イギリス留学を決め大学を選ぶ際、どのエリアに留学するかは重要な決定事項の1つ。
自分に合った環境で快適に学生生活が送れるかどうかは、留学の充実度・満足度などを左右してしまうほど大切なポイントとなります。
イギリスはイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの4つの非独立国から成り立っており、それぞれの国・地域において、特有の土地、文化、民族の特徴があります。
そのため、イギリスに留学したいと思ってもどこの都市にすればいいか、また明確に行きたい都市がない場合、都会か地方にしようか迷う方も多くいるのではないでしょうか。
イギリスの都市型、郊外型、地方型の大学にはそれぞれに特徴があり、何をメリットと感じ、何をデメリットに感じるかは個人の価値観によるところも大きいものですが、イギリス留学といえばやっぱり大都市のロンドン!という方のために、今記事では「クイーンメアリー大学」をご紹介。
ロンドンのイーストエンドにキャンパスを構えるロンドン大学クイーンメアリー校は、ロンドン大学群を構成するカレッジの1つです。
この記事の著者:Antieやや
タイ在住。語学力を活かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、イギリスの大学で心理学、大学院で戦略マーケティングを学んだ息子あり。
目次
ロンドン大学クイーンメアリー校とは
ロンドン大学クイーンメアリー校の基本情報と歴史
基本情報
- 名称:Queen Mary University of London(ロンドン大学クイーンメアリー校)
- 所在地: Mile End Road London E1 4NS United Kingdom
- 電話番号:+44 20 7882 5555
- 創立年:1785年
- 学校形態:大学・大学院
- 学生数:総学生数(学部学生/ 大学院学生)33,000名~※
歴史・沿革
ロンドン大学クイーンメアリー校は、英国最古の医学学校である聖バーソロミュー病院医科大学 (St Bartholomew’s Hospital Medical College)、ロンドン病院医科大学 (London Hospital Medical College)、ウェストフィールドカレッジ (Westfield College)、クイーンメアリーカレッジ (Queen Mary College) の4つカレッジが統合改組され誕生した大学。
統合に伴い改称しながら、2000年に現在の名称「クイーン・メアリー・カレッジ」 となりました。
- 1785年 ロンドン病院医科大学設立
- 1843年 聖バーソロミュー病院医科大学設立
- 1882年 女性のための全寮制カレッジとしてウェストフィールドカレッジを設
- 1887年 ピープルズパレステクニカルスクール設立
- 1896年 イーストストロンドンテクニカルスクールへと名称を変更
- 1905年 イーストロンドンカレッジへと名称を変更
- 1907年 ロンドン大学のイーストロンドンカレッジとして試験的に3年間認可される
- 1915年 正式にロンドン大学連合へ加盟
- 1934年 イーストロンドンカレッジはクイーンメアリーカレッジとなる
- 1989年 クイーンメアリーカレッジは、ウェストフィールドカレッジと合併し、クイーンメアリー&ウェストフィールドカレッジとなる
- 1992年 聖バーソロミュー病院医科大学とロンドン病院医科大学が合併し医歯学部となる
- 1995年 クイーンメアリー&ウェストフィールドカレッジと医歯学部が合併
- 2000年 大学名がクイーン・メアリー・カレッジとなる
引用:Our history
ロンドン大学クイーンメアリー校の特徴と学部紹介
ロンドン大学を構成するカレッジの1つであるロンドン大学クイーンメアリー校。
他のカレッジと同様、独立した大学として設立理念・教育研究方針に基づき運営されており、独自の学位を授与しています。
ロンドン大学クイーンメアリー校は、学生・教職員・卒業生など、一人ひとりが大学の一員としてのアイデンティティを共有しつつ、多様な価値観の下に『個』の能力を存分に発揮しながら継続的に成長していく『場』を創造。
それら多彩な『個』の力を総合することにより、国際的な頭脳循環のハブ(拠点)として、これからのグローバリゼーションの時代を切り拓く指導的な人材を送り出すことをビジョンに掲げています。
そんなロンドン大学クイーンメアリー校は、優れた教育と世界を牽引する研究活動を行う英国名門大学24校で構成されるラッセルグループ(※)の一員でもあり、英国トップクラスの高等教育/ 研究機関として国際的にも広く認知。現在までに9名のノーベル賞受賞者を輩出しています。
