SMU MBA(シンガポール経営大学)の概要
SMUの基本情報
基本情報
- 正式名称:Singapore Management University – Lee Kong Chian School of Business
- 公式HP:https://masters.smu.edu.sg/programme/master-of-business-administration
- 所在地:Graduate Programmes Office, Level 4, 50 Stamford Road, Singapore
- 提供プログラム:フルタイム (15ヶ月)、パートタイム(18ヶ月)、エグゼキュティブMBA(12ヶ月)
特徴
シンガポール経営大学 (SMU) は、シンガポール国立大学(NUS)、南洋理工大学 (NTU)に続くシンガポール第3の国立大学として、2000年に1月に設立された新しい大学です。
変化に富む時代に対応できるリーダーや起業家を輩出することを目指し、柔軟な幅広い教育で知られる米国ペンシルバニア大学ビジネススクールのウォートン・スクールをモデルとして設立されました。
シンガポール経営大学の設立には、シンガポールの有名な起業家、高級リゾートホテルチェーンのバンヤンツリーの何光平会長が設立委員会の議長として関わり、実践的なプログラムを構築しています。
キャンパスをシンガポールのビジネス街に構え、実業界との深い繋がりを有しているという点が特徴で、新しい時代の実践的なアジアのビジネスが学べるビジネススクールとして注目を浴びています。
新しい大学にもかかわらず、2024年度のQSランキングで、アジアのMBA6位にランキングされるなど、破竹の勢いで躍進を遂げています。
3つのMBAプログラム
フルタイムMBA・パートタイムMBA 、エグゼクティブMBAがあります。
- 15ヶ月のコース (10ヶ月で終了することも可能)
- 1月と8月入学
- 最低10週間の有給インターンシップを含む
- 大学卒業後、最低2年間の職務経験者用
- 働きながら受講する18ヶ月のコース (15ヶ月で終了することも可能)
- 1月と8月入学
- 大学卒業後、最低2年間の職務経験者用
- 働きながら受講する15ヶ月のコース (12ヶ月で終了することも可能)
- 8月入学
- 10年以上のプロフェッショナル職務経験者用のコース
学費とクラスプロファイル
シンガポール経営大学のフルタイムMBAの概要は下記のとおりです。
学費
- プログラム期間:15ヶ月(10ヶ月も可能)
- 学費(2024年):S$76,300
クラスプロファイル
- 学生数(2023年):53名
- 女性比率:40%
- 留学生比率:65%
就職状況・平均給料
- 卒業後の平均的な初任給:USD127,153
- 卒業後3ヶ月雇用率:84%
SMUのMBAランキング
2024年のQSグローバルMBA及びファナンシャルタイムズのランキングで以下のようになっています。
- 世界:43位
- アジア:6位
61位 (世界)
SMUの特徴
実業界との繋がりが強い、実践的なカリキュラム
シンガポール経営大学がシンガポールの他の2校(シンガポール国立大学・南洋理工大学 )と大きく違う点は、実業界とのつながりが強いことです。
シンガポールの有名な起業家に率いられて設立されたことに加え、教授陣のうち多くが実業家で、キャンパスがビジネス街の中にあるために実業界とネットワーキングがしやすいという特徴があります。
実業界との強いネットワークを下に、必須としてインターンシップを行いながら選択科目を履修するという、実践を大切にした特色のあるカリキュラムを実現しています
アジアにフォーカスしたビジネススクール
アジアのケーススタディにフォーカスしているというのが特徴で、アジアのビジネスに特化した独自のケースライティング機関(Centre for Management Practice)も有しています。
今まで英語で出版されたケーススタディーは西洋の会社のものが大部分でしたが、CMPは、アジアのケースに特化したケーススタディーを出版しています。
CMPが出版するケースは、ハーバードビジネススクールの関連のハーバードビジネスパブリシング社のサイトでも出版されて、世界の120以上の会社や企業で使われています。
