近年では日本でもグローバル化が進み、2020年からは小学校での英語教育が必修化されるなど、英語の重要性はますます高まりを見せています。
「子供にバイリンガルになってもらいたい」、「将来は海外の大学に進学させたい」などの願望を持つ親御さんにとっては、日本国内にいてどんな教育を受けさせたらいいのか悩むところ。
そんな英語教育に熱心な家庭では、子供の進学先として「インターナショナルスクール」が選択の1つとなっており、その人気が高まりつつあると聞きます。
しかし「インターナショナルスクール」は、日本の学校とはシステムも環境も全く違います。入学させるかどうかは、ただ単に「英語力がつくから」だけの話ではありません。
なぜなら、その後の大学選びや就職といったことにも大きく関わってくることだからです。
そのため、まずは「インターナショナルスクール」というものをきちんと理解し、実際に入学させる前には入念な情報収集をしていくことが必要となります。
今回のこちらの記事では、子供の進学先に「インターナショナルスクール」を希望している、日本の学校からの編入を検討しているなど、今悩んでいる親御さんの情報収集の一環として参考になれるよう、「インターナショナルスクール」について詳しく解説していきます。
筆者紹介:Antieやや
タイ在住。語学力を生かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、現在イギリスの大学で心理学とマーケティングを学ぶ息子あり。
目次
インターナショナルスクールとは
日本における「インターナショナルスクール」とは、日本の学校教育法では「各種学校」に分類されています。
主に英語で授業が行われ、日本に在住する外国籍の子供を対象にした教育を行っている学校、というのが一般的な定義になっています。
しかし現在では、帰国子女の教育の場として、また国際的な環境の中で英語教育を受けさせたい、など希望する日本人が「インターナショナルスクール」に入学できるスクールも増えてきているようです。
では「インターナショナルスクール」について詳しく見ていきましょう。
日本の学校との違い
子供の進学先として選ぶことのできる日本の学校制度は、「公立学校」、「私立学校」そして「インターナショナルスクール」などがあります。
在住外国人でも、住民登録を済ましていれば、日本の「公立学校」に入学することができ、また日本人でも入学条件を満たしていれば「インターナショナルスクール」に入学することができます。
「インターナショナルスクール」と「日本の学校」の大きな違いが「教育課程」です。
「インターナショナルスクール」は、日本の学校教育法第1条に定められた学校ではなく、独自の教育課程を編成している各種学校、または無認可校として位置づけられています。
そのため日本国籍を有し日本国内に居住する子供を「インターナショナルスクール」に通わせた場合、保護者は日本の義務教育である、就学義務を果たしたことにはなりません。
詳しくは、文部科学省ホームページの子どもをインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務についてを参考にしてください。
入学条件
現在、全国には「インターナショナルスクール」と呼ばれる多くの学校があり、それぞれの学校で独自の入学基準が設けられています。
新設の「インターナショナルスクール」では、日本人でも入学条件の英語力の基準を満たせば入学できるようですが、老舗の「インターナショナルスクール」の場合、子供の国籍、子供の英語力、保護者のどちらかがネイティブスピーカー、または同等の英語力といったことは必ずと言っていいほど問われる条件。
そもそも日本人の受け入れをしていなかったり、帰国子女など海外の「インターナショナルスクール」からの転校生徒を優先に入学させるなどの傾向が強いようです。
しかしこれらの基準を設けている「インターナショナルスクール」でも、その年に入学希望の生徒数が定員に満たない場合には、基準を満たさなくても入学できることもあります。
そのため、子供を通わせたいと思った学校が見つかったら、とりあえず学校側へ問い合わせてみるものいいかもしれません。
当たり前のことですが、「インターナショナルスクール」では英語で授業が行われます。
そのため、授業についていけるだけの高い英語力を子供が持っていることを入学条件としている学校が多く、ほとんどの学校では入学前に、子供の英語のレベルをチェックする試験を設けています。
また、小学校(エレメンタリースクール)の低学年までの入学であれば、高い英語力が必ずしも必要ではない学校もあり、まずはESL (English as a Second Language) など、英語を母国語としていない生徒のためのクラスからスタートするケースもあります。
しかし、中学校や高校(セカンダリースクール)からの入学となると授業の内容も難しくなり、また専門的な教科の学習を進めていくため、ほとんどの「インターナショナルスクール」で学年相当の高いレベル英語力が求められています。
さらには、保護者の英語力も重視。学校側との連絡、また学校行事も英語で行われるため、「インターナショナルスクール」では保護者の語学力も問われるのです。
また、「インターナショナルスクール」では、保護者が中心となり運営されるボランティア活動も盛んです。
そんな時の英語でのコミュニュケーションは必須!あらゆる面で、保護者のどちらかが英語を話せる必要があります。
細かな入学条件については学校により異なりますが、多くの「インターナショナルスクール」で最低限必要とされているのが英語力。
英語力がなければ授業を理解することもコミュニュケーションをとることもできません。
我が家の息子はタイにある「インターナショナルスクール」へ通っていましたが、実際、親御さんの仕事の都合で来タイし、日本の学校から入学してきた友人もいます。
特に高校になって入学してきた場合は、授業についていくだけで大変。その上、英語でのレポートやプレゼンテーションなどなど、本当に大変そうでした。
英語力が足りないというだけで日本の学校で修めていたような成績を取ることもできず、不利になってしまい残念だなとつくづく思ったものです。こういったことを考慮しても、英語が入学条件として設けられているのも納得です。
受験スケジュールは?
