一般的な日本の高校に通っている生徒にとっては、高い英語力が求められるSATは大きな壁です。
Readingに出題される文章の語彙のレベルはとても高く、時間も短いので、日本人の生徒には難しいことが多いです。
また、Reading and WritingはTOEFLやIELTSといった外国人のための英語試験とは異なり、ネイティブが受ける試験です。語彙のレベルは段違いに難解になっています。
しかし、あきらめる必要はありません!SATでは問題にパターンがあります。パターンを頭に入れられれば、多くの問題を解くことが出来ます!
これから、セクション別にパターン・コツを説明していきます!
この記事の著者:ゆーに
公立の小学校を卒業し、中学より0から英語の学習を始める。高校時代、IELTS・SATを受験。IELTS 7.0、SAT Reading/Writing 620(上位約20%), Math730(上位約5%)を取得. 2020年9月より香港の大学へ進学予定。
SAT対策準備に入る前に
「Reading and Writingのテスト対策をするぞ!」と意気込む前に、毎日多読をして、語彙を身に付け、読むスピードを速めていきましょう!
筆者は高校一年生からJapan Timesという英字新聞を読み、高校三年生の時は通学時間に洋書を読むようにしていました!
日本で発行されている英字新聞の中では、Japan Timesが一番語彙のレベルが高いと言われています。Japan Timesを読むことで語彙力が伸び、大きく読解力を伸ばせたと思います。
しかし、最近ネイティブの知り合い達から聞いた話なのですが、Japan Timesはネイティブ的に不自然な表現が多いらしいです。
これから新聞を読むぞ!という方は、The New York Times Internationalや、the Washington Postなどの海外新聞をオンラインなどで読むのが良いと思います。
私の受験スケジュールはこんな感じです。
- 高校二年生の10月ごろ:SATの勉強開始。週2−3日ほどSAT問題集を解く
- 高校二年生の夏:TOEFL/IELTSの必要スコアを取得
- 高校三年生の4月ごろ:SATに本腰を入れた
- 高校三年生の5月:SAT受験1回目
- 高校三年生の9月:SAT受験2回目(合計1350点達成)
この記事を読まれている方の中にも国内外併願を考えているかたもいると思いますので、SAT対策はできるだけ早いうちに始めてください!
高校二年生の夏にはTOEFL, IELTSの必要スコアを取得し、そこからSATの学習が出来ると理想だと思います。
»【保存版】ゼロから始める新SATテスト®試験概要と対策完全ガイド 旧SATのWriting and Languageセクションには、1つのノンフィクション、1つか2つの意見文、1つか2つの説明文があります。44問あり、35分で回答します。 Writing セクションには大きく分けて下記4つの問題形式があります。 文章の主題を問うことや、一貫性を高めるにはどの文を入れれば良いか、などパラグラフを自然にするにはどうするかということが聞かれます。 コンテクストに沿った語彙を選んだり、一般的なイディオム、くどい言い回しにならないようにしたり、といった明解な文章をつくる手法を問われます。 受動態を避けたり、英文でよく使われる並立構造(parallel structure)を作ったりといった、より洗練された英文を作る方法を問われます。 一般的な名詞と動詞の一致や動詞の時制、代名詞といった問題が出題されます。 文法は、日本の高校でやるような文法問題とあまり変わりないものなので、対策はあまりいらないと思います。 他の問題形式は、日本の高校では習わないことが多い(筆者は習わなかった)と思うので、記事の最後に紹介する練習問題や過去問を解きながら学習しましょう! 問題が分かったところで、これからお伝えする確実に正解するためのコツを意識して、問題演習していきましょう! Writingは文法問題だと認識されている方は多いと思います。しかし、それはあくまでも一部です。流れを自然に改変する問題や意味に沿った表現をする、といった問題も多く出題されます。 しっかりと文章を読み、内容を把握して、問題の下線部がでてきたらその問題を解き、また読むという流れで回答していきましょう。 文章を読まずに下線部周辺だけを読んで解こうとすると、パラグラフを自然に並べ替える問題などで再度読まなければならず、余計に時間をとられてしまいます。 日本の一般的な高校で勉強してきた方で、今まで「:」や「;」を英作文で積極的に使ってきたよ!という方は少ないのではないでしょうか。 むしろ、意味の違いがあるということも知らないこともあると思います。(筆者はそうでした)この違いを問う問題は、必ずと言っていいほど出題されます。 これらを有効に使えると、SAT以外でも、表現の幅が広がります。ぜひ覚えてください! コロン「:」には、3つの用法があります。具体例、引用文、independent clauses(独立節)の前におきます。 例:My friend wanted to see three cities in Japan: Tokyo, Kyoto, and Osaka. 例:This was first said by Shakespeare: “To thine own self be true.” 例:I want you to remember: I hate apples. コロンは、ピリオド(.)と同様文の最後に付けますので、コロンの後にピリオドをつける必要はありません。 セミコロン「;」は、コロンほど意味をつなげたくないけど、ピリオドで完全に文を切ってしまうのは嫌だ!という時に使います。 