(※)参考記事:ラッセルグループの大学で学ぶメリットとは
学部
ロンドン大学クイーンメアリー校は、学士課程レベルまたは大学院の過程を有する4つの学部 (Faculty) に分けられ、それぞれが専攻分野をさらに細分化したスクールと学科 (School and Department) を設置。
幅広い分野に関連した専攻コースを提供しています。
また、英国最古の医学学校をルーツにもつ同校は、医歯学やヘルスサイエンスの分野に強い総合大学として躍進。
医学、歯科学、循環器学、感染病、外科学を含む医療全般を学ぶ先進的な学習環境が整い、研究所では先端医療に関連する幅広い研究が行われています。
Humanities and Social Sciences(人文・社会科学学部)
- School of Business and Management(経営・マネジメント学スクール)
- School of Economics and Finance(経済・金融学スクール)
- School of English and Drama(英文学・演劇学スクール)
- Department of English(英文学科)
- Department of Drama(演劇学科)
- School of Languages, Linguistics and Film(言語・言語学・映画学スクール)
- Comparative Literature and Culture(比較文学・文化)
- Film Studies(映画学)
- Language Centre(言語センター)
- Linguistics(言語学)
- Modern Languages and Cultures(現代言語・文化)
- School of Geography(地理学スクール)
- School of History(歴史学スクール)
- School of Law(法学スクール)
- Centre for Commercial Law Studies(商業法研究センター)
- School of Politics and International Relations(政治学・国際関係学スクール)
Medicine and Dentistry(医学・歯学部)
- Faculty of Medicine and Dentistry(医学・歯学部)
- Barts Cancer Institute(バーツがん研究所)
- The Blizard Institute(ブリザード研究所)
- Institute of Dentistry(歯学研究所)
- Institute of Health Sciences Education(健康科学教育研究所)
- William Harvey Research Institute(ウィリアム・ハーベイ研究所)
- Wolfson Institute of Population Health(ウォルフソン人口健康研究所)
Science and Engineering(理工学部)
- School of Biological and Behavioural Sciences(生物・行動科学スクール)
- School of Electronic Engineering and Computer Science(電子工学・コンピュータサイエンススクール)
- School of Engineering and Materials Science(工学・材料科学スクール)
- School of Mathematical Sciences(数学科学スクール)
- School of Physical and Chemical Sciences(物理・化学科学スクール)
Interdisciplinary(学際研究)
- Arts and Culture(芸術・文化研究)
- Bioengineering Research Network(バイオエンジニアリング研究ネットワーク)
- Digital Environment Research Institute(デジタル環境研究所)
- Global Policy Institute(グローバル政策研究所)
- Life Sciences Institute(生命科学研究所)
- Materials Research Network(材料研究ネットワーク)
学士課程の専攻コースによる検索はこちら→Undergraduate course finder
世界ランキングとその評価
ラッセルグループの一員として、優れた研究成果の輩出および卓越した教育を提供することに尽力しているロンドン大学クイーンメアリー校は、学生に実用的な知識とスキルを提供する優れた教育で国際的に評価されている教育機関の1つです。
