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目次
出身・経歴
自己紹介
出身高校は、横浜の私立の中高一貫校です。卒業高校に海外大学進学コースはなく私は帰国子女でもないため、中学から英語の勉強を始めました。
そして高校を卒業してから、日本で受講できるファウンデーションコースに半年間通った後、その年の9月から2023年までマンチェスター大学のFaculty of Biology, Medicine and HealthのBSc Psychology学部に正規留学しました。
2023年に大学を卒業した現在は、University College London (UCL)の大学院でMSc Social Cognition: Research and Applicationsを学んでいます。
海外大学への進学を決めたきっかけ
実は、「海外で、英語で学ぶなんて無理!」と思っていたのもあり、最初は日本の大学しか視野に入れていませんでした。
高校一年生の頃に進路について考えた際、一番興味を持ったのが心理学でした。そのため、心理学を学べる大学を中心に、いろんな日本の大学オープンキャンパスや学校説明会に行ったのですが、どうもしっくり来ませんでした。
具体的には、日本の大学だと心理学が文系として扱われていたり、一般教養を1.2年で学んでから、選択授業として心理学があるといった点です。
日本の大学は、自分の興味のある心理学の分野を集中して学ぶことができるような理想的な環境ではないのかもしれないと感じていました。
そんな中、イギリスの大学であれば心理学が理系として扱われていたり、学部の三年間の間に心理学のみを集中して学べたり、興味があった臨床の実験がイギリスではとても発展していると知り、イギリスの大学に進学することを考え始めました。
最終的には、私は自分の学びたい方法で心理学を学ぶためにイギリスの大学への進学を決めました。
日本で受講可能なファウンデーションコース
日本の高校生がイギリスの大学に進学する場合、教育制度の違いから進学準備コース(ファウンデーションコース)を修了する必要があります。 大体の場合は、イギリス現地に行って1年間ファウンデーションコースを受講します。
しかし、日本で受講できるInternational Foundation Yearを通じて進学することで、最短の期間でイギリスの大学に進学することが可能です。
International Foundation Year (IFY)とは?
参考出典:NCUKの大学留学準備コース「International Foundation Year(IFY)」とは?
IFYを選んだ理由
心理学をはやく大学で学びたかったこともあり、現地では1年かかるのを、日本で4ヶ月程度で修了できるIFYを選びました。
私は、ファウンデーション出願時は心理学で博士号(PhD)を取得することを考えていたのもあり、できるだけ短くファウンデーションを終えることが理想でした。
また、期間が短く日本で修了できるため、費用面も抑えられる点は魅力的でした。
しかし、イギリス現地でファウンデーションコースを受講することで、様々な文化に触れたり、英語を使う機会が多かったりなど、得られることもたくさんあると思います。
IFYでの学び
IFYでは、大体10人ぐらいの日本人のクラスメイトと一緒に学びました。 IFYで受講できる授業は既に決まっていたため、下記の授業を毎日受講しました。
- アカデミック英語(EAP)
- ビジネスのための数学(Mathematics for Business)
- ビジネス学(Business Studies)
- 社会学と政治学(Society and Politics)
先生の講義で新しいアカデミックな知識をインプットした後に、先生を含めてクラスメイトとディスカッションし、そこですぐに学んだ知識をアウトプットする、という学習環境でした。
課題やテスト
IFYでは、7月の末に、進学できる大学を左右する最終テストがありました。希望の大学にいくためには、そこの大学が提示している成績の要件を満たす必要があります。
ゴールデンウイークの期間あたりでMock Exam(模擬テスト)があり、自分が今の時点でどれくらいの成績をとれているのか確認し、また、テストの形式に少し慣れることができました。
テストの他には、授業で出される課題や宿題がありました。これらを通して、授業で学んだ内容の定着や、理論的に考え知識を深めることができたと思います。
