「ニューヨーク大学(New York University)」、通称 NYUは、ニューヨーク州南東部にあるニューヨーク市(New York City)、マンハッタン地区に位置する全米有数の私立総合大学です。
ニューヨーク大学のあるマンハッタン地区は、国連本部やウォール街といった政治・金融の中心舞台、またミュージカルなどのエンターテイメントも豊富な、多様性と刺激に満ちたエリアとなっています。
そんなエリアに位置する「ニューヨーク大学」は、マンハッタンの中心、グリニッジ・ビレッジに数多くのビル(校舎)や寮が点在している都市型の大学です。
今回のこちらの記事では、全米の中でも最大規模を誇る「ニューヨーク大学」への留学を検討中の方のために、出願方法や現地の様子などの詳しい情報をお届けします。
筆者紹介:Antie やや
タイ在住。語学力を生かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、現在イギリスの大学で心理学とマーケティングを学ぶ息子あり。
目次
アメリカの名門校:ニューヨーク大学(NYU)とは
ニューヨーク大学(NYU)の歴史と基本情報
NYUの基本情報
- 名称: New York University(ニューヨーク大学:NYU)
- 所在地:70 Washington Square South New York NY 10012
- 電話番号:+1 (212) 998-1212
- 創立年:1831年
- 学校形態:大学・大学院
- 学生数:学部生 29,401名 大学院生・プロフェッショナル学院生 29,711名
※ プロフェッショナル学院生(Professional Degree Students)とは、特定の職業の専門家になるために必要な学位を取得するための学部で学ぶ学生のことを示します。
NYUの歴史
ニューヨーク大学は、1831年、第3代アメリカ大統領であったThomas Jefferson(トーマス・ジェファーソン)と第4代アメリカ大統領James Madison(ジェームス・マディソン)の下で、財務長官を努めた著名な政治家Albert Gallatin(アルバート・ギャラティン)を中心に、貿易商人や銀行家などの有志によって設立された歴史のある大学です。
植民時代のアメリカの大学で学ぶ学生のほとんどは特権階級の若者たち。 神学に基づく宗教色の強いカリキュラムが中心でした。
しかし、ギャラティン率いる評議会では、より近代的な教育を組み合わせる必要が不可欠であると信じ、また宗教的信念、社会的背景に関係なく全ての人に開かれた教育環境の実現に尽力。
そしてニューヨーク大学は、宗教色をなくし全ての学生たちが様々な分野について学べるよう、多様でモダンなカリキュラムを取り入れた大学として始まりました。
ニューヨーク大学の特徴と学部紹介
NYUの特徴:マンハッタンのキャンパスと学生生活
ニューヨーク大学の特徴の1つといえば、やはりその立地にあります。ニューヨーク大学の校舎でもある建物は、マンハッタンのワシントン・スクエア周辺に点在。
この辺りには美術館、カフェ、レストランなどが集まっており、観光客にも人気のエリアとなっています。
そんな刺激的な街そのものがキャンパスともいえるニューヨーク大学。その立地からアート系の専攻も評判です。
1831年の創設以来、ニューヨーク大学は高等教育のイノベーターであり、上流階級のみならず全ての若者に学ぶチャンスを与えてきました。
現在、その先駆的な精神によりニューヨーク大学は、世界で最も有名な研究大学の1つとなり、アメリカ国内で最大規模の私立大学の1つでもあります。
また、2010年にはニューヨークだけではなく、アメリカの大学として初めて本格的な分校「ニューヨーク大学・アブダビ校(NYUAD)」を中東に開校。その後、2013年には 上海校(NYU SHANGHAI)を開校しています。
ニューヨーク大学は、世界中からの優秀な学生を集め、現代社会において求められる多様で高度な教育内容を実現し、将来様々な職種で活躍できる優れた人材を育成することに多くの力を注いでいます。
なお、ニューヨークにはニューヨーク州立大学もありますが、私立のニューヨーク大学とは別の大学になります。
学部
ニューヨーク大学・ニューヨーク校には11つのスクールがあり、それぞれが優れた環境の中で質の高いカリキュラムを構成し提供しています。
- College of Arts & Science (文理学部)
- College of Dentistry (歯学部)(大学院)
- Gallatin School of Individualized Study (ガラティン個別学習学部)
- Leonard N Stern School of Business (レナード・N・スターン経営学部)
- Liberal Studies (リベラル・スタディーズ)
- Rory Meyers College of Nursing (ローリー・マイヤーズ看護学部)
- Steinhardt School of Culture, Education and Human Development (スタインハート文化・教育・
- 間開発学部)
- Silver School of Social Work (シルバー社会福祉学部)
- School of Professional Studies (職業教育学部)
- Tandon School of Engineering (タンドン工学部)
- Tisch School of the Arts (ティッシュ芸術学部)
