





海外留学や海外MBAを目指すうえで重要なのは学校選び。
しかし、海外の学校を選ぶうえで、一つ大変なのは情報集めである。日本語の情報も少なく、イベントや学校説明会も気づいたら終わっていることも多い。
これは、そんな学校を選ぶうえで役に立つであろう情報、サイトを、学校ごとにまとめていくシリーズ第16弾。今日は、インペリアル・カレッジ・ビジネススクール。
WEBページを行ったり来たりする手間や、有用な情報を探す手間が省け、本来やらなければならないことに時間が使えるようになれば幸いだ。
また、ここのページに漏れており、役に立つ情報があれば、ドシドシコメント欄に共有してほしい。
目次
Imperial College MBAとは?特徴・評判・立地を解説

大学・ビジネススクールの概要と歴史
Imperial College London(インペリアル・カレッジ・ロンドン)は、1907年に設立されたイギリスの名門理系大学で、理工・医学・ビジネスの三本柱を中心に世界的な評価を得ています。
その一部として2004年に設立されたのがImperial College Business School(ICBS)です。
ビジネススクールとしては比較的新しいものの、母体の強力な理系リソースと連携したテクノロジー×ビジネスの先端教育が魅力。
AI、ヘルステック、クリーンテックなど、科学と経営を融合した教育が受けられる点が、他校にはない大きな強みです。
また、AMBA・EQUIS・AACSBの三冠認証(トリプルクラウン)を取得しており、世界的に見ても極めて高い教育水準を維持しています。
世界大学・MBAランキングでの評価
Imperial College全体はQS世界大学ランキングで世界トップ10常連、特にエンジニアリングや自然科学分野での評価が際立っています。
MBA単体としての評価も年々上昇中で、以下のようなランキング実績があります。
- QS Full-Time MBA Rankings 2025:世界18位
- Financial Times MBA Rankings 2024:世界39位
- QS Online MBA Rankings 2024:世界1位
特に注目すべきはオンラインMBAでの世界1位獲得。
フレキシブルな学びのスタイルと、実践的なプログラム設計が世界的に評価されています。
対面型の1年制MBAも、アントレプレナーシップやイノベーション教育に強く、ランキング以上の満足度・成果を感じている卒業生も多いです。
ロンドンという立地のメリット
Imperial Collegeは、ロンドン中心部の高級住宅街サウス・ケンジントンにキャンパスを構えています。
自然史博物館やロイヤル・アルバート・ホール、ハイドパークに囲まれた文化的エリアで、治安や利便性も非常に高いです。
ロンドンに拠点を置くことで、以下のような利点が得られます:
- インターン・ネットワーキングの機会が豊富
- グローバル企業が集結するビジネス街とのアクセスの良さ
- 多国籍な都市環境での英語+異文化経験
- 卒業後も現地就職やビザ支援の面で選択肢が広がる
都市のコネクションとキャリア機会を最大限活かせる点で、ロンドンはMBA留学先として非常に魅力的な場所です。


Imperial MBAのプログラム特徴
1年制MBAのカリキュラム内容と学びの特徴
ImperialのフルタイムMBAは、わずか1年間で修了できる集中型プログラム。社会人がキャリアを中断せずにスキルアップするには最適な構成です。
カリキュラムは以下のような柔軟性の高さと実務直結型の設計が特徴:
- 必修+選択科目のバランスがよく、自分の専門・関心分野を深掘り可能
- Consulting Projectなど、企業と連携した課題解決型の実践学習
加えて、テクノロジーやサステナビリティといった最先端テーマに対応した科目も充実しており、世界の変化に即した経営力を1年で身につけられるのが大きな魅力です。
起業・イノベーションに強いプログラムと支援体制
Imperialはロンドンでも屈指の起業家教育に力を入れるMBA。母体の大学が理工系に強いため、ビジネス×テクノロジーの掛け算に強みがあります。
代表的な実践プログラムは以下の通り:
- Entrepreneurship Journey:新規事業をゼロから立ち上げ、実際に投資家にピッチするプロセスを体験
- Innovation Challenge:社会課題の解決に向けた実践型プログラム。持続可能性や資源不足をテーマに議論・プロトタイピング
- Imperial Enterprise Lab:学内の起業家支援拠点。学部横断でネットワークを構築でき、卒業後の起業支援も充実
卒業生の中には実際にここで得たアイデアをベースにスタートアップを立ち上げた例も多数あり、起業志向の強い人には特におすすめの環境です。
多国籍&少人数クラスのメリット
ImperialのMBAは、毎年約70〜80名程度の少人数制。この規模だからこそ、学生同士の結びつきが強く、深い議論や信頼関係を築きやすい環境があります。
さらに以下のような多様性がプログラムの価値を高めています:
- 留学生比率:90%以上(出身国は40か国以上)
- 女性比率:約45%と性別バランスも良好
- バックグラウンドも多彩(コンサル・金融・エンジニア・官僚・起業家など)
「多様な価値観を持つ仲間と共に切磋琢磨した1年は、人生で最も刺激的な時間だった」という卒業生の声も多数。
グローバルビジネスで活躍する土台を築くには最高の環境です。


