留学・就労などの際に英語力の実力を証明するIELTSですが、その中で日本人受験者が難しいと感じるセクションがスピーキングセクションです。
「スピーキングで高スコアをとるにはどうすればいいの?」
「スピーキングって単語・フレーズが大事だけどどう勉強すれば良いの?」
と悩んでいる人は多いですよね!
今回はIELTSスピーキングに単語・フレーズが必要不可欠な理由や、効果のある勉強法などを紹介します。
ぜひ、最後までチェックしていってください!
この記事の著者:Yuta
4年生大学にて英語学(統語論・音韻論)専攻。大学卒業後はフィリピンに留学し大学で1年間自己の英語力を伸ばす。TOEIC公開テストL&Rでは945点、IELTS(Academic)では8.0点 C1 Levelを獲得済み。現在は私立教員とWebライターとして活動している。
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目次
IELTSスピーキングに単語・フレーズが必要な理由
IELTSには(書く・読む・聞く・話す)でそれぞれスコア(バンドスコア)が測定され、その4つの平均点が出されます(=オーバーオールスコア)。
各セクションで日本人が苦手としているのがスピーキングパートです。実際、に2019年の日本人IELTSスピーキングテストの平均データは「5.8」になります。
スピーキングが苦手な理由の一つに「単語・フレーズがすぐでてこない!」があげられます。
IELTSスピーキングで高スコアをとるには、単語・フレーズが必要な理由があるんです。まずはその理由を紹介します。
流暢さ
IELTSスピーキングでは、流暢に話すことが大切なのをご存じですか?
それはスピーキングテストの評価基準にそう書いてあるからなんです。スピーキングの評価基準は以下の4つです。
- 流暢さと一貫性(Fluency and coherence)
- 言葉に詰まることなく回答できているか・適切な接続詞を用いて回答できているか
- 語彙力(Lexical resource)
- トピックに応じた様々な語彙を柔軟かつ適切に使用しているか
- 文法(Grammatical range and accuracy)
- 様々な構文を自然かつ適切に使用しているか
- 発音(Pronuunciation)
- 正しい発音を生成できているか・聞き取りやすくわかりやすい発音か
その中でも1.流暢さと一貫性のポイントは簡単に言うと
- 言葉が詰まったはいないか
- 話は流暢に続いているかが
つまり、「言いたい言葉・単語・フレーズが口から出てこなければ流暢さに欠ける」ということになります。
なので、極論発話が止まらずにずっとしゃべることができれば良いわけです。言いたい言葉を瞬時に英単語に変換できたり、フレーズが使えないと、減点されてしまいます。
語彙力
スピーキングにおいて、語彙力の高さが高スコアに影響するのはなんとなくわかるかと思います。
評価基準にも語彙力の項目があり、まとめると以下の通りです。
- 正確な意味を表現するために幅の広い語彙を知っているか
- 熟語・表現を柔軟に使用することができる
- 様々なテーマに応じて適する語彙を使用できる
様々なテーマに応じて適する語彙を使用できる
これは、具体的に言うとスピーキングテストのパート別に関係してきます。
スピーキングは全部で3パートあり、構成は以下の通りです。
- パート1・・・家族・仕事・趣味・勉強=日常生活などの一般的な会話
- パート2・・・自身に関すること・友だちに関すること・自分の周りに関することなどのトピックについてのスピーチ
- パート3・・・パート2に関連した抽象的な質問にディスカッションをする
パート1~3になるごとに、日常・カジュアルな話から、抽象的・社会的なフォーマルなトピックに変わっていきます。
高スコアを獲得するには以上のような場面によって、ふさわしい語彙を使用した方が良いということになります。
IELTSスピーキングに必要な単語・フレーズ
では、さっそく具体的にスピーキングに必要な単語・フレーズは何かを紹介していきます。
この単語・フレーズを覚えろ!は存在しない!?
