この記事の著者:Akari
純ジャパ・留学経験無し・地方在住でアメリカの大学を受験。複数の大学から20,000ドル〜66,000ドルの給付型奨学金を受け取り、秋からアメリカのリベラルアーツカレッジに進学予定。
目次
アメリカ大学留学で使える返済不要奨学金の種類
アメリカの4年制大学は、極めて高額です。
例えば Harvard University の場合は、1年間で76,763ドル(約10,302,000円※)の費用がかかります。
Tuition | $52,659 |
Fees | $4,602 |
Room | $12,056 |
Board | $7,446 |
Subtotal – billed costs | $76,763 |
参考出典:https://college.harvard.edu/financial-aid/how-aid-works
*2023年2月現在
そのため、アメリカ人や留学生を含め、多くの人が返済不要の給付型奨学金を検討します。
日本国籍を持つ生徒が対象となる給付型奨学金は、以下の3種類です。
- 日本の政府・民間団体の奨学金
- Merit-based Scholarships
- Need-based Scholarships
日本の政府・民間団体の奨学金
日本には、政府や民間団体による奨学金制度が多くあります。
これは日本の政府・民間団体による奨学金プログラムです。
それぞれ、応募資格や応募時期、方法等が違います。自分に合った奨学金に応募しましょう。
Merit-based Scholarships
Merit-based Scholarshipsとは、学生の成績等に応じて、大学から給付される返済不要の奨学金です。
基本的には、合格通知と共にMerit-based Scholarshipsの給付額も通知されます。特別な申請プロセス等はないことが多いです。
参考:Merit-based Scholarshipsの通知
Need-based Scholarships
Need-based Scholarshipsとは、学生の経済状況に応じて、大学から給付される返済不要の奨学金です。
このNeed-based Scholarshipsは、各大学が指定する方法で申請する必要があります。
そのためには多くの情報や書類が必要になります。
基本的に、申請条件等はありません。
ただし、Need-based Scholarshipsを獲得するためには、大学側に給付の必要性を認識してもらう必要があります。
例えばYale Universityの場合、各世帯収入における奨学金額(中央値)と奨学金の対象として認められた生徒の割合は以下のようになっています。
合計世帯年収 | 奨学金額 | 奨学金対象者の割合 |
~$65,000 | $76,925 | 100% |
$65,000-$100,000 | $70,217 | 99% |
$100,000-$150,000 | $60,295 | 99% |
$150,000-$200,000 | $46,326 | 95% |
$200,000-$250,000 | $31,196 | 79% |
$250,000~ | $28,881 | 25% |
参考:https://admissions.yale.edu/affordability-details
日本人も申請可能!Need-based Scholarshipsとは?
申請時期・方法
Need-based Scholarshipsは、ほとんどの大学で申請することができます。
申請の締切は、大学によって異なります。
出願締切前に前もって申請しなければならない場合や、出願締切と同時に申請を締め切る大学、出願締切後に猶予を持って申請締切が設けている大学もあります。
また、大学によって申請方法も異なります。
大学にNeed-based Scholarshipsを申請するためには、College Boardが運営する CSS Profile、IDOC、そして大学独自のPortalを利用することが多いです。
CSS Profile
多くの大学が導入しているが、ごく一部の大学では導入していないこともある。
基本情報や申請者本人・家族の経済状況等をフォーム形式で入力し、提出する。
https://cssprofile.collegeboard.org/
IDOC
導入している大学もあれば、していない大学も多くある。
CSS Profileで申請した情報を証明するための公式な書類(収入証明や銀行の残高証明等)を、IDOCを通して大学に提出する。
https://pages.collegeboard.org/idoc
大学独自のPortal
多くの場合は、Common Applicationの提出後に各大学の出願Portalへログイン可能になる。
CSS Profileを導入していない大学(eg. Denison University, Depauw University等)の場合は、CSS Profileに代わるものをPortalから提出する。
IDOCを導入していない大学の場合は、Portal内の公式書類をアップロードする場所から、大学に求められている書類を提出する。
各大学の申請締切・方法は、大学のホームページで事前に確認しておきましょう。
注意点
Need-based Scholarshipsを申請する上で、必ずチェックしなければならないのは「Need-blind」と「Need-aware」です。
Need-blind
Need-blindとは、Need-based Scholarshipsを申請しても合否に影響がないと宣言していることです。