また、SMUのプログラムが、アジアで成長しているビジネスセクターの起業、金融、エネルギー、IT分野に焦点をあてたものとなっていることも特徴です。
<CMPとは>
SMUのMBAカリキュラム
ここでは、フルタイムMBAをのコースのカリキュラムをご紹介します。
フルタイムMBAは、インターンシップを含む15ヶ月のプログラムです。 学習を加速したい場合は、すべての単位要件を満たした後、10ヶ月でフルタイムのMBAを完了するオプションがあります。
なお、入学前に、財務・定量的手法・経営のための数学・財務会計を自己学習することが必須となっています。
選択科目の授業は、パートタイムMBAコースの生徒と一緒に学習できるよう月〜木曜日夜の7時からそして土曜にスケジュールされ、金曜日は、通常の授業がなく、キャリアや専門能力の開発に充てることとなっています。
必修科目:8科目 (1学期・2学期)
- 財務会計
- 企業財務
- マーケティング
- オペレーション管理
- ビジネス分析
- 経営戦略
- 組織行動論
- デジタル・トランスフォメーション
選択科目:最低10科目を選択 (3学期〜5学期)
最低10科目、最高14科目取ることが可能です(最終GPAには12科目が計算されます。)。
4つの専門モジュール(専攻)を選択することができ、その場合は関連科目から5科目を受講します。
- コミュニケーション
- 財務
- 起業
- 人材
- 応用マーケティング戦略
- 意思決定するためのビジネス分析
- 消費者行動
- デジタルマーケティング戦略
- グローバル経済、その問題とチャレンジ
- グローバルサプライチェーンのリスク管理
- サービスと運営分析
- サプライチェーン戦略と管理
インターンシップ等のプロジェクト
選択科目履修の時期と並行して、有給の最低10週間のインターンシップとタイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムで1週間行う海外集中プログラム(Overseas Immersion Programme:OIP)が必須となっています。
その他には、起業プロジェクト (New Venture Creation Project)と交換留学を選択で取ることができます*。
*2023年8月のプログラムより、必須のインターンシップの代わりに、起業プロジェクトを選ぶことも可能と変更となっています。
交換留学先リスト
ホームページにある交換留学のリストは以下の通りです。
- ブリティッシュコロンビア大学サウダー ビジネス スクール(カナダ)
- 慶應大学 (日本)
- ソウル国立大学 (韓国)
- 北京大学 (中国)
- IEビジネススクール (スペイン)
<参照:MBA プログラム詳細、海外プログラム>
SMU MBAに留学する理由
シンガポールの中心地に位置し、アジアの実業界との強いネットワーク
シンガポール経営大学は、シンガポールの中央ビジネス地域のマリナベイやラッフルズプレイスに大変近いビジネス街に位置しています。
この立地により、学期中にキャリアサービスによって用意された様々なビジネスイベントに参加できますし、選択科目履修中にインターンシップを行うことができます。
シンガポールには、世界の企業の東南アジアの統括する地域本社があり、マイクロソフト・シティーバンク・アップル・EY・デロイト・ジョンソン&ジョンソンなど、世界の様々な産業の企業のアジア本社とのネットワークを有しています。
インターンシップを必須とする濃密な短期集中カリキュラム
15ヶ月の短期プログラムの中で、10週間の必須で有給インターンシップと1週間の海外研修をとり、また交換留学や起業プロジェクトを選択として取ることができます。
有給インターンシップでは、豊富なネットワークから世界の企業のアジア地域本社で働く機会があります。
働きながら夜に選択科目を学習するというプログラム構成となっています。
シンガポール経営大学のキャリアサポートチームは、2,000以上の会社とのネットワークを持ち、さまざまな分野のビジネスについて学べるよう一年を通じてワークショップを開催しています。
必須のインターンシップは、このネットワークを使って紹介されています。
アジアに特化したプログラム
