Yuya
静岡の国際バカロレア一条校を卒業。小学校の3年間をタイで過ごす。国際バカロレアディプロマを取得したのち、シンガポール国立大学(National University of Singapore)に進学。JASSOの海外留学支援制度(学部学位取得型)奨学生。趣味は、旅行とカラオケとお菓子作り。
大学出願時の英語力・経歴など
出身・経歴
出身地は静岡県で、中高一貫のIB一条校を卒業しました。
タイのインターナショナルスクールの小学校に、小学3年生から6年生までの3年間通っていました。
出願時の英語力
出願時の際に提出した英語のスコアは、TOEFL108点でした。TOEFLは全部で2回、高校1年生の冬と高校3年生の春に受けました。
また、海外の大学に出願しようと思っていたので、IBの科目ではEnglish A Literature HLを履修していましたね。
出願するときにSATしか受け付けていない大学を受験する予定はなかったので、SATやACTを受けたことはありません。
課外活動
課外活動は、ボランティアをしたり、体育祭のチアダンスに参加したり、茶道部に参加したりしていました。一番力を入れていたのがボランティアで、Eサポという高校生が地域の子どもたちに英語を教える団体を立ち上げました。
高校2年生の夏には『 AIG高校生外交官プログラム』にも参加して、すごく良い経験をしました。
このプログラムでは、日本代表の高校生外交官としてワシントンDCのInternational Monetary Fund やニューヨークの国連本部、ペンタゴン、9・11のメモリアルなどを見学しました。また、プリンストン大学での異文化交流プログラムもすごく印象に深く残っています。
一緒にプログラムに参加して仲良くなった日本人やアメリカ人の友達とは、未だに連絡をとっています。
出願した大学
まず、シンガポールの大学はNUS(シンガポール国立大学)とNTU(南洋理工大学)に出願しました。実は、NUSは中学生の頃から気になっていた大学だったので高校2年生頃には第一志望をNUSに決めていました。
他にも、日本の国公立3校(大阪大学・名古屋大学・北海道大学)にも出願し、合格しました。またオーストラリアの大学にも出願して、オーストラリア国立大学とメルボルン大学に合格しました。
アメリカの大学は、IBスコアのみで出願できる大学のNYUとウェズリアン大学に出願しました。どちらも、最終選考まで残ったのですが、オファーはもらいませんでした。
シンガポールについて
にゃんこ先生が解説!シンガポール基本情報
暮らしてみて感じた、シンガポールの魅力
まず、シンガポールは安全面がとても良いです。薬物が規制されていたり基本的に安全で、夜に1人で歩いても大丈夫だと感じることが多いです。
さらに、シンガポールは外国人を受け入れる雰囲気を感じることが多いです。
特に日本のことが好きで、日本に旅行に行ったり、日本語が喋れるシンガポール人も多いので、歓迎されているな〜と感じることも多くあります。
カルチャーショックとして感じたこと
シンガポール人の家族との関係は、結構日本と違うなと感じましたね。
シンガポールには中華系の人も多いのですが、そういった文化のせいか、家族を大切にしている人が多いです。
だからこそ、大学生や社会人になっても実家に住む人が多くいることはカルチャーショックに感じました。
NUSについて
NUSの魅力
NUSの魅力は2つあります。
①多様性
一つ目は、その多様性です。
キャンパスを歩いていると体感の30%ぐらいがフルタイムのInternational Studentや交換留学等の欧米圏からきている学生です。
だからこそ、キャンパスが多様性豊かで、すごく居心地が良いと感じます。
②寮の居心地の良さ
二つ目は寮の居心地の良さです。
シンガポール人じゃなくてもウェルカムしてくれるので、寮生活にも馴染みやすいです。
私は課外活動が活発な寮に入ってるのですが、クッキングやサイクリングなどさまざまなサークルに参加しています!
