海外留学や海外MBAを目指すうえで重要なのは学校選び。
しかし、海外の学校を選ぶうえで、一つ大変なのは情報集めである。日本語の情報も少なく、イベントや学校説明会も気づいたら終わっていることも多い。
これは、そんな学校を選ぶ上で役に立つであろう情報、サイトを、学校ごとにまとめていくシリーズ第7弾。今日は、香港のHKUST MBA(香港科技大商学院)。
WEBページを行ったり来たりする手間や、有用な情報を探す手間が省け、本来やらなければならないことに時間が使えるようになれば幸いだ。
また、ここのページに漏れており、役に立つ情報があれば、ドシドシコメント欄に共有してほしい。
目次
HKUST MBA(香港科技大学)の概要
HKUST-香港科技大学の基本情報
基本情報
正式名称:The Hong Kong University of Science and Technology(香港科技大学)
公式HP:https://mba.hkust.edu.hk/
所在地:Clear Water Bay, Kowloon Hong Kong
大学院生数:1,373名
提供プログラム:Full Time MBA, Executive MBA, Part-time MBA, Digital MBA for Global Leaders
特徴
香港科技大学は1991年に設立された香港の西貢に本部を置く公立大学で、英語名(the Hong Kong University of Science and Technology)の頭文字をとったHKUSTという略称で親しまれている。
Times Higher Education世界大学ランキング2019ではアジア3位 (日本では8位の東京大学が最高)、QS世界大学ランキング2021では世界27位にランク付けられるなど、1991年の創立以来急成長を遂げている国際的に著名な世界トップクラスの研究大学である。
学費とクラスプロファイル
学費
- プログラム期間:16ヶ月(12カ月への変更も可)
- 学費(2023年):HKD 600,000
クラスプロファイル
- 学生数(Full-time MBA):54名
- 女性比率:43%
- 留学生比率:91%
- 年齢層:25 – 34歳
- 勤続年数レンジ:3 – 10年
就職状況・平均給料
- 平均給与:$116,302
- 平均サインアップボーナス:$19,610
- 卒業後の就職先:金融(39%)、コンサル(18%)、ヘルスケア(9%)など
*出典:HKUST Class Profile、2023年9月時点
HKUSTのMBAランキング
#2 Bloomberg Asia-Pacific B-Schools Ranking
#29 World University Rankings 2023 by subjects: business and economics
MBAカリキュラム
HKUST MBAプログラムでは、卒業に必要な単位の4分の1を必修科目から、残りは生徒一人ひとりのキャリアに合った選択科目から取得する。
必修科目(Core Courses)
必須科目では、将来のビジネスリーダーに求められる基礎スキルを学びつつ、さまざまなビジネス領域の専門知識を習得するための土台を固める。
- IT and Technology Management
- 実用的なテクノロジーやシステムデザイン・マネジメント、テクノロジー上の意思決定などテクノロジー全般の戦略的役割について学ぶ
- Marketing Strategy & Policy
- 価格設定や流通、プロモーション、製品の決定などのマーケティング戦略を網羅的に学習する
- Strategic Management
- 経営戦略論の概要や競合分析、戦略的評価などを学びつつ、企業戦略の開発及び実行に必要なスキルを習得する
- Corporate Finance
- 債券・株式・負債の管理方法やキャッシュフロー評価、資本予算編成、資本コストの推定について理解を深める
- Financial Accounting
- 会計の基礎や財務諸表の作成及び分析方法など企業運営に必要な財務会計の基礎スキルを習得する
- Operations Management
- オペレーション戦略やプロセス分析、在庫・品質管理方法について学習する
- Managerial Microeconomics
- 需要予測やコスト分析、価格決定などのミクロ経済学をケーススタディなどを通じて実用的な知識として理解する
- Responsible Leadership and Ethics
- リーダーシップスキルや倫理的な判断を下すために必要な意思決定ノウハウを学ぶ
- Preparing to Lead
- チームビルディングや実践的なケースワークを通じて、マネジメントに必要なコミュニケーションスキルを鍛える
選択科目(Electives)
選択科目では、生徒一人ひとりの専門領域の知識を深めるために幅広いコースが提供されている。
年度によってコース内容が変更される可能性があるので、詳細は公式HPから確認しよう。
- ベンチャーキャピタルとプライベートエクイティ
- 暗号試算やブロックチェーンのビジネスへの応用
- グローバルマクロ経済学
- 経営コミュニケーション
- コーポレートM&A
- 投資分析
- Pythonを用いたディープラーニングのビジネス活用
- 行動経済学
- 経営コンサルティング
- テクノロジー起業家精神論
- 人工知能を用いたビジネス変革
- ポートフォリオ管理のためのESG投資とグリーンファイナンス戦略
- 効果的な交渉術
- デジタル及びソーシャルメディア戦略 など
HKUST MBA(香港科技大学)に留学する理由
高いランキングと比較的低い入学難易度