良かった点は、先生との距離が近かった点です。距離が近いからこそ、疑問があればすぐに先生に質問できたり、フィードバックをお願いすることもできました。
また、私は今まで一度も英語のエッセイを書いたことがなかったため、IFYでたくさんエッセイを書くことで良い練習になったと思います。
IFYへの出願
出願タイムライン
2019年(高校三年生)の10~11月 | Pre IFYを受講 |
2019年(高校三年生)の11月 | UCASを通じてイギリスの大学5校に出願 →高校の成績とPre IFYにおけるテストで採点された見込み点をUCASに提出する。 |
2019年(1月〜6月) | 出願した大学からConditional Offer(条件付き合格)が出る。 |
2020年の3月〜2020年の8月 | IFY受講 →大学からのConditional Offerの条件を満たすために頑張る |
2020年の8月 | IFY最終試験。 →試験の成績次第で大学から既に得ていたConditional Offer (条件付き合格)が、Unconditional offer(無条件合格)になる。 |
2020年9月 | 渡英・大学一年生としてマンチェスター大学に入学 |
IFYの出願要件
私が、IFYに出願した当時の英語力はIELTS 6.5でした。
ファウンデーションの授業は全て英語で、ネイティブの先生たちに教わるため、英語力は必須だと思います。
IELTS 5.5相当 IELTS/TOEFLのスコアをお持ちでない方は、入学試験で英語力判定テストを受けていただきます。 英語力が受講条件に満たない場合、英語準備コース「Pre-IFY」を受講していただけます。
IFYで学んで良かった点
良かった点は、先生との距離が近かった点です。距離が近いからこそ、疑問があればすぐにチャットやドロップインセッションなどで、気軽に先生に質問をしたり、フィードバックをお願いすることもできました。
また、私は今まで一度もアカデミックな英語のエッセイを書いたことがなかったため、IFYでたくさんエッセイを書くことで、大学の課題をこなす良い練習になったと思います。
他にも、IFYの授業は平日の朝から夕方まであり、とても忙しかったからこそ、追い込まれて集中することができたと思います。
限られた時間で評価や結果につなげるのは難しかったですが、受験勉強のように、勉強に集中できる環境で、大学進学という目標に向けて努力することができました。
IFYの残念だった点
日本人しかいないため、IFYを通して新しい価値観を広げるということはあまりできませんでした。
また、休み時間などで、日本人同士だと日本語を喋ってしまうため、英語力の劇的な向上は感じられませんでした。やはり、イギリス現地で生活して、英語に揉まれながら生活した方が英語力は上がったと思います。
また、IFYに入れたとしても、自分の行きたい学校に行けないストレスがあるため、最後までずっとドキドキしながら生活をしていました
マンチェスター大学
マンチェスター大学は、イギリスの都市マンチェスターにある国立総合大学である。イギリス最大規模大学の1つで約4万人もの学生が在籍。また国内の中でも国際的な大学として知られており、およそ160の国から10,000人以上の留学生を受け入れている。
25名のノーベル賞受賞者を輩出する全英屈指の名門校として知られ、複数の世界大学ランキングで上位の常連校である。
※参考元:Wikipedia、マンチェスター大学HP
マンチェスター大学を選んだ理由
大前提、IFYから行ける提携大学は既に決まっており、UCLなどのロンドン系の大学は提携していないところが多い点に注意が必要です。
そんな提携大学の中でも私は、マンチェスターに興味が一番ありました。
特に、British Psychology Society(英国心理学会)という英国の心理学者と心理学の代表的な団体に大学が認定されていること、そして優れた大学の集まりであるラッセルグループに登録されていた点が魅力的でした。
マンチェスター大学の良かった点
マンチェスター大学は、一年生の時からキャリアについてすごく考えさせられる大学でした。
具体的には、アカデミックアドバイザーと、1タームで2-3回ぐらい面談をする中で成績を見てもらい、進路について話すのですが、かなり良いアドバイスをもらえました。
例えば、最初に「Clinical Psychologist」になりたいとアドバイザーに話をしたら「それは素敵だけど、競争率が高い進路でもあるから、他のオプションも合わせて考えた方が良いよ」と言われました。
