシップ、協調性など、自分の際立った長所などを聞いてもらい、なるべく具体的に評価していただきましょう。
スタンフォード大学の出願スケジュールと出願書類リスト
出願期限
スタンフォード大学では、Early ActionとRegular Decisionでの出願を受け付けています。
それぞれの出願期限や選考プロセスの日付は、その年により前後するかもしれませんが、およそ以下の通りです。
Early Action | Regular Decision | |
出願締切(ポートフォリオがある場合) | 10月15日 | 12月5日 |
出願締切(通常) | 11月1日 | 1月5日 |
合否発表 | 12月中旬頃 | 4月上旬頃 |
オファー返答締切 | 5月1日 | 5月1日 |
出願書類リスト
それでは、スタンフォード大学への出願に必要な書類をみていきましょう。
- Coalition ApplicationまたはCommon Application(願書)
- 出願料 $90(免除制度あり)
- SATまたはACTのスコア(任意)
- 英語テストのスコア(任意)
- School Report、カウンセラーからの推薦状
- 高校の成績証明書
- 推薦状2通
- エッセイ
- 高校3年生1学期の成績(2月15日までに提出)
これらの書類を全て出願期限までに提出すると、スタンフォード大学から受領のお知らせメールが届きます。
さらにスタンフォード大学ウェブサイトのApplication Status Portalにログインをし、書類不備がないかなどを定期的にチェックすることをおすすめします。
スタンフォード大学への出願前に知っておくべきこと
日本の大学入試との違いを理解する
スタンフォード大学への入学で何が必要か具体的に入る前に、日本の大学とアメリカの大学の違いを簡単におさらいしておきましょう。
入試試験 vs 総合評価
日本とアメリカの大学入試では、根本的に合格基準が異なります。
日本の大学入試は、大きく分けて「一般入試」「推薦入試」「総合型入試」の3つ。
多くの大学受験生が経験する「一般入試」は、一言で言えば「学力一発勝負」となっており、一般的に偏差値重視の選考が行われます。
そして、アメリカの大学入試では、成績だけではなく多面的、総合的な評価による選考方法「Holistic Admission(ホリスティック・アドミション)」を採用。
スタンフォード大学でも「ホリスティック・アドミション」を実施しており、アカデミックの実績、知的レベルや興味、課外活動といった軸から生徒の選抜を行います。
日本の総合型入試と似ていますが、これが全ての生徒の選考に適用されるイメージです。
詳しくは、大学ホームページのスタンフォード大学のホリスティック・アドミションに記載されており、これを読むことにより大学の特色や教育理念を反映した上で、大学が「どのような学生を求めているか」という受け入れの方向性を知ることができます。
In a holistic review, we seek to understand how you, as a whole person, would grow, contribute and thrive at Stanford, and how Stanford would, in turn, be changed by you.
このように、明確に受験者に求めることが書いてある場合が多いです。
スタンフォード大学が求める学生像とは
毎年、世界中から約50,000人以上の優秀な学生がアプリーケーションを出願するというスタンフォード大学。
大学によりアプリケーションで求められる情報や評価のプロセスの違いはありますが、ほとんどの大学では「自分の大学にフィット(Fit)するか」を重視しています。
これは、出願者が、他の出願者と比べて優れているかどうかではなく、大学が求める学生像に合っているかを見極めるという意味です。
スタンフォード大学も例外ではなく、大学が求める学生像により近い学生を、多くのアプリーケーションの中から見つけ出そうとします。
そのため、スタンフォード大学への合格率を高めるためにも、大学が求める学生像を理解して置くことが重要です。
スタンフォード大学のアドミションオフィサーは、大きく分けてこの2つのポイントを重視し、アプリケーションを通じてその学生像を探ろうとします。
- スタンフォード大学のコミュニティ(他の学生など)によい影響を与えられますか?
- 将来リーダーとして活躍し、世の中に対して何らかのインパクトや影響を与えられる存在になれますか?
