TOEFL102・GRE320。純ドメから夢の海外留学を達成。現在はNYUで数理ファイナンスを勉強中。
目次
「Sentence Equivalence」対策のポイント
- Text completionと同様、文脈に沿った単語を選ぶ問題。
- 一番語彙力が求められるセクション。
- 選択肢の単語は難解な場合が多いが、類語となる選択肢から意味を推測できる場合もある。
GRE Sentence Equivalence対策は語彙力が重要
Sentence Equivalence はText completion に非常によく似ていますが、1つの大きな違いは、選択肢が6つあり、空白にあう意味が似ている2つの選択肢を選ぶ点です。これら2つの選択肢は文章中の同じ空白を埋めるので、同義語・類義語ということになります。
そして、Text Completion と同じく、Sentence Equivalenceでも、接続詞などのトリガーワードとポイントとなるキーワードを見つけることが重要となります。
ここでも重要となってくるのが、選択肢を隠して文章だけを読み、自分なりに空白に当てはまる単語を考える子ことです。
Text Completionについての記事で説明したように、文を理解する前に選択肢を読んでしまうと、いかにも当てはまりそうな(不正解の)単語が頭に残ってしまい、正解から遠のいてしまいます。
ですので、自分で単語を考えるという原則は守ったうえで問題演習をしてください。それでは例題を見てみましょう。
例題1
The council’s unreasonable ratiocination that the parade was anti-Semitic, is too _____________ to be recognized as acceptable, without additional probe.
- dogmatic
- cursory
- cautious
- prudent
- perfunctory
- imperious
空白は、評議会の「unreasonable ratiocination」に対する批判について述べています。これだけですとどのような批判的な単語も当てはまってしまうので、別のキーワードも探します。
そうすると、パレードを反ユダヤ的(anti-Semitic)と見なしていることと、また文の最後に追加の検証なしには(without additional probe)という単語が見つかります。
まとめると、評議会は「パレードが反ユダヤ的」であるという結論に「追加の検証なしに」至ったと分かります。ですので、空白に当てはまるのは「追加の検証なしに」という意味の単語に近い、と考えられます。
例えば、結論を急いでしまったという「carelessly」と「hastily」などの単語が思い浮かべば良いでしょう。
さて、ここまで考えてから選択肢を確認していきます。
- dogmatic:教義的というのは結論を急ぐことと関係ありません。正解候補から外します。
- cursory:表面的というのは結論を急ぐことと関係ありますね。正解候補に入れておきます。
- cautious:用心深いというのは、結論を急ぐこととどちらかというと逆ですね。正解候補から外します。
- prudent:慎重にはというのは、結論を急ぐこととどちらかというと逆ですね。正解候補から外します。
- perfunctory:表面的というのは結論を急ぐことと関係ありますね。正解候補に入れておきます。
- imperious:傲慢なというのは結論を急ぐことと関係ありません。正解候補から外します。
選択肢の中で、cursoryとperfunctoryが空欄に当てはまることが分かります。これらが正解の単語です。
ここで、不正解の選択肢となったcautiousとprudentは正解と逆の意味を持つ単語の組み合わせ、またdogmaticとimperiousは正解の選択肢と関係ない(ただし一見空白に当てはまりそうに見える)単語の組み合わせであることに注目しましょう。
Sentence Equivalenceでは、このような選択肢が①正解の選択肢2つ(類義語)②不正解の選択肢2つ(類義語、正解の選択肢の反義語)③不正解の選択肢2つ(類義語、正解とは関係ない意味の単語)となっている場合が非常に多いです。
正解の選択肢を選ぶには
Sentence Equivalence はText completionの文章と比べるとどちらかというと複雑であるため、空白に当てはまる単語を推測するのが難しい場合があります。そのような問題に取り組むための戦略は何でしょうか?
6つの選択肢があり、2つの正解は類似語である必要があるので、一見類似語を選択肢の中から探せばよいように思えます。
しかし、この戦略は先ほど見たように、選択肢の中に複数の類義語のペアが存在するため役に立ちません。さらに重要なことに、ETSのオフィシャルサイトで以下のようなアナウンスがされています(以下引用)。
Do not simply look among the answer choices for two words that mean the same thing. This can be misleading for two reasons. First, the answer choices may contain pairs of words that mean the same thing but do not fit coherently into the sentence. Second, the pair of words that do constitute the correct answer may not mean exactly the same thing, since all that matters is that the resultant sentences mean the same thing.
