





海外留学や海外MBAを目指すうえで重要なのは学校選び。
しかし、海外の学校を選ぶうえで、一つ大変なのは情報集めである。日本語の情報も少なく、イベントや学校説明会も気づいたら終わっていることも多い。
これは、そんな学校を選ぶうえで役に立つであろう情報、サイトを、学校ごとにまとめていくシリーズ第16弾。今日は、インペリアル・カレッジ・ビジネススクール。
WEBページを行ったり来たりする手間や、有用な情報を探す手間が省け、本来やらなければならないことに時間が使えるようになれば幸いだ。
また、ここのページに漏れており、役に立つ情報があれば、ドシドシコメント欄に共有してほしい。
目次
ロンドンビジネススクール(LBS)とは?

LBSの概要と歴史
ロンドンビジネススクール(London Business School, 略称LBS)は、1964年に設立されたイギリス屈指のビジネススクールです。
ロンドン大学の一部としてスタートし、現在ではMBAをはじめとした経営学の修士課程やエグゼクティブ教育を提供しています。
LBSの特徴は、徹底したグローバル志向と柔軟なカリキュラム設計。
特にMBAプログラムでは、最短15カ月から最長21カ月まで期間を調整できるほか、交換留学やインターンシップなど実践機会も豊富に用意されています。
世界中から優秀な学生が集まるLBSでは、クラスの留学生比率が90%超。
英語圏だけでなく欧州、アジア、アフリカ、中東など多様なバックグラウンドを持つ同級生と学ぶ経験は、将来のキャリアやネットワーク形成において大きな資産となるでしょう。
世界ランキングでの評価
LBSは、世界的なMBAランキングにおいて常にトップ10にランクインする名門校です。
- Financial Times Global MBA Ranking(2025年版):世界7位
- QS Global MBA Rankings:世界5位(ヨーロッパ1位)
特に、ファイナンス分野やインターナショナルマネジメント分野での評価が高く、欧州・中東・アフリカ地域を中心に多くの企業から厚い信頼を得ています。
ロンドンという立地の魅力
ロンドンビジネススクールは、ロンドン中心部のリージェンツパークにキャンパスを構えています。
世界有数の金融都市・ロンドンという立地は、学外でのインターンシップや企業との接点の多さという点でも極めて有利です。
ロンドンにはグローバル企業の欧州本社やスタートアップ、投資ファンドなどが密集しており、LBSの学生は在学中から企業プロジェクトやキャリアイベントへの参加機会に恵まれています。
また、ロンドンは文化・芸術・国際性に富んだ都市としても有名で、生活環境・家族の同伴留学にも適しています。
世界中のイベントや人材が集まるこの都市で2年間を過ごすことは、キャリア面だけでなく人生経験としても大きな価値があると言えるでしょう。
LBSのMBAプログラムの特徴
ロンドンビジネススクール(LBS)のMBAプログラムは、単なる「学位取得」にとどまらず、国際ビジネスの現場で即戦力となるリーダーを育てる設計がなされています。
ここでは、LBSならではの3つの特長に焦点を当てて紹介します。
プログラム期間とカリキュラムの柔軟性
LBSのMBAプログラムは、15カ月・18カ月・21カ月の3つの修了パターンから選択が可能。
受講者のキャリア設計に応じて、より短期集中での復職や、長めに在学して交換留学・インターンシップ・企業プロジェクトに参加することもできます。
さらに、カリキュラム自体も「Tailored Core」と呼ばれる柔軟性の高い構成となっており、1年目に履修するコア科目にも一定の選択肢が用意されています。
選択科目の種類も豊富で、ファイナンス・アントレプレナーシップ・マーケティング・オペレーションなど、キャリアの方向性に合わせた専門性を磨くことが可能です。