シンガポールのMBAの特徴として、成長を続けている東南アジアのマーケットの知識を得ることが挙げられます。
その中でもSMUは、アジアで成長しているビジネスセクターの起業、金融、エネルギー、IT分野に焦点を当てたプログラムとなっています。
SMUには独自のシンクタンク・Centre for Management Practice(CMP) があり、最新のアジアのビジネス、政治、経済、技術、社会、法律、環境についてケーススタディーや研究を出版していることで知られています。
SMUのMBAはCMPの用意したケーススタディーや出版物をプログラムに用いることで最新のアジアビジネスを学習できます。
<参照:アジアのインサイト>
少人数制で起業家精神を大切にするプログラム
少人数制でのゼミ形式でのインターラクティブな教育に特徴があり、意思の疎通とプレゼンテーションのスキルを強化する実践的な授業内容となっています。
シンガポール経営大学は、新進気鋭な大学であり、起業家精神を非常に大事しているため、学校と学生の距離が近く、学生の意見をよく受け入れ、コンスタントにプログラムを改善すると言われています。
最近のプログラム変更では、デジタル時代のビジネスに備え、デジタルトランフォメーションやビジネス分析が新しく必須に加わりました。
教育の質が高いトリプルクラウン校
シンガポール経営大学は、マネジメント教育の品質を評価する組織である米国AACSB International、英国AMBA 、欧州EQUISの3つの国際認証機関から認証を2018年に受けたシンガポール唯一のトリプルクラウン校です。
「トリプルクラウン」の称号を持つビジネススクールは、世界のビジネススクールの1%以下です。(2023年8月時点で世界で125校のみ)
<参照:プレスリリース>
Transform your career with the SMU MBA
SMU MBAの偏差値は?出願の難易度や入学条件
海外の大学には、偏差値とという概念がないため、出願の難易度は出願の要件から判断することになります。
MBAの難易度と出願要件
SMU MBAへの出願で必要なものは以下の通りです。これはほとんどのMBA留学準備では同様になります。
このように、海外のMBA進学の難易度は、英語力や学力の証明など各種スコアの準備やエッセイ、インタビューなどの準備がハードルとなってきます。
- 2年以上の職務経験
- 大学の学士学位
- GMAT/GRE
- 英語力証明(TOEFL/IELTS)
- 英文履歴書
- 推薦状2通
- 大学成績表(英語)
- エッセイ2つ
<参照:出願要件>
- 平均GPA:3.4
- 平均GMAT:660 (最低600)
- 最低語学要件:TOEFL / IELTS (明記なし)
出願準備はTOEFL/IELTS対策から
学費と奨学金
学費(2024年度8月)
- フル・パートタイムMBA学費:S$76,300
- エグゼクティブMBA学費: S$119,900
奨学金
日本人も応募できる様々な奨学金があります。
- アカデミックエクセレンス(成績優秀者)
- グローバルアエアネス
- リーダーシップ
- アジアへの影響
- コミュニティに対しての影響
- 女性ビジネス
- 同窓会推薦ディスカウント10%:SMU卒業生から推薦を得た候補者
<参照:奨学金とローン>
出願の流れ・出願期限
オンラインでの出願から2週間以内にショートリストされた学生は、オンラインでの面接に招待されます。
出願締切日は入学時期ごとに例年3回に分かれており、今年のスケジュールは以下の通り。
スケジュールは毎年変わるため、入学方法の詳細は公式HPから確認しておこう。
1月入学
1回目:3月15日、2回目;7月15日、最終;10月31日
8月入学
1回目:11月30日、2回目;2月28日、最終;5月31日
<参照:出願期間>
まとめ
シンガポール経営大学のMBAは、2000年に新しく開講された革新的なプログラムで注目を浴びているMBAです。
15ヶ月という短期集中型プログラムにも関わらず、インターンシップと交換留学海外研修等が含まれる実践的なプログラムを有しています。
アジアの最新のビジネス事情を学び、アジアでのネットワークを築くことができるシンガポール経営大学のMBAは、MBA取得後にアジアで活躍したい学生にとって魅力的な大学であると言えるでしょう。