これら11のスクールでの学問分野は、およそ160分野、2500科目以上と多岐にわたり、多種多様な分野から専攻を選択することが可能。興味のある分野をいくつか組み合わせて自分の専攻とすることができます。
11つのスクールの中でも「Leonard N Stern School of Business」は、全米屈指のビジネススクールとしても有名。
また、映画学科や演劇学を学べる「Tisch School of the Arts」は、多くの有名俳優、女優、映画監督などを輩出しているスクールとして、その名はアメリカにとどまらず、世界的にもよく知られています。
また、2022年のデータによると、58.9%の授業が19人以下となっており、少人数授業も期待できます。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
人種構成と留学生率
また、ニューヨーク大学は留学生の受け入れにも積極的。
大学公式によると、2023年入学者において、留学生率は26%となっています(参考)。
また、2022年入学者の人種構成もアジア系は28.4%を占めていることがわかります。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
世界大学ランキングとその評価
海外大学への進学を考える場合にどうしても気になる世界大学ランキング。
世界大学ランキングとは、高等教育機関をさまざまな指標により順位付けした国際的な大学ランキングのことです。
これら大学ランキングは、雑誌、政府、企業、第三者機関などさまざま機関が作成をし、毎年発表。
それでは、果たしてニューヨーク大学は何位にランクインしているのか、2つのランキングで確認してみましょう。
世界ランキング | 大学名 | 国 |
1 | オックスフォード大学 | イギリス |
2 | スタンフォード大学 | アメリカ |
3 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ |
4 | ハーバード大学 | アメリカ |
5 | ケンブリッジ大学 | イギリス |
6 | プリンストン大学 | アメリカ |
7 | カリフォルニア工科大学 | アメリカ |
17 | コロンビア大学 | アメリカ |
20 | コーネル大学 | アメリカ |
23 | ミシガン大学 | アメリカ |
26 | デューク大学 | アメリカ |
27 | ニューヨーク大学 | アメリカ |
※ 詳しいランキングについてはThe Times Higher Education World University Rankingを参照
世界ランク | 大学名 | 国 |
1 | マサチューセッツ工科大学 | アメリカ |
2 | ケンブリッジ大学 | イギリス |
3 | オックスフォード大学 | イギリス |
4 | ハーバード大学 | アメリカ |
5 | スタンフォード大学 | アメリカ |
6 | インペリアルカレッジロンドン | イギリス |
7 | チューリッヒ工科大学 | スイス |
8 | NUS | シンガポール |
9 | UCL | イギリス |
8 | カリフォルニア大学バークレー校 | アメリカ |
11 | シカゴ大学 | アメリカ |
12 | ペンシルバニア大学 | アメリカ |
38 | ニューヨーク大学 | アメリカ |
世界中から多くの留学生が集まる「ニューヨーク大学」。学業はもちろんトップクラスです。
ニューヨーク州には多くの大学があり、大学により「◯◯の分野ではトップ」や「留学生へのサポートが手厚い」などその評価はいろいろ。
世界大学ランキングはあくまでも参考程度にし、自分が学びたい分野ならココ!といった大学を選ぶことが重要です。
偏差値と難易度レベル
世界でも名門を誇るニューヨーク大学。入学の難易度を確認してみましょう。
日本の大学入試は偏差値によって難易度が計測されますが、アメリカの大学には偏差値が存在しないため、数値から入学難易度を推定することは困難。
1つの指標として合格率が参考になりますが、ニューヨーク大学の合格率は、2021年・2022年共に約13%〜12%となっています。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
また、グラフには記載されていませんが、大学公式によると2023年の合格率は8%だったことが報告されています。(参考)
年々合格率は減少傾向にあり、入学のハードルは高くなっています。
ニューヨーク大学卒の著名人・有名人
Mohamed Elbaradei(モハメド・エルバラダイ)
エジプトの政治家。エジプト暫定副大統領、1997年から2009年まで国際原子力機関(IAEA)の事務局長を務めました。
任期中の2005年には、IAEAとともにノーベル平和賞を受賞しています。
1962年にカイロ大学法学部を卒業後、エジプト外務省に入省。キャリア外交官として、ニューヨークとジュネーヴにおいて国連のエジプト代表部で勤務。
在任中の1974年に、ニューヨーク大学ロースクールで国際法による博士号を取得しました。
Matthew Morrison(マシュー・モリソン)
アメリカの俳優、ダンサー、作曲家。幼少時代にシアターキャンプに参加したことから演技やミュージカルに興味を持つようになりました。
ニューヨーク大学を卒業後、ミュージカル版の「フットルース」でデビュー。
現在は、主にブロードウェイのミュージカルを活動の場としており、2005年にはミュージカル「ライト・イン・ザ・ピアッツァ」でトニー賞に初ノミネートされました。
五嶋みどり
大阪枚方市出身。現代におけるトップヴァイオリニストの1人であり、国連ピースメッセンジャー、相愛大学客員教授。