選択肢の中から単純に2つの類義語のペアを探さないでください、とETS自身が明確に述べているので、そうするのはやめましょう。
また、”the pair of words that do constitute the correct answer may not mean exactly the same thing” ということではありますが、実際のGREでは、先ほどの例のように、2つの正しい答えが同義語にかなり近いということがほとんどです。
では問題になれるために、もうひとつ例題を見てみましょう(少し難しいかもしれません)。
例題2
In an attempt to avoid a lengthy prison sentence, the convicted businesswoman signed a document elucidating several millions of dollars in fines and another legal memo in which she formally ________ her role as the founder of the company.
- castigated
- repudiate
- relinquished
- abrogated
- rescinded
- admonished
それでは、文章の中で手がかりを探しましょう。空白は、創設者としての役割(as the founder of the company)についての説明です。創設者は何百万もの罰金を支払い、法律文書に署名したことが分かります。それらにより、彼女は長い懲役を避けることができます。
「創設者」という言葉は、彼女が会社を設立したことを示していますが、刑務所を避けるために肩書きを「放しても構わない」と思っていることが推測できます。ですので、repudiateとrelinquishedが空欄に当てはまります。
Abrogatedとrescindedはどちらも何かをキャンセルすることを意味するため、ここには当てはまりません。Castigatedとadmonishedは(一見当てはまりそうですが)文脈にそぐわないので不正解となります。結局のところ、この例題も答えの選択肢には3つの類義語(に近い)ペアがあります。
ポジティブ/ネガティブな単語
Sentence Equivalenceの問題を解くのに役立つ他のいくつかの戦略は、ポジティブ/ネガティブな意味合いを使用することです。つまり、選択肢を肯定的な単語と否定的な単語と分けることです。
この戦略を使用するには、単語の辞書の定義までは知る必要はありませんが、その単語が肯定的か否定的かは少なくとも識別する必要があります。この戦略をどのように使用できるかを示す例題を次に示します。
例題3
In spite of the persuasive flattery from the quite deceptive conman, the intended buyer remained __________ about the value of the alleged rare piece of jewelry, as it did not appear to be as historically important as told.
- optimistic
- assured
- skeptical
- assertive
- incredulous
- gullible
この文のトリガーワードはin spite ofで、「詐欺的な犯罪者(deceptive conman)」というキーワードとは反対の意味を持つ単語が必要であることを示しています。
それで、たとえその詐欺師が買い手を説得しようとしたとしても、買い手は説得されなかった、という文脈が推測できますから、ここでは否定的な単語が空欄に当てはまると考えられます。
選択肢を見ていくと、Assuredとassertiveは両方肯定的な言葉ですから削除することができます。
また、optimisticとgullibleも肯定的(詐欺師に騙されたような意味を示唆する)な言葉であり、削除できます。ですので、skepticalとincredulousが正しい答えとしてマークできます。
この戦略により、空欄に当てはまる単語が思い浮かばなくても、少なくとも空欄がポジティブかネガティブか識別することによって正しい答えを思いつくことができました。
選択肢のパターン
これまで見てきたように、選択肢は類義語の3つのペアからなることが多いのですが、それ以外のパターンであることもあります。
パターンを知っているからと言って正答率が上がるわけではないのですが、どうしても迷ったときは以下のパターンのどれに当てはまるか考えるのも手です。
類義語2つのペア
これまで見てきたパターンです。つまり、選択肢には2対の類義語と他の2つの回答と無関係な単語が含まれています。以下が一例です。
- cynical
- timorous
- skeptical
- assertive
- incredulous
- pessimistic
Cynicalとpessimisticがペアです。Incredulousとskepticalもペアです。Timorousと assertiveが無関係の単語です。この例では、単語の意味が分かればTimorousと assertiveは正解から排除できます。
類義語が3つありそうに見える場合
場合によっては、答えの選択肢の中に類義語に近いと思われる3つの単語がある可能性があります。その場合、そのうち2つだけが本当に類義語であり、他の単語が密接に関連している単語です。例を見てみましょう。
例えば、repugnance, deprecation, abhorrenceという単語が選択肢に並んでいた場合、類義語のペアはrepugnanceとabhorrenceです。どちらも極度の憎しみを意味する一方で、deprecationは軽度の憎しみを意味するからです。
つまりこの場合、文脈を推測して「憎しみ」という意味の単語が入ると推測した後、この3つの選択肢から正しい2つを選ぶ単語力が必要になります。
