IELTS学習にあたり「何を使えば効率的に学べるのか」「どの教材が自分に合っているのか」と悩む人も多いのではないだろうか。
数多くの教材や単語帳がある中で、時間を無駄にせず最短でスコアを上げる方法を見つけるのは簡単ではない。
この記事では、IELTS対策に必要な「鉄板教材」や「おすすめ単語帳」を厳選して紹介。
さらに、忙しい大学生や社会人でも活用できる無料リソースや、学習プランの具体例も解説。
本記事を参考にすれば、限られた時間で効率的に対策を進められるようになるだろう。
目次
IELTSについての基本情報
IELTSとは?
IELTS(International English Language Testing System)は、英語圏への留学や進学、ビザ申請などに必要な英語能力を測定する試験だ。
試験内容はリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのセクションに分かれており、それぞれ9点満点でスコアが付与される。
最終的なスコアは4セクションの平均値(バンドスコア)で表される。
セクション | 試験時間 | 内容 |
---|---|---|
リスニング | 約30分 | 会話やモノローグを聞いて問題に答える形式。日常的なテーマから学術的な内容まで幅広く出題される。 |
リーディング | 約60分 | 3つの学術的な文章が出題され、要約や内容一致、不一致を問う設問が中心。試験時間内に多くの情報を処理するスキルが求められる。 |
ライティング | 約60分 | 図表やグラフの分析(Task 1)と、与えられたトピックについて自分の意見を述べるエッセイ作成(Task 2)を行う。 |
スピーキング | 11~14分 | 試験官とのマンツーマン形式で自己紹介やスピーチ、ディスカッションを行う。 |
IELTSは、特にヨーロッパやオーストラリアの大学・大学院進学において広く採用されており、英語力を証明するための国際標準的な試験と言える。
例えば、イギリスの大学院では、IELTSスコア6.5~7.5が求められることが多い。
日本国内でもIELTSを評価する企業や教育機関が増えており、今後その重要性はさらに高まるだろう。
受験料と申し込み方法
IELTSの受験料は、運営団体や試験形式によって異なる。以下に主要な団体と受験料をまとめた。
運営団体 | ペーパー試験 | コンピューター試験 |
---|---|---|
英検協会 | 25,380円 | 25,380円 |
IDP Education | 27,500円 | 27,500円 |
JSAF | 25,380円 | 25,380円 |
バークレーハウス | 25,380円 | 25,380円 |
- ペーパー試験: 紙ベースでの受験形式で、従来型の学習スタイルに合う人に適している。
- コンピューター試験: 結果を早く確認したい人やタイピングが得意な人に向いている。
受験料は決して安くないため、事前にしっかりと準備を行い、一度の受験で目標スコアを達成することが重要である。
申し込み方法については、各団体の公式ウェブサイトから試験日程を確認し、アカウント登録後に申し込みを行う。
スコア結果は、試験後13日以内にウェブ上で確認できる。
コンピューター試験の場合、1~5営業日程度で結果を確認できるのが特徴である。
IELTSスコアアップのための必須教材と参考書
IELTS公式教材
IELTSブリティッシュカウンシル公認問題集
ブリティッシュカウンシルが出版する公式問題集は、日本語での解説がついており、IELTS初心者に最適だ。
- 内容:
本番形式の問題が収録され、日本語での詳細な解説が付属。
- 特徴:
初心者にとってわかりやすく、解き方や対策方法を学びやすい。日本語でのサポートが充実しているため、初めてのIELTS受験者でも安心して取り組める。
ケンブリッジ出版公式問題集(Cambridge IELTS Official Series)
ケンブリッジ出版の公式問題集は、過去問が中心となっており、中上級者向けの対策に適している。
- 内容:
実際の試験に近い形式の問題が4回分収録されている。
- 特徴:
本番と同じ難易度の問題を解くことで、スコアアップに直結する練習が可能。試験傾向を把握し、時間配分の練習をするために最適。
IELTSスコアアップに役立つ単語学習アプリと単語帳
IELTSで高スコアを目指すには、語彙力が鍵を握る。
リーディングやライティングだけでなく、リスニングやスピーキングでも、幅広い単語の理解と適切な使い方が求められるためだ。
しかし、多くの受験者が「単語が覚えられない」「勉強が続かない」といった壁に直面する。
このセクションでは、単語学習を効率的かつ継続的に行うためのツールとして、アプリと単語帳を紹介する。
単語学習アプリ
TANZAM
- 内容:
忘却曲線を活用した復習システム、音声機能、イラスト付きのクイズ形式で、単語学習を効率化するアプリ。
- 特徴:
IELTSに特化した単語リストが用意されており、試験頻出語彙の学習ができる。
隙間時間を活用した学習が可能で、楽しく続けやすいデザイン。