多様性あふれるクラス構成
LBSのもう一つの大きな特徴は、圧倒的な国際性とクラスの多様性です。
最新のクラスプロフィールでは、フルタイムMBAの学生数は約500名。
そのうち留学生比率は90%以上、出身国は60カ国以上にのぼります。女性比率も40%前後と、ジェンダー面での多様性も確保されています。
さらに、平均勤続年数は約5年、業界もコンサルティング・ファイナンス・テック・スタートアップなど多岐にわたるため、ディスカッションやチームプロジェクトで得られる視点は非常に多様です。
このような環境は、卒業後に国際的なリーダーとして活躍するための「異文化理解力」「調整力」「ネットワーキング力」を鍛える最適な場といえるでしょう。
交換留学・インターンシップの機会
LBSでは、全体の3割以上の学生が交換留学プログラムを活用しており、アメリカのトップ校を含む提携校(Wharton, Kellogg, Booth, NYU Sternなど)での学びが可能です。
英語圏以外にも、アジア・南米・ヨーロッパなど、各地域にパートナー校が広がっています。
また、ロンドンという都市の利点を活かし、在学中にインターンシップやパートタイム勤務の機会も豊富。特に夏季インターンやターム中の企業プロジェクトは、実務経験の蓄積・転職活動の足がかりとして重要な役割を果たします。
さらに、LBSではGlobal Business Experience(GBE)という短期海外研修もあり、現地企業のコンサルプロジェクトに参加する形で、実践的な学びを深めることができます。


学費・クラスプロファイル・就職状況
ロンドンビジネススクール(LBS)は世界トップレベルのビジネススクールですが、それに見合ったコストや、卒業後のリターンも注目すべきポイントです。
ここでは、学費や学生構成、就職後のキャリアや平均年収について詳しく解説します。
MBAの学費と生活コスト
LBSのフルタイムMBAプログラムの学費は、£115,000(約2,100万円)(2025年入学時点)と、他のトップスクールと比べても非常に高額な部類に入ります。
ただし、これは授業料・施設利用料・一部教材費・キャリアサポート費用などを含んだ金額です。
生活費については、ロンドンという立地の影響もあり、年間£25,000〜£30,000(約450〜550万円)程度が目安となります。家賃、食費、交通費、レジャー費用などを含めると、2年間でトータル3000万円超を見込んでおくと安心です。
とはいえ、LBSでは奨学金やローン制度も比較的充実しており、特にアジア人向けや女性向けの支援制度も用意されています。出願時に奨学金の申請を同時に行うことが可能です。
学生の平均年齢・職歴・バックグラウンド
LBSのクラス構成は、多様性と国際性に富んでいる点が最大の特長です。
学生数(フルタイムMBA) | 400~500名 |
平均年齢 | 29歳 |
平均職歴 | 約5年 |
留学生比率 | 約90% |
女性比率 | 約40% |
出身国数 | 60カ国以上 |
業界別では、コンサル・金融・テクノロジーが多くを占める一方、スタートアップ・製薬・官公庁・非営利分野からの出願者も一定数存在します。
日本人も毎年10〜15名程度が在籍し、社費・私費ともにバランスよく構成されています。
この多様な環境は、将来的な国際的キャリアのネットワーク作りにも直結します。
卒業後のキャリア・平均年収・就職率
LBS MBA卒業生のキャリアは、グローバルに広がる多様な分野に渡ります。
キャリアサポートも非常に充実しており、個別コーチングや企業説明会、ケース面接対策など、就活支援の手厚さは世界屈指です。
就職率(3ヶ月以内) | 91% |
平均年収 | $187,292(約2,700万円) |
就職先地域 | ヨーロッパ50%、北米・アジアなど |
特に就職先として人気が高いのは、マッキンゼー、BCG、Bainなどの戦略コンサルファーム、ゴールドマン・モルガンなどの金融大手、Amazon、Googleなどのテック企業。
ロンドンという立地を活かして、欧州・中東のポジションに就く人も多く見られます。
ポストMBAでのキャリアチェンジや海外勤務を目指す人には、非常に強いサポートが得られる環境です。