一見、ホームページで大学がNeed-blindを宣言しているように見えても、「アメリカ国籍/永住権を持っている受験者」のみが対象になっていることがあるので、注意しましょう。
留学生に対してもNeed-blindであると宣言している大学は以下の通りです。(2023年1月時点)
Need-aware
Need-awareとは、Need-based Scholarshipsを申請すると合否に影響することです。
そのため、無闇にNeed-based Scholarshipsを申請する前に、一度戦略を練る必要があります。
例えば筆者は、柳井正財団や笹川平和財団の奨学金給付対象になっているNeed-aware校にはNeed-Based Scholarshipsを申請ませんでした。しかし、対象外の大学にはNeed-based Scholarshipsを申請しました。
Need-based Scholarshipsを申請する学校を選別する際には、データを参考にすることも有効です。
受給率と平均受給額
大学によって、Need-based Scholarshipsを受け取っている生徒の割合や、平均受給額が異なります。
例えばStanford Universityの場合は、48%の生徒がNeed-based Scholarshipsを受け取り(参考)、平均受給額は$58,494(参考)となっています。
また、Columbia Universityの場合は、50%の生徒がNeed-based Scholarshipsを受け取り、平均受給額は$63,971となっています。(参考)
Full-Needかどうか
Need-based Scholarshipsを申請する学校を選別する際には、その大学がFull-Needかどうかを確認することも良いでしょう。
Full-Needとは、生徒が申告した金銭的援助の必要に100%応えている(=Need-based Scholorshipsを給付している)ことです。
例えばColumbia Universityは、Full-Needと宣言しています。(参考)
FAFSAという単語を大学のホームページ内で見ることがあるかもしれませんが、留学生はFAFSAを利用することはありません。
また、申請したからといって必ずNeed-based Scholorshipsが給付される訳ではないため、気をつけましょう。
Need-based Scholorshipsの申請プロセス
~10月(事前準備)
CSS Profileは10月1日から情報を入力することができます。
ちなみに、10月1日以前にCSS Profileを開くと、前年度の受験者として情報を入力することが可能な仕様となっています。
ですが、そこに入力したものを引き継ぐことができません。そのため、10月1日から本格的な入力が始まっていきます。
10月1日からの入力に備え、事前準備を済ませておくことを強くオススメします。
公式な書類の発行・英訳
公式な書類はCSS Profileへ入力する情報の参考にもなります。
また、IDOCや各大学のPortalを通して大学にも提出する必要があるため、事前に準備しておきましょう。
筆者の場合、下記の書類を準備しました。
- 源泉徴収票 または 確定申告書(*)
- 銀行残高証明書(口座を開設している銀行すべて)
- 納税証明書
(* 職場によって源泉徴収票を発行していない場合等は、確定申告書で代用可能です。)
これらの書類は、両親分を準備する必要があります。
また、全ての書類は英訳されている必要があります。
英訳の方法は、主に2つあります
②自分で翻訳する
①はコストがかかる一方、楽に英訳作業を済ませることができます。
②の場合は、時間がかかるため早めに着手することを推奨します。
インターネット等で各書類の翻訳方法を調べる他、テンプレートを安く購入して編集するという手段もあります。また、銀行会社によっては英語版の公式書類を発行してくれることもあるため、確認してみましょう。
画質が悪い状態で大学に送付すると、識字できず再提出を求められる場合があります。そのため、PDFファイルで書類を作成・翻訳することをオススメします。
情報収集
公式な書類は必要ないものの、CSS Profileに入力しなければならない情報は数多くあります。
下記の情報を事前に収集しておくことを推奨します。
- 両親が今年度(大学入学前)に支払った生徒の教育費
- 両親が加入している退職金制度と現時点での金額
- (家を購入した場合) 購入した年、購入金額、現在の市場価値、現在のローン残高、月にいくらローンを返済しているか
- (兄弟がいる場合) 兄弟の学校にかかる総額(学費や施設維持費等)、そのうち両親が払っている金額、学費
- 1年間の公共料金代(水道、電気、光熱、ガス、電話、インターネット代等の合計)
- 1年間の食費(世帯全体で)
- 1年間の衣服代(世帯全体で)
- 1年間の生活必需品代(世帯全体で)
- 1年間の通勤費(世帯全体で)
- その他、1年間でかかる費用等(世帯全体で)
- (投資を行っている場合) 投資の現在市場価値
- 子供名義の資産等の価値
- (生徒自身に収入がある場合) 給与収入、給与所得、利子所得、課税対象となる奨学金等の収入、非課税の社会保障、他非課税の収入
- 両親が次年度(大学入学時)に支払う予定の生徒の教育費
- 親戚が次年度(大学入学時)に支払う予定の生徒の教育費
- 大学以外から受け取ることが決まっている奨学金額
- 生徒の所持金、普通預金、当座預金等の金額
