海外大学への進学を考えるにあたって多くの人の障壁の一つとなっているのは間違いなくその学費や生活費の高さでしょう。
近頃日本の高校から海外の大学へ進学する人が徐々に増えつつあり、そういったニュースや記事を見かける機会も増えましたが、そうした記事のコメント欄で
- 「合格はしたけど、さぞかし学費の工面が大変なことでしょう。親御さん頑張ってください。」
- 「アメリカの大学に進学できるということは元々裕福な家庭で恵まれた環境の中で育ったのですね。」
などといった少し残念なコメントが絶えず散見されます。
しかし、近年では留学生を経済的に支援する財団が数多く存在し、昔に比べるとより多くの人に海外大留学の門は開かれています。
然るべき準備をしてきた人たちにとってはもはや無謀な選択肢ではありません。
そこで今回は「海外大留学=裕福な家庭の特権or経済的負担」といった固定概念を払拭するべく、様々な海外留学奨学金を紹介したいと思います。
この記事の著者:Philo
高校時代に数々の海外研修プログラムや海外大学の講義を受講し、三カ国のトップ大学に合格。秋から海外の大学へ進学する純ジャパ大学生。
目次
はじめに〜海外大学留学の平均的な費用〜
まずはアメリカやカナダの私立大学に進学する際の一般的な1年間の費用(学費+寮費+食費など)を見ていきます。
いくつかの名門大学を例にとると、
・Harvard University:約766万円
・Stanford University:約770万円
・MIT:約772万円
と、1年間で平均的に770万円前後、4年間で総額3000万円前後の学費が必要であることが分かります。
この異常な費用の高さは海外大の教育の質の高さや機会の豊富さを裏打ちする一つの指標でもありますが、一般的な家庭にとってこの費用の全額を工面することは無謀に近いと言って差し支えないでしょう。
この無謀に近い進路を可能にしてくれるのが各種奨学金です。
海外大学進学に使える2種類の奨学金
奨学金には大きく分けて2種類の奨学金が存在します。
それは給付型奨学金と返済型奨学金です。
読んで字のごとく給付型奨学金は財団などから返済不要の経済的支援を受けられるというものです。
逆に返済型奨学金は多くの場合利息をつけて返済を求められる奨学金です。(あえて言い方を選ばないとすると、言わば借金のようなものであり、できれば避けたい選択になります)
また、給付型奨学金を受けた場合には、財団の奨学生として留学報告書などを定期的に提出したり、財団から召集がかかった場合はその集まりに参加したりすることで財団に貢献することが求められます。
海外大学留学におすすめの奨学金
今回の記事は留学の経済的負担を少しでも減らすことを目的としているため、給付型に絞って各種奨学金を紹介していきます。
柳井正財団
この財団はユニクロの柳井正社長によって設立された財団です。おそらく米国大学を目指す人には最もよく知られている財団でしょう。
昨年から新たな取り組みとして公募制学校推薦海外大学奨学金(予約型)が始まり、応募時期が二回に増えたことでより多くの人に門戸が開かれました。
近年の奨学金問題として、合格通知を受け取った段階ではまだ奨学金を確保できていない場合が多く、合格したにも関わらず実際に進学できるかはわからないといったケースがあります。
この予約型奨学金はその問題を少しでも解消するための新たな取り組みになっています。
◆支給内容
【米国】
1名に対し年間US$95,000を上限とし、就学のために大学から請求される授業料、寮費、保険料(年間上限US$80,000)と学習・研究・生活支援金(年間US$15,000)を別途支給します。
【英国】
1名に対し年間£65,000を上限とし、就学のために大学から請求される授業料、寮費、保険料(年間上限£54,000)と学習・研究・生活支援金(年間£11,000)を別途支給します。
その他、奨学生には事前合宿や懇親イベント、メンターによる留学生活サポートを提供。
◆支給期間
【米国】大学卒業までの通算4年間
【英国】大学卒業までの通算3年間
◆対象大学
米国の概ねトップ30に入る大学、および同等レベルの英国の大学
(詳細は最新の対象大学一覧にてご確認下さい)
◆募集時期
公募制学校推薦海外大学奨学金(予約型):毎年7月上旬から8月末頃まで。
公募制海外大学奨学金(合格型):毎年12月末頃から翌年の2月上旬頃まで。
◆募集人数