出願の難易度と必要スコア
ロンドンビジネススクール(LBS)のMBAは、世界ランキングでも常に上位にランクインする名門校。
そのぶん出願の難易度も高めで、英語力やテストスコアだけでなく、職務経験や志望動機の一貫性も重要視されます。
では、日本人が出願する際に特に気をつけるべき「要件」と「スコアの目安」を見ていきましょう。
偏差値の代わりに見るべき出願条件
日本の大学のような「偏差値」は存在しませんが、LBS MBA出願に必要な条件はある程度明確に定められています。
- 学士号(大学卒業資格)
- 英文レジュメ(履歴書)
- 職務経験:最低2年、平均5年程度
- 推薦状(基本2通)
- 英語スコア(TOEFL iBTまたはIELTS)
- GMATまたはGREスコア
- エッセイ(複数問)
- インタビュー(書類選考通過者のみ)
LBSの特徴として、柔軟なキャリアバックグラウンドを受け入れる文化があり、職種や業界に偏りはありません。
ただし、リーダーシップのポテンシャルや多様な環境での活躍経験は必ず見られます。
必要な英語スコア(IELTS/TOEFL)
LBSでは、出願者に対して一定の英語力証明を求めています。
公式サイト上では下記が最低スコアとして挙げられています。
テスト | 推奨スコア(参考値) |
TOEFL iBT | 100点以上(L、S 20点以上、R19点以上、W24点以上) |
IELTS | 7.0以上(各セクション6.5以上) |
ただし、英語圏で2年以上の就業・学習経験がある場合は提出免除となるケースもあります。
とはいえ、スコア提出は総合力の証明にもなるため、多くの日本人出願者はTOEFLやIELTSのスコアを用意しています。



平均GMAT/GREスコアと合格者の傾向
LBSにおけるGMAT・GREの平均スコアは、世界トップレベルの学校として妥当な数値です。
テスト | 平均スコア |
GMAT | 約700点 |
GRE | Verbal/Quant 各160以上が目安 |
GMATレンジ(過去合格者の範囲):
600〜800点の範囲に収まっているものの、日本人受験者の合格ラインは650点以上が現実的です。
特に私費の場合は700点超が望ましいとされています。
合格者の傾向:
- 20代後半〜30代前半が多い(平均29歳)
- コンサル・金融・外資メーカーに加え、スタートアップ出身者も増加中
- 海外大学経験者だけでなく、純ジャパ(日本育ち・日系企業出身)でも合格多数

出願準備とスケジュール
ロンドンビジネススクール(LBS)への出願準備には、長期的なスケジューリングと書類の完成度の高さが求められます。
ここでは、必要書類とその注意点、スケジュール感、そして出願後の流れを詳しく解説します。
出願書類の一覧とポイント
LBS MBAに出願するために必要な書類は以下のとおりです。
書類 | ポイント |
オンラインアプリケーション | オフィシャルサイト上から提出。途中保存可能。早めにアカウント作成を。 |
英文レジュメ(CV) | 1ページ推奨。インパクト重視で職務・成果・リーダーシップを簡潔に記述。 |
エッセイ | 複数問。Why LBS, キャリアプラン、リーダーシップ経験など。後述で詳述。 |
推薦状(2通) | 上司・同僚などから。具体例と客観的な評価が重視される。 |
大学の成績証明書(英文) | GPA形式が異なる場合は、日本語の説明書き添付を検討。 |
GMATまたはGREスコア | オンライン提出+公式スコアの送付が必要。 |
TOEFLまたはIELTSスコア(該当者のみ) | 免除条件あり。該当者は事前にAdmissionsに確認を。 |
申請料 | £200(変更の可能性あり)。クレジットカードで支払い。 |