海外でのヴァイオリニストとしての活動名義は「Midori」。日本では「五嶋みどり」の名で活動をしています。
1982年、母に連れられジュリアード音楽院でヴァイオリンを学び、同年、ズービン・メータ指揮のニューヨーク・フィルハーモニックとパガーニの「ヴァイオリン協奏曲第1番」第1楽章で「サプライズゲスト」としてアメリカデビュー。
日本でもニュースになり、天才少女という見出しで報道されました。2001年には心理学を専攻してたニューヨーク大学をMagna cum laude(優等)で卒業。
その後同大大学院で心理学の修士号を取得しました。
ニューヨーク大学はこの他にも、政財界、芸能界、学術界など幅広い分野で活躍する多くの著名人・有名人を輩出しています。
ニューヨーク大学の学費・留学費用や奨学金
学費と生活費の目安
Budget Item | 2023-2024 Academic Year |
Tuition and Mandatory Fees | $60,438 |
Room and Board | $24,102 |
Books and Supplies | $1,494 |
Transportation | $1,154 |
Personal Expenses | $3,034 |
Total | $90,222 |
※ 参照元 Cost of Attendance 2023-2024
アメリカ国内でも有数の高水準の教育を提供しているニューヨーク大学。
アメリカの大学の授業料は高額といいますが 、ニューヨーク大学も例外ではありません。また、近年は学費が高騰傾向にあります。
留学生向けの奨学金制度
そのため、ニューヨーク大学ニューヨークキャンパスでは、Scholarships and Grands、Loans、Student Employment、Study Awayの4種類のファイナンシャルエイドを用意。
しかし、日本人を含む留学生が利用できるエイドは限られており、学費を全額自己負担できるかどうかによる「Need-Aware」による奨学金制度の利用のみが可能となっています。
ニューヨーク大学の場合は、奨学金を申請した入学者のうち、奨学金を実際に受給しているのは70%前後となっています。申請して合格したからといって、必ず奨学金がもらえる保証はありません。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
また、奨学金を受給している学生の平均受給率を見てみましょう。
学費等を含めた総費用のうち、奨学金がカバーしているのはおよそ65%となっています。
※公式サイトのデータに基づきThere is no Magic!!が作成しています。
奨学金を申請するためにはCSS Profileを作成し提出。Early Decision かRegular Decisionにより奨学金申請期限が異なるため注意が必要です。
ニューヨーク大学合格のためのヒントと入学条件
ニューヨーク大学は全米の高校生にも人気のある大学の1つです。
2024年卒業予定の学部レベルへの出願者の数は、ニューヨーク、ドバイ、上海3つのキャンパスで85,000人以上。
アメリカの大学への出願プロセスは、シンプルに見えて実はとても大変。
アメリカの大学のアドミッションは、一般的な日本の入学審査となる「偏差値重視」とは異なり、出願者をさまざまな観点から評価します。
出願を計画的に進め、合格のチャンスを確実に得るためには、当然ながら周到な準備が必要になります。
計画的に準備を進めるためにも何をするべきか、1つ1つ確認していきましょう。
高校での優秀な学業成績(GPA)
2022年にニューヨーク大学へ合格した学部生の高校での平均GPAは3.80。
また入学者のおよそ67.6%の平均GPAが3.75以上となっており、ほぼ全教科でAを取得ということを示しています。
この数字は、GPAが3.75以下であったら不合格ということを表しているわけではありません。
しかし、ニューヨーク大学に限らずアメリカで難関、名門校といわれる大学は倍率が高くなるため、どうしてもGPAの平均値が高くなりがち。
競争に勝つためにも、GPAは最低でも3.75という数字を目標にすることが必須といえるでしょう。
各大学が求める人物像は違っていても、アメリカの大学が共通して求めているのは学業において優秀な学生。GPAとSATなどのテストスコアは、その目安となる重要な項目です。
名門大学であればあるほどそのレベルは高くなる上、同じ大学を目指す出願者も同様に高いGPAやテストスコアを提出。
要するに、成績やテストスコアが悪かったらスタートラインに立つことすらできないということになってしまうかもしれないのです。
このようなことをしっかりと理解し、日頃から学校の成績をきちんと維持しておきましょう。
SATやACT等のテストスコア
ニューヨーク大学では、SATまたはACTを提出することができます。
現在はSATまたはACTの提出を任意としています。しかし、学力を測る一つの大きな指針となるため、提出した方がベターとされています。(参考:Standardized Testing Policy)
2022年に入学した学生のSATの平均スコアは以下の通りです。
Readingでは85%、Mathでは91%の生徒が700点以上を取っていることが分かります。
SATの提出を目指す場合は、最低でも合計1400点以上が目安になるでしょう。
また、2022年に入学した学生のACTの平均スコアは以下の通りです。
この他、第一言語が英語ではない場合、英語力の証明としてTOEFL iBT 100点以上、IELTS7.5点以上、またはDuolingo English Test125点以上を提出しなければなりません。