公募制学校推薦海外大学奨学金(予約型):米国・英国合わせて年間20名程度
公募制海外大学奨学金(合格型):米国・英国合わせて年間20名程度
(公益財団法人柳井正財団H Pより)
https://www.yanaitadashi-foundation.or.jp/application/
◆提出書類
- 基本情報
- 氏名、性別、生年月日、国籍、住所など
- 出願大学 / その他奨学金
- 課題活動 / 趣味 / 資格
- 学校内外で力を入れて取り組んだ影響を受けた課外活動を教えてください。活動内容や自らが果たした役割、結果などを自由に記述してください。
- 最近の印象に残っている本・映画・音楽・演劇・アート作品等を教えてください。
- 大学生活の中であなたが知りたいこと・楽しみたいこと・触れてみたいこと等を教えてください。
- エッセー#1(日本語)
- あなたの目指す将来の姿を教えてください。その際、あなたが実現したいことを書いてください。
- エッセー#2(日本語)
- エッセー#1で書いたことを実現するために、あなたはこれから進学する米国もしくは英国の大学で何をしたいと思っていますか。
- エッセー#3(日本語)
- あなたが今までで最も力を入れて取り組んだことや最も心を動かされたことは何ですか。
- 学業成績
※詳しくは、応募要項を参照してください。
◆合格した先輩からのアドバイス
とにかく自分が今夢中になっていること、寝る間を惜しんででも取り組みたいと思うことについてひたすらマシンガントークできるようにしておきましょう。
柳井正財団が重視しているポイントは大きく分けて4つあります。
- 暫定的な将来のビジョンが明確であること。
- そのビジョンが明確であること。
- そのビジョンが日本または世界に貢献するものであること。
- そのビジョンのために志望大学が妥当であること。
以上四つの観点を主軸として、エッセイ及び面接の判断がなされます。
この項目を見ても分かるとおり、ビジョンの一貫性、実現可能性、そして社会へのインパクトが強く問われています。
将来にやりたいことはまた変わるかもしれませんが、今現時点で自分が取り組みたいこと、解決したい社会問題などについて熱く語れるだけの準備をしておきましょう。
また、最終面接は柳井正社長との直接の面接です。
私自身とても緊張しましたが、緊迫した空気ではないので、気負いすぎる必要はありません。
前述した4つのポイントを軸に今までの自分とこれからのビジョンを繋ぐ一貫したストーリーを話せるといいですね。
合格した暁には、渡米前の財団生同士での事前合宿などが待っています。
同じ志を持った仲間と繋がれるのも財団の魅了なので、ぜひ頑張ってください。心から応援しています!
江副記念リクルート財団
この財団の奨学金は主に理系分野専攻の学部生もしくは院生に向けたものになっていますが、美術や音楽、スポーツ留学をする人にとっても応募可能な奨学金になっています。
ここでは特に理系分野専攻向けの奨学金概要を紹介したいと思います。
◆支給内容
年額上限1,000万円
◆支給期間
例:2022年4月 ~ 2024年3月(最初の2年間保証+更新審査)
- 当財団が対象とする海外の大学または大学院(以下、「対象校」)に在籍している期間中、奨学金を支給します。
- 上記支給期間後も、毎年度実施する更新審査を通過した者は、対象校在籍中において奨学金を支給します。
- 上記期間に関わらず、27歳になる年度末(3月)までの支給となります。
- 休学中は奨学金が停止します。
- 卒業後の進路、就職先についての条件はありません。
◆対象大学
下記世界大学ランキングにおいて、(1)~(3)のいずれかに該当する大学を対象とする。
①総合ランキング30位以内
②下記分野の部門別(by subject)ランキング30位以内
※但し、応募者が在籍又は進学する部門に限る
[QS World University Rankings by Subject]
Engineering & Technology / Life Sciences & Medicine / Natural Sciences
[Times Higher Education World University Rankings by subject]
Clinical, pre-clinical & health / Computer Science / Engineering & technology / Life sciences / Physical Sciences