第135位 World University Rankings 2024/ The Times Higher Education
第145位 QS World University Rankings 2024/ The QS Top Universities
第21位 QS World University Rankings 2024/ Top UK Universities
第53位 UK University League Tables 2023- 2024/ Complete University Guide
ロンドン大学クイーンメアリー校ランキングについての詳細はこちら→About
ロンドン大学クイーンメアリー校の学費・留学費用と奨学金
学費と生活費の目安
■ロンドン大学クイーンメアリー校の学費
ロンドン大学クイーンメアリー校の学士課程の授業料は専攻コースによって異なり、また現地学生と留学生とは異なる授業料を設定しています。
<例>
出典:marketing and Management/ Entry Year 2024
以下に授業料(2024年度)の例をいくつかご紹介いたします。
その他の授業料についての詳細は、Undergraduate course finderよりコース名を検索し、志望する専攻コースの最新情報をご確認ください。
コース | 授業料 |
Marketing and Management | £26,350 |
Business Management | £26,350 |
Chemistry | £28,350 |
Psychology | £28,350 |
Computer Science | £28,350 |
為替レート:1£=約189円(2024年2月15日時点)
■滞在費
ロンドン大学クイーンメアリー校留学中の滞在方法はいくつかありますが、多くの留学生は、
- キャンパス内の学生寮(大学運営)
- 民間のアパート
- 近隣の宿泊施設プロバイダーから学生向けに提供されている民間学生専用アパート
- ホームステイ
などを利用。どの宿泊方法を選択するにしても、学生一人ひとりに合った滞在先を確実に見つけるために必要なガイダンスを受けることができます。
それぞれの施設ではさまざまな部屋のタイプを提供しており、食事付き/ なし、バスルーム付きまたはシェア、キッチン付き、部屋の広さ、賃貸期間等により賃料が異なります。
大学寮 | £ 6,399.55 (£167.09/ 週) ~ £15,935.86 (£416.08/ 週) ※ 寮費は最低38.3週間(268日)として計算され、すべての光熱費と水道料金、Wi- Fi、共有エリアの清掃、所持品保険が含まれます。 ※ロンドン大学クイーンメアリー校の大学寮についての詳細はこちら→Queen Mary Residences/ Fees |
民間のアパート | £130~ £180/ 週 |
民間学生専用アパート | £215~£430/ 週 |
ホームステイ | £135~£250/ 週 |
為替レート:1£=約189円(2024年2月15日時点)
大学寮以外の宿泊施設についての詳細はこちら→Alternatice Accommodation
■生活費
ロンドンでの生活費は個人の生活スタイルにより異なりますが、文化交流と教育機会を促進する国際文化交流機関British Council が公表している1ヶ月にかかるおよその生活費の内訳は以下の通り。
平均£1,300から£1,400が必要とされています。
支出内容 | 費用目安 |
Accommodation | £848 Student halls (bills included) £750 Room in private accommodation (without bills) |
Household bills | £140 |
Groceries | £150 |
Socializing | £150 |
Public transport | £103 |
Mobil phone bills (SIM only plan) | £18 |
参考:British Council/ Cost of studying and living in the UK
為替レート:1£=約189円(2024年2月15日時点)
また、イギリス留学に必要な学生ビザ申請には、大学の授業料と生活費などの留学費用を負担するための十分な資金を持っている証明が必要となります。
証明が必要な滞在費は、ロンドン滞在の場合は月額£1,334(最大9ヶ月分)、ロンドン以外に滞在する場合は月額£1,023(最大9ヶ月分)(※)です。
