岩田康宏
京都の公立中高一貫校出身。高校1年次にカナダに短期留学したことをきっかけに海外大進学に興味を持つ。大学附属の語学コースを経て、2023年からMonash University MalaysiaのBachelor of Business and Commerce学部に進学。学年で唯一の海外大進学者。旅とスポーツと車が好き。
大学出願時の英語力・経歴など
出身・経歴
出身は京都府京都市です。
出身高校は京都の公立の中高一貫校で、中学受験をして入学しました。普通の公立高校ではあるのですが、エンタープライジング科(世の中で活躍できるような人材を育成することを目標としている学科)を卒業しました。
今(2023年1月時点)は、モナシュ大学マレーシア校のMonash English Bridging(通称 MEB)というコースに通っています。
課外活動
高校の時は、学生団体を軸に課外活動をしていました。代表を勤めていた学生団体で知り合った人たちと繋がって、イベントを開催していました。
また、自分のネットワークを世界に広げられるような国際関係に関するイベントにも積極的に参加していました。
例えば、トビタテ留学ジャパンの派遣生としてドバイに行ったり、AIG高校生外交官プログラムに参加したりしま した。
標準テスト・英語試験に関して
SATやA-level等のテストはそもそも受験していません。
これは、志望校であったモナシュ大学マレーシア校MEBを受験するにあたって、日本の高等学校の卒業資格と英語技能テストのスコアしか求められていなかったからです。
英語技能テストはIELTSを高校3年生の夏に受験して、その点数(出願時はIELTS 5.5)を提出しました。
マレーシアについて
にゃんこ先生が解説!マレーシア基本情報
どうしてマレーシアを選んだのか
マレーシアに惹かれた理由は4つあります。
1. 物価やかかる費用が安い
マレーシアは物価が安いところが魅力の一つです。
例えば、マレーシア料理を食べるなら、大体300円ぐらいでお腹いっぱい食べることができます。450円とか出したら大満足の食べ物! って感じです(笑)
家の近くにマレーシアのローカルフードがあるので、そこで食べることが多いですね。なので、生活費もオーストラリアキャンパスで生活することと比べても安く抑えることができます。
他にも、授業料が英語圏に比べたらお手頃な点もマレーシアに惹かれた理由の一つです。
マレーシア内にある大学にもよりますが、モナシュ大学マレーシア校は、日本の私立と同じぐらい(130〜140万円ぐらい)で3年間で学位が取れます。
モナシュ大学のオーストラリアキャンパスに通うとなると、300万円以上かかるのを考慮すると、トータルで見ても1/3ぐらいの値段で大学を卒業することができます。
2. 多様な環境
マレーシアは、マレーシア人、中華系マレーシア人、インド人などさまざまなバックグラウンドを持つ人たちが暮らしているため、多様でマルチカルチャーです。
こういった環境で暮らせることは、自分の視野を広げるという意味でも良い経験になるかなと思いました。
3. 英語が通じる
マレーシアでは、マレー語が公用語ではありますが、英語がほぼどこでも通じます。英語が話せれば困ることはないです。もちろん、訛りが強い人もいますが、聞き直せば全く困ることはないです。
そのため、英語で学べて生活できるという点でもマレーシアに魅力を感じました。
暮らしてみて感じた、マレーシアの魅力
実際に6ヶ月マレーシアで暮らしてみて、マレーシアの気候はすごく気に入っています。
日本の冬が懐かしいな〜と感じるほど、一年を通して暖かいです。服装もずっとTシャツ・短パンで、プールにも通年入り放題です。
スコールは降りますが、すごく安定している気候だと思います。もちろん毎日25〜30°と暑いのですが、マレーシアの暑さは日本の暑さよりもカラッとしているので、過ごしやすい気候です。
カルチャーショックとして感じたこと
日本のレベルで考えると、あまり綺麗じゃないな〜と感じる点があったところが、カルチャーショックでしたね。
例えば、トイレでふかずにシャワーガンで流す文化があって、そのせいで水が飛び散っていたりする点は、カルチャーショックでした。
ですが、街中とか発展している点は、逆にカルチャーショックでした。あべのハルカスよりも高いタワーが街中に複数あって、現在では世界で2番目に高いタワーも建設中らしく街に活気があります。
モナシュ大学マレーシア校について
モナシュ大学マレーシア校の魅力
①ランキング
まず、モナシュ大学マレーシア校はマレーシアにある大学の中で一番ランキング*が高く、世界で認められている大学です。そして、今伸びていて、今後さらに成長する大学の一つでもあります。