③各国のランキング1位の大学
世界大学ランキングは下記いずれかの最新データとする
◆募集時期
毎年度8月24日〜10月4日頃
◆募集人数
6名程度 ※前回実績(2020年度実施):応募165名、採用9名
(公益財団法人江副リクルート財団H Pより)
https://www.recruit-foundation.org/scholarship/
◆提出書類
- 氏名、生年月日、連絡先、写真、住所、現在の学籍(もしくは入学予定の学籍)、学歴・職歴、申請予定の奨学金
- 大会・コンテストでの表彰や資格等の実績(年・名称・結果)
- 出願予定校5校まで(もしくは入学が決定した学校)
- 2021年度に対象大学に入学希望(進学先が未決定)の方は以下の基準を満たすことを証明する書類を提出
語学力:TOEFL iBT 100点以上 または IELTS7.0点以上 - 高校在籍中の学校成績をGPA4点満点に換算したもの(編入希望/済の方は大学の成績もあわせて提出)※学業成績の審査あり
- 学びたい学問と、学び舎として日本ではなく海外大学、またその大学を選んだ理由 ※最大300字
- あなたの目指す10年後のキャリアビジョンとそのために大学で何を成し遂げたいか ※最大300字
- 現在希望する専攻を目指したきっかけ ※最大300字
- これまでどのように困難を乗り越えてきたか ※最大300字
- 海外大学受験にあたり提出した、もしくは提出予定のエッセイ(日本語へ翻訳すること)
受験時にエッセイの提出が不要な海外大学へ進学される場合は以下をテーマとしたエッセイをご提出ください。
「自分のアイデンティティー形成に最も影響した経験・体験 」
※1,000字程度 - 以下の推薦書
当財団の指定の書式へ直接入力のうえ、PDF形式でご提出ください。
I:現在通っている教育機関の担任若しくはそれに類する教員等からの推薦書
II:課外活動団体(部活動も含む)の指導者・主催者等からの推薦書
日本学生支援機構JASSO
JASSO奨学金は貸与型なども含めていくつかの種類がありますが、ここでは海外留学支援制度(学部学位取得型)に絞って説明させていただきます。
この奨学金の特徴としては、他の奨学金の対象校は世界ランキング上位の大学や米英大などに絞られているのに対し、対象校の具体的な制限がないということが挙げられます。
◆支給内容
支援期間中、派遣学生に対して、奨学金及び授業料(以下「奨学金等」という。)を支給します。
※これらの支援額については、2022年度予算の成立状況により変更する場合があります。
- 奨学金月額(2021年度実績) 留学先の国・地域により異なります。詳細は別紙1を参照してください。
例:118,000円(指定都市) 88,000円(甲地区) 74,000円(乙地区) 59,000円(丙地区) - 授業料 51万米ドル相当までは実費額を支給し、1万米ドル相当を超える場合は、採用状況により 予算の範囲内で追加支給する場合があります。
ただし、各年度2,500,000円を上限としま す。
本制度において授業料とは、正規の授業を受講するために留学先大学から必ず請求される履修登録料等を含む学費を指します。
保険料や寮費、教材費等の諸経費は除きます。 また、必ず支払うものではなく、任意の支払いとなっている経費は含みません。
※年度とは、日本の会計年度(4月から翌年3月まで)をいいます
◆支給期間
原則4年間
◆対象大学
学士号が取得できる諸外国(地域の大学)
◆募集時期
毎年度9月6日〜10月15日頃
◆募集人数
未定(参考:2021年度採用人数45名)
◆提出書類
こちらの募集要項を参照
◆合格した先輩からのアドバイス
応募書類の作成は時間がかかり、深い思考を問われます。とてもボリュームがあり大変です。
しかし、私は書類作成をする中で、なぜ自分は留学をし、この国を選び、これを学びたいのか、ということを再度じっくりと考えることができました。
今でもふと留学の目的や意味、やりがいを見失いそうな時、応募に提出したエッセイを読み返します。そうすることで、渡航後からの自分の関心の変化に気づいたり、初心を思い出したりします。
自分と向き合う時間を作ってくれるものとして、応募書類作成をポジティブに取り組んでみてください。