課外活動でのリーダーシップとコミュニティ参加
参考出典:校外プログラム大全
学校のクラブ活動やボランティア活動などに積極的に参加しましょう。
しかし、何でもいいからとりあえず参加ではあまり意味がありません。学校で取り組むプロジェクトや活動は、後に自分がやりたいと思うことや興味のある分野に関連するものがベストです。
例えば、獣医学に興味がある場合には、地元の動物保護施設でのボランティア活動に参加するなど、大学で学びたいと思っている専攻に関係したものであれば評価も得やすいかと思います。
また、活動を通して何を得たのか、入学後の大学での生活にどう活かされるのかなど、活動の先に見えるものをはっきりと示すことが大切。
ボランティアを行うことにより身に付けたスキルや知識、社会性、規律などの幅広い能力が評価に繋がります。
そしてもう1点、ボランティアというものは継続することにより大きな評価へと繋がるもの。ボランティア活動に目を向けて、早い時期から取り組むようにしましょう。
また、部長などのポジションに就くことで、興味のあることに対しての情熱やリーダーシップなどを大学のアドミッションにアピールすることができます。
個人のストーリーを伝えるエッセイ
ここまで、ニューヨーク大学へ出願を決めたら何をするべきかについて説明しました。ここからは総仕上げともいえる「エッセイ」についてお話します。
アメリカの大学での入学審査において、エッセイは合否を左右する重要な書類。
今までの自分の経験などから成績では表せない個性や意欲、将来はどのような活躍がしたいなど、「あなたという人物像」を最大限にアピールする必要があり、エッセイを通じて自分の良い面をどう大学に伝えるかという戦略が求められます。
ニューヨーク大学では、共通願書であるCommon Appication(コモンアプリケーション)のライティングセクションでの「Persona Essay(パーソナルエッセイ)」と、ニューヨーク大学がトピックを指定している「Supplemental Essay(サプリメンタルエッセイ)」の提出が求められています。
「パーソナルエッセイ」では、一般的に「7つのPrompts」が出題されます。
その中から自分が書きたいトピックを選び、250から650文字以内でまとめ上げます。ここで重要となるのは、どのトピックを選ぶかではなく自分自身の何を伝えたいかということ。
今まで経験してきたことや学んできたことなどから、まずは伝えたいストーリーを構想。それに合うトピックを後から選択するも1つの方法です。
もし、自分のストーリーに合うトピックがなければ、自由に書くことができるトピックを選択しましょう。
次に、ニューヨーク大学の「サプリメンタルエッセイ」のトピックをみてみましょう。
“We are looking for peacemakers, changemakers, global citizens, boundary breakers, creatives and innovators. Choose one quote from the following and let us know why it inspires you; or share a short quote and person not on our list who inspires you, and include why.” (250 words)
- “We’re used to people telling us there are no solutions, and then creating our own. So we did what we do best. We reached out to each other, and to our allies, and we mobilized across communities to make change, to benefit and include everyone in society.” Judith Heumann, 2022 NYU Commencement Address
- “I encourage your discomfort, that you must contribute, that you must make your voice heard. That is the essence of good citizenship.” Sherilynn Ifill, 2015 NYU Commencement Address
- “If you know how to fly but you never knew how to walk, wouldn’t that be sad?” Lang Lang, 2015 NYU Honorary Degree Recipient
- “You have the right to want things and to want things to change.” Sanna Marin, Former Prime Minister of Finland, 2023 NYU Commencement Address
- “It’s hard to fight when the fight ain’t fair.” Taylor Swift, “Change,” Released 2008, 2022 NYU Commencement Speaker
- Share a short quote and person not on this list, and why the quote inspires you.