10月1日〜(CSS Profile / IDOC提出)
CSS Profile
①College Boardでアカウントを作る
1. 下記リンクにアクセスします。
https://cssprofile.collegeboard.org/
2. 画面右上の「Sign In」をクリックします。
3.「Create Account」をクリックします。
4. 生徒の基本情報を入力し、アカウントを作成します。
②CSS Profileにログインする
1. CSS Profileのトップページを開く。
2.「Sign In to Fall ○○/Spring □□」をクリックする。
※年度に注意! 例えば、2023年秋~春に大学へ入学予定の場合、「Sign In to Fall 2023/Spring 2024」にログインします。
3. CSS Profile, IDOCの利用規約に同意する
③CSS Profileに情報を入力する
1. 「Continue Application」をクリックする
2. 「Start Section」をクリックする
3. 情報を入力する
筆者の場合、Sectionは全てで17個ありました。(入力した情報によって変動する可能性があります)
- Getting Started
- Parental Relationships
- Academic Information
- Currency
- Parent Detail
- Parent Income
- Parent Employment
- Additional Parent Information
- Housing Information
- Household Summary
- Child Support
- Parent Expenses
- Parent Assets
- Student Income
- Student Assets
- Special Circumstances
- Supplemental Questions – Parent Finances
各項目の分かりにくい質問等をピックアップしていきます。
また、Requiredではない質問には答えなくても問題ありません。
Getting Started XX(生徒) has legal dependents | 扶養家族がいるかどうか。 |
Your CBFinAidID is used to match your application data. If you have one from last year or received one via email, enter it here. You may leave this blank if you do not have your CBFinAidID. | CBFinAidIDとは、CSS ProfileやIDOC内で割り当てられる個人ナンバーのようなものです。Dashboardから確認することができます。筆者の場合、ある程度情報入力を進めると表示されるようになりました。 |
Parental Relationships Check if Deceased | 親が死去している場合は、チェックを入れます。 |
Academic Information Selected Colleges or Programs | Need-based Scholarshipsを申請する大学を検索し、リストに追加していきます。一度提出した後でも申請する大学を追加することは可能です。 |
Parent Income What type of tax return did XX’s parents file or will file for 2021? | 筆者の親の場合、日本国内で働いていたため、「Other non-US. tax return」を選択しました。 |
How much did YY(親) earn from work? | 親の給与収入を入力します。 |
Total compensation from employer(s) | 親の給与所得を入力します。 |
Interest income | 親の利子所得を入力します。 |
InteDividend income | 親の配当所得を入力します。 |
Net income from businesses or partnerships | 親の手取り所得を入力します。 |
Net income from rental real estate, royalties, estates, or trusts | 不動産や特許、遺産、信託投資から得た手取り所得を入力します。 |
Net income from farms | 農場経営から得た手取り所得を入力します。 |
Pension, annuity, or retirement distributions received not reported elsewhere on this application | 他の欄で申告していない年金や退職金の額を入力します。 |
All taxes, mandatory withholdings, and set-asides paid or withheld. Include income taxes, state taxes, local taxes, levies, and mandatory retirement payments. | 支払っている税金の総額を記入します。源泉徴収書を参考にする場合、地方税が含まれていないことがあるので、各自治体の納税証明書に記載されている地方税も加算しましょう。 |