「インターナショナルスクール」では、一般的にアメリカ、またはヨーロッパのシステムを導入しており、新学期は8月中旬頃、終業式は6月中旬頃となります。
海外からの親の転勤に伴い急に編入してくるなどのケースもあるため、通常は一年を通して入学願書を受け付けていますが、学校によっては、秋以降に願書受付、年明けに入学試験や面接という学校もあります。
日本の学校からの編入の場合には、まずは希望する「インターナショナルスクール」が編入を受け入れているか、空席があるかなどの確認もしておきましょう。
それでは、大まかな受験のスケジュールをみていきましょう。
① まずは下見をしてみよう
普段は何となく遠い存在の「インターナショナルスクール」ですが、年に数回行われるフェアー(お祭りのようなもの)が一般公開されています。
そのため、学校の下調べにはもってこい!気になる学校があるのなら、お子さんと一緒に気軽に参加してみるのがおすすめ。
「インターナショナルスクール」の雰囲気を肌で感じることができると思います。その他、公開授業や個別見学などを受け付けている学校もあります。
② 学校説明会
毎年決まった時期に、学校では説明会が行われます。
内容は各学校により違うと思いますが、まずは校長先生のウェルカムスピーチに始まり、教育理念、カリキュラム、学校行事、願書の提出方法、そして学校施設の見学などが含まれています。
資料請求やこういった説明会に参加することで詳しい情報を入手することができます。疑問に思うことなどは全体説明会後、担当者に直接質問することもできます。
③ 願書提出
出願手続きを開始するためには、入学願書のフォームに必要事項を記入し、出願費の振り込み、そして成績表や推薦状、写真など追加の必要書類を提出します。
入学願書のフォームは各学校のホームページで手に入れることができ、また詳しい手続きの方法も記載されています。
④ 入学試験、面接
「インターナショナルスクール」では、面接や学科試験を通して子供の英語力や学力を見ます。また保護者との面接では、保護者がどこまでその学校の教育理念に共感しているかなどを基準に合否を決めていきます。
学科試験の科目は、英語や国語、算数、数学、またはエッセイなど、編入を希望する学年、または学校の方針により様々です。年齢が上がるほどテストが難しくなり、高いレベルの英語力が求められます。
「インターナショナルスクール」の面接は、学校により大きく変わります。プレスクールなど低学年での面接では集団行動観察、高学年になると個別面接が基本的な受験時の面接です。
個別面接は、保護者だけ、保護者と子供、子供だけなど学校によりシステムが違いますが、いずれも英語で行われることがほとんどです。
⑤ 合否発表
出願後、入学審査委員会により書類審査が行われます。ほどんどの学校からは面接後、遅くとも2、3週間以内に郵送、またはメールで合否の結果が届きます。
「インターナショナルスクール」は、海外の学校からの編入の希望者などのウェイティングリストがあるため、合格の通知を受けたら、すぐに入学金の支払いなど手続きを求めることが多くなっています。
学費・費用はどのくらい?