※NYU公式ページより引用
ニューヨーク大学の公式ページでは、このエッセイを通して「あなた自身」のことについて教えてほしいという言及があります。この内容で自分をアピールするためには、アドミッションポリシーを理解することが大切。
それらに、自分自身が今までどのように成長してきたのか、また今後何を目指していくのかなどをリンクさせ自己分析。
読む人に興味を覚えさせ「この学生を合格させたい!」と思わせるよう、明確な表現を用いて書き上げましょう。
読む人の心に残るようなよりよいエッセイを書くためには、日々の積み重ねが不可欠。
経験を通じて自分の魅力を磨き上げ、それらを言葉に表し「自分にしか書けないストーリー」でアピールしてください。
また、ニューヨーク大学はサプリメンタルエッセイについてのアドバイスを載せたページも公開しています。
こちらから確認できるので、ぜひ参考にしてみましょう。
推薦状の内容と評価
ニューヨーク大学では、先生からの推薦状を提出することを求めています。
アドミッションオフィスは先生からの推薦状を通して、出願者がクラスの中でどのような生徒であったかを把握し、大学にふさわしい学生なのかを見極めます。
ニューヨーク大学のホームページには、英語、文学、歴史やその他の社会科学、数学、自然科学、または外国語などの分野で教えた先生方による推薦状の提出が好ましいと記載されてあります。
その中で、あなたがどのような学問に興味があり、情熱を持っているかを知っている先生を選ぶことが大切。あなたの長所をアピールしてくれる先生方と、普段からよい関係を築き上げておきましょう。
自分を深ぼる自己分析の方法
なぜニューヨーク大学に入学したいかを明確にする
ニューヨーク大学では、成績だけによる選抜ではなく出願者の「将来性」や「可能性」を重視。
それらを判断するために、第一に出願者の「意欲」に注目します。
ここでいう「意欲」とは、「どのような目的を持ち、ニューヨーク大学で何を学びたいと思っているか」ということです。
そのため、出願者がニューヨーク大学が求める人物像に合致しているということをアピールする「志望理由」が重要になってきます。
大学へ入学したら何をしたいのかを明確にして、しっかりと伝えることが合格への第一歩。
「ニューヨーク大学で学びたい!」としっかりアピールし、それに対してアドミッション側が「この学生を入学させたい」と思えるか否かがカギとなります。
入学後に専攻したい分野に焦点をあてる
自分の興味のある分野、または得意な分野がある場合にはその分野の学問に焦点を当てます。
例えば、もしあなたが政治に興味があるとします。
その場合には、
- 歴史や政治学の授業でよい成績を修める
- 模擬国連のメンバーに立候補
- 地域のボランティア活動に参加をする
等、その分野で経験を積むことにより、大学側が求める学生像の1つ、興味を追求する意欲がある学生であるということをアピールすることができからです。
卒業後に何をしたいかを決める必要はもちろんありませんが、ニューヨーク大学へ出願をする前に、どの専攻を希望するかを決めることも重要。
高校生活の中で自分の興味のある分野に焦点を当てることにより、専攻を絞り込むことに役立ちます。
チャレンジすることを恐れない
アメリカの大学では、成績やテストスコアはもちろん、課外活動などの実績など出願者をさまざまな観点から評価して合否を判断。
それらの基準は大学ごとに異なるため、アメリカの大学入試では偏差値というものがありません。
成績だけがよい、など1つの要素だけで合否が決まるのではなく総合的な要素を考慮するといいますが、ニューヨーク大学を含むアメリカの名門大学といわれる大学では、やはり成績は最重要項目。
成績が優秀なのは当たり前のことなのです。
しかしよい成績を収めるために、簡単な科目ばかりを選択してGPAを上げても無意味なこと。
ニューヨーク大学が求めているのは、学問に対する意欲や向上心、目標に向かって努力する姿勢を持っているかどうかです。
簡単なコースでいい成績を収めるよりも、難易度の高いクラスでチャレンジをし、結果を出した方がより高い評価を受けると言われています。
