日程:2024年10月26日(土) 14:00〜17:30(入退場自由)
場所:シェラトン都ホテル東京
参加校(一部):Imperial College London, New York University, Johns Hopkins University, NUS, University of Leeds
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この記事では、海外の大学の受験に必要な「Personal Statement」という書類の書き方について紹介する。
Personal statementとは、簡単に言えば、自分の経験や興味、これから勉強、研究したいことについて大学側に伝えるための書類である。この書類を通して、いかに自分がその学校や学部に相応しい受験生かをアピールするのである。
海外の大学や大学院へ留学を考えている人は、この書類の作成を一番難しいと感じているかもしれない。
この書類が受験の合否を左右する大事なポイントとなってくる上に、自分のこれからやりたいことを整理することにもつながるので、ぜひこの記事を参考にして取り組んで欲しいと思う。
私は、日本の大学で社会学を勉強したので、社会学のMAをイギリスで取るためのPersonal statementを作成した。
それぞれ応募するレベル(degree, MA, MSc, PhD, MBなど)、教科、応募する学校によって書き方は異なる。
この記事では、広く浅く情報をカバーするというよりは、イギリスのSocial scienceの学部に応募した自分がどのようにPersonal statementを書いたかを紹介したい。
高校までは英語に全く興味がなかったが、6週間の短期留学をきっかけに、英語の勉強や海外で暮らすことに興味を持つ。IELTSの点数を2年で6.0から7.5に上げることを達成。イギリスでの交換留学および大学院留学を経て、現在海外クライアントを多く持つマーケティング関係会社に勤務。
目次
Personal statementの構成
セクション1:今までの経験を紹介
はじめに書くことは、「自分の今までの経験について」である。
ここでは、志願している学部やコースの勉強に関連した自分の経験について紹介する。相手が一番はじめに読むところなので、自分がどのような人なのかの自己紹介といった位置付けである。
セクション2:Why this school?
色々な大学や学部がある中、なぜ特別そこで学んでいきたいのか、これからどんなコースを取っていきたいのかなどを説明する。
マスターの場合は、自分の卒業論文について具体的に決まってはいなくても、どのような内容を書くつもりかを示さなければならない。
このセクションが、大学が合否を決定する上で一番大切なので、何度も読み返してしっかりした骨組みを作っていくことが大切である。
セクション3:将来の展望
将来的に、その学部で学んだことを活かしてどのような道に進んでいきたいのか 、具体的にどのような道に進み、どのように社会に貢献して行くかなどを書いていく。
最後を締めくくる、まとめのようなセクションである。特に、博士課程に行きたいと考えている人はその旨についてここで示そう。
ご覧のように、大体のPersonal statementの構成の仕方は時系列である。もちろんルールはないので他の構成にしても構わないが、この構成にしたがって書いていくとストーリーがうまく収まるためオススメする。
ここからは、それぞれのセクションを書く過程や気をつけることなどを紹介して行きたい。
各セクションの具体的内容と書き方
セクション1:経験を箇条書きに
まずは、自分がなぜその学校や学部に応募し、学びたいと思っているのか原点に帰ってみよう。
直接応募の理由に関わっていなくても、今まで自分が経験してきて印象に残っていること、自分の考え方を変えるきっかけになったことなどをとりあえず書き出してみることをオススメする。
例えば、私は文化研究のMAに応募したので、自分が文化に興味を持ったきっかけやルーツを辿り、自分の経験を書き出した。
この箇条書きにするプロセスの中で、自分の趣味として行っていたバックパッキングを通し、他の文化から人との交流の楽しさや難しさを経験したことが、自分が文化研究に興味を持つきっかけとなったことに気がついた。
このように、読む相手が、あなたという人に興味を持てるようなエピソードをはじめに盛り込むと、ストーリーがスムーズになって良いだろう。