題名を見て「??」が頭に浮かんだ方も多いでしょう。結論を言うと題名の通り「この単語・フレーズを覚えろ!は存在しません。」
例えば、「今から紹介するこの単語だけを覚えればスピーキングテストでも高得点をとれる!」というのは不可能ということです。
なぜなら、パートごとのトピックはおおよその範囲はわかるもののもちろん多種多様なわけですから。
なので「これさえ覚えればOK!」ではないということを頭に入れておきましょう。
「それでは何をどう勉強すればいいの?」という方に向けて次に大事な”目安”をご紹介します。
英検準1級レベルで英会話は問題なくできる
IELTSスピーキングの単語・フレーズを覚える目安はどこなのかを紹介します。私が思う目安は「英検準1級レベル」の語彙力です。
なぜ、英検準1級を選んだかというと
- 日本人は比較的英検になじみがあるから
- 英検準1級レベルはネイティブと会話をしたり、多少難しいトピックで議論を交わすこともできる
の一番理想の語彙力レベルだからです。
私の経験ではネイティブと話すうえで英検準1級の語彙力を持っていれば会話に困ることはほぼありません。
むしろカジュアルな会話では英検準1級よりも2級・準2級レベルでも問題ないかもしれません。
大事なことは、「この単語を覚える!」ではなく、英検準1級レベルの単語力がないとスコアは上がらないということをおさえましょう。
おすすめの単語帳はコレ!
それでは英検準1級のどの単語帳を使えば良いかを紹介します。おすすめの教材は「でる順パス単熟語」がオススメです。
でる順パス単熟語は、名前の通り英検準1級のテストで出やすい単語ごとに並んでいるので、ついでに英検の勉強もできてしまいます。
なぜ数ある単語帳の中で、でる順パス単熟語がおすすめなのかは次で具体的に紹介しています。
簡単に言うと「シンプルで使いやすい・例文が載っている・熟語のページも豊富・音声が無料で聞ける」が理由です。
単語・フレーズの練習方法
では、先ほどご紹介したでる順パス単熟語や、もし自分の気に入っている単語帳がある場合は、そちらを使ってどのように練習した方がよいかを紹介します。
単語は必ず例文の中で覚える
覚えたい単語・フレーズは必ず例文の中で覚えましょう。
典型的なダメなパターンが「単語レベルで覚えるパターン」です。
例えば、単語と意味を交互に確認しながら覚えるやり方です。
「英単語⇔日本語」を紙に何回も書いて覚えるパターンや単語帳をペラペラ見て覚える方法は筆記試験のレーディングには強くなりますが、スピーキングには適していません。
また、英語を用いてコミュニケーションをはかるという目的には遠回りです。
私はこのやり方ではなく次のやり方で学習していました。
「単語を学習するのではなく、その単語が入った例文を覚える。」
単語は必ず文の中で覚えましょう。
例えば、adjustという単語を
[adjust→~を調整する]と一つ覚えに暗記するのではなく- I adjust the volume on the computer.
このように文の中で学習してください。
なぜかというと、スピーキングというのは普段から使っているものが自然と口からでるからです。
文レベルの長い文章の中で単語を覚えると実際のスピーキングの際に自然と口から出てきやすいです。
もし、[adjust]だけを覚えていた場合、その次は何だっけ?と頭の中で考える必要が出てきます。その悩む時間は、スピーキングの中では流暢さが欠けることに繋がります。
単語帳には単語・訳・例文という風に例文がのっているものがほとんどで、「文章の中で覚える英単語」をコンセプトとしている教材もあるぐらいです。
時間がかかり遠回りしているように見えますが、記憶の定着は圧倒的に文で覚えた方がいいので実践してみましょう。
文章とで覚える英単語帳アプリにTANZAMというものがあります。TANZAMでは例文音声付きで単語を習得できます。
また、単語の意味を表すイラストも表示してくれるので記憶に残りやすいです。ぜひ使ってみてください。
>>【無料】英単語アプリ『TANZAM』イメージで覚える最先端の暗記法
単語帳は短い時間で何周もする
単語を覚えるのが苦手な人が多いですよね。私もその一人でした。「昨日覚えた単語が2、3日後には忘れてしまった」なんて経験ありませんか?