「インターナショナルスクール」の学費は学校により多少の違いはありますが、授業料だけで年間平均200~250万円ほど(学年により異なる)と言われています。
その他にも、入学金や施設利用料、教材費などが上乗せされます。それでは、大まかな内訳をみてみましょう。
① 志願時の費用
出願料と言われるもので、日本の学校でも願書を提出した時点でかかる費用です。この出願料の目安は、約2万円から5万円となっています。
② 入学時の費用
合格の知らせを受けその学校への入学を決めたら、早い段階で支払いをしなくてはいけないものが入学金です。入学金は1度のみとし、施設使用料、教材費等は毎年支払う必要があります。
- 入学金:20万円から50万円
- 授業料:100万円から280万円
- 施設使用料:20万円から50万円
- 教材費:学年にもよる
- 保護者会費:2万円から5万円
③ 在学中の費用
在学中は、毎年支払う授業料や教材費、教育費などの他にランチやスクールバス代などがかかります。ランチ代は月に1万円から3万円、そしてスクールバス代は学校、または距離により大きく異なります。
授業料の支払い方法は、学期ごと、半年、1年間分一括など学校により違いますが、入学時には入学金も含めて支払うため、金額が大きくなってしまいます。
また「インターナショナルスクール」では、スポーツや音楽、数学大会や模擬国連といった様々なアクティビティに参加すると、海外へ出かける機会も多くあります。
いろいろなことを経験するのはいいことですが、こういった渡航費用もバカになりません。
はっきり言ってとにかく高額!ほとんどの「インターナショナルスクール」は文部科学省から認定されていないため、補助金も受けられないことが多く、親の年収がネックになることもあります。
ただし、文部科学省が定めた「インターナショナルスクール」では、「高等学校等就学支援金制度」を利用することができます。詳しくは文部科学省のホームページで閲覧することができます。
これだけの費用を支払うことになる「インターナショナルスクール」。
本当に通わせる意味があるのか、また家計とのバランスを考えながら決めていくことが大切です。それともう1点。
ただでさえ高額な授業料は毎年値上がる学校が多いのも事実。こういった点も予定に入れておきましょう。
「インターナショナルスクール」へ通うメリットとデメリット
我が家の息子の場合は生まれた時からタイにおり、その先もずっとタイにいるだろうということで幼稚園から「インターナショナルスクール」へ通わせていました。
一度だけ日本への帰国を考えた時に「日本の学校」へ通わせるか、東京にある「インターナショナルスクール」へ通わせるか迷ったことがあります。
が、当時(今もですが)息子は日本語が不得意。いろいろな面を考慮した結果「日本の学校」への編入は無理だろうとなりました。
その後、日本への帰国話しはなくなり、そのままタイの「インターナショナルスクール」を卒業。現在は、イギリスの大学へ通っています。
近年では日本に住んでいる親御さんの間でも「インターナショナルスクール」というものが身近になり、英語がうまくなってほしい、海外で活躍する大人になってほしいなど、様々な理由から「インターナショナルスクール」に興味を持つ親御さんも増えてきました。
子供の人生を左右する大きな決断を下す前に、「インターナショナルスクール」へ通うメリットとデメリットをしっかりと理解しておきましょう。
メリット
① 英語を習得できる環境
大きなメリットは、やはり英語力を習得できる環境にあることです。「インターナショナルスクール」では、ネイティブスピーカーの教師による授業が行われます。
日本の学校からの編入の場合は入学時に苦労をすることがあるかもしれませんが、英語力は必ずついてきます。自然に英語力が身につく環境にいるため、その英語力習得の早さに驚かされることもあります。
② 多文化の環境で学ぶができる
「インターナショナルスクール」には、世界各国、様々な国出身の子どもが集まります。
日本にいながら世界中からの友達を作ることができ、さらには欧米文化だけではなく、様々な文化や価値観の違いに触れることができるため、その分子供達の視野も広がります。
③ 第二外国語を学ぶことができる
「インターナショナルスクール」では第二外国語の授業があり、スペイン語、フランス語、中国語などの英語以外の言語を学ぶことができます。
海外に出たら母国語と英語を話すバイリンガルは当たり前、3ヶ国語を話すトライリンガルになれる可能性も広がります。
④ 少人数制クラス
1クラスあたりの生徒数は日本の一般的な学校 に比べ20人以下と少ない場合が多いです。
授業に集中できる、きめ細やかな対応をしてもらえる、質問がしやすいなど、生徒と教師がしっかりとしたコミュニュケーションをとることができます。
⑤ 大学留学へのチャンスが広がる
近年、国内で「インターナショナルスクール」が増えてきている理由の1つに、世界で活躍できるような教育を受けさせたい、という親のニーズが高まってきていることがあげられます。
さらに、英語の習得はもちろん、欧米など海外の大学で認められている入学資格の国際バカロレア(IB)に基づくカリキュラムの「インターナショナルスクール」も増えております。