香港科技大学のMBAのランキングは継続的にグローバルで20位程度を維持しており、アジアを代表するプログラムとしての地位を確立している。
その高いランキングに対し、入学の難易度はイギリスやアメリカのランキング上位のMBAと比較して入りやすい。IELTS6.5~、GMAT600前後でも十分に合格の可能性があるのがHKUSTだ。
アメリカの中堅校に出願する場合、TOEFL100~、GMATも600後半がないと厳しいことが多く、特に純ジャパはスコアメイクに時間がかかり過ぎて挫折をする可能性もある。
IELTS6.5であれば、ある程度の努力で誰でも取れるスコアのため、その高いランキングを考えるとコスパの良い学校だと言えるだろう。
アジア・中華圏でのキャリア構築
MBA卒業後、香港や中華圏、アジアでのキャリアを構築することを考えているのであれば、HKUSTは力強い候補の一つだろう。
タックスヘイブンでもある香港は世界から金が集まる金融セクター(世界第3位)であり、外資系企業が中国への投資を行う場合、香港を通じて行いことが多いため、香港には多くの外資系企業が拠点を持っている。
中華圏の学校には珍しく、International Studentの割合も9割近く、アメリカやヨーロッパから学びにくる人もいる。
卒業生の多くはアジアで働いており、香港以外にバンコクやシンガポールで職を得た日本人の話も聞く。
交換留学を含む、グローバルな学習環境の提供
HKUSTの交換留学プログラムは、シカゴ大学やノースウェスタン大学、ロンドン大学、清華大学など世界各国の有名大学と提携していて、グローバルかつ一流の学習環境で経営・マネジメントスキルを習得することができる。
また、MBAプログラムで必要な単位を取得した優秀生は、グローバルな視点を強化するためにイェール大学が提供するMaster of Advanced Management (MAM) プログラムへ申請できる。
申請が通った場合、KHUSTの MBA 学位を取得する前にイェール大学のMAM プログラムを履修することになる。
イェール大学で取得した単位はHKUST MBA プログラムの単位としてカウントが可能だ。
HKUST MBAの偏差値は?出願の難易度や入学条件
海外の大学には、偏差値とという概念がないため、出願の難易度は出願の要件から判断することになる。
MBAの難易度と出願要件
HKUST MBAへの出願で必要なものは以下の通り。これはほとんどのMBA留学準備では同様となる。
このように、海外のMBA進学の難易度は、英語力や学力の証明など各種スコアの準備やエッセイ、インタビューなどの準備がハードルとなってくる。
参考:HKUST MBA Step By Step Application Guide、2023年9月時点
HKUST MBAの入学要件には2年以上の勤務経験が明記されているため、学生や入社1~2年目の社会人は注意が必要だ。
- 平均GPAレンジ: –
- GMAT平均スコア:650
- GRE平均スコア: –
- 最低語学要件:TOEFL iBT 80、IELTS Overall score 6.5 and All sub-score 5.5
出願準備はTOEFL/IELTS対策から
留学経験や海外経験がない人にとって一番大切なのは、いつ留学したいかを明確に決めて、早めに英語試験の対策を始めることだろう。
帰国子女が数ヶ月で終わらせてしまうような対策に、海外経験のない日本人は2-3年かかってしまうことも多い。
英語試験はやり方を間違えなければ必ず成果を出せるもの。このサイトでは、MBA留学準備に必要な情報を網羅的に提供しているため、リンク先から学習方法などを参考に対策を始めてほしい。
出願の流れ
出願の流れは、英語試験等をクリアし関連書類の準備→出願→エッセイ・面接→合否、となる。
出願締切日は例年4回に分かれており、今年のスケジュールは以下の通り。
- 1st round: October 11, 2023
- 2nd round: December 13, 2023
- 3rd round: February 28, 2024
- 4th round: May 8, 2024
スケジュールは毎年変わるため、入学方法の詳細は公式HPから確認しておこう。
エッセイ対策
HKUST MBAでは 2 段階の応募プロセスが採用。
まずはレジュメやGMAT/GRE スコアなどの資料一式を提出した後、次のステップに進んだ応募者のみエッセイへの回答が求められる。
今回は、2022-23年のMBAプログラム応募で出題されたエッセイ質問を見ていこう。
まず1つ目の質問では、50字という限られた文字数でキャリア目標を伝える。
HKUSTのMBAプログラムが自身の目標をどのように実現してくれるかを簡潔に記載しよう。中期目標と長期目標の関連性と実現性が高い点を言及できると尚良い。
Tell us your mid-term and long term post-MBA career goals. (max. 50 words)
2つ目の質問では、HKUSTのMBAプログラムがキャリア目標達成にどのように役立つかについて、具体的な説明が求められる。
具体性を持たせるには、自分の関心のある講義やクラブ活動を総括的に説明するだけでは不十分だ。HKUSTの提供プログラムと自身のキャリアとの関係性を掘り下げて明示してほしい。
HKUSTをより理解するために、入学イベントに参加したり、公式HPやYoutubeチャンネルから最新情報を収集しよう。
Discuss how to achieve them through HKUST MBA. (max. 200 words)
3つ目の質問では、あなたがHKUSTに対してどのように貢献できるかを問われる。