NUSのここはちょっと残念ポイント
これは入学する前から知っていたことではあるのですが、NUSは成績の付け方がとにかく厳しいです。
相対評価なので、「自分が他の学生と比べてどれだけ努力したか」で成績が決まります。
みんな頑張って勉強するので、落単はしなくてもその中でAやA+を取るのがすごく難しいです。
NUSを知ったきっかけ
毎年、高校の先輩がNUSを受けていたのもあって、校門に張り出された合格実績を見てNUSを知りました。
また、毎年QSWOrld University RankingにNUSがランクインしているのをみて、いい大学なんだな〜と思っていました。
どうしてその大学を選んだのか
私は、他の合格した大学と比較したときにNUSが総合的に一番良いと感じました。
まず私は4年間じっくり勉強したいと感じていたので、勉強量が多くて大変かもしれないけど、その分じっくり学べるNUSに魅力を感じるようになりました。
また、シンガポールがアジアの国の中でも多様な人種が住んでいる多国籍国家である点にも魅力を感じました。
中華系・インド系・マレー系など、いろんな人種の人が集まっている国なのに、ダイバーシティ&インクルージョンがうまく行っていると知っていたので、元々シンガポールという国自体に興味があったのもあります。
さらに、高校で中国語を勉強していたのもあって、英語と中国語を使いながら生活できる点にも惹かれました。
また、安全面でもシンガポールに惹かれました。私は、コロナ禍に出国してNUSに入学したので、比較的アジアンヘイトや差別少ないと思ったためです。
NUSでの勉強
何を学んでいるの?
私は、NUS Bussiness Schoolでファイナンスを学んでいます。メジャーがBusiness Administerationで、専攻がファイナンスという形です。
ファイナンスは、日本語で言うところの金融で、例えば企業の財務管理(企業のお金をどうやって使うか、株主への分配について、お金に関する決断について)や投資(トレーディング・ディーリング)について学んでいます。
最初はシンガポールのDiversity and Inclusion政策がうまく行ってると知っていたのもあり、人事、特にHuman Capital Managementに興味がありました。
しかし、学ぶうちに、この分野の専門家になるには、大学で学べることは少なく、どれだけ職場での経験を積んできたかの方が重要なのではないかと気づきました。その気づきから、元々興味があった人事の分野を離れ、よりハードコアで学びがいのある金融に方向転換しました。
なぜ金融を選んだかというと、シンガポールは金融のハブだからこそ生活をしていて高層ビルに金融関係の企業のロゴが見えたりと金融のパワーを感じることが何度もあったからです。
また、金融機関は投資を通して国の経済の発展に大きく貢献できる分野だとリサーチやヒアリングを通しても感じました。
世界中のお金のやり取りの20%〜30%が金融業界によるものだからこそ、世界のお金の動きを学べるのはすごくエキサイティングだなと思いました。
授業やテストについて
NUSのBusiness Schoolは、セクショナルティーチングというものを導入していて、授業のほとんどは50人規模で行われます。
また、学部にもよりますが、授業はいわゆる「聞くだけ」の講義ではなく、レクチャー中に手を挙げて意見を述べたり、ディスカッションをするClass Participationというスタイルで進んでいきます。
グループワークやプレゼンテーションなど、積極的にクラスに参加する必要があります。カバーする内容的にも、国際バカロレアの2年間で学ぶことを、NUSでは1学期間で学んでいる感覚です。
また、テストに関してですが、私のコースでは筆記のテスト(Multiple Choice Questionsなど)を受けます。
他にも、私はドイツの大学に1学期間の交換留学をしました。
NUSは交換留学に行きやすい大学でもあり、基本的に成績がある程度取れていたら交換留学に合格できます。
もちろん、人気の大学への枠に合格するには高い成績が必要なのですが、私の学部は学生の過半数が海外へ交換留学に行っていると思います。
NUSの生活について
学校がある日の、1日のスケジュール
まず、起床して朝ご飯を寮のキャンティーンで食べます。ジムに行く時もあります。10時ぐらいから授業が始まるので、キャンパス内を走っているシャトルバスで大学の教室に行きます。
寮はNUSのキャンパス内にあるのですが、NUSのキャンパスがすごく広いため、寮からビジネススクールまで徒歩とバスで合計20分程度かかります。
日中は授業が詰まっていて、その合間にお昼ご飯を食べます。授業は、対面のことが多いですね。
夕方に、寮の方に帰って夜ご飯を食べます。夕食後に友人と寮にあるビリヤードで遊んだりする日もあります。
私はInterest Groupという寮内での課外活動が活発な寮に住んでいるので、夜はBaking(お菓子作り)のIntersting Groupに参加する時もあります。
課外活動について
以前、1年ほどバイオリニストとしてNUSのオーケストラに入っていました。今は、自分達の代で立ち上げたNUSの日本人学生会のPresident(代表)を務めています。
インターンは合計3回、日系の企業(2回)とシンガポールの企業で学期間の休み中に経験しました。
休日の過ごし方について教えてください!