- 活用法:
通勤時間に1日20単語を目標に設定し、1週間で140語の新規単語学習を維持
苦手単語にフラグを立てて、復習を重点的に行う
視聴モードで、リスニング強化と復習
おすすめ単語帳
IELTS対策をより深めるためには、アプリだけでなく単語帳を併用すると効果的だ。
特に、IELTS専用の教材を中心に学ぶのが基本だが、すでにTOEFL向けの単語帳を所有している場合はそれを活用するのも良い方法である。
IELTS必須英単語4400
- 内容:
IELTSで頻出の単語・フレーズを学べる教材。単語は難易度別に分類され、熟語や同意語も豊富に含まれる。
- 特徴:
音声付きで発音練習にも役立つ。
中上級者向けで、スコア6.5以上を狙うための語彙力強化に最適。
- 活用法:
毎日10~20語を学習し、覚えた単語をリスニングやスピーキングで使う練習をする。
試験直前には同意語や熟語を重点的に復習。
Cambridge Vocabulary for IELTS Advanced with Answers
- 内容:
IELTS公式の上級者向け単語帳。ユニットごとにテーマが設定され、単語学習と問題形式の練習が同時にできる。
- 特徴:
IELTSのリスニング、リーディング、ライティングの問題を解きながら、関連する単語を学習可能。
全編英語で構成されているため、現在の英語力に自信がある人向け。
- 活用法:
1ユニットずつ進め、学んだ単語を他のセクション(エッセイやスピーキング)で積極的に活用。
スコア7.0以上を目指す学習者に適した内容。
TOEFLテスト英単語3800
- 内容:
約3800語がRank1~Rank4に分類され、TOEFL受験者向けに設計された教材。
- 特徴:
IELTS専用ではないが、TOEFLの学習経験がある人や既にこの教材を持っている人には十分活用できる内容。
- 活用法:
Rank1・Rank2を短期間で学習し、Rank3を重点的に進めることで、IELTSのスコア6.5以上を目指せる。
単語学習の進め方
- まずはアプリで効率化:TANZAMを使い、スキマ時間を活用しつつ楽しく単語を習得。
- IELTS専用単語帳を活用:IELTS4400をメインに、上級者はCambridge Vocabularyも併用。
- TOEFL3800を補助的に活用:既にTOEFLの学習経験がある場合や3800を持っている場合は、それを活用しつつIELTS対策を進める。
効率的なIELTS学習を助ける無料リソースとツール
IELTSでの高スコア獲得には、各スキルに特化したツールやリソースを活用することが重要だ。
ここでは公式・非公式の教材に加え、隙間時間でも使いやすい無料リソースを厳選して紹介する。
IELTS対策全般
IELTSの過去問は、ブリティッシュカウンシルやIELTS.orgにより、サンプル例題が無料で公開されている。
その他、過去問の問題演習が行えるサイトの多数存在する。
PCで演習することにはなるが、PCで解くことに慣れれば、紙で読む試験はかなり簡単に感じるはずだ。
さらに、リスニングの音源の再生や、採点も自動で行ってくれるため、時間の節約にもなる。
ぜひレベルチェックや学習で活用してみよう。
リーディング(Reading)
リーディング力を鍛えるには、読解の習慣化が不可欠である。
- Kindle
Kindleは、興味のある洋書を手軽に読めるツールで、辞書機能が内蔵されているため、わからない単語を即座に調べられるのが特徴だ。
まずは日本語で読んだことがある本や簡単な内容のものを選び、徐々に難易度を上げていくと負担が少ない。
Kindleを多読に活用することで、読解力を飛躍的に伸ばすことができる。
ライティング(Writing)
ライティングでは、構文や文法、語彙の正確性が問われるため、効果的なツールの活用がおすすめだ。
推奨ツールとリソース
Grammarly
Grammarlyは、文法や語彙のチェックを自動で行ってくれるツールで、特にライティングの練習時に有用だ。
自分の書いたエッセイをチェックし、文法の誤りや適切な表現への修正案を提示してくれるため、繰り返し使うことでスキルアップが期待できる。
Task 1やTask 2の練習時に併用すれば、自分のミスの傾向の把握に役立つだろう。
IELTS公式ライティング教材
IELTSのライティングセクションでは、課題に応じた論理的な構成と明確な意見表現が求められる。
公式教材には、模範解答や構成のヒントが豊富に掲載されており、初心者から中上級者まで幅広いレベルで活用できる。
特にTask 2では、序論・本論・結論の書き方を学ぶことができる。
- The Official Cambridge Guide to IELTS
- 初心者から上級者まで対応。
- Task 1(図表記述)とTask 2(エッセイ)の模範解答やスコアアップのコツを学べる。
- Cambridge IELTSシリーズ(例: Cambridge IELTS 18)
- 過去問が収録されており、実際の試験形式に慣れるための必須教材。
- Taskごとの模範解答と解説付き。
リスニング(Listening)