(※)参考:GOV.UK/ Student visa/ Money you need
通帳などの資金証明を含む日本語の補足書類は全て英訳が必要、資金証明は留学する本人または保護者のものに限られ、資金はビザ申請日まで28日間以上口座に入っている必要があるなど諸条件が適用されます。
ビザ申請関連の規定は随時変更の可能性があるので、イギリス政府ホームページなどで最新情報をご確認ください。
留学生向けの奨学金制度
ロンドン大学クイーンメアリー校では、学生の国籍、学術成績、専攻分野などに基づく留学生向けの奨学金制度を提供。奨学金を受給するためには必要書類を出願期限までに提出する必要があります。
以下は、ロンドン大学クイーンメアリー校で公募されている留学生を対象とした奨学金制度です。
奨学金の受給を希望する方は、各奨学金の募集要項およびウェブサイトで最新情報をご確認の上、申請の手続きを行ってください。
奨学金についての詳細はこちら→Scholarships and funding
ロンドン大学クイーンメアリー校でのキャンパスライフ
クリーンメアリー・ロンドン大学キャンパスの全貌
クリーンメアリー・ロンドン大学はロンドン市内に5つのキャンパスを有し、それぞれのキャンパスでは、学生がよりよい教育環境で学業に取り組めるよう、近代的で利便性の高い施設を充実させています。
社会、経済、文化のグローバル化が進展する近年、世界的な広がりをもって大学の教育力・研究力を高めていく必要があると考えるクリーンメアリー・ロンドン大学では、相手国政府およびパートナー大学の協力の下、一部の大学院プログラムを海外で提供。
現在は4ヶ国(パリ、マルタ、中国、シンガポール)にサテライトキャンパスを設置し、大学の海外展開を促進させています。
ロンドン市内の5つのキャンパス
- マイル・エンドキャンパス (Mile End )
マイル・エンドキャンパスは、ロンドン大学クイーンメアリー校のメインキャンパス。最も多くの学部が設置されており、学生寮、スポーツおよびレクリエーション施設、書店、レストランなど、学生生活を送るメインキャンパスとして多彩な施設が揃うほか、図書館や最先端の学習/ 研究施設などが集約されています。
- Wホワイトチェペルキャンパス(Whitechapel)
ホワイトチェペルキャンパスは医歯学部の本拠地。ブリザード研究所、健康科学教育研究所、ホワイトチャペル医学図書館、ロイヤルロンドン病院などがあります。
- チャーターハウスクエアキャンパス(Charterhouse Square)
チャーターハウスクエアキャンパスは医学研究の拠点で、医学生のための寮も完備。ウルフソン人口保健研究所の医学研究本部、ジョンヴェイン科学センター、ジョセフ・ロットブラッドビルディング、心臓センターがあります。
- Wウェスト・スミスフィールドキャンパス(West Smithfield)
セント・バーソロミュー病院(略称バーツ)とウェスト・スミスフィールド医学図書館を有するウェスト・スミスフィールドキャンパスには、心臓血管、がん、疫学、公衆衛生に関する研究施設の一部が置かれ、主に医学部に属する大学院生が在籍しています。
- リンカーンズ・イン・フィールドキャンパスLincoln’s Inn Fields
商法研究センター(CCLS) が設置されているリンカーンズ・イン・フィールドキャンパスでは、法学に関する大学院プログラムを提供しています。
ロンドン大学クイーンメアリー校の学生組合による幅広いサポート
ロンドン大学クイーンメアリー校の学生になると自動的に登録される学生組合 (Students’ Union) は、毎年選出される8人の学生役員によって運営。
福利厚生サービス、またイベントの開催やボランティア活動の紹介など、多様な背景を持つ学生がそれぞれロンドン大学クイーンメアリー校での学生生活にスムーズに適応し、より楽しいキャンパスライフを送るための幅広いサポートを提供しています。
- 学生の意見の反映
学生と大学との橋渡し役として定期的に話し合う場を設け、学生のニーズ/ 生活実態など互いの現状や意見を伝え合うことで幅広い学生支援に繋げています。
- 学生サポート
学修、学生生活、課外活動、そしてキャリア形成等、 包括的な学生支援のネットワークを上手に活用しながら、多様な側面で学生を支援する体制を整えています。
また、将来のことが不安、なんとなくやる気がでない、家族との関係で悩んでいるなど誰かに相談したい時のために、カウンセラーによるマインド面でのサポートを提供。専門知識やスキルを持ったカウンセラーとの対話によって、学生が抱える悩みや困りごとを解決できるよう導きます。
- クラブ・サークル活動