大学が求めるこの2つのポイントを軸に、自分を最大限にアピールすることが求められています。
また、スタンフォード大学が開示しているデータによると、さまざまな評価材料の中でも特に重要としているものもあります。
- Rigor of secondary school record(難しいクラスに挑戦しているか)
- Class rank(高校の学年内順位)
- Academic GPA
- Standardized test scores
- Application Essay
- Recommendation(s)
- Extracurricular activities
- Talent/ability
- Character/personal qualities
特に下2つの「Talent/ability」と「Character/personal qualities」は、エッセイでのアピールが重要となります。
これらを踏まえて、戦略的に出願書類準備を進めましょう。
理想の学生像に近づくためのステップ
(出典:https://www.stanford.edu/admission/)
先述したように、アメリカの大学の入学審査は、エッセイや推薦状と同じく、成績やテストスコアだけでは評価できない出願者の特徴を示すものとして、クラブ活動、生徒会、ボランティア、スポーツ、音楽、アートなどの課外活動を重視するということはもうおわかりだと思います。
これらは、出願者のそれまでの経験などの長い積み重ねを測るということですから、言ってみれば日頃の行いが大切ということです。
そのため超難関校のスタンフォード大学を目指すのであれば、彼らが求めている学生像に近づくことが合格への一歩。
受験前の一定期間だけがんばって合格突破!なんてことは奇跡に近いのかもしれません。
実際、息子の友人は中学生の頃から「スタンフォード大学へ進学」という長期的な目標設定をし、そのために必要な準備を進めて見事に合格しました。(相当な努力の結果には間違いありませんが)
それでは、どのようなことを準備しておいた方がいいのか、いくつか参考までに見ていきましょう。
受験までに数年ある場合
早い段階での受験を決めた場合、まずは次の質問に対する答えをじっくりと考え、自分が何をするべきなのかを見極め、準備を進めることが重要です。
- ステップ1:何が得意?何が好き?
- ステップ2:数年後、得意や好きを生かして、どのように人の役に立ちたい?
- ステップ3:他の人がしていないこと、自分にだけにしかできないことは何?
このように自分自身を分析し、最大限に自分をアピールできる「何か」を見つけることが大切。
もし思い浮かなければ、さまざまなジャンルの課外活動に参加して、自分の興味分野を明確にしていくといいでしょう。
そしてアプリケーションを提出するその時までに、自分がどのような努力をして活動をし続け、どのような結果を残したかを伝えることができるようにしなくてはいけません。
スタンフォード大学は、明確な合否基準を公表していませんが、学力だけでなく、課外活動での評価やボランティア活動などから多角的に人物を評価します。
これらは日々の積み重ねで培われるもの。しっかりと考えて行動しましょう。
スタンフォード大学の裏話と見どころ
最後に余談として、スタンフォード大学ならではの伝統やいくつかの見どころを紹介したいと思います。
入学したら自分がどんなキャンパスライフを送ることになるのか、ぜひ思い描いてみてくださいね。
- Fountain Hopping
(写真引用:https://medium.com/@adrient_/the-stanford-ritual-of-fountain-hopping-d774de8eaae1)
「Fountain Hopping」とは、学部生のグループがキャンパス内にあるいくつかの噴水の中で、ジャンプをする、ユニークなスタンフォード大学の伝統です。
これは通常、入学したばかりの1年生が新入生オリエンテーション中に行います。
- Hoover Tower
美しく広大なキャンパスは一般にも開放されており、ランドマークでもある「Hoover Tower」は観光客にも人気のスポットとなっています。
展望台、最上階からは360度のパノラマが楽しめ、広大なキャンパスを見渡すことができます。
- Stanford Mascot
「Mascot」とは、アメリカの各大学スポーツで使われている応援マスコットキャラクターです。
スポーツの試合やイベントに登場したり、グッズとして販売されるなど、大学の広告塔にもなっています。
スタンフォード大学のマスコットは「木」で、学生の間で「スタンフォードツリー」と呼ばれています。
- Cantor Arts Center
なんと大学のキャンパスには美術館まであるというスタンフォード大学。
カンター美術館では、代表作「地獄の門」や「考える人」を含む、約200点を超えるロダンの作品を所蔵しています。
その他、アメリカ先住民の工芸品やアジア各国から集められた彫刻品などを常設していて、なんと入場無料。期間限定の特別展も開催されています。
- Tresidder Union
「Tresidder Union」は、学食やカフェ、ブックストアがあり、平日は学生や職員、週末は観光客で賑わっています。
学食は、ショッピングモールのフードセンターのような雰囲気で、ハンバーガーやピザはもちろん、中華料理、寿司、サラダなど何でも揃っています。
ブックストアではシャツやパーカー、文房具、マグカップなど、大学のロゴが入った商品が揃っています。
Stanford University Campus Tour
最後に
以上、スタンフォード大学についてまとめました。
スタンフォード大学に入学するには、成績やSATやACTのスコア以外にも、課外活動の実績など、あらとあらゆる面での合格条件をクリアしなくてはいけないために相当な努力が必要です。
しかし、世界屈指の名門大学で学ぶということは、それだけ優秀な学生が集まるということです。
そんな環境の中で努力・ストレスが成果に結びつき、それが認められたら世界で活躍できる未来を手に入れることができるかもしれません。
スタンフォード大学受験を視野に入れている学生のみなさん、また親御さんはこちらの記事を参考に1つ1つ準備を進めてくださいね!