Housing, food, and other living allowances received as members of the military, clergy, or other profession | 職場等から生活の援助金を貰っている場合は、記載します。 |
Money given to them or paid on their behalf | 両親が誰かの代理で支払いをしている場合、記載します。 |
Other untaxed income (including, but not limited to Workers’ Compensation and untaxed disability benefits). | 控除額を入力します。 |
Enter the amounts XX’s parents received or expect to receive in 2022 for the following: YY’s income from work, Other taxable income, Untaxed income and benefits | 今年度の収入の予想を記入します。職場等が変わる予定がなければ、前年度と同じ金額を入力して問題ありません。 |
Parent Employment Which retirement plans does YY participate in? | 親が加入している退職金制度を下記の中から選択します。 |
IRA, Keogh, 401k, 403b, or other tax-deferred plan | 税制優遇のある退職金制度 |
Plans to draw social security upon retirement | 社会保障制度から捻出される年金等 |
Employer sponsored plan | 退職時、職場から給付される退職金 |
Civil service or state sponsored plan | 公務員等の退職金制度 |
Union sponsored plan | 労働組合の退職金制度 |
Military sponsored plan | 軍の退職金制度 |
Housing Information Current market value | 自宅の現在の市場価値です。筆者の場合は一軒家だったため、土地の価格と築年数に応じた住宅の価値の変動を調べました。正確でなくても構いません。 |
Total amount owed on home | 残りの住宅ローンの金額です。 |
Parent Assets Do Akari’s parents have the following assets?: Investments Assets they own but are held in the names of their children | 子供名義での資産等のことです。例えば筆者の場合は、親が管理していた子供名義の銀行口座のことについて記入しました。 |
4. 確認、支払い、提出する
全てのSectionの記入を終えたら、Section一覧の一番下に「Review My Application」というボタンが表示されるようになります。
これをクリックし、入力した情報が間違っていないかよく確認します。確認が終わったら、提出に進みます。
家族の収入が10万ドル以下の場合は、申請料はかかりません。
家族の収入が10万ドル以上の場合は、1校目で25ドル、それ以降は1校につき16ドルの申請料がかかります。
支払いが完了すると、提出することができます。
5.申請する大学を追加したい場合
「Colleges & Programs」の一番下にある「Add a College or Program」をクリックし、大学を検索することで追加することができます。
IDOC
IDOCの提出は、CSS Profileの提出後に可能となります。
①CSS Profileの提出後、下記リンクにアクセスする
https://pages.collegeboard.org/idoc
②「Sign in to IDOC」をクリックする
③ログインする
- 「Academic Year you will attend」に、自分が大学に入学する予定の年を選択する
- 「CBFinAid ID」に、CSS ProfileのDashboardに記載されている自分のIDを入力する
- 「Social Security Number or Social Insurance Number」は空欄にする
- 「Date of Birth」に、自分の生年月日を入力する
④求められている書類を確認する
「Required Documents」の欄に記載されている書類を確認します。
⑤「Required Documents」の一番下にある「Upload Document(s)」をクリックする
⑥自動入力されている生徒・両親等の情報を確認し、画面右上の「Next」をクリックする
⑦注意事項を確認し、画面右上の「Next」をクリックする
⑧書類アップロード時の注意事項を確認し、画面右上の「Next」をクリックする
⑨画面右下の「ファイルを選択」から、④で確認した書類をアップロードする
⑩全てアップロードが終わったら、画面右上の「Upload Files」をクリックする
⑪提出する書類を確認し、間違いがなければ画面右上「Submit」をクリックする
⑫IDOCの確認、承認を待つ