Imperial MBAの学費・学生構成・就職先まとめ
学費とロンドンでの生活費の目安
インペリアル・カレッジ・ロンドンMBAの学費は£73,000(約1,350万円)(2024年度)。
欧州MBAの中では高めですが、1年間で修了可能な点と高いリターンを考えれば、非常にコストパフォーマンスの良い選択肢。
- 学費:£73,000(約1,350万円)
- 生活費:年間約£20,000〜25,000(約370〜460万円)
ロンドンは生活費がやや高めですが、公共交通の割引や学生寮、外部奨学金制度も活用可能。
インペリアル独自の奨学金制度も複数あり、アジア出身者対象のものも存在します。
平均年齢・職歴・バックグラウンド
Imperial MBAのクラスは国際性と多様性に富んだ構成が大きな特徴です。
- 学生数:約76名
- 平均年齢:28歳
- 平均職歴:約5年
- 女性比率:45%
- 留学生比率:90%以上(公式発表なし)
バックグラウンドは、コンサル・金融・テック・官公庁・スタートアップ・製薬など多岐に渡ります。
少人数制のため、ディスカッションやグループワークでのインプット・アウトプットが非常に濃密です。
就職率と主な就職先企業・キャリア
Imperial MBA卒業生の就職は非常に好調で、卒業3ヶ月以内の就職率は93%、平均初任給は約USD 160,688(約2,300万円)とされています。
主な就職先分野は以下の通り:
- コンサルティング(McKinsey, BCG, Bain, PwC, EYなど)
- テクノロジー(Amazon, Google, Metaなど)
- 金融(JP Morgan, Goldman Sachs, Barclaysなど)
- スタートアップ・起業
Imperialはスタートアップ志向の学生にも強く、ビジネススクール内に起業支援インフラが整っているほか、在学中からベンチャー支援プログラムや投資家ネットワークへの接点も得られます。
さらに、キャリア支援オフィスでは履歴書の添削・模擬面接・業界別対策セミナーが受けられるなど、個別サポートも手厚く、海外就職を本気で目指す日本人にとっては理想的な環境です。


Imperial MBAの出願要件・必要スコアと合格戦略
必要スコア(TOEFL/IELTS・GMAT/GRE)
インペリアル・カレッジ・ロンドンMBAに出願するには、英語力とGMAT/GREスコアの提出が求められます。
英語スコア(いずれか)
- TOEFL iBT:100点以上(各セクション22点以上が推奨)
- IELTS:7.0以上(各セクション6.5以上が必要)
GMAT / GREスコア
- GMAT平均スコア:666点
- GRE最低要件(Verbal 156 / Quantitative 158)



エッセイ・推薦状・面接のポイント
Imperial MBAでは、定量スコアに加えてエッセイ、推薦状、インタビューが合否を左右する重要要素です。
エッセイ(Personal Statement)
- キャリア目標、学びたい理由、なぜImperialなのかを論理的かつ個性的に表現することが重要
- 特に「起業」「イノベーション」「社会課題解決」など、Imperialの特色とリンクさせたストーリーが評価されやすい
推薦状(2通)
- 上司やプロジェクトリーダーなど、業務を直接知る人物からの具体的な推薦が理想
- 「人物としての信頼性」「リーダーシップ」「成長性」に焦点が当てられる
ビデオエッセイ・面接
- 短時間で論理的かつ情熱的に話すトレーニングが必須
- 模擬練習を重ね、「自分らしさ」が自然に伝わるよう仕上げておくこと
スケジュール感とラウンド制出願の流れ
Imperial MBAは複数ラウンド制(最大5ラウンド)を採用しており、早いラウンドほど合格率・奨学金獲得率が高い傾向があります。
- 〜10月:英語試験・GMAT/GREの完了、エッセイ下書き開始
- 11月〜1月:Round 1 or 2 出願、面接準備
- 2月以降:Round 3以降にチャレンジ or 他校と併願
- 3月〜4月:合格発表、進学先の決定・ビザ準備開始
✔ Round 1(9月頃)・Round 2(11月〜1月頃)が本命!
✔ Round 4以降は定員や奨学金枠が少ないため注意。


日本人向けのサポート・情報
日本人卒業生のブログ・体験談
Imperial MBAには過去に私費・社費問わず日本人が複数在籍しており、合格体験記や留学中のリアルな生活がわかるブログが残されています。
- 「30代男子、英国MBAを目指す旅」(Class of 2018)
- 「Distance Learning で MBA」(Class of 2011)
- 「英国留学体験記(Imperial College London)」(Class of 1992)
実際の出願準備、エッセイ内容、留学中の悩みや就職活動の進め方などが詳細に記載されており、自分の立場に近いロールモデルを見つけたい人におすすめです。
学校説明会・イベント情報(オンライン含む)
Imperial College Business Schoolでは、通年でオンライン/オフラインの説明会やWebinarを開催しています。
▶ イベントスケジュールは公式サイトの以下ページから確認可能:
https://www.imperial.ac.uk/business-school/programmes/meet-us/
特に早期出願を目指す人は、9月〜1月のイベント参加がカギになります。

終わりに
インペリアル・カレッジ・ビジネス・スクール(Imperial MBA)は、1年でハイレベルな学びと国際的なネットワークを得られる、実践志向かつ柔軟性の高いプログラムです。
特に、
- 起業・イノベーション領域に関心がある人
- 英語力やスコアで自信を持ちたい人
- ロンドンという刺激的な環境でキャリアを広げたい人
にとっては、LBSやINSEADと並んで現実的かつ戦略的な選択肢となり得ます。
とはいえ、出願準備は長期戦です。
スコア、エッセイ、推薦状、面接…すべてが評価対象となるからこそ、早めの情報収集と計画的な準備が合否を分けます。
これから出願準備を始める方は、まずは説明会や在校生との交流から一歩を踏み出してみてください。