医学部はありますか?
日本の大学の医学部と違い、アメリカのメディカルスクールにはほとんど学部がない/学士の学位を提供しないよ。Pre-medicineというプログラムを提供する四年制大学はいくつかあるけど、スタンフォードは大学院だけだね。
スタンフォードの他の学部生なら、メディカルスクールの授業(一部)を履修することができるらしい。
https://med.stanford.edu/education/undergrad-studies.html
実際スタンフォード大学で何やるの
例えばビジネス専攻だと
出願期限はいつですか?
クォーター制なので
出来る限りで良いので
教えてください
コメントありがとう!「4 アプリケーション・チェックリスト」の最初の表でまとめてあるので確認してね!
アプリケーションチェックリストを見てきました。
10月15~12月1日にアプリケーションを提出とありますが
1.クォーター制ですがどの時期で入学するとしても出願期限は同じということですか?
2.アメリカと日本では時差がありますよね。日本が冬の時はアメリカは冬じゃないですよね。ですのでこの10月15日~12月1日というのはアメリカの日にちですか?それとも日本の日にちですか?
3.SATや学校の成績はアプリケーションに書いて提出するのですか?
質問多くてすみません
回答は下記の通り:
10月15~12月1日にアプリケーションを提出とありますが
→ 10月15~12月1日は「Application with Art Portfolio」のことで、芸術系の学生(自分の作品集を提出する必要のある人)向けの日程。一般の出願であれば「Standard Application」の行を参考にしよう。
1.クォーター制ですがどの時期で入学するとしても出願期限は同じということですか?
→アメリカの大学は通常、入学時期が秋だけで、出願期限はホームページに記載の通り。たまに春入学のもあるが、その場合出願の締め切りは別々に記載される。
2.10月15日~12月1日というのはアメリカの日にちですか?それとも日本の日にちですか?
→どこの国の大学でも、自国の日時を基準に設定している。アメリカの大学はアメリカの日付となる。
さらに、アメリカ国内でもいくつかのタイムゾーンがあるため、時間(例えば23:59等)の指定がある場合は、必ずタイムゾーンを確認することがおすすめ。
3.SATや学校の成績はアプリケーションに書いて提出するのですか?
→通常の場合、アプリケーションフォームに書いて(自己申告)、書類選考が通ったら(または合格してから)大学へスコア送付が必要になってくる。
それぞれの学校のやり方は異なることもあるため、実際にアプリケーションフォームを確認したほうが確実だよ。
すべての質問に回答していただき感謝します
また疑問があったのであらためて質問させていただきます
アプリケーション,チェックリストのところです
アートポートフォリオを使用したアプリケーション 10月15日~12月1日
標準アプリケーション 11月1日~1月2日11
最後に受け入れ可能な SAT テスト日 10 月~12 月
最後に認められる ACT テストの日付 9 月~12 月
不足しているドキュメントの通知 11月中旬~2月中旬
決定者がリリース 12月15日~4月1日
学生の返信日 5月1日~5月1日
1.標準アプリケーションの提出が11月1日~1月2日とありますが、これは高校3年生の11月~なのでしょうか?(何歳からでも入学できるのは分かっていますが一般的にです)
あと5月に返信してからあきの
2.学校の成績[GPA]のところです
逆に、3年生になり成績が下るというのはあまり良くなく、特に3年生の1学期の成績は「Mid-Year Report(ミッド・イヤー・レポート)」と呼ばれ、出願後にも提出を求めているためにしっかりと成績をキープしなくてはいけません。
とありますが、3年生の1学期の成績を出願後に提出、つまり3年生の1学期以前に出願というふうに読み取れるのですが、(違ってたら教えてください)そうなると2年生の11月に提出ということですか?
1.標準アプリケーションの提出が11月1日~1月2日とありますが、これは高校3年生の11月~なのでしょうか?
あと5月に返信してから秋の入学までは何もないということですか?