学生生活では、学生自身が主体性をもって参加する課外活動が重要な意義をもち、課外活動で得られる多くの経験は、学生生活をより豊かで充実したもの。ロンドン大学クイーンメアリー校には300以上の公認クラブ・サークルがあり活発に活動しています。
学生組合についての詳細はこちら→Queen Mary University of London/ Students’ Union
学生支援サービスについてのデジタルカタログ (PDF版) はこちら→A-Z Queen Mary Support Services
ロンドン大学クイーンメアリー校を選ぶ理由
卓越した研究とイノベーション
未来を展望した国際水準の研究を行い、卓越した知の拠点としての大学を目指しているロンドン大学クイーンメアリー校。
基礎から応用にわたり独創的な研究を推進するとともに、分野を超えた融合を図り、学術の一層の発展に寄与しています。
そんなロンドン大学クイーンメアリー校での研究成果は、英国高等教育機関の研究の質を評価する枠組みResearch Excellence Framework: REF2021年度版において19位にランク付けされるなど高い評価を獲得。
その研究の92%が国際的に優れている、世界をリードする、と評価されています。
優れた教育・研究環境の整備
大学の学術研究の新たな展開を測るため、卓越した研究拠点の形成に資する特定の研究組織等の施設について、既存施設の活性化を図りつつ、世界水準の教育研究にふさわしい施設を計画的に整備。
ロンドン大学クイーンメアリー校のキャンパスには、ヨーロッパの中で最も重要な医学研究施設の1つであるBlizard Building、英国で40年ぶりに新設された歯学部専用施設であるDentistry Buildingなど、最新の設備を生かした教育研究環境が整っています。
多彩な見どころが点在する大都市ロンドン
ニューヨーク、東京などと並ぶ世界最大の都市の1つで、政治、経済、芸術、文化などあらゆる分野で世界をリードし続けている国際都市ロンドン。
ウェストミンスター寺院、バッキンガム宮殿、ロンドン塔、ビッグベン、タワーブリッジなど、誰もが一度はテレビや映画で見たことのある景色や街並みを楽しむことができます。
ロンドン大学クイーンメアリー校のメインキャンパスのあるイーストエンドは、ロンドンで最も多様な文化が共存している地区。
労働者階級が住むエリアとして知られていたイーストエンドですが、今では若者の注目を集めるおしゃれなカフェやマーケットが並び、ロンドンで最もトレンディな地区の1つとなっています。
充実した留学生活を送るための幅広い支援を提供
世界に開かれた高等教育機関として大学の国際競争力を維持・発展させるため、外国人留学生を積極的に受け入れているロンドン大学クイーンメアリー校。
170ヶ国以上からなる学生で構成され、総学生数の約41%(※)が留学生となっています。
(※) Facts and Figures/ Our community
留学生が多く在籍する同校では、留学生専任のアドバイザーが常駐しており、留学生の出入国や在留資格(ビザ)に関わる手続き等の支援を行うほか、生活に役立つ情報提供や個人的に直面した問題に関わる相談ごとへの対応、また、文化や習慣が異なる環境で生活を送る留学生がコミュニティに馴染めるよう体制を整備しています。
留学生サポートについての詳細はこちら→Visas and international student advice 、International students
ロンドン大学クイーンメアリー校に進学する方法:海外大学の受験プロセス
ロンドン大学クイーンメアリー校の偏差値や難易度
海外の大学には日本のような偏差値・入試という概念はありません。
ロンドン大学クイーンメアリー校の合否判定は書類審査にて決定。
出願書類(成績表や英語スコア等を含む)を揃え、志望するプログラムの要件を満たすことで入学が認められることがほとんどです。
ただし、教育制度の違いから日本の高校卒業資格では出願要件を満たしていないため、直接出願は事実上不可能。
必要な学力や英語力を補うための大学進学準備コースを修了することが入学条件とされていますが、大学側が定める一定の成績を修めてコースを修了することで、学士課程の1年次への進学が保証されていることからも、入学の門戸は広く開かれているといえます。
学士号取得を目的とするロンドン大学クイーンメアリー校への留学方法は、
- 高校卒業後にそのまま直接入学(出願資格条件を満たす場合)
- 大学進学準備プログラム (Foundation Certificate) を受講してから正規留学を目指す
という2通りの方法が一般的となっています。
高校卒業後に直接入学する方法