また、そのような書き出しの後、自分が今までどのような勉強をしてきて、どのようなトピックに興味があるか書くと良い。
例えば、学部生の時にどのようなトピックに興味を持ったか、どのような点が興味深くて、どのような点の勉強が足りなかったと思ったかなどを書く。
特に、学部で深掘りできなかったトピックや、取り入れてみたい新しい視点など、これから応募するコースの話をする上で、次に繋がるようなことについて書こう。
さらに、学部生の時に取った賞や、テストの順位などで使えるものがありそうだったら+になるので考えてみよう。
学部での成績や、研究で何か誇れるものがあるなら、それについて書けそうなネタを探しておくと良いだろう。
具体的な数字や賞の名前があるとなお良いので、相手が知らない賞だとしても、名前を入れると説得力が上がる。
セクション2-1:学校・学部の研究
前述したように、なぜその大学に入りたいのかを具体的に語るこのセクションが、Personal Statementの中で一番重要だと言っても過言ではないだろう。
その学校になぜ自分がふさわしいかを語るためには、相手について深く理解することが必要である。
学部やコースのウェブサイトから、コースの説明、リーディングリストやモジュール名を見ることができるので、何度も読んで、まずはその学部がどのような人材を求めているのか、マスターを通してどんなことが最終的に学べるのかを入念に研究してみよう。
取ってみたい授業や、具体的な教授の名前があれば、それをエッセイの中に入れるのも良いだろう。
なぜ他の大学の同じような学部ではなく、そのコースに行きたいのかを相手にわかってもらう必要があるため、そのコース特有の特徴や他の学校との違いも把握できるようにしよう。
最終的にどの学校に行くかを選択する上でも、この過程は重要になってくるため、時間をかけてしっかりと考える必要がある。
私は、すべてシラバスを印刷して、何度もハイライトを引いて読み込んだ。
相手の使っている言い回しや単語を使うと、しっかりその学部について理解する感じがするのでオススメである。もちろん、コピペは剽窃になるので自分の言葉で表現しよう。
セクション2-2:卒論のトピックを検討
マスターに応募するためのPersonal statementには、卒業論文にどのようなことを書くのかを書かなければならない。
もちろんここで書いていることは、これから先大学院で学んで行く上で変わって行く可能性があることは、大学側もわかっている。
重要なことは、その学部と自分のやりたいことがどれだけ合っているのかということが相手に伝わることである。
まずは、自分がなぜこのマスターに応募したいと思ったのか、どんなことを勉強したいのかを、今一度考えてみよう。
その後、関連する文献や資料を読んでみて、どのような方向性でとりあえずは卒業論文を書きたいのか考えてみよう。もちろん具体的な題名や調査方法については書かなくて大丈夫である。
ただザックリとしたトピックがどのような方向性なのか、またその方向性が学部とあっているのかをはっきりと記す必要がある。
その際に、具体的に参考にする学者や文献があるならば、その具体的な名前やその人がどのようなことを論じているのかも書くと、より相手が理解しやすいだろう。
セクション3:将来何をやりたいか?
このセクションは、正直言うと博士課程に行きたいと考えていて、自分のビジョンがはっきりしている人以外にとってはオマケのようなセクションであると、私は個人的に思う。
ただ、大学としては、これから社会に貢献したり、博士号を取ったりするような人材が欲しいので、その点について踏まえて、自分のこれからの可能性を考えてみよう。
私は、博士号を取りたいとPersonal Statementには書いたが、結局は現在企業に務めている。
もちろんこのセクションには正解不正解はないので、自分が将来やりたいこと、大学院で学んだことを将来どう活かしていきたいのかを考えて自由に書くことをオススメする。
特に決まってない場合は博士号を検討するような趣旨を書いてみてもいいかもしれない。
まとめ
- 構成は過去、現在、近い将来、遠い将来の形で書くと流れが見えやすく、伝わりやすい
- コースがどのような授業を提供しているのか、どのような教授がいるのか、なぜそのコースを取ることが自分にとって大切なのかをしっかりと研究しよう
- 最初から最後までPersonal statementを読んで見て、話に筋が通っているのかを確認しよう。ストーリーテリングが重要である。