なお、3つの単語が同義語であることはおそらくあり得ない(試験で私は見たことがありません)でしょうが、2つの類義語が正解になるので、その場合は3つの単語はすべて間違いとなります。
もうひとつ例を見ておきましょう。
- indefatigable
- assiduous
- scrupulous
- sedulous
- dormant
- painstaking
Scrupulousとpainstakingはペアです。そして、Indefatigable, assiduous, sedulousはすべて類義語のように見えますが、そうではありません。
assiduous, sedulousは忍耐力をもって熱心に働くことを意味し、Indefatigableは疲れを知らずに根気よく働くことを意味します。忍耐力をもって熱心に働いている人は疲れている場合があります。
したがって、この場合は、assiduous, sedulousが本当のペアとなります。このように、Sentence Equivalenceは純粋に単語力が求められます。
類義語のペアが1つしかない場合
今まで試験でみたことはないのですが、1組の類義語しかない選択肢もあるということです。これが一例です。
- specious
- veracious
- ingenuous
- voracious
- subversive
- spurious
Speciousとspuriousはペアで、他の4つの単語は無関係の単語です。空白やキーワードやトリガーワードなど考えず、実際、文章も読む必要はなく(単語の意味が分かれば)正解できてしまうため、あまり出題されないのだと考えられます。
ここまでで3つのパターンを見てきました。いずれにせよ、そもそも単語が分からず同義語の組を見つけることができないということであれば、時間を無駄にせず、割り切って推測して先に進みましょう。
単語の意味から類推する場合
最後に、おすすめしないのですが、選択肢から正解を推測する方法について触れておきます。
本番では文章の意味がとらえきれない場合や時間が足りない場合がどうしてもあります。そのような場合に正答率を上げるため、単語の意味を類推して回答にたどり着く方法を解説します。
以下の選択肢を見てください。
- an ephemeral
- a momentous
- a transient
- an expeditious
- an inscrutable
- a meteoric
1. ephemeralと3. transientは「一瞬だけ続く」という意味、4. expeditiousと6. meteoricは「著しく速い」という意味、そして2. momentousと5. Inscrutableはそれぞれ重大な、また不可解なといった意味ですが、これらは類義語ではありません。
いずれも易しい単語ではないのですが、例えばこれらの単語の意味が分かれば、文章の空欄に当てはまるペアはは「一瞬だけ続くもの」または「著しく速いもの」のどちらかだと分かります。
以下が実際の文です。
Brushing aside the age-long history of the agile Russian military establishment, self-proclaimed war historians pontificate that America’s recent infusions of army and arsenal would lead to _________ victory.
- an ephemeral
- a momentous
- a transient
- an expeditious
- an inscrutable
- a meteoric
「迅速かつ即時」を意味する「agile」という言葉に注目してください。文の最初の部分はロシア軍が迅速な勝利で知られていることを伝えています。
そして、文の後半でアメリカの最近の軍事注入も「agile」な勝利を導いたということが言いたいのだと推測できます。したがって、解答はexpeditiousとmeteoricとなります。
この戦略はすべての単語の意味を知っている特定のケースでは非常に便利です。しかし、そのようなことはまれで、また繰り返し述べているとおり、選択肢から読んでしまうとそれらしい不正解の単語を選ぶ可能性が上がります。バックアップ戦略として覚えておいてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
初めまして。サイト、とても参考にさせていただいております。2つ質問です。
GMATのリーディングで、無駄なところは読まない。という提案がございました。
具体的にはbecauseのあとや、関係代名詞の節の中を飛ばしてもいいとありましたが、目からウロコでした。
ああした読み方はGREでも有効でしょうか。今回のページを見ていてGMATとは違う印象を抱いたので、
質問でした。
もう1点は、メモの使い方です。
ロングパッセージを15分ほどかけると、8割程度とれるのですが、7分程度に縮めると4〜5割に落ち込みます。
ここから時間を縮めるためにも、メモを有効活用したいなと考えております。しかしながら、メモをとりながらスキムして読んでも案外問題には使えないメモばっかり書いている気がしており、どんなメモを取っていくと、問題と本文との
往復が減るかを知りたく存じます。
長いコメントで恐縮ですが、もしもお答えいただけたら嬉しいです。
tesさん、質問ありがとう。
長文の読み方はGREのRCでも通用できるし、穴埋めやSEの問題で全体像を掴むためにも有用だよ。
穴埋めやSEを解くにはDetailの部分が大事なので、結局文の意味を完全に理解する必要がある。(RCのDetail問題も一緒だが)
メモは無闇に取るものではなく、取り方やコツがあるので、
こちらはリスニングのメモ取りの話だが、参考になると思う。ご興味があればこの記事またはメモ取りの講座をチェックしてみよう。