将来、海外を舞台に働きたいと思っているので、そういったキャリアを考慮してもレベルが高い大学であることは魅力でした。また、自分が学びたいと思っているビジネスの領域にも強い点も魅力です。
②マレーシアに留まらないグローバルな経験
モナシュ大学マレーシア校では、メインキャンパスであるオーストラリアへのキャンパス間留学をはじめとした、たくさんの提携している大学への交換留学が盛んです。
1学期から1年間の留学を、マレーシアに留まらず世界で学ぶことができます。
③マレーシアにいながら、オーストラリアの大学の学士号をもらえる
マレーシアにいながら、オーストラリアの大学の学士号がもらえるんですね。
だから、学費や生活費を抑えながら、お得に留学することができます。他にも、就活にはすごく有利だと思っています。
オーストラリアで就職する際もそうですし、他の欧米圏の大学に就職する際にも生きてくると思っています。
モナシュ大学マレーシア校のここはちょっと残念ポイント
モナシュ大学マレーシア校のここのちょっと残念なポイントは、キャンパスが小さいことですね。
マレーシアの他の現地の大学がキャンパスを提供している形になるので、必要最低限のファシリティしか揃っていません。
例えば、芝生とかもないので大学の芝生でくつろぐ、みたいなザ・キャンパスライフがないところは残念な点かもしれません。
あと、グラウンドもないので、大学内でスポーツとかもあまりできないところも残念な点ですね。
生徒について
参考出典:https://www.monash.edu.my/student-life/student-associations
モナシュ大学は、大体6000人の生徒がいてその内留学生は1500人です。
体感的には、マレーシア人が多く、特に、マレーシア人の中でもマレーシアンチャイニーズが多い印象です。「マレーマレー」と言われる原住のマレーシア人は、地元の国公立の大学に行くことが多い印象です。
MEBは、少し特殊なのですが大学全体で言うと、日本人、韓国人、インド人、中東のバックグラウンドを持つ学生とインドネシアとか東南アジア系のバックグラウンドを持つ生徒が多いです。日本人は、学部にもよりますが最近増えています。
また、短期留学や交換留学でヨーロッパやアメリカからの留学生も多いです。また、オーストラリアキャンパスからの留学生もいます。
そのため、多様だなと感じることが多いです。大学のカフェテリアに行ってもいろんなethnicityの人がいます。
入学方法
今は、モナシュ大学のMEBというコースに通っています。
モナシュマレーシアに入る方法は三つあり、それぞれ受験時に求められているものが違います。
①直接入学:成績・英語力要件満たす場合
モナシュ大学マレーシア校に直接入学するためには、国際バカロレアなど大学が認める入学資格を有していたり、入学要件である科目を履修し成績評価基準を満たしていれば、大学1年生として入学することが可能です。
また、英語力としてIELTS 6.5*(注:成績は学部によって違う)の提出が必要です。
- 成績や入学資格についてはこちらも参考にしてください。
- 英語要件についてはこちらも参考にしてください。
②ファウンデーションコースに入学してから進学:成績が足りない場合?
一方で、成績が要件を満たさなかったり、大学が認める入学資格を有していない場合は1年間のファウンデーションコースに入学してから進学するという選択肢もあります。
ファウンデーションコースに入るためには、英語力がIELTS 5.5*が必要ですが、成績はあまり考慮されません。
ファウンデーションコースは、1年間のプログラムで、希望している専攻分野の基礎知識を得ると同時に、モナシュ大学が提供する幅広い10つの学部への入学準備を行うことができます。
③MEBコースに入学してから進学:英語力が足りない場合
このコースは、成績が入学要件を満たしているが、英語力だけが足りない場合に取れる選択肢です。
Monash English Bridging Programは 、成績と英語のRequirementはありますが、直接入学に比べて英語のRequirementが低いです。
受験した時は、5.5でした(注:2023年1月時点では6 .0*)。
このMEBはモナシュ大学マレーシア校の条件付き合格のような形で、英語だけを半年間勉強するコースです。
このコースは、モナシュ大学マレーシア校の合格をMEB入学時点でもらっている状態で、このMEBを卒業することができたら自動的にモナシュ大学への進学が確保されています。
https://www.monash.edu.my/study/entry-requirements/english/bridging-program
なぜMEB?