書類提出後、確認には3-5営業日かかることがあります。
「Uploaded Documents」には提出済の書類が表示され、書類が承認されると「Processed Documents」に表示されます。「Processed Documents」に表示されたら、提出完了です。
〜1月(大学Portalでの確認・手続き)
CSS Profile、IDOCを提出した大学は、各出願Portalにてチェックマークを確認しましょう。
チェックマークはこのように表示されます。
CSS Profile、IDOC以外に提出を求められている書類があれば、手続きを進めましょう。
基本的には、IDOCを導入していない大学が収入証明書類のアップロードを求めている場合が多いです。
参考:Portal内から公式書類を提出する場合
しかし、例外も多くあります。
- PDFを作成し、大学のPortalから提出する場合
CSS Profileを導入していないDenison Universityでは、CSS Profileに代わる書類を指定のフォーマットを用いて提出する必要があります。
- Portal内からフォームを提出する場合
大学によっては、CSS Profileを提出していてもフォームを記入しなければならない場合や、CSS Profileの代わりとなる詳細なフォームの提出を求める場合もあります。
参考:Hamilton Collegeのフォーム
特殊なケースの申請プロセスと注意点
両親が離婚している場合
例え非親権者が全く資金援助をしない場合でも、親権者のCSS Profileとは別に非親権者のCSS Profileも作成し、提出する必要があります。
しかし、状況によって非親権者側の対応が変化します。
①離婚しており、非親権者と連絡がつかない場合
非親権者分のCSS Profileの提出を免除するための申請を行うことができます。
1. 下記リンクにアクセスする
2. PDFファイル「CSS Profile Waiver Request for the Noncustodial Parent」をダウンロードし、書類を作成する
3. CSS Profileの提出を求めている大学に作成した書類を提出する
②離婚しており、非親権者と連絡がつく場合
非親権者のCSS Profileを提出する必要があります。
1. 親権者のCSS Profileを提出する
- 「Parental Relationship」セクション内にParent1, 2に親権者、非親権者の情報を登録する
- 「What is the marital status of XX’s parents?」の質問で、Divorcedを選択する
- 「Who did XX live with the most during the past year?」の質問で、親権者を選択する
- 「Which parent’s information will be provided on this application? Select all that apply.」の質問で、必ず親権者のみを選択する
- 「Additional Parent Information」セクション内の「At least one of your colleges or programs has requested that the student’s parent, ZZ, complete a CSS Profile application. Enter ZZ’s email address, for College Board to notify them.」の質問で、非親権者のメールアドレスを入力する
親権者のCSS Profileを提出する前に、非親権者がCSS Profileの入力を始めることはできません。
しっかりと事前準備を行い、10月1日以降はなるべく早めに着手し、提出を完了しましょう。
2. 非親権者のアカウントを作成する
1. 下記リンクにアクセスする
https://cssprofile.collegeboard.org/
2.「Sign In」→「Create Account」を選択する
3.「General Information」と「Personal Information」では、非親権者の情報を入力する(※注意 生徒の情報は入力しない!)
4. Parent Information は空欄にする
3. CSS Profileに情報を入力する
基本的には「3-2 10月1日~」と同様の内容を、入力していきます。
冒頭3つのSectionである「Getting Started」「Parental Relationships」「Residence」は親権者のCSS Profileと全く同じ情報を入力する必要があります。
正しく入力しなかった場合、親権者と非親権者のCSS Profileが連携できなくなってしまいます。それ以降のSectionでは、非親権者の情報を入力していきます。
一部、両親が離婚している場合のみ表示される質問等がありますので、ピックアップしていきます。
- Which parent’s information will be provided on this application? Select all that apply.
→非親権者の名前を必ず選択します。
- What amount will ZZ(非親権者) contribute towards the student’s educational costs for the 2023-24 academic year?
