日程:2024年10月26日(土) 14:00〜17:30(入退場自由)
場所:シェラトン都ホテル東京
参加校(一部):Imperial College London, New York University, Johns Hopkins University, NUS, University of Leeds
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著者について:コロンビアコーヒー
初めまして。現在イギリス、ロンドンに在住中のコロンビアコーヒーです。日本の大学&大学院理学部を卒業後、博士課程に進めるべくオックスフォード大学に入学し、その後卒業。現地就職をしイギリスと日本で職務経験を積みました。 本当にやりたかった仕事をするために必要な学位を取得するため、2018年秋から再度イギリスの大学院に通う予定です。 その時の勉強方法、体験談、イギリスの大学院等について紹介できればと思います。
目次
海外大学院の出願におけるエッセイの目的
何を目的にしているのか?
海外の大学院を受けるにあたり必要となるエッセイ。
筆者が受けたイギリスの大学院ではエッセイはStatement of Purposeと呼ばれていた。その名の通り、何故その大学に入りたいのかを記述するエッセイである。このエッセイにつき、筆者は存在は知っていたが書き方は全くさっぱり解らなかった。
恐らくどうしたら良いかよく分からなかったのは日本でそのような教育を受けなかったからであろう。
日本の受験は基本各教科の試験で、エッセイを書いて合否が決まったようなことは過去なかった。かつ海外流のエッセイの流儀と日本とは異なる。
従ってまず、大切なのはエッセイの意義をよく理解することかと思う。
エッセイは自分のアピール場
エッセイが唯一、受験者が自分で自分のことを最大にアピール出来るものである。
成績証明書は自分を数字化したもの、CVは自分の過去を箇条書きにしたもの。エッセイのみが自分の言葉で自分のことを語れるものである。
成績が特に良くない受験者でも選考委員の記憶に残りやすいエッセイを書けば合格への近道となる。
まずはエッセイに書かなければならない内容を理解する
受験校のHPをきちんと読む
エッセイを書き出す前に、しっかりと受験校のHPに載っているエッセイの説明について読んで欲しい。
博士課程だと研究計画を書かなければならないと思いがちだが、大学によっては研究計画を書かなくても良い。
HPには「何故この大学を選んだか記述せよ」と書かれていたり「何故このプログラムを選んだか記述せよ」と書かれたり、色々と大学によって異なる。
もし記載されていなかったり、今一書けば良い内容が不透明な場合は、大学のプログラムダイレクターにメールをして、どのようなことを記載すれば相談することも有りだと思う。
まずは大学側がエッセイにどのようなことを求めているか、確認することが大切である。
エッセイには自分のことを盛り込め
次にエッセイに書く内容だが、個人的に7割自分のこと、3割入りたい大学のことを書けば良いと思う。
何故かというと、恐らくほとんどの人が入りたい大学のことを語れば同じようなことを書くからだ。
大体決まって、この大学に入りたい理由は、国際的である、有名な教授陣、恵まれた学習環境、最先端の研究・・・・そんなものだろう。
それよりも自分のこと、自分という人間がどのような経験を積み、なぜこの大学院に行くことを決めたか、なぜこの大学院に行くことが自分の将来に役立つか、自分が将来いかに世界に貢献したいか、そのようなことを書くことに力を入れたほうが良い。
エッセイを実際に書き出す前に、大学院に行こうと思ったきっかけとなった過去の経験を書き出し、大学院でやりたいことや、将来やりたいことを箇条書きにし、エッセイに書きたい自分のトピックを2-3項目ほど選出すると、エッセイが書きやすくなると思う。
過去のエッセイに沢山目を通す
さて、実際のエッセイだがやはり前例を見なければどのようなことを書けば良いのか解らない。
従って筆者はまず本を買い、過去に海外大学院を受けて合格した人たちのエッセイを読んでみた。参考にした本は「留学入試エッセー 理系」
数々の例が載っていたので沢山それらのエッセイを読み、参考にし、エッセイの流れがどのようなものなのかを把握した。
エッセイの書き方
1段落目:偉大な将来の夢を見せつけよう
1段落目に書くこと、それこそエッセイの一番初めの文は筆者は将来の夢を書いた。
特に筆者が大学院を受けたとき、1回目はバイオサイエンス系、2回目は公衆衛生だったので、両方とも将来は自分の研究を通して全人類を助ける、といわんばかりの感動的な文からエッセイを始めた。
恐らく日本人としては小恥ずかしい感覚だが海外ではそれくらいダイナミックな夢を堂々とエッセイに書いたほうが良いらしい。