海外大学を受験しようと考え始めたのが、高校2年生の4月ということもあって英語のRequirementを達成するには時間が足りませんでした。
ちなみに、その前は日本の大学、特に経営を学ぶために日本の国公立を受験することを考えていました。
ですが、モナシュ大学マレーシア校を知り、めっちゃいいやん!となり志望しました。
最初はファウンデーションコースを考えていたのですが、ファウンデーションコースは期間が1年とMEBと比べると長いことと、それに従って学費も高く、高校で学んだ内容をもう一度復習するような授業の内容である点がデメリットでした。
ですが、MEBは、英語だけを学ぶことができるし、半年で学費も安い点に惹かれました。
特に大学で使う英語、例えば論文の書き方やプレゼンの方法を半年間で学べて、半年間でマレーシアでの生活にも慣れることができる点がメリットだと思います。
モナシュ大学マレーシア校MEBでの勉強
MEBではどんなことを学ぶの?
1. 授業の内容
MEBでは、基本的にレクチャー(講義)を通して英語4技能を鍛えます。最後に、レポートやプレゼンの課題があるため、一緒にレポートの書き方やプレゼンの方法を学びます。
日本の高校での英語の授業と比べて、大学の方は大学で使える英語の技能を学ぶため、実用的だと思います。
MEBは、生徒みんながモナシュ大学マレーシア校のConditional Offer(条件付き合格)を持っている状態なので、全員卒業しよう!みたいなコースです。
そのため、ふるい落とそう!という感じではなく、真面目に授業を受けて課題をやったらパスできると思います。
2. 学期とテストについて
MEBは、テストをパスできれば卒業できるシステムです。前期と後期に分かれていて、テストもそれに合わせて2つあります。
オーストラリアの学期制度に合わせているので2学期制で、2月から1学期が始まり8月に二学期が始まります。
11月から3月までが(オーストラリアで言うところの)夏休みになります。
大学入学時期も2パターンあって、1学期と2学期どちらからでも入学することができます。
モナシュ大学での生活について
スケジュール
- 学校がある日の、1日のスケジュールを教えてください!
7:30 | 起床、それから朝ご飯を家で食べます。 家から駅までは徒歩1分、駅から大学までは1駅なのでトータルで大体15分ぐらいで大学までかかります。なので、8:30の授業開始時間に間に合うように20分ぐらい前に出発します。 |
8:30~13:00 | 授業 |
昼ごはんを食べる | |
13:00〜 | その後は友達と遊んだり家に帰ったり勉強したりします。他にも家(借りているコンドミニアム)にもジムやプールがあるので、そこで運動したりします。 |
- 休日の過ごし方について教えてください!
自分の借りているコンドミニアムはクアラルンプールから少し離れているので、遊ぶとなるとクアラルンプールに行ってショッピングをしたりご飯を食べに行ったりします。
他にも、夜市もあるので、そこでご飯を食べたり、たまに大学の友達とフットサルやバドミントンをします。
ちなみに、マレーシアはバトミントンが国技です。
あと、友達が車を持っているのでクアラルンプール郊外を観光したり、シンガポールに行ったりしました。
シンガポールまでは車で5時間で、シンガポールグランプリと言うF1のレースを見に行きました。
住んでいる場所について、教えてください!
今住んでいるコンドミニアムは、クアラルンプールから車で20分ぐらいの、学生街のような場所にあります。
でも、すごく活気のある場所だと思います。
課外活動
今はJSAMというマレーシア日本人学生会に参加しています。
他にも、日本のスタートアップ企業でリモートでインターンをしています。
大学生活を過ごしてみて
- 大学生活を過ごしてみて、どんな成長/変化を感じますか?
日本にいたときは家事などを全然やらなかったけど、自分で洗濯するとか洗い物するとか、自分の生活力が上がったと感じています。
自立したな〜と感じます。
他にも、トラブルに対してあまり驚かなくなったというか耐性がつきました。
日本では結構完璧さが求められていると思うのですが、マレーシアではエレベーターが止まって階段になっていたり、そういうトラブルがつきものなんですね。
だから、そう言うことに驚かなくなりました。
ワークスタイルの捉え方も個人的な変化です。マレーシアの接客業とかの人はすごく気楽なスタイルで、こっちの方が自分らしくいられるな〜と感じます。
周りの目とかも気にせずに生きていくことができると思います。
- 日本に戻りたいな〜って思うことはありますか?