リスニングは多様なアクセントやスピードに慣れることがスコアUPへの近道だ。
BBC Learning English
BBC Learning Englishは、リスニング力を鍛えるのに適した短い音声教材が揃っている。
特に初心者向けの6 Minute Englishや、イディオムを学べるThe English We Speakなど、多様なコースが無料で利用できるのが魅力だ。
通勤や移動中の隙間時間を活用して学習するのに最適である。
TED Talks
リスニング力を強化するには、実際の英語のスピードやアクセントに慣れることが重要だ。
TED Talksは、様々なトピックを扱ったプレゼンテーションを提供しており、興味を持ちながら自然な英語を聞く練習ができる。
字幕機能を活用すれば、聞き取れなかった部分を確認しながら学習を進められるため、初心者から上級者まで幅広く利用できる。
スピーキング(Speaking)
DMM英会話
スピーキング力を高めるには、実践的な会話練習が欠かせない。
DMM英会話では、リーズナブルな価格でネイティブスピーカーや経験豊富な講師とマンツーマンレッスンが受けられる。
特にIELTSスピーキングのパートを意識した練習ができる点で、多くの受験者に支持されている。
IELTS Liz
IELTS対策の総合サイト。問題の解き方やTipsがまとめられている。
実際のテストのアドバイス、問題形式の解説や設問のタイプ分け、戦略、練習問題、ビデオ授業などリソースも豊富。
試験でよく出題されるトピックや質問例を網羅しており、本番での自信を高めるために役立つ。
The English We Speak
BBC Learning EnglishのThe English We Speakでは、日常会話で使われるイディオムや表現を短いエピソードで学べる。
スピーキングセクションで自然な英語を話すためのフレーズを増やすのに最適だ。
IELTS7.0を目指す1年間の効率的学習プラン
IELTSの目標スコアを達成するためには、適切な教材選び以上に日々の学習習慣が重要である。
以下に、平日と休日の現実的な学習プラン例を提示する。
忙しい社会人や学生が無理なく続けられるよう、隙間時間の活用や趣味を兼ねたアプローチを取り入れた。
平日プラン例:1日3〜4時間
朝(出勤前: 25分)
オンライン英会話(DMM英会話など)
ネイティブスピーカーとの会話練習を行い、スピーキングセクション対策と日常会話のスキルを向上。
通勤時間(往復: 1〜1.5時間)
- TANZAMで単語学習(30分)
通勤時に単語10〜20個を覚え、反復学習で語彙を定着。隙間時間を効率的に活用。
- リスニング練習(30〜60分)
TED TalksやBBC Learning English の音声を聴き、英文への反応力を鍛える。
昼休み(30分)
- 公式問題集のリーディングセクション(1パッセージ)
時間配分を意識して短時間で問題を解き、精度を高める。
夜(1時間)
- ライティング練習
Task 1またはTask 2を1題ずつ解き、模範解答と比較して改善点を洗い出す。
- 寝る前(30分)
Kindleで洋書を読む。興味のあるジャンルや、興味のあるジャンルや内容を知っている本から始めて、読解力と語彙力を向上。
休日プラン例:1日8時間
午前(4時間)
- 過去問演習(3時間)
ケンブリッジ出版の過去問を本番形式で解き、試験形式に慣れる。
- 間違えた問題の復習(1時間)
間違えた箇所を分析し、類似問題を解いて理解を深める。
午後(3時間)
- オンライン英会話(1時間)
試験形式を意識したスピーキング練習を行い、時間内での回答精度を向上。
- リスニング精聴(1時間)
IELTS公式音源を使い、聞き取れない部分をスクリプトで確認しながら反復練習。
- 単語復習(1時間)
TANZAMや単語帳を用いて、前週に学んだ単語を復習し記憶を定着。
夜(1時間)
- ライティング模試(Task 1 & Task 2)
時間を計測しながら模試を行い、本番さながらの環境で練習。
継続のポイント
このプランを1年間継続すれば、年間で約1,000時間以上の学習時間を確保できる。
平日は隙間時間を積み重ねて負担を分散し、休日は集中的に学習することで効率的にスコアアップを目指そう。
特に夜の洋書多読は楽しみながら英語力を高める方法として有効だ。
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セクション別IELTS勉強法
リスニング
リーディング
ライティング
- IELTSライティング対策 スコアアップに必要な3要素/勉強法
- IELTSライティング徹底対策|7.0を獲得する勉強法とコツ
- IELTSライティング7.5獲得!タスク2を読み解くコツ【テンプレ&高得点表現】
スピーキング
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- IELTSスピーキング徹底対策|7.5の私が勉強法とコツを伝授
高校生・大学生に
よくある質問集
- IELTSのスコアってどう決まるの?留学には何点必要?