そしてその夢を叶えるために大学院で特に学びたいこと、特に頑張りたいこと、受ける大学院がいかに自分の夢の実現のために有益な所かを書く。
2段落目:自分が今まで何を勉強したか、自己紹介
2段落目は自分が今まで何を学び何を学習したか書く。いわばエッセイの中では自己紹介的な段落である。
先方はアカデミアなのでたとえ社会経験が長く、大学や大学院の記憶があまりない人でも2段落目は自分の大学で学んだことを書いたほうが良い。
内容は当然だが大学院と学びたい内容に関係しているほうが良い。例えば、海外大学院で理系の勉強をしたい人は、大学生で実施した卒業実験の内容に特化して書く。
筆者の場合は今まで大学院で研究したことを2,3行書いた。研究内容と成果をシンプルに、かつインパクトがあるように書く。
出願時にCVも出すのでここでは研究内容についてあまり多くのことを書く必要はない。あくまで自分が大学で勉強して獲得したことや研究した成果を書くこと。
3段落目:問題定義とその解決のための大学院
3段落目は自分の経験を書く。
この経験は出来れば社会経験が良いと思うが、社会経験がない人は上記の内容をより詳しく書くか、自分が工夫したことなどを書けば良いと思う。
筆者の場合は、博士課程を受けたときは、サマースクールで得た知識や経験について記載した。社会人を経験してから修士課程を受けたときは仕事で経験した内容を書いた。個人的に思うのはこの3段落目が一番大切だと思う。
3段落目は仕事をしていて、気がついた問題を提議し、その問題を解決するためには留学したい大学院に行き、知識をつけ、自分がスペシャリストになることで将来その問題を解決したい、というような流れの内容を書く。
この際、自分が気がついた問題というのは、精密であるほうが良い。
例えば高齢化問題だとしよう。高齢化問題の中の何が問題なのか、高齢者の寝たきり問題による免疫低下問題、老老介護問題、高齢者の犯罪率の増加と高齢者の心理背景、などピンポイントで自分が問題だと思うトピックを提議しよう。そのほうが奥深いし、読み手も読んでいて面白く感じるはずである。
4段落目:何故その大学院?固有名詞で埋め尽くせ
最後の4段落目は何故、その大学院でなければならないのか、を書く段落である。
この段落で手っ取り早いのは特に興味のある先生の名前とその研究内容について書くことである。博士課程留学希望者であれば、所属希望先の教授や他の研究者の名前と研究内容を書くところである。
修士希望者でも、興味のある研究をしている教授や研究者の名前を書くべきである。また、特に自分が興味を持っている授業の名前を書き、どのような知識を得たいか書く。
これらの作業は結構長時間かけて希望大学のHPを読みあさり、各教授の研究内容を読んだり、シラバスを丁寧に読み、担当教官が書いた論文などを読まなければ出来ない作業である。
上記内容を書くと、確実に受験者が熱心に大学を研究したことが分かるし、受験者がその大学に所属している教授のファンであることがわかる。
この大学でなければどうしても駄目なんだ、ということをヒシヒシと伝わらせることが大切である。それ以外は4段落目は参加してみたいセミナーの名前を書いたりした。4段落目はいかに固有名詞を使うかである。
希望大学が世界的に有名な所だから入学したいです、と書くよりも、この教授のこの研究が本当に面白くて自分の身になる内容です、だから入学したいです、と書くほうが良い。
最後の確認。ネイティブチェックにも気をつけて。
そして最後にネイティブチェックをすること。
気をつけて欲しいのは、エッセイのネイティブチェックはネイティブであれば誰でも良いというわけではないということ。出来れば修士課程や博士課程まで行った人にチェックしてもらうこと。
文法の確認だけではなく、言い回し表現やアカデミアで好んで使われる表現もあるからである。やはり多くの論文を書いたことのあるネイティブは非常に質の高いチェックをしてくれる。
もし高学歴のネイティブが周りにいない場合は、高学歴のコンサルタントが所属している留学斡旋機関でチェックをしてもらうのが良いかもしれない。出来れば2,3人にしてもらう方が良い。
恐らく全員統一した修正はしないし全員学歴も経験も様々であるからである。入念にチェックをしてほしい。
コツを抑えれば楽しく書けるはず
壁が高そうなエッセイだが、自分が何をしたいか、今までどのような勉強を積み、どのようなきっかけで大学院で勉強しようと思ったのか、特に気になる教授の名前と研究内容、を把握できれば意外にスラスラとかけるはずである。
とにかく書いてみて何度も修正すると形になってくるはずである。
出願内容で唯一、自分を全面に押し出して夢を語ることができるがエッセイである。むしろ逆に楽しんで書いて欲しいと思う。