自分的にはこのまま海外に残りたいと思います。
せっかく海外の大学を卒業したからこそ、卒業後はできるだけ海外で働きたいと思っています。
海外の大学を卒業したことによって、日本での自分の価値は上がると思いますが、新卒で日本で働いてしまうと次また海外に出るのは難しいと思うんですね。
だからこそ、マレーシアに限らず他の国で働いてみたいです。
留学費用について
年間の学費とその他雑費
大学の年間の学費は、日本の私立と同じぐらいで、教材はオンラインか配布なので今の所あまりかからないです。
保険は、日本の企業の海外旅行保険のようなものに入っています。
生活費・食費・住居費等の相場感
家は、トビタテ留学ジャパンで出会った友達と二人でシェアしています。
部屋が大体6万円なので、1人3万円程度で部屋を借りています。
周りにもコンドミニアムを借りている人が多いです。
モナシュ大学マレーシア校の寮もありますが、汚いところもあるしリーズナブルでもないから、コンドミニアムを借りた方がいいと先輩に聞いたので、コンドミニアムを借りています。
合計で、住居費含めて月8〜9万円ぐらいかかります。内訳的には食費が3万円〜4万円ぐらい、交際費が1〜2万円ぐらいです。
自炊は一切していなくて、朝ご飯は家でパンを食べるぐらいで、昼と夜は外食をしています。
食べるものはなんでもあって日本食レストランやファストフード、インド系や中華系韓国系のレストランもたくさんあります。
こういったところで食べると、1食600-900円かかるので、いつもはマレーシアのローカルフードを食べることが多いです。
受験について
受験方式について
MEBを受験するにあたって、日本の高校の成績と英語試験スコアをポータルに出しました。
簡単でした。ポータルに受験情報を入力して出願して終わりでした。自分の場合は、出願して2日後に合否がわかりました。
でも、高校の卒業証明書が必要でその証明書が自分の高校の場合が卒業式の後だったので、卒業式後に英語版を作ってもらってから提出しました。
出願ワンポイント
色々慣れてなかったり、怖くてエージェントに頼む人もいると思うのですが、エージェントに頼むと手数料や手続きとかも多くなると思います。
でも困ったり疑問があったら、モナシュ大学のスタッフにメールを送ったり直接コンタクトすることによって、自分で直接出願することもできます。
そこから、英語のメールの打ち方とかも学べて成長できるので、自分で出願することもできると言うことを伝えたいです。
最後に
通っている大学は、どんな人におすすめ?
まずは、金銭的な面で海外の大学にすごく行きたかったけど、行けなかった人にもおすすめです。
オーストラリアの大学の学位をマレーシアキャンパスで過ごすことによって1/3の費用で取ることができます。
次に、先進国(Developed country)ではなくて、これから発展していく国(Developing country)で過ごしたい人にもおすすめです。
マレーシアでは、「これからやってやるぞ!」みたいな活気と盛り上がりを感じることが多く、パッションがあります。そんなところで10代や大学生活を送ってみたい人にもおすすめできます。
また、いろんな経験もできるんじゃないかな。海も山も、街もなんでもあります。
そんないろんな経験を積んでみたい人にもおすすめです。
岩田さんにとって、海外で学ぶとは?
まず、どんなに中身のないことでも「英語」で学んでるから、何かしら学びがあると思います。
そして、もちろん外国人の友達ができてネットワークが世界に広がります。
あと、留学は自分のコンフォートゾーン(心理的安全性を感じる場所)からかけ離れていると思うんですね。マレーシアにいると、日々何らかの成長とか驚きとかが繰り返されます。
だからこそ、視野が広がるんだと思います。
取材者の一言:luna
岩田さんは、大学にメールを送ってみるなど自分から積極的に動くことでどんどん自分の世界が広がっているのだろうな、と取材をしていて感じました。モナシュ大学マレーシア校の魅力は、活気あふれるマレーシアで大学生活を送れることや、交換留学に行けることなど、その学費安さだけではないのだなと感じました!