JASSO奨学金の申し込み手順は他の奨学金よりも煩雑なので、私はかなり前もって書類作成の準備に取り掛かりました。
家庭の財政状況を提示する書類なども必要なので、自分一人で進めずに家族に相談しながら連携して準備を進めていきましょう。
また、学校からも成績書類などを提出してもらう必要があるので、その点に関しても前もって先生方にお願いしてギリギリにならないように逆算して準備を進めましょう。
(独立行政法人日本学生支援機構H Pより
https://www.jasso.go.jp/shogakukin/kyufu/index.html
東進海外大学留学支援制度
この奨学金は東新ハイスクールが提供する、他の奨学金とはかなり毛色が違った奨学金になります。
全国統一高校テストで優秀な成績を残すことで奨学金を獲得することができるといった仕組みになっています。
「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」を教育目標として掲げる東進が、日本全国の未来のリーダー候補である高校生に対して、世界のトップレベルの頭脳が集う大学への進学を支援するものです
◆支給内容
- 米大:総額最大38万ドル(約4100万円、4年間累計)
- 英大:総額最大6.5万ポンド(約3520万円、4年間累計)
◆支給期間
4年間
◆対象大学
ハーバード大学、プリンストン大学、イェール大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、カリフォルニア工科大学、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学
◆募集時期
各全国高校生統一高校生テストごと
◆募集人数
各学年毎年10名
(東新ハイスクールH Pより)https://www.toshin.com/USuniv/
グルー・バンクロフト基金
この奨学金は主に米国の一流リベラルアーツカレッジなどに進学する生徒を対象とした奨学金です。
この奨学金も普通の奨学金とは一風変わったもので、グルー・バンクロフト基金が提携先の大学に生徒を推薦すると同時に奨学金を付与するといった仕組みになっています。
◆支給内容
- 5万ドル×4年間を3名
- DePauw University, Grinnell College, Union Collegeの授業料全額免除に推薦(各大学一名ずつ)
- Knox Collegeの授業料一部免除(3万5000ドル〜)に推薦+1万ドル支給×4年間を1名
- Lake Forest Collegeの授業料一部免除(2万5000ドル〜)に推薦+1万ドル支給×4年間を1名
- Earlham Collegeの授業料一部免除(約70%以上)に推薦+1万ドル支給×4年間を1名
- Mount Holyoke Collegeの授業料一部免除(2万5000ドル〜)に推薦一名
◆支給期間
4年間
◆対象大学
上記大学及びその他米4年生大学(制限なし枠、リベラルアーツ大学以外も可)
◆募集時期
毎年8月16日〜9月15日頃
◆募集人数
10名(予定)
◆合格した先輩からのメッセージ
グルーバンクロフト基金は信頼のおける非常に優れた機関であり、出身の先輩方もそうそうたるメンバーで、一生の憧れの存在です。
是非、あなた方も基金の受験にチャレンジし、素晴らしい環境で学んで下さい。
心からそれを願い、応援致しております。
(公益財団法人グルー・バンクロフト基金H Pより)http://grew-bancroft.or.jp/
笹川平和財団スカラシップ
この奨学金は、2022年度から新設される奨学金です。
日本の将来を担う若者が視野を拡げ、国際感覚を養うとともに、将来の活躍の土台となる優れた知識を修得することを目的に、日本から海外の大学で学士の取得を目指す学生を支援します。
この奨学金は、年齢や居住地不問(海外の高校に通っていても対象)のため、新しくて大注目の奨学金といえます。
◆支給内容
- 米国大学進学の場合は、$95,000を上限に支給。
- 内訳は授業料・寮費 (食費含む)、大学より直接請求を受け支払う経費(上限US$80,000、ただし保険料については上限額を$4,000とする)及び定額の生活費等支援として年間US$15,000を支給。
- 英国大学進学の場合は、£65,000を上限に支給。