■ 出願資格
ロンドン大学クイーンメアリー校では、イギリスとは異なるカリキュラムにより教育が実施されている各国の学生ためにいくつかの出願資格を採用。
日本からの留学生は、大学が認める入学資格と同等の国際資格(国際バカロレア:IBなど)を取得し、要件(最低基準の成績スコアなど)を満たすことで直接出願が可能となります。
出願資格についての詳細はこちら→Entry Requirements
■ 入学要件
ロンドン大学クイーンメアリー校に出願する際は具体的な専攻を指定する必要があり、コースごとに異なる入学要件(IBスコアや科目ごとの成績、英語力)を設けています。
出願前に希望する専攻コースの入学要件を満たしていることをご確認ください。
専攻コース検索サイトはこちら→Undergraduate course finder 2024
■ 英語能力証明書
ロンドン大学クイーンメアリー校が英語力の証明として認めている検定試験はいくつかありますが、イギリスの学士および修士号取得のための留学に必要な学生ビザ(Tier 4 )を申請する際にも英語能力証明書の提出が必要なため、英国政府が認めたビザ申請のために必要な英語能力証明テストであるIELTS for UKVI Academic を受験することが一般的となっています。
入学要件を満たす英語スコアはスクールごとに異なるため、詳細はご自身が志望するスクールのページをご覧ください。
〈例〉
スクール | 要件 |
School of Business Management | ・IELTS Academic 6.5以上(各セクション5.5以上) ・TOEFL 92以上(ライティング/ リスニング18以上、リーディング/ スピーキング20以上) |
School of Electronic Engineering and Computer Science | ・IELTS Academic 6.0以上(各セクション5.5以上) ・TOEFL 79以上(ライティング/ リスニング17以上、リーディング/ スピーキング20以上) |
School of Language, Linguistics and Film | ・IELTS Academic 7.0以上(ライティング7.0以上、リーディング18以上、 リスニング 17以上、 ・スピーキング20以上) |
英語要件についての詳細はこちら→Undergraduate English Language Requirements
■主な出願必要書類
- 高校の成績証明書
- 卒業証明書
- 英語能力試験の結果
- パーソナルステイトメント
- 推薦状
- 履歴書
■ 出願方法
ロンドン大学クイーンメアリー校の学部課程(および一部の大学院)への出願手続きは、イギリス版共通願書であるUniversities and Colleges Admissions Service (UCAS)を介して、オンラインで行います。
UCASは、出願だけではなく情報収集、出願後の流れを追跡できるシステムのこと。5つのコース(異なる大学でも可)へ一括して出願することができます。
1 UCASアカウントを作成する
まずは Eメール、氏名を入力しパスワードを設定しアカウントを作成。その後ログインして、その他の必要な個人情報を入力します。 登録ページはこちら→UCAS Register
2 大学とコースを選択
最大5つのコースが選択可能。(ただし医学部、歯学部、獣医学は4コースまで)。また、オックスブリッジ(オックスフォード大学とケンブリッジ大学)への出願はいずれか1校のみとなっています。出願の際にUCASへ記入するコードは、コースにより異なるため注意が必要。各コースページの詳細にてご確認ください。
3 学歴または職歴
ここでは高校での学歴を入力。SATやIELTSなど取得済み、結果待ちのテストスコアを記入することができます。職歴の欄には最大5つまでの職務経験(アルバイトなどを含む)を記載します。職務経験がない場合は空欄のままにしてください。
4 パーソナルステートメント(志望動機書)
専攻する学部分野に関連する課外活動の取り組みやその他の経験などから、自分自身の言葉でコースを志望する理由、コースに対するスキルや関心などを明確に説明することが重要なポイント(最大47行、4000字まで)。将来の目標、その目標に向けて出願するコースが役に立つ理由なども含め、志望する専攻分野の学びに対して意欲的であることを最大限にアピールしましょう。
5 推薦状
自分のことをよく理解してくれている教員、カウンセラーなどに推薦者になってもらいます。UCASの推薦の欄に推薦者のメールアドレスと電話番号を入力。その後、推薦者が推薦状を直接送信します。
