IELTSの学習を進める中で、正解数がスコアにどのように影響するのか疑問に感じたことはないだろうか。
例えば、「リーディングで30問正解の場合、スコアはどの程度になるのか」「リスニングで何問までミスが許容されるのか」といった具体的な目安を知ることは、効率的な学習計画を立てるうえで重要である。
この記事では、IELTSリーディング・リスニングの正解数とスコアの関係について詳しく解説する。
目次
IELTSスコアの仕組みを理解する
目標スコアを獲得するためには、まずIELTSのスコア計算の仕組みを理解することが重要だ。
スコア計算の基礎を知ることで、各セクションでの戦略を立てやすくなる。
スコア計算の基礎知識
IELTSのスコアは小数点第一位まで表示され、0.5刻みで算出される。スコアの計算には以下のステップが用いられる:
①各セクションの評価:リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングそれぞれのスコアが0.0~9.0で採点。
②平均点の計算:4セクションのスコアを合計し、4で割った値がオーバーオールスコアとなる。
- 例:リスニング7.5、リーディング7.0、ライティング6.5、スピーキング7.0の場合:
- (7.5+7.0+6.5+7.0)÷4=7.0(7.5 + 7.0 + 6.5 + 7.0) ÷ 4 = 7.0
③小数点以下の丸め:平均点がX.25またはX.75の場合は、それぞれ0.5刻みに切り上げられる。
- 例:7.25 → 7.5、6.75 → 7.0
スコア換算が重要な理由
スコア換算の仕組みを理解することは、目標スコアを効率的に達成するために不可欠だ。
具体的なミス許容範囲の把握
スコア換算表を活用することで、目標スコアに対して何問までミスが許容されるのかが明確になる。
- リーディングで7.5を目指す場合:40問中6問程度のミスが許容される。
- リスニングで8.0を目指す場合:40問中4問以内のミスが目安となる。
このように目標スコアに対するミスの許容範囲を知ることで、試験中のペース配分や戦略が立てやすくなる。
IELTSリーディングのスコア換算表と学習のポイント
スコア換算表の具体例
IELTSリーディングのミスの個数とスコアの関係は以下の通り。
問題の難易度によってスコアは多少は前後するが、大きく変わることはない。
正答数 | バンドスコア | ミスの数 |
---|---|---|
39–40 | 9.0 | 0–1問 |
37–38 | 8.5 | 2–3問 |
35–36 | 8.0 | 4–5問 |
33–34 | 7.5 | 6–7問 |
30–32 | 7.0 | 8–10問 |
27–29 | 6.5 | 11–13問 |
23–26 | 6.0 | 14–17問 |
19–22 | 5.5 | 18–21問 |
15–18 | 5.0 | 22–25問 |
13–14 | 4.5 | 26–27問 |
10–12 | 4.0 | 28–30問 |
学習のポイントと目標設定
8.0以上を目指す場合
最大5問のミスまでが許容範囲となる。
このため、各パッセージごとに1~2問のミスを目標に設定し、精度の高い回答を意識する必要がある。
全体スコアで7.0以上を取りたい場合、リーディングは確実に8.0以上を取りたいところである。
6.5を目指す場合
最大14問までのミスが許容される。
このスコアを目指す場合、得意な設問形式で得点を稼ぎつつ、苦手な形式では基本的なスキルを磨くことが求められる。
IELTSリスニングのスコア換算表と学習のポイント
スコア換算表の具体例
IELTSリスニングの正答数とバンドスコアの対応は以下の通りである。問題の難易度によって若干の変動があるが、大きな影響はない。
正答数 | バンドスコア | ミスの数 |
---|---|---|
39–40 | 9.0 | 0–1問 |
37–38 | 8.5 | 2–3問 |
35–36 | 8.0 | 4–5問 |
32–34 | 7.5 | 6–8問 |
30–31 | 7.0 | 9–10問 |
26–29 | 6.5 | 11–14問 |
23–25 | 6.0 | 15–17問 |
18–22 | 5.5 | 18–22問 |
16–17 | 5.0 | 23–24問 |
13–15 | 4.5 | 25–27問 |
10–12 | 4.0 | 28–30問 |
学習のポイントと目標設定
リスニングは合計4パートあり、難易度は1から4に向けて難しくなる傾向がある。
全体スコア7.0以上を取りたい場合、リスニングはコンスタントに7.0以上がほしい。