→非親権者が大学の費用等をいくら援助するか。全く支援しない場合は、0ドルです。
前述の通り、非親権者の提出は親権者の後に行われます。
そのため、事前に非親権者に公式書類の取り寄せや情報収集をお願いしておく等の準備が重要です。
非親権者が遠方に住んでいる場合は、可能であればテレビ電話やZoom等を通して一つ一つのプロセスを確認すると良いでしょう。
または、非親権者のメールアドレスを借り、アカウントを作成し、生徒が代理で情報を入力していくという手段も有効です。
提出する
非親権者にかかる申請料については、生徒の世帯収入(親権者含む)が10万ドル以下の場合は、申請料はかかりません。
世帯収入が10万ドル以上の場合は、25ドルのみかかります。親権者と違い、学校が増えるごとに申請料を払う必要はありません。
両親のどちらかが再婚している場合
親権者・非親権者のどちらか、もしくは両者が再婚している場合、再婚相手の情報も加えて申請する必要があります。
また、前述した公式な書類等も、再婚相手の分も準備する必要があります。
①親権者が再婚している場合
再婚相手の情報も登録する必要があり、申請時に入力する情報が増えます。
- 「Parental Relationship」セクション内にて、Parent3として再婚相手の情報を登録します。(再婚相手が男性ならStepfather、女性ならStepmother)
- 「Who did XX live with the most during the past year?」の質問で、親権者とその再婚相手を登録します。
- 「Which parent’s information will be provided on this application? Select all that apply.」の質問で、親権者とその再婚相手を選択します。
- 質問によって、対象が「親権者単体」「再婚相手単体」「両者」と異なる場合があります。質問文をよく読みましょう。
②非親権者が再婚している場合
再婚相手の情報も登録する必要があり、申請時に入力する情報が増えます。
- 「Parental Relationship」セクション内にて、Parent3(親権者も再婚している場合はParent4)として再婚相手の情報を登録します。(再婚相手が男性ならStepfather、女性ならStepmother)
- 「Which parent’s information will be provided on this application? Select all that apply.」の質問で、非親権者とその再婚相手を選択します。
- 質問によって、対象が「非親権者単体」「再婚相手単体」「両者」と異なる場合があります。質問文をよく読みましょう。
両親と協力するために
Need-based Scholarshipsの申請プロセスはとても複雑です。
そのため、保護者の方は不安を抱え、時には怒りをあらわすこともあるかもしれません。
そして受験生も、受験真っ只中の申請となるため、イライラしてしまうかもしれません。
まずは、生徒自身が落ち着いて申請プロセスを理解をすることが重要です。
どうしてこの申請が必要なのか、申請の具体的な方法は何か、いつまでに完了する必要があるのか等、保護者の方にわかりやすく説明できる状態を作ることで、保護者の方は安心しながら書類の準備や情報収集を進めることができるかもしれません。
そして、時間に余裕を持つことも大切です。
CSS Profileの入力は10月1日から始まり、多くの大学のEarly Decision/Action(早期出願)の締切は11月1日~15日となっています。
そのため、前もって保護者の方に説明をしておくこと、不明点等を先に聞き出し解決しておくこと、早めに準備に取り掛かることが気持ちの面でも極めて重要です。
申請は複雑で、大学によって方法も少しずつ異なります。そのため、想定外のアクシデントにも対応できるだけの余裕が重要です。
まとめ
Need-based Scholarshipsの申請は、受験生にとっても保護者の方にとっても、ストレスになるかもしれません。
まずは、落ち着いて理解すること。そして、入念に準備をすること。最後に、常に「早め」を心がけること。
この3点が、受験生やその保護者の方のストレスを和らげるために重要です。
そして、Need-based Scholarshipsを申請する経験は、きっと受験生の糧になってくれます。
時間がかかる作業だからこそ、もっと他のことをやりたいと焦るかもしれません。
でも、どうか自分自身を信じて。明るい未来が待っているはずです。