6 出願期限
全ての入力が完了したら、宣誓書 (UCAS利用条件)に同意。推薦欄には推薦者のメールアドレスと電話番号を入力し、出願料をオンラインで支払い出願手続きは完了です。
イギリス大学への出願は9月初旬より開始され、学士課程への出願締切日は通常翌年の1月31日(イギリス時間18時)までとなっています。留学生は6月30日まで出願することが可能ですが、コースの空き状況によっては受付を早めに締め切る場合があるため注意が必要です。
7 出願の追跡
出願料(27.50ポンド※)を支払い出願手続きは完了。提出後はUCAS内のTrackにて自分の出願状況を確認。その他、合否結果を含む出願状況、出願に関する最新情報、面接が必要な場合の通知などを確認することができます。
※ 出願料は2024年度入学の場合の金額です。出願料に関する最新情報はこちらをご確認ください。
出願方法についての詳細はこちら→How to apply
大学進学準備プログラム (International Foundation Year) から入学する方法
イギリスの多くの大学では1年目から専門課程がスタートする3年制。
現地の高校生は、日本の大学1年目で履修する一般教養にあたる内容を高校卒業までに学び、進学先はGCE-Aレベル (General Certificate of Education, Advanced Level) (※)という統一試験の結果と学校の成績、面接等により決定します。
(※) GCE-Aレベルは、英国ケンブリッジ大学傘下の教育機関が提供していく国際資格で、大学教育を受ける前の16~19歳の学生を対象に提供している高校卒業資格および大学入学資格です。
このようなイギリスとの教育制度の違いから、日本の高校卒業後には直接イギリスの大学の学部課程に入学することは原則としてできず、大学進学準備プログラムを修了することが入学の条件となることがほとんど。
準備プログラムでは、大学の授業についていくために必要となるアカデミックスキルや英語力の強化、また志望する専攻コースの基礎知識を学びます。
ロンドン大学クイーンメアリー校の学士課程進学のための準備コースは、Foundation Year(キャンパス内)と外部教育機関(キャンパス外)で受講することができます。
①Foundation Year (キャンパス内)の準備コース
ロンドン大学クイーンメアリー校では、日本の高校を卒業後に学士課程への進学を目指すための準備コースをキャンパス内で提供。
ロンドン大学クイーンメアリー校進学に必要な英語力やアカデミックスキル、進学後に専攻する分野の基礎的な内容を学び、既定の条件を満たしてプログラムを終了することで学士課程1年次への進学が保証されています。
デジタル版カタログはこちら→International Foundation and Pre-Masters programmes
■ 提供されているコース(2024年度)
ロンドン大学クイーンメアリー校では、専門分野ごとに分けられた2つの準備プログラムを提供。
進学を希望する学位プログラムにより学習内容が異なるため、入学前には専攻分野をある程度絞ることが必要となります。
Humanities and Social Sciences | ■Business Management ■Economics and Finance ■English Literature, Film and Drama ■Geography and Developments Studies ■Humanities and Social Sciences ■Law ■Politics and International Relations |
Science and Engineering | ■Biological Sciences ■Chemical Sciences ■Electronic Engineering (Including Computer Sciences) ■Engineering ■Materials Science ■Mathematics ■Physics |
■ 入学要件
日本の高校を卒業した者で、以下の入学要件を満たすを満たす者。
成績要件
専攻コース別の指定科目に該当する科目を履修、5科目で3評定。Science and Engineeringに関連するコースでは、コースが指定する必須科目で4評定。
英語要件
英語要件は各専攻コースにより異なります。
出典:Entry Requirments/ English Language Requirments
入学要件についての詳細はこちら→Entry Requirements
■ コース期間と学費(2023/ 2024年度)