休日は、基本的に授業のキャッチアップをしていることが多いです。
授業の前にリーディングや教材の予習をしないと、大学の授業についていけないことが多いため、私は平日に予習の時間を確保しきれなかった分を土日で補っています。平日は、時間がなかったりミーティングが夜にあったりするので結構忙しいです。
外出をするときは、ご飯に行ったりマリーナベイサンズあたりを散歩したりします。
シンガポールは、カフェやラーメンなどの日本食、ローカルフードなどをはじめとするご飯のオプションが多く、とても美味しいレストランが多いです。物価も、アメリカやイギリスに比べたら高くなく、シンガポールのローカルフードなら5〜6ドルで食べることができます。
また、寮では朝ご飯と夜ご飯が出るので、お昼を作る程度の自炊をしています。
大学生活を過ごしてみて、どんな成長/変化を感じますか?
大学生活を通して、自分はどんどん自立していっているなと感じています。例えば、自己管理ができるようになったり、自分の興味がどんどん定まってきました。
費用
年間の学費は、学部によっても変わるのですが、大体160万円×2学期分の320万円程度です。
私はJASSOの海外留学支援制度(学部学位取得型)の奨学生なのですが、NUSの学費はJASSOの上限(250万円)を超えているので一部自己負担をしています。
寮費は寮のタイプにもよりますが、私は他より寮費が高めの所に入っているので年間60万円程度かかります。これは、ミールプラン(朝夕の食事)を除いた額です。
ですが、寮にはたくさんのオプションがあるため、安く寮に入ることも可能です。
受験について
受験方式について
NUSを受験したとき、私はNUSのポータルサイトに英語技能試験のスコアやIBの点数をはじめとする必要書類を提出しました。
私がNUSを受験したときには、エッセイやインタビューは必要なかったのですが、今年(2022年度受験)から必要になったそうです。
注)https://nus.edu.sg/oam/faculty-interviews-and-test-dates によるとNUSの中でも特定の学部を受験する場合、インタビューやエッセイの提出が求められる場合があります。
出願ワンポイント
ワンポイトアドバイスとしては、GPAをあげることが全てだと思います。
NUSに合格するためには、IBやGPAなどの成績の点数がすごく重要なのでこれらの点数をきちんと取ることがとても大切です。
最後に
通っている大学は、どんな人におすすめ?
NUSは、精神的にタフで勉強が好きな人におすすめです。
また、アジアの中心的な存在であるシンガポールで学ぶというアドバンテージを活かして、将来アジアや世界で活躍したい人にもおすすめの大学です。
Yuyaさんにとって海外で学ぶとは?
私にとって海外で学ぶとは、新しい発見が常にあることだなと思います。知らなかったことを知れたり経験できたり、いつもワクワクしています。
日本は居心地が良いからこそ、日本を一度出てチャレンジをしてみる。そんなところにも、海外で学ぶ価値があると思います。
私も、JASSOの奨学生として選ばれているからこそ、日本のために活躍したいなと考えています。