国際バカロレア(IB)のカリキュラムを実施している学校に進学、卒業した場合、日本の高校卒業には直接留学をすることができないイギリスの大学はもちろん、世界にある大学への出願資格、入学資格を得ることができます。
※ 国際バカロレア(IB)や文科省の認定校について、さらに詳しく知りたい方はこちらの文部科学省のページを参考にしてください。
デメリット
① なんと言っても学費が高い
「インターナショナルスクール」と聞いて誰もが気になる学費。
一般的な「インターナショナルスクール」の学費は、年に200万円から300万円位と言われており、それに加え教材費や施設利用料、海外への修学旅行といった出費が重なります。
② 日本語習得に影響する心配がある
「インターナショナルスクール」では、授業中はもちろん、友達との会話の基本は英語という環境にあります。親からしてもせっかく高い授業料を払っているのだから、英語を使いなさい!と思うものです。
日本国内にある「インターナショナルスクール」によっては、日本語教育にもしっかりと取り組んでいる学校もありますが、ほとんどの場合、日本語という科目は外国語科目として扱われており、毎日授業があるというわけではありません。
そのため、日本の学校に通っている同学年レベルの日本語力が身につかない可能性があります。
我が家でも小学校低学年までは、週1で日本語教室へ通わせていたり、家で勉強したりしていました。しかしタイで生活していたため、日本語を使う環境ではなくどうしても無理が。
今では会話には問題がありませんが、恥ずかしながら読み書きはほとんどできません。
日本で生活している場合は日本語に接する機会も多くあり、その分、日本語が自然に身につく環境にあります。
母国語である日本語を習得することも大切。日本語教育をどのようにするのかきちんと考えなくてはいけないと思います。
③ 日本の学校への編入、または国内の大学への進学が大変
文部科学省によると、「インターナショナルスクール」の小学部を卒業後に日本の中学へ編入したり、小学部から日本の小学校、中学部から日本の中学校への編入は、原則として認められていません。
なぜなら文部科学省から認可を受けている「インターナショナルスクール」を除き、多くの学校では日本の義務教育を受けたという卒業資格を得ることができないからです。
これは「インターナショナルスクール」の高校を卒業した場合にも当てはまるため、高校卒業資格がない、ということで国内の大学を受験する資格を得ることができないことがあります。
「インターナショナルスクール」から国内の大学を受験する際には、「高等学校卒業程度認定試験」を受ける必要があります。
ただし、日本の高校卒業資格と同時に国際バカロレア(IB)を取得できる「インターナショナルスクール」を卒業した場合には、国際バカロアのスコアを入学資格の1つとして認めている大学へ出願できるケースもあります。
各大学が発表する最新の「入学者選抜要項」または「学生募集要項」で確認することができます。
どんなインターナショナルスクールがあるの?
現在、全国各地に「インターナショナルスクール」と呼ばれる学校が数多く設立されていますが、実はこの「インターナショナルスクール」には様々なタイプがあります。それらを詳しく解説していきましょう。
まずは、英語を母国語とする国が、駐在などの都合により日本に居住する自国民のために設立した学校です。
国内でも有名な老舗インター校「The American School in Japan」がその1つで、当然、英語を使用し、その国の公立学校のカリキュラムに沿った教育が行われています。
この種の学校は、日本駐在の外交官やビジネスマンの子弟を教育することを目的にしており、日本在住の日本人の子供が入学できる人数は非常に限られています。
2つ目が、国際的な教育をする学校です。欧米の学校や大学などの団体が設立し、日本の特性を活かしながらも、より国際的な視野に立った教育を目指している学校で、日本人も含めた様々な国籍の子供を受け入れています。
授業はもちろん英語で行われ、国際バカロレア(IB)やウェスタン・アソシエーション・オブ・スクールズ・アンド・カレッジズ(WASC)など、世界的に認定された卒業資格の取得や、クリスチャン系など宗教を背景としたカリキュラムを採用している学校が多く見られます。
3つ目は、日本の学校や団体によって設立された、日本人の英語教育のための学校です。英語での教育を希望する日本人保護者の増加に合わせ、比較的新しく設立された学校がほとんどです。
後悔しない学校の選び方・比較の仕方
「老舗インター」か「新興インター」か?
英語で教育を受ける学校と認識されている「インターナショナルスクール」も千差万別。もし進路に迷った場合には、まずは「老舗インター」か「新興インター」なのかに分けて比較してみるのがいいかと思います。
「老舗インター」と呼ばれる学校には、駐在員や外交官ファミリー、海外育ちで日本語が不得意な日本人の子息、いわゆる帰国子女など「インターナショナルスクール」に通う必要のある子供が多く通っている学校が多くあります。
それに比べて「新興インター」では、英語を話すバックグラウンドを持たない家庭の子息が多く通い、また生徒のほとんどが日本人といった学校もあります。
どんなカリキュラムなのか?