アイエルツはご存知の通り、各セクション9.0点満点の試験で、4セクションのスコア平均が全体のバンドスコアになる。
交換留学や大学留学では、バンドスコア6.0~6.5程度、大学院やMBA留学では6.5~7.5程度が一般的に求められる。
IELTSのスコアについては IELTSバンドスコア徹底解説 〜英語力レベルと留学への道〜で詳しく解説をしているので一読してみよう。
- TOEICとIELTSはどっちが就職に有利?
日本ではTOEICの認知度がとても高いので、結論から言うと、日本での就職にはTOEICのスコアが響きやすい。
例えば、IELTS7.0とTOEIC900点であれば、TOEIC900点のほうが就活にずっと有利に働く。
ただ、海外就職や留学を考えると、TOEICのスコアはほとんど考慮されない。留学や留学後海外で就職を考えていれば、TOEICよりもIELTSやTOEFLのスコアが重要になる。
- IELTSの結果はいつ出るの?
試験受験後13日後にマイページでスコアを見ることができる。
IELTSのコンピューター受験した場合、受験後1-5日で結果を知ることができる。
- IELTSとTOEFL、TOEICの難易度の違いは?
難易度の違いを一概に言うことはできないが、TOEICと比べるとIELTSとTOEFLの難易度はかなり高くなる。
また、TOEFLと比較するとIELTSは点数が出やすい傾向にある。
難易度の違い、それぞれの試験の換算など、詳しくは下記の記事も参考にしてほしい。
- IELTS対策におすすめのアプリは?
IELTSにおすすめのアプリは下記の記事で紹介をしている。
IELTS対策に限らず、アプリを活用して様々な音源を聞くことで、効果的にリスニング力アップを測ってほしい。
終わりに
IELTSスコアアップは小さな努力の積み重ねから。
まずは一歩を踏み出して、目標に近づく第一歩を踏みだどう!
こんにちは。いつも試験勉強の参考にさせていただいています。ありがとうございます。
単語帳について質問があります。私はもともとはTOEFLを勉強しており、上でも紹介されている「TOEFLテスト英単語3800」を使ってきました。現在、TOEFLからIELTSへの切り替えを検討しているのですが、ネットで調べてみると、同じ出版社から出ているIELTS専用の「実践IELTS英単語3500」も人気があるようです。
こうしたIELTS専用の単語帳の方が、発音や綴りがイギリス英語に対応していて優れているのかなと思います。他方、実際にはイギリス英語とアメリカ英語の違いは大して重要では無いのであれば、既に使っている「3800」をそのまま使い続けた方がよいのではないか、とも考えています。もしアドバイス等ありましたら、お伺いできれば幸いです。
こんにちは、質問ありがとう。
IELTSでは、アメリカ英語のスペリングでも発音でも減点はないので、単語帳を変える必要はないのではないかな。
単語力に関しては、TOEFL3800のレベル3までを完璧にして、余力があればレベル4まで行うといったやり方で十分IELTSに対応できるはず!
TOEFLからIELTSへの切り替えで重要なのは、IELTSの問題形式に慣れる練習を十分に行うこと。
TOEFLで90前後取れていると、IELTSで7.0は比較的簡単に取れる人が多い印象だね!
にゃんこ先生、早速のアドバイスありがとうございます! 今まで使ってきた単語帳を信じて使い続けようと思います。
私の場合、特に苦手なリスニングが足を引っ張って、TOEFLでは80点代半ばなので、基礎的な聞き取り能力を含めて勉強を続けていく必要があります。リスニングの解説もすごく参考になりました。あまり勉強方法にとらわれず「聞いた英語の意味を理解する」ことを重視していきたいと思います。