エッセイ・推薦状・インタビューの注意点
エッセイ:LBSらしさと一貫性がカギ
エッセイでは以下のようなテーマが頻出です:
- なぜMBAか?なぜ今なのか?
- なぜLBSなのか?
- キャリアビジョン(卒業後5年以内)
- チームワーク・リーダーシップ経験
- 多様性の中で自分がどう貢献できるか
LBSのエッセイでは、「グローバル・ダイバーシティとの親和性」「明確なキャリア戦略」「実行力のあるリーダーシップ経験」が評価されます。実体験をベースに語ることが大前提です。
推薦状:上司だけでなく「自分をよく知る人」から
推薦者には、LBSから事前に英文で設問が送られ、記述式で回答してもらうスタイルが一般的です。
信頼関係があり、あなたの「成長」「実績」「人柄」を具体例で語れる人を選びましょう。
インタビュー:卒業生による1対1が基本
インタビューはアルムナイ(卒業生)またはアドミッション担当との1対1。過去問例には以下のようなものがあります:
- キャリアの軸は何か?
- チームの中での役割と貢献
- なぜ他校ではなくLBSか?
事前に模擬練習を重ね、英語力+自己理解をしっかり鍛えて臨みましょう。
合否通知の流れ
LBSの出願は複数のラウンド制(例:Round1〜Round4)で行われます。それぞれのラウンドには提出締切、インタビュー招待、合否通知のタイミングがあらかじめ設定されています。
一般的な流れ(Round1の例)
- 出願締切:9月中旬
- インタビュー招待通知:10月中旬
- インタビュー実施:10月下旬〜11月上旬
- 合否通知:11月中旬〜下旬
出願スケジュールの立て方のヒント
- 6〜12ヶ月前:TOEFL/IELTS、GMAT/GREの準備
- 4〜6ヶ月前:エッセイ草案と推薦者選定
- 2〜3ヶ月前:ポータル登録、書類完成
- 1ヶ月前:最終チェック→提出!

日本人向けのサポートと体験談
ロンドンビジネススクール(LBS)では、日本人受験生や在校生・卒業生に向けた非公式ながら強力な支援ネットワークが整っています。
ここでは、日本語でアクセスできるリソースやコミュニティ、説明会情報などを紹介します。
日本人卒業生のブログや体験記
LBSには、私費・社費を問わず毎年10名前後の日本人が在籍しており、受験記や留学生活をまとめたブログが多数存在します。
これらの体験記では、出願対策、エッセイ添削の工夫、家族帯同のリアル、授業内容まで幅広く言及されており、一読する価値があります。
- 母ちゃんMBAブログ(Class of 2019)
- MBA猫好き日記@LBS(Class of 2017)
- ロンドンビジネススクールMBA留学記-国際金融修行中(Class of 2013)
- 投資家サッカー選手のLBS MBA留学記(Class of 2012)

LBS日本人コミュニティ・SNS
LBSには日本人学生が自主運営する日本人向けの公式/非公式ネットワークが存在し、情報交換やサポートが活発に行われています。
- LBS Japan Club Twitter
https://twitter.com/LbsClub - LBS Japan公式ウェブサイト
http://www.lbsjapan.com
これらを活用すれば、事前相談や合格後の生活準備、ファミリー連れの情報共有までカバー可能です。
入学前から知り合いができることで、不安の軽減にもつながります。
イベント・説明会情報(オンライン含む)
LBSでは、年に数回日本人向けまたはアジア地域向けの説明会や卒業生セミナーが実施されています。
近年はオンライン形式が中心となっており、地方在住者でも気軽に参加可能です。
- LBS公式MBAイベントページ
- LBS Japan ClubのTwitterやウェブサイト
- 各種大学院留学フェア(QS、Access MBAなど)

終わりに
ロンドンビジネススクール(LBS)は、国際性・柔軟性・キャリア支援に優れた、ヨーロッパ屈指のMBAスクールです。
多国籍な仲間と学べる環境、選べるプログラム期間、ロンドンという立地は、日本人にとっても大きな魅力。
一方で、出願には綿密な準備が欠かせません。
「自分にできるだろうか」と迷う方こそ、まずは説明会への参加や、卒業生の体験記を読むことから始めてみてください。
未来を変えるのは、今日の小さな行動から。世界に通じるリーダーへの道、あなたもLBSで踏み出してみませんか?




今年からLBSに留学しているものです。
ブログを書いているので、一覧に追加していただけると嬉しいです!
ベントンさん
追記したよ、連絡ありがとう!