記事の中でも何度かお伝えしている通り「インターナショナルスクール」は、日本の学校教育法に定める学校ではありません。
独自のカリキュラムが組まれているため、どんなカリキュラムで教育が行われているのかも重要なポイントです。
それでは、どんなカリキュラムがあり、また誰が学校を認可をしているのでしょうか。
「インターナショナルスクール」の学校認可については、下記のような国際評価団体による評価が基準となっています。
また、国際的に認められている高校卒業資格として、近年日本でも人気のある国際バカロレア(IB)のカリキュラムを採用している学校も多くあります。
どの学年まで上がれるか?
それともう1点。進学を希望する「インターナショナルスクール」が、エスカレートでどの学年まで上がれるかという点も大切です。
学校によっては小学校(エレメンタリースクール)まで、または中学校(ミドルスクール)までといった所もあり、この場合にはいずれかの時点で「インターナショナルスクール」の中学校(ミドルスクール)、または高校(ハイスクール)への転入が必要になります。
しかし、ただでさえ日本人は入学が難しい「インターナショナルスクール」。進学先が見つからない、といった問題にぶつかるケースもあります。
保護者の国籍が日本で、帰国子女でもなく、この先海外赴任の予定もないためずっと日本の「インターナショナルスクール」で教育を受けさせる予定、といった場合には、高校(ハイスクール)まで通える学校を検討する方がいいケースもあるかもしれません。
日本人が多い学校で日本語に接する機会もある中で英語での教育を受けさせたい、できるだけ日本人の少ない多国籍な環境の中でいろいろな経験をしてほしい、など親として思うことも多くあると思います。
その他
ホームページや口コミ、実際に訪れるなどして、また卒業後にはどのような選択ができるのかなどを考慮して学校を選びましょう。
子供をインターナショナルスクールに進学させる前によく考えるべきこと
「インターナショナルスクール」への進学を決めた時、親御さんの中には英語が身につくからといった理由で入学を決める方もいるかも知れません。これはもちろん正当な理由の1つです。
しかし「インターナショナルスクール」は英語学校ではありません。英語で勉強をする学校です。そのため入学前には、各学校が入学条件に掲げている「英語力」を身に付けさせる必要があります。
入学前から入学後しばらくは、英会話スクールへ通わせたり、市販の教材を使って自宅で勉強、また最近では子供向けのオンライン英会話も充実。それらを利用するのもいいと思います。
もしお子さんを小学校(エレメンタリースクール)から入学させたい、と希望する場合には、英語でに触れ合う環境が整った幼稚園(キンダーガーデン)からの入学を検討するのもいいと思います。
今回の記事の中で何度がお伝えした通り、日本での「義務教育」が認められていない「インターナショナルスクール」。卒業後は海外の大学へ留学するケースが主流となっています。
上智大学や国際キリスト教徒大学(ICU)など、インター卒業生を受け入れている大学もありますが、日本の中学校や高校、さらには大学への進学を考えた時には、日本の学校教育法に定められていく「義務教育」を終了していることが必要となるため、進学の幅が狭まってしまう可能性もあります。
日本にいながらインターナショナルな環境で学べる、ということは大きなメリットですが、「インターナショナルスクール」を選択する場合には、子供の将来に影響を及ぼすことがある、ということを理解することも必要です。
最後に
「インターナショナルスクール」では、ただ英語を話せるようになるだけではなく、異なるバックグラウンドを持つ子供たちが集まる中、様々な価値観を学んだりと、子供の将来の可能性を広げられるようなメリットがたくさんあります。
これについては、筆者自身の息子を見ていてつくづく感じる点でもあります。しかし、日本語習得の問題、高額な費用や卒業後の進路などについて、障壁となりうるデメリットもあります。
こうした点を熟慮しながら、子供が将来どの国へ進学していくのかなど、長期的な目線で決めることが大切。
まずは1人の日本人として、しっかり育てることを念頭に、子供が可能性を広げられる環境を見つけてあげてください。
そして、気になる学校が見つかったらまずは入学条件を確認し、受験ができるのであれば早めに対策を検討し、準備に取りかかりましょう。
気になる学校が見つかったらまずは入学条件を確認し、受験ができるのであれば早めに対策を検討し準備に取りかかりましょう。
【おまけ】東京・各地方のインターナショナルスクール一覧(計61校)
I1条校とIB校の両立しているインターも最近では増えていますね
例えば長野県の幼少中で1条校でIB校のインターナショナルスクールオブ長野など
文部科学省のIBのページ
https://ibconsortium.mext.go.jp/about-ib/school/