ニューヨーク大学(NYU)への出願方法
いよいよ出願。ここからは出願の方法をステップごとに詳しく説明していきます。
Step 1 コモンアプリケーションのアカウントを作成
Common Application(コモンアプリケーション)とは、全米900校近くの大学に共通で使えるオンライン願書のこと。ニューヨーク大学でも出願はここから行います。
そのため、まずはアカウントを作成。アカウントを作成しログインすることで、入力内容や必要な添付書類などを確認することもできるので、早めに作成しておくことをおすすめします。
アカウントはこちらのページから作成することができます。
Step 2 ニューヨーク大学を選択
ログインをしニューヨーク大学を選択後、フォームに必要事項を記入していきます。
ここで注意点ですが、ニューヨーク大学には、ニューヨーク、アブダビ、上海と学位を取得できるキャンパスが3ヶ所あります。
どのキャンパスに出願するかは事前に決めておき、出願したいキャンパスを選択します。
Step 3 必要書類の確認
留学生を含む全ての出願者は、School Report(スクールレポート)を提出する必要があります。
スクールレポートとは、
- 成績証明書
- IBプログラムであれば予測スコア(当該科目でその出願者が達成するだろうと教師が予想する成績のこと)
- カウンセラーからの推薦状
- 学校のプロフィール
- Mid-Year Report(高校3年1学期の成績)
など、高校側から直接提出される書類のことです。またこれら全ては、英語に翻訳する必要があります。
Step 4 出願
ほとんどのアメリカの大学では、Early Admission (アーリーアドミッション)という、早期に出願を受け付ける制度があります。
志望校がはっきりと決まっており、高校の成績や課外活動などの実績が十分によい場合は、Early Admissionでの出願にメリットがあります。
ニューヨーク大学での出願のプロセスは、「Early Decision」と「Regular Decision」 2つの方法があります。
Early Decisionで合格をもらったら基本取り下げることはできません。
ただし、申し込んだ奨学金が家庭の経済状況に対して足りなかった場合や、出願したのと全く違うスクールや学部からの入学許可を受け取った場合のみ、入学を取り下げることができます。
このように、Early Decisionで出願する際には注意が必要。
しっかりと考えた上で、出願するかどうかを決めましょう。詳しくは、ニューヨーク大学の公式ホームページを参考にしてください。
ニューヨーク大学の出願スケジュールと出願書類リスト
NYUの出願期限
ニューヨーク大学への出願の期限は以下の通りです。
出願締切 | 合否発表 | |
Early Decision Ⅰ | 11月1日 | 12月15日 |
Early Decision Ⅱ | 1月1日 | 2月15日 |
Regular Decision | 1月5日 | 4月1日 |
NYU出願書類リスト
出願に必要な書類は、下記の通りです。
- Common Application
- 出願料 $80
- 高校4年間(日本の高校の場合は3年間)の成績証明書
- カウンセラーからの推薦状
- 推薦状2通
- School Profile(学校の概要を説明する書類)
- Mid-Year Report(高校3年生1学期の成績表)
- SATまたはACTのスコア(任意)
- 英語能力テストのスコア(必要な場合)
- ポートフォリオ(学部による)
最後に
ニューヨーク大学は近年、入学が困難な大学として知られるようになりました。
こういう学生が合格!など、ニューヨーク大学側の明確な思惑は決して公表されるわけではありませんが、大学にとって魅力的な人材になれるよう自分を磨き、また他の学生にはないユニークな点、単なる「その他大勢」ではないということをアピールできるよう努力をするしかありません。
努力したことで得られるものはたくさんあるはず。自分の中にある無限の力を信じて、ニューヨーク大学合格を目指し前に進んでいきましょう。