8.0以上を目指す場合
バンドスコア8.0を目標とする場合、最大でも5問のミスに抑える必要がある。
取りこぼしができないため、各セクションで1~2問のミスを目安に特に難易度の低いセクションで満点近く取れるように集中力を維持することが重要となる。
7.0を目指す場合
バンドスコア7.0の場合、最大で10問程度のミスが許容される。
言い換えると、本試験の4パート中、1パートあたりのミスを2-3問に抑える必要がある。
Part 1やPart 2は比較的簡単な問題が多いため、ここで高得点を狙いつつ、模試の結果を振り返り、どの種類の設問でミスが多いかを特定して対策を練っていこう。
6.0を目指す場合
バンドスコア6.0の場合、最大で17問までのミスが許容される。1パートあたりのミスは4問程度だ。
間違いやすい特に数字や日付、地名などの聞き取りを重点的に練習し、ケアレスミスを減らそう。
公式問題集や模試を繰り返し解くことで、問題形式への適応力を高めるも重要だ。
リーディング・リスニングの目標スコア
セクション別のスコア目標を明確にしよう
IELTSは各セクションの平均を計算し、スコアの切り上げ処理が適用されることがあるため、若干考え方が煩雑にはなる。
- 平均が X.25 または X.75 の場合、次の0.5単位に切り上げ。
- 平均が正確に X.0 または X.5 の場合、そのスコアが採用
それぞれのセクションでどのようなスコアを取ると目標スコアが達成できるか、シミュレーションしてみよう。
リーディングとリスニングで高得点を目指すことで、スピーキングやライティングの弱点を補うことが可能となる。
バンドスコア6.5目標の例
パターン | Reading | Listening | Speaking | Writing | Average | Band Score |
---|---|---|---|---|---|---|
パターン1 | 6.5 | 6.5 | 6.0 | 6.5 | 6.375 | 6.5 |
パターン2 | 7.0 | 6.5 | 6.0 | 6.0 | 6.375 | 6.5 |
パターン3 | 7.0 | 6.0 | 6.5 | 6.5 | 6.500 | 6.5 |
パターン4 | 6.5 | 6.0 | 6.5 | 6.5 | 6.375 | 6.5 |
バンドスコア7.0目標の例
パターン | Reading | Listening | Speaking | Writing | Average | Band Score |
---|---|---|---|---|---|---|
パターン1 | 7.0 | 7.0 | 6.5 | 6.5 | 6.750 | 7.0 |
パターン2 | 7.5 | 6.5 | 7.0 | 6.5 | 6.875 | 7.0 |
パターン3 | 8.0 | 7.5 | 6.0 | 6.0 | 6.875 | 7.0 |
パターン4 | 8.0 | 7.0 | 6.5 | 6.0 | 6.875 | 7.0 |
バンドスコア8.0目標の例
パターン | Reading | Listening | Speaking | Writing | Average | Band Score |
---|---|---|---|---|---|---|
パターン1 | 8.0 | 8.0 | 7.5 | 7.5 | 7.750 | 8.0 |
パターン2 | 8.5 | 7.5 | 8.0 | 7.5 | 7.875 | 8.0 |
パターン3 | 9.0 | 8.5 | 7.0 | 7.0 | 7.875 | 8.0 |
パターン4 | 8.5 | 9.0 | 7.5 | 7.0 | 7.875 | 8.0 |
リーディングとリスニングの得点目標を活用する学習法
繰り返しになるが、目標スコアに応じたミスの許容範囲を把握し、それを基に学習計画を立てることが重要だ。
例えば、リーディングで7.5を目指す場合は6〜7問のミス、リスニングで8.0を目指す場合は3〜4問のミスを目安とする。
模試を通じて自分の得点とミスの傾向を確認し、弱点を特定することで、効率的に学習を進めることができる。
リーディングではキーワード検索力や特定の設問形式への対応力を鍛えることがポイントとなる。
一方、リスニングではシャドーイングやメモ取り練習を通じて、多様なアクセントや音声速度に対応できる力を強化する。
また、ミスの傾向を分析し、次回以降に同じミスをしないための改善を行うことも重要だ。
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