- そのうち大学あるいは Foundation Course 毎に必要とされる費用(授業料、寮費、保険料)については、必要とさ れる額を算出したうえで£54,000を上限として支給。また、保険料については上限を £3,000及び生活費等支援金として年間£11,000を支給します。
- また、現在の居住地から留学する大学への旅費交通費(最短経路)について往路・復路分 を一回に限り支給します。
◆支給期間
米国大学においては4年間、英国におい ては大学3年間もしくは Foundation Course 1年間と大学3年間の合計4年間。
◆対象大学
◆募集時期
- 第一期 2022年8月1日~2022年8月21日17時
- 第二期 2023年1月5日~2023年2月28日17
※詳しい応募スケジュールは、こちらの募集要項をご参照ください。
◆募集人数
2023 年度期留学生については最大50名程度の奨学金支給を予定。
その他奨学金一覧
上で紹介した奨学金以外にも全額は賄えないにしろ一定の経済的援助を受けられるものや、学部留学に特化しているわけではないが、学費の援助が受けられる奨学金があります。
以下に名前とリンクのみ紹介させていただきます。
» 3,000万が返済不要!?海外正規留学の奨学金制度を徹底解説
奨学金を獲得するためにやっておきたいこと
課外活動のスポンサーに財団が入っている場合は、その課外活動に参加していると少し有利にはたらく可能性があります。
そういった話や奨学金を勝ち取るための戦略についてお話しします。
例えば、Stanford大学が主催するStanford e-Japan programには柳井正財団が後援についており、推薦状を確保できる可能性があります。
しかし、ここで強調したいのは、あくまでこれらの課外活動に興味があり、必死に取り組み向き合った上で、副次的に推薦状を書いてもらうチャンスが得られる可能性があるということです。
決して横縞な考えで課外活動に取り組むことだけはないようにしましょう。
誠実に活動に向き合うことで、きっとメンターの方々にも良い推薦状を書いてもらえることでしょう。
また、奨学金のエッセイでは将来のビジョンについて問われることが多くあり、そんな先のことなんてまだわからない、何を書けばいいのかわからないと悩む人がよくいます。
しかし、先ほどの先輩からのメッセージにもあった通り、この先やりたいことは変わってもいいので、今やりたいと思うことに関して熱く語れるようにしておきましょう。
そうすればきっと熱意が伝わり、この子ならやっていけると思ってもらえることでしょう。
自分のプランを見つめ直す機会として、前向きにエッセイに取り組めたら良いですね。
具体的なスケジュール管理などのTips
奨学金の応募資格にTOEFLやSATなどの試験の一定以上にスコアが求められる場合があります。
本来ならば、大学出願時までにそれらのスコアが揃っていれば問題ないわけですが、奨学金に申し込む場合はその締め切りに合わせてスコアを獲得して置く必要があります。
また、具体的なアドバイスとして、高三の夏以降はほとんどと言っていいほど志望大学のエッセイにかなりの時間が取られるので、その時期と試験勉強の時期が被ってしまうのは避けたいです。
私自身は高二の夏頃から準備を始めて、高二の冬には必要なスコアを満たしていたので、高三時は試験に時間を割く必要がありませんでした。
準備は早すぎることに越したことはありません。いつまでにどれだけのスコアが必要なのか逆算して取り組んでいきましょう。
多くの場合、奨学金の申し込みのために学校の成績書類を提出する必要があります。
奨学金の締め切り近くに先生方にお願いしていては大変ですので、事前に段取りしておくようにしましょう。
中には海外大進学に対して学校側があまり良い表情を見せず、説得すること自体に時間が取られてしまう場合もあるみたいです。
それによって準備に遅れが生じてしまうことも避けたいので、自分の志望を面談時などに前もって伝えておくことで、学校とのスムーズな二人三脚をできるようにしておきましょう。
最後に
財団によっては、財団主催の奨学金説明会などを行なっている場合があります。
去年などは柳井正財団がZoomオンライン説明会を行なって、財団の役員の方が財団のビジョンやどのような人材を求めているかを説明しておられました。
この激動する世の中に応じて、財団が求める人物像や判断基準も毎年変わっているはずです。
説明会が開かれている場合はその機会を逃すことなく、常に情報をアップデートしていきましょう。