例:I ate bananas; My brother ate apples. アカデミックな文章が出題されるSATでは、若者言葉が選択肢にある場合も、×だと思って問題ありません。 下部の例を見てください。(問題はCollege Board公式SAT学習サイトKhan Academyより抜粋) The menu was modeled after those of fine restaurants, so the food was leagues beyond the sinister fare travelers were accustomed to receiving in transit. ここの「icky」は不快なことを指しますが、「キモい」のような話し言葉です。このように、文章では使わない言葉は、悩まずに×と思いましょう。 このような若者言葉の問題や、通常の語彙問題にも共通する話ですが、そもそも言葉を知らない事には、どれが適切な表現なのかわかることはありえません。 特に、慣用表現は言葉のパーツで意味を予想する(後ほど説明します)ことが難しいので、問題演習をして出会った知らない慣用表現はしっかり覚えるようにしましょう。 私もそうだったのですが、今まで日本で生活してきた人にとっては、アカデミックな言葉は知っていても、若者言葉や慣用表現はそもそも知らないことのほうが多いと思います。 私はそのようなボキャブラリーを増やすために、高校生向けの小説を読んだり、英語のYouTube動画を観たりして、知らない単語をUrban Dictionary(若者ことばが掲載されているウェブ辞書)で調べていました! Youtubeなどはリスニングにも、息抜きにも良いと思うので、見てみるといいかもですよ! いろいろコツを紹介しましたが、結局一番重要なのは語彙力、文法力、長文読解力という基礎的な英語力を伸ばさなければなりません。 過去問や問題集を沢山解いて、過去にあった問題の形式を頭に入れておきましょう! そうすれば、似ている問題に出会った時に瞬間的に答えがわかり、確実にわかる問題を増やしていけるので、高得点に繋げられます! Readingには、合計5つのセクションがあります。 1つのフィクション(アメリカ文学か世界の文学から抜粋)、社会科学的な文章、歴史的な文章(南北戦争や女性の人権に関わるスピーチ等)、2つの科学にかかわる文章が出題されます。 この中の一つのパッセージは、2つの短めの文章が載っています。 Readingには大きく分けて下記5つの問題形式があります。 問題の第一問に出題されることが多く、文章全体を通して、著者が何を主張しているのかを問います。 文字通り、登場人物がどのような気持ちかを答える問題です。しかし、感情を意味する語彙レベルが高いことが多いです。文章を読めば答えが推測できる問題とは違い、シンプルに語彙の量が求められますので、難易度が高いといえるでしょう。 文章中に出てくる語彙の意味を問います。語彙レベルは、感情問題よりも難しいことが多いです。選択肢の語彙の意味が解らないことがあり得るので(笑)しっかり覚えましょう! ひとつ前の問題の回答は、文章のどの部分に根拠文があるのかを問う問題です。選択肢は、[A]Lines19-21のように、行数になっています。 二つあるスピーチや本の意見を見て、二人が合意しているか、反対しているか、どの部分だけは意見があっているかを問う問題です。二つのパッセージをしっかりと理解できていないと正解するのは難しいでしょう。 問題が分かったところで、これからお伝えする確実に正解するためのコツを意識して、問題演習していきましょう! これは当たり前です。残念ながらReadingは内容を把握できないと、問題を解きようがありません! 単語帳を使って語彙を増やせる人は単語帳で覚えてもいいと思うのですが、私は苦手でした。いつもページは進んでも最初のほうから忘れていくことが多かったです。 なので、私は問題を解きながら、文章、問題の選択肢に出てきた、知らなかった語彙を全て覚えるようにしました! そんな簡単に覚えられないという方も多いと思いますが、Quizletというフラッシュカードのアプリで覚えたらとても効率が良かったです。 これは自分で覚えたい単語を入れて自分専用のフラッシュカードを作れます。 また、3回連続で正解した単語は出題されなくなるので、覚えている単語に時間を割くことがなくて効率がとても良かったです。 iOS, Google Play, ブラウザで無料で使えますので、ご自分の端末に合わせて使ってみてください! 出題される単語は全部知っていることに越したことはないでしょうが、そんなことは私たち純ジャパには不可能だと思います。 わからない語彙に出会ったときその語彙をパーツに分けてみてみることで、意味が予想できることがあります!(少なくともポジティブな言葉かネガティブな言葉なのかがわかると良い) 例えば、”malware”という言葉の”mal”という部分は悪という意味があります(悪役のマレフィセントMaleficentはMal + ficentというパーツでできている)。 ネット上にも様々なサイトで語源の意味を紹介されているので、一見の価値ありですよ! 私が利用したサイトを紹介します。 本だと、日本語で書かれているものもあります。(ボキャブラリーのレベルは低めなので参考までに) ()や「,」、「-」で挟まれた文があります。それは修飾語です。記号の内側(修飾語)は意味的に重要ではなくなります(挟んだ部分と比べると)。 また、記号の外側の文は主語、動詞が一致します。これを知っておくと、時短や理解を深めやすくなるので、覚えましょう! 