コース | 期間 | 学費 |
Humanities and Social Sciences | 9月開始: 2023年9月18日~2024年6月3日まで | £23,350 |
1月開始: 2024年1月22日~2024年7月26日まで | £21,200 | |
Sciences and Engineering | 9月開始: 2023年9月18日~2024年6月3日まで | £23,350 |
■ 開講場所
Mile EndキャンパスまたはWhitechapelキャンパス
■ 主な出願書類
- 高校の成績証明書
- 卒業証明書
- 英語能力試験の結果
■ 出願方法
ロンドン大学クイーンメアリー校が提供する準備コースへの出願は、大学公式サイトより行います。
出願方法についての詳細はこちら→Pathway programmes/ Apply
②外部教育機関による大学進学準備コース
ロンドン大学クイーンメアリー校では、その他の外部教育機関において学部課程に入学するための準備教育課程を修了した学生の入学を認めており、規定の成績でコースを修了することで学士課程への進学が可能。
詳細は各機関ホームページにてご確認ください。
〈例〉
外部教育機関による大学進学準備コースについての詳細はこちら→Alternative Pathways to Queen Mary University of London
ロンドン大学クイーンメアリー校のキャリア支援
ロンドン大学クイーンメアリー校では、年間を通じてキャリア支援、就職支援、インターンシップなどのサポートプログラムを実施。
また、専任のキャリアアドバイザーが常駐し、進路選択や就職活動、資格取得などキャリアデザインに関するあらゆる相談に応じています。
主に4つのステージで構成されるロンドン大学クイーンメアリー校のキャリア支援。
学生が大学生活を通じて卒業後の生き方をじっくり考え、希望・適正に合った進路・職業選択を行うための支援を入学直後から実践しています。
また、講演会やシンポジウム、懇談会など、将来を考えるキッカケになるようなイベントを開催しています。
早いうちから自分の将来のキャリアに向き合うことが重要であると考えるロンドン大学クイーンメアリー校。包括的なキャリアプランニングは、学生が自分の現状を理解し、目標を設定し、それらを達成する方法を模索するのに役立ちます。
キャリア形成を図るためには、就職に向けた学習計画を行い、必要なスキルを身につけておくことが大切。ロンドン大学クイーンメアリー校では、社会や仕事の現場を体験するためのインターンシップを含むキャリア形成支援プログラムを提供しています。
自分のスキルや経験を効果的にアピールできるよう、履歴書、エントリーシートの書き方からLinkeslnでの自己紹介方法、筆記試験対策まで幅広い支援を用意。また、実際の面接現場やオンラインでの面接を想定した模擬面接を実施し、マナー等の基本的な事柄から、話し方ポイント、自己PRや志望動機の効果的な伝え方について学ぶことができます。
大学から社会(職業)へのスムーズな移行を目的とする支援を、大学や卒業生等と連携して提供。キャリアプランや職業選択に関するより具体的なアドバイスを行います。
ロンドン大学クイーンメアリー校が提供するキャリア支援についての詳細はこちら→Careers and Enterprise
この他、ロンドン大学クイーンメアリー校で学ぶ外国人留学生が、それぞれのキャリアプランに沿った就職ができるよう、留学生専用の支援窓口Student Circusを設置し、留学生の就職・採用活動に関する有益な情報を提供しています。
留学生向けのキャリア支援についての詳細はこちら→Careers and Enterprise/ For international students
最後に
大学はあなたの新たなアイデンティティを形成する場であり、卒業後のキャリアにまで密接に関わるため、大学選びは慎重に行うことが大切。
ランキングばかりに気を取られ、名門という肩書きだけで大学選びをすることのないよう、また一度入学したら3年間、同じ分野を学び続けるイギリスの大学では、自分は何に興味があるのかを念頭に置き、さまざまな専攻コースの内容をきちんと確認することが必要です。
誰かにとってのよい大学が、自分にとってもよい大学とは限りません。
卒業後のキャリアに結び付ける学びのためにも、ロンドン大学クイーンメアリー校が留学の候補先に挙がった際には、ぜひこちらの記事をお役立てください。
※ 今記事に掲載されている情報(学費、プログラム期間等)は2023/ 2024年度入学のものです。2024/ 2025年度の詳細につきましては、大学公式サイトより最新情報を入手するようにしてください。