対象は通常の講義や留学制度など学業面に限定する必要はなく、社交イベントやクラブ活動などより広い視点から、KHUSTのMBAプログラムに貢献できる領域を探すことをおすすめする。
その上で、150字という限られた文字数で簡潔に自身のスキルや個性を明示しつつ、貢献内容とその理由を具体的に述べよう。
How do you plan to enrich our MBA community during and after the MBA program? (max. 150 words)
出典:mbaMission:HKUST Essay Tips and Examples
面接形式・質問集
面接担当:1回目は在校生又は卒業生、2回目は入学事務局の担当者
面接時間:1・2回目とも30分程度
面接方法:1・2回目とも原則オンライン(Skype又はZoom)
備 考 :1・2回目とも基本的に会話形式で面接が行われ、HKUSTを志望する理由や今後のキャリアだけでなく、コミュニケーションスタイルにも焦点が当てられている。
- Tell me something about yourself?
- Walk me through your resume?
- Why MBA? Why HKUST school?
- Why MBA now or Why MBA at this stage of your career?
- What are your short & long-term goals?
- What is your Plan B if consulting/Investment banking does not happen?
- What are your key strengths? Can you give some examples please?
- What is your biggest weakness? Can you give some examples please?
- How can you add value to the Class?
- Why should we take you?
- One reason that we should not select you?
- Interests and Hobbies – Be prepared!.. questions as basic as “Why do you do poetry (or any other activity” may be asked.
- Some Situational & Behavioral Question
- What would you describe are your greatest achievement to date?
- Give me an example of a time you faced a conflict while working on a team. How did you handle that?
- Give me an example of a time when you did not meet a client’s expectations. What happened, and how did you attempt to rectify the situation?
- Case questions are fairly common in MBA interviews especially for consulting aspirants. Below are a few samples to practice for:
- How many Golf balls can fit in a Boeing 747?
- What’s the global market size for smartphones?
- Do you have any Questions for us?
もっと情報収集したい方へ。HKUST MBA日本人向けの情報
日本人向けサイト
日本人留学ブログ一覧
- 香港MBA留学記 (Class of 2017)
- 起業×海外MBA×会計士のブログ(Class of 2017)
- 思案投首、香港MBA生活(Class of 2016)
- 香港MBAと英語(Class of 2015)
- アジアの若きエリート達との日々-My Days at HKUST (Class of 2013)
- 元香港MBA生の社畜が香港外でグローバル化を考える(Class of 2012)
- 東涌日報-香港科技大学(HKUST)PT MBAの日々も- (Class of 2012)
- アジア戦記 – HKUST MBA留学生の日記 (Class of 2012)
- 徒然なるエッセイ (Class of 2009)
- アジアMBA学生のブログ(Class of 2006)
大学院、MBAイベント情報
https://mba.hkust.edu.hk/events
HKUST Full-time MBA Student Sharing – Mariya Kaneda (Japan)
終わりに
今回はHKUST MBAについて網羅的な解説をした。
情報は毎年変わるため、必ず最新の情報をHPで確認しよう。
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- シンガポール:
- 香港&中国:
香港では一食200-500円程度で日本人の口にあうご飯が楽しめる。
→香港在住者ですが、そんなに安くありません。
定食屋で1000円前後〜、弁当でも5-600円です。
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