例:The durian fruit, native to Southeast Asia, is often called the “king of fruits”. “native to Southeast Asia”という部分は追加情報で、内容の理解に必要ではありません。このように、多くの文で内側の部分は飛ばしても構わないことが多いです。 また、カンマのあとは”is”ですが、これは、”The durian fruit”という主語があるので、”is”という動詞が来ます。カンマは、()や「-」で置き換えても構いません。 SATには、文章全体のテーマを問う問題が出題されるということをお伝えしましたが、全体的に何を言っているのかを理解できていないと答えられない/テーマにそぐわない選択肢を選んでしまうことがあります。 よくある選択肢の例として、ある一部分を見るとあっているように見える選択肢が筆者の結論と食い違っているということがあります。また、根拠文がどこの部分にあるのかという問題も出題されます。 全体を読むと、すべての選択肢を実際に読み確認しなくてもどの部分が答えになりそうかわかるので、時間を短縮できます。 ミスを減らし見直しの時間を増やすためにも、最初に文章を全部読み切ってから問題を解くことをお勧めします! 全ての場合ではありませんが、多くの場合、ひとつ前の問題の答えを先に考えるのではなく、根拠の選択肢を見てから戻って答えを見つけると回答しやすいことが多いです。 例えば、 Q.7と8がparedになっていて7の答えがすぐにわからない場合、Q8に行きましょう。7の回答が書かれているであろう選択肢があるので、それらを読んで、7の答えを探します。多くの場合、この手法で解決できます! » SAT対策『Reading and Writing』攻略法 私はSATを学習していた時に、沢山の問題集を解いたのですが、中には、難易度が高すぎる/低すぎる問題集や、説明が簡略化されすぎていて理解できないものがありました。 SAT対策の本は海外で出版されているものがほとんどなので、値段も日本で買うには高めです、、、。できればお金を使って為にならない本は買いたくないですよね。 そこで、私が厳選した問題集をお教えしたいと思います。だまされたと思って、買って勉強してみてください! The Ultimate Guide to SAT Grammar この参考書はとにかく説明が分かりやすい。これに尽きます。 範囲もSAT Writingで出題される問題を広くカバーしていて、これ一冊あればほとんどの問題に対応できると思います。持っていて損はない一冊でした。 他の参考書では正解の選択肢がなぜ正解なのかだけ説明しているものも多いのですが、この参考書はなぜ不正解の選択肢が間違っているのかを一つ一つ丁寧に解説してくれているので分かりやすいです。 参考書なので文字数がとても多いです。全部読むのはなかなか大変だと思うので、苦手な問題のタイプをこの本で学習するのが良いと思います。 解説がとても丁寧なだけでなく、一つ一つの問題にどうやってアプローチするのかを教えてくれます。問題のレベルは少し高めです。 入門編というよりかは、試験前の直前期に解いて、難しめの試験になれておくといった使い方が良いと思います! The Critical Reader: The Complete Guide to SAT Reading 先ほどWritingの参考書でもおすすめしたMeltzer氏の参考書です。先ほどと同じく解説がわかりやすくて、とても良かったです!広い範囲をカバーされているので、購入されることをお勧めします! リーディングはどうしても自分の英語力がそのまま点数に現れる感じがして参考書はいらないかなと思う方もいると思いますが、この記事で私が説明しているようなコツが沢山掲載されているので、そのためだけでも購入する価値はあると思います! また、Writing and Language版と同様、コンテンツの量が多いので、範囲を決めて利用されるといいと思います! Ivy Global’s New SAT 4 Practice Tests これはReadingだけではなくて、模試が4つ入っている本なのですが、ぜひReadingの学習に集中して勉強してほしい本です! Readingに出てくるパッセージの難易度や、問題形式が本番のSATにとても似ています。 この本のテストをすべてやりきって解説を理解すれば、SATに効く読解力がしっかり付くと思います!Mathの部分の難易度は本番より易しめなので、入門編としてやることをお勧めします! 今お伝えしたのは本ですが、オンラインのサービスも存在します。Khan Academyというサイトなのですが、SATを運営しているThe College Boardの公式の認可を受けています。 練習問題と動画による解説、8個の模擬テストが無料で利用できます。問題・解説の質も上記の本と同程度なので、ぜひ活用してください! ここまでお読みいただき本当にありがとうございます! これからもSATや海外大学進学について記事にしていきたいと思っているので、よろしくお願いします。 SATの勉強頑張ってください!!! Writing and Language対策法
問題形式
コツ1 文章は流し読みせずに、しっかり読む。内容を把握して問題に取り組む
コツ2 コロン、セミコロンの意味を理解する
コツ3 若者言葉はだいたい×
Reading対策法
問題形式
コツ1 単語Appと語源でVocabularyを覚える
コツ2 修飾語は飛ばして良い!
コツ3 文章全体を読んでから問題に取り組む
コツ4 Pared Questions(根拠を問うもの)は根拠を先に解いて、前の問題に戻ると良い
SAT おすすめ参考書・問題集
Writing and Languageのおすすめ参考書、問題集
Readingのおすすめ参考書、問題集
Khan Academy
終わりに