ですが、今から紹介する「単語帳は短い時間で何周もする」を実践してから語彙の定着率がグンッと上がりました。
短い時間で何周もするとは結論を言うと「質より数」ということです。
例えば、今日は1~100までの単語を覚えたい場合、1~100を1周だとして時間の限り何周もするということです。
具体的に私が実践していたのは、1の単語の例文を3回読んだら、2の単語の例文を3回読む、3例文を、4の例文を…と100まで行います。ただそれだけです。
しかし、おそらくそれだけでは「英→日」、「日→英」の意味を覚えた状態にはほとんどならないでしょう。ですが、それでかまいません。
100まで終わったらもう一周しましょう。そして終わったらもう一周しましょう。
これを繰り返す感じです。
そうするとなんとなく5周くらいしてくると覚えた語句が増えてくると思います。
また、重要なのは次の日に勉強をするときも、1~100を何周かしてください。理想は毎日同じ単語を見ることです。
ですが覚える単語はまだまだあると思うので、1~100をしたら101~200を追加するなどして量を調節しましょう。
結論、大事なことは「質より数」ということです。
人間は頻繁に見聞きしたものを「重要度が高くこれは覚えておくべきものだ」と頭の中で認識します。
逆にめったに見聞きしないもの・間隔をあけた物は「重要度が低く覚えていなくてもよい」と認識します。
中学生が授業の初めにHow are you? に対してI’m good.と即答できるのは、そのやり取りを毎授業行っているからなんです。
フレーズが簡単だからではなく、何回も聞いて・見ているから自然に覚えた証拠です。無数にある単語・フレーズも同じです。質より数を意識して何周もしましょう。
見る・聞く・話す・書くで単語を習得する
最後は覚え方の紹介です。単語は「見る・聞く・話す・書く」で習得しましょう。
単語を書いて覚える派、見て覚える派、それとも声に出して覚える派。と様々な学習法があると思います。
どれも間違いではないですが、脳のメカニズム的に「五感のうちの多くを使った方が記憶力の定着が早い・記憶が残りやすい。」というのは多くの実験で言われていることです。
なので、自分がおすすめする学習方法は「見る・聞く・話す・書く」をすべて行うことです。
- 「見る」は例文を目で見て覚える
- 「聞く」は単語の音声がどの単語帳にもあるので、実際に聞きながら覚える。
(自分は大学や仕事の通勤時に音声を聴きながら単語帳を見て勉強をしていました。)
- 「話す」は例文を口に出して読んだり、ターゲットとなる単語を使って自分で文を作って発話することも行いました。
- 「書く」は例文を書いたり、時には自分でオリジナルの文章を作っていました。
(留学時に先生に教えてもらった勉強法で、その日学んだ新出単語、例えば単語10個を使って、文章を作ってみるというものがありました。)
以上のように言語を学ぶには4つの方法をなるべく多く使いながら脳に刺激をあたえ学習する方がいいです。
ぜひ、皆さんも脳みそをフルに使って学習してみましょう。
時間稼ぎのフレーズで差を付ける
「この単語・フレーズだけ覚えろ!」は存在しないと説明しました。
しかしながら、IELTSスピーキング試験の際には「実際に役立つフレーズ」は存在します。これはちょっとしたテクニックなので覚えておくと便利なフレーズです。
試験時に役立つのはどれも「時間稼ぎ」ができるフレーズです。
スピーキング試験には流暢さが肝心です。言いたい言葉が出なかったり、考えをまとめているときに無言になってしまうこともあります。
しかし、それではスコアは低くなっていくでしょう。それを回避するための無言を作らない時間稼ぎフレーズの紹介です。
また、情報を付け足すフレーズや質問の聞き返しフレーズを紹介します。
沈黙回避のフレーズ集
- Well…/ Hmm…
→「うーん」「えーっと」「そうだなー」の意味。
- Oh
→「ええと…」
- Hmm, how can I say it…?/ How should I say it?
→「どんな感じだっけな…」「なんて言えばいいんだろうな…」
最初の考えから具体的に考えを述べたいときや、説明を考えるときに便利です。
Ex) I believe that being friendly with friends is important. Hmm, how can I say it…, yeah this is an extrovert personality.
- Let me see/ Let’s see…
→「ええとね…」
- Just a moment,
→「ちょっと待ってくださいね」
- I mean…
→「つまりね…」
情報を付け足すフレーズ集
- ○○, which is to say that…
→「○○というのはね…と言えますよ」
- in addition (to)
→「加えて」
- furthermore…
→「さらに」
質問の意味を聞き返すフレーズ集
- What do you mean exactly?
- Could you explain what ~ means, please?
- What does ~ mean?
- What do you mean by ~?
→「それは(具体的に)どういう意味でしょうか?」
- Could you repeat the question, please?
- I’m sorry, could you say that again, please?
- I’m sorry, I couldn’t catch it. Can you say it again, please?
→「もう一度言っていただけませんか?」
まとめ
どうでしたか?IELTSスピーキングにはフレーズ・単語の学習が必須なことがわかったと思います。
また、単語の勉強法についても具体的に紹介しました。
IELTSスピーキングの勉強法についてはIELTSスピーキング対策・3つのコツでも詳しく解説していますのでご覧ください。
この記事はインターンのKazuによって編集されました。