→ ここの日付は、大学入学年の前の年(2021年秋に入学のであれば、2020年11月となる)と考えて良い。一般的には日本の高校3年生の11月となるよ。
5月から入学までは、合格通知の受取、ビザの申請や予防接種など様々な手続きがある。
2.学校の成績[GPA]のところです
3年生の1学期の成績を出願後に提出、つまり3年生の1学期以前に出願というふうに読み取れるのですが、(違ってたら教えてください)そうなると2年生の11月に提出ということですか?
→アメリカの高校は秋から始まるため、出願時期(11月、12月)にはまだ3年生1学期が終わっていないので、出願後にMid-Year Reportの提出(合格後最終の成績表も提出)が求められる。
日本の高校は春入学のため、高校3年生の11月に、既に1学期目の成績はあるよね、それを出願時に提出すれば良い。
出願後は3年生後半の成績が含まれた最終の成績表を提出することが多い。
1.の最後のところは
5月に返信してから秋の入学までは何もないということですか?
と打とうとしてました
出願ってアプリケーションを送る事だと思ってたんですけど、
推薦状って書類ですよね。これって郵送するんですか?
アメリカの大学であれば、ほとんどの場合Common Applicationで全ての書類提出(オンライン)が完結できる。
具体的なやり方はそれぞれの大学のホームページに記載されているので確認してね。
一般的なアメリカの大学の出願に関して、こちらの記事を参考にしよう!
https://www.path-to-success.net/america-ryugaku
推薦状は先生に紙かなんかに書いてもらってから自分でアプリケーションに書くということですか?
奨学金の募集は受験前のものや合否発表前のものが多いですよね
だから、1年目は奨学金は使えないのですか?
いいえ。アメリカの大学出願の基礎情報に関してまず先日すすめた記事を読んでほしい。
Common Applicationとは何か、推薦状はどうやって提出するかは全て書いてあるよ。
https://www.path-to-success.net/america-ryugaku
記事を読んでまだ不明点があれば、志望校のアプリケーションフォームを開いて、推薦状の出し方を確認しよう。
奨学金は結論からいうと1年目から適用される。奨学金に関しては下記の記事で詳しく説明しているよ。
https://www.path-to-success.net/scholarship-programs
進学校に通う15歳です。
スタンフォードに行きたいと考えているのですが、課外活動の点で、私はバスケが好きで、かなり頑張っています。しかし、それ以外他にやっていることが無いのですが、これだけだとまずいでしょうか。
あーーさん、
合否は課外活動だけで判断されるのではなく、成績、エッセイ、推薦状等々総合的に判断される。
また、記事の中でも言ったように、「合格するために何かの課外活動やらなきゃ」という考え方はやめよう。優秀な成績を維持しながら、自分の好きなことを掘り下げていこう。
バスケが好きであれば、チームを率いで優勝を取ったりして、自分のリーダーシップを証明することもできるのではないかな。
高1です
海外のコンピューターサイエンスか宇宙に関わる大学を目指しています
SATの勉強の仕方がわからないです
アマゾンで過去問を買ってもらったんですけど英語が何ひとつもわからなくてどうやって、勉強しようかわからないです
あと、おすすめのコンピューターサイエンスを学べる大学や宇宙工学について学べる大学を教えてほしいです!!
質問ありがとう!
海外の大学に進学するなら、SATより前に、まず英語力をあげてTOEFLまたはIELTSのスコアをクリアしよう。(TOEFL80点以上が取れるのは望ましいが、最低でも65点を超えよう)
TOEFLやIELTSの勉強方法はこのサイトにたくさん共有されているので、どこから読み始めるか分からない場合は、TOEFLマップやIELTSマップを参考してね。
一部の大学は英語力が若干足りなくても準備コースを提供してくれるので、大学の準備コースに入ってから正規生として進学していくこともできる。例えばアリゾナ州立大学(ASU)はかなり規模が大きく専攻が揃っているので、調べてみよう!
ハーバード、スタンフォードなどのアメリカ大学では志望理由書がなくてエッセイに全て書き込むと言う認識で大丈夫でしょうか?
そういう理解でも大丈夫だよ。
アメリカの大学は、「パーソナルステートメント」または「アドミッションエッセイ」の中で、学業の目標、キャリアの志向、その大学を選んだ理由などを書くことがほとんど。
一方、「エッセイ」=「志望理由書」というわけではない。
日本の「志望理由書」はフォーマルに、志望動機を明確に述べる。「エッセイ」では受験生がどのような人物か、個性や独自の視点、成長経験等を反映すべき。そのため、エッセイの中で自己表現をしっかりと行い、しっかりとアピールすることが求められるよ!