最初は、他の進路を考えるということがあまりピンときていませんでしたが、結局一年生の終わりに精神科のデイケアでボランティアした際に「clinical psychologist」ではない道を目指したいと思うようになりました。
大学生活での学びや、ボランティア、インターン、様々な人との関りを通して、自分の興味関心や、なりたい将来像が変わっていくのはとても自然なことだと思います。
教授はきっとそのことを見越しながら、一緒になって視野を広げる手伝いをしてくれました。長年大学で様々な道に進む生徒と関わってきた方が、あくまで私を主体として、自分が将来何をしたいのか考える機会を沢山与えてくださったのはとてもありがたかったです。
視野を広げる大切さや選択肢を多く持つ重要性を、アカデミックアドバイサーとの面談を通して学びました。
他にも、LlinkedinのプロフィールやCVを作成し、成績がつけられる必須モジュールがありました。
「このインターンに申し込むと仮定して、あなたの履歴書と志望動機書を書いてください」という課題があったのですが、キャリアだけでなく、自分の強みなどについても考えるきっかけになりました。
それぞれの課題でフィードバックをもらえたり、サンプルをみることができたのも、就職活動の練習になり、良かったです。
マンチェスター大学での生活
マンチェスター大学での生活は、学年によって忙しさがかなり違いました。
一年生の時は、心理学の基礎となる部分を全部学ぶ必要があったり、エッセイのスタイルに慣れるのが大変でした。現地の子はほとんど高校の時に心理学を学んだことがあったため、遅れをとらないように復習することに集中していました。
特に二年生は一番忙しかったです。対面授業や、実践的な統計や実験の授業がはじまったり、タームごとにテストが6つあったため、かなり集中して勉強する必要がありました。
三年生は、授業が数個と卒業論文に取り掛かっていました。この時になると慣れてきたのもあって、時間に少し余裕ができ、その中で就活をしたり、大学院への出願をしたり、現地でのアルバイトをしたりしていました。
大学卒業後について
マンチェスター大学で全般的に心理学を学び、もう少し深い分野を、実践的に学びたいと思うようになりました。だからこそ、大学院への進学を決めました。
University College Londonの大学院では、Social Cognition(社会的認知)を学んでいます。
UCLへの進学を決めた理由は、UCLが提供する大学院のプログラムに一番惹かれたのと、様々な人や機会に恵まれた大都市で学んでみたかったからです。
実際、多様性が豊かな人々と多くつながることができたり、常に新しい体験ができたりと、ロンドンは私にあっていると感じています。
大学院で3ヶ月程度勉強してみて感じたことは、周りの学生の賢さや勉強へのモチベーションの高さです。
クラスメイトの多くが大学卒業後に働いた後に大学院に通っている人が多いため、視野が広い方が多いうえに、考えの深さにいつも驚かされています。
卒業後様々な分野で活躍するであろう人たちと、意見を交換したり、今学んでいる知識をどのようにいかしていけるのか知れることがとても楽しいです。
大学生活を振り返って
海外の大学に行って良かったと思う瞬間
まず、Critical Thinking (批判的思考)ができるようになりました。
ただ読んで理解するだけではなく、その物事について多角的に考えるクセがついたと同時に、自分自身の言葉で理論的に主張するための思考回路ができてきました。
また、挑戦することが怖くなくなってきたと感じています。元々私は石橋を叩いて叩いて渡るタイプでした。英語も苦手だったし、海外で英語で学ぶことなんて無理だと思っていました。
でも、紆余曲折あった今では、一番難しい、初めの一歩を踏み出すことさえしてしまえば、意外となんとかなると思えるようになりました。
結果的に、過酷な環境でも自分は踏ん張る力があるのだという自信に繋がりましたし、むしろ過酷な環境にいたほうが自分は伸びる!と信じています。
チャンスがあったらそれを逃さないように、その場でyesということを心がけることで、挑戦する姿勢を大切にしています。
最後に受験生に一言
挑戦しているときは、苦しいな、大変だな、と思うことがあるとは思いますが、少し経ってから振り返ってみると、昔の自分には想像もできなかった思いがけないものを手にしている自分に出会えると思います。
あまり気負いすぎずに、自分がやりたいことに向けて踏ん張ってくださいね!応援しています!
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