日程:2024年10月26日(土) 14:00〜17:30(入退場自由)
場所:シェラトン都ホテル東京
参加校(一部):Imperial College London, New York University, Johns Hopkins University, NUS, University of Leeds
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本記事を読んでくださっている方は、海外の大学院に進学したいと考えていらっしゃる方がほとんどだと思います。
しかし、どのように進めたら良いか分からない方も多いと思います。
今回は、筆者の経験談を踏まえ、海外大学院出願までどのようなことをしたら良いか項目ごとにまとめました。
ぜひ参考にしていただけると幸いです!
この記事の著者:チョココロネ
日本の大学を卒業後、日系企業に勤務。海外留学の夢を諦めきれず、海外大学院への出願を決意。26歳で初めて海外に留学しました!出願時のIELTSスコアは7.0。主にヨーロッパの大学院に出願しました。合格校は、エディンバラ大学大学院大学院(イギリス)、マンチェスター大学大学院(イギリス)、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(アイルランド)等。
目次
将来のゴールを明確にする
海外大学院に進学する目的は?
海外大学院を目指す理由は人それぞれです。将来海外で働きたい、海外の大学院でしか学べない分野がある、一度でも海外生活を送ってみたい…等。
その中でも、大まかに以下のように分けられると思います。
①専門分野の勉強
海外の大学院でしか学ぶことができない専攻や、研究が進んでいる分野を勉強しに行かれる場合が多いかと思います。
例えば再生エネルギーに関する研究を学びたい方がいる場合、デンマークやドイツ等のヨーロッパの大学院にて専門分野を専攻されることがあります。また、芸術分野を学ぶためにロンドンで勉強される方もいます。
②キャリアアップ・キャリアチェンジ
学生、社会人ともにご自身のキャリアアップのためやキャリアチェンジのために大学院に進学される場合が多いです。
日本の大学卒業後、海外大学院に進学し、ボストンキャリアフォーラムやロンドンキャリアフォーラムで就職活動をし、日本の外資系企業に新卒で就職するケースがあります。
日本企業または外資系企業で数年~十数年勤務をし、休職または退職をしアメリカやヨーロッパのビジネススクールでMBA取得が顕著です(私費留学の場合)。
一方で、今までの仕事内容とは一転して違う分野を勉強し、その分野で再就職するケースもあります。例えば、営業職として勤務されていたが、マーケティングに興味を持ち、大学院でマーケティングを専攻し、マーケターとして転職されるケース等です。
③現地就職
現地就職を目標にされる方もいらっしゃいます。次の項目でご説明しますが、卒業後に現地で就労ビザを取得できるケースもあるため、引き続き海外で就労することを目指すパターンです。
④海外生活への憧れ
特にキャリアや研究等関係なく、まずは海外生活を送ってみたい、海外生活を楽しみたい!というのも大きな動機の1つです。
海外の大学院では、様々な国の生徒と知り合うことができますし、日本とは全く違う土地で生活するので、刺激的な生活を送ることが出来ます。
このように、ご自身がどの目的で留学を成し遂げたいか、まずは考えてみてください。
卒業後のキャリアを考える ─ 就職先は現地 or 日本?
海外で働きたい場合、卒業後の就労ビザが取れるかどうかが重要になります。
例えば、イギリスでは現地の大学院を卒業した場合、2年間のGraduate Visaを取得することが出来ます。このビザは2年間、イギリスで就労できるというものです。
そのため、イギリスの大学院卒業後、日本人がイギリスの現地企業にGraduate Visaで就職し、その後Skilled Worker Visa(永住権につながるビザ)を取得するケースもあります。
オランダやベルギーでも、現地の大学院卒業後、1年間滞在を延長し、就職先を探したり、現地でビジネスを始めることが出来るSearch Visa / Search Year Visaを申請できます。
しかしながら注意すべき点は、上記の卒業後のビザに関しては永住権に繋がるビザでは無いため、海外での就労ひいては永住権取得を目指す場合、ビザの有効期限までに就労ビザをサポートしてくれる企業に就職/フリーランスとして起業等を行う必要があります。
特に海外で就労ビザをスポンサーしてくれる起業に就職することは難易度が高いと言われています。
一方で、日本企業に就職/再就職する場合は、卒業後のビザに関しては全く気に留める必要がありません。
以上より、卒業後どのようなキャリアを歩みたいかによって、進学する国を選ぶ必要があります。
キャリアチェンジを目的とする場合の注意事項
キャリアチェンジを目的とする場合、出願時に出願要件を確認する必要があります。
大学院によっては、学部時代の専攻や仕事内容と合っていない専攻に出願できないような要件を課しているところもあります。その場合、大学院に問い合わせていただくのが一番です。
海外大学院進学にかかる費用について
国別の留学費用を計算してみよう!
海外大学院に進学する場合、多くの方がまず、金銭面を心配されるかと思います。
例えば、「アメリカの大学院は年間1,000万円以上かかる・・・」等の話も聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、授業料が比較的安い国や、1年間で学位が取得できるプログラムもありますのでご安心ください。
- 授業料が高い国と安い国
アメリカやイギリスなどの比較的留学費用が高い国だけではありません。
たとえば、ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、オランダ、ベルギー等の国はアメリカやイギリスに比べると授業料が安い場合が多いです。
- 1年間/2年間の修士課程
ドイツやスウェーデン等の国は基本2年間の修士課程プログラムになりますが、イギリスの大学院は1年間の修士課程プログラムが多数です。また、ヨーロッパのビジネススクールの多くは、1年間のプログラムを提供しています。
ご自身の貯金、奨学金の受給の有無、家族からの金銭的援助等を鑑み、最終的に出願する国を決めていくのがベストです。
以下は概算になりますが、いわゆるLiberal Artsの専攻(経営学、教育学等)で留学した場合の、授業料・宿泊費の総額費用になります。(大学院によっても金額は変わりますので、参考程度にとどめてください。)
- イギリス(1年間のプログラム):350万円~700万円
- ドイツ(2年間のプログラム):総額250万円~400万円
- スウェーデン(1年間のプログラム):総額300万円~400万円
給付奨学金について
給付奨学金は主に以下の6つに分類されると思います。
①JASSO・トビタテ
JASSOは独立行政法人日本学生支援機構が提供している国費による給付型奨学金になります。採用人数も年間100人超えで、他の奨学金と比較しても多くの奨学生を輩出しています。
トビタテは、官民協働の留学支援制度になります。
参考:【文部科学省】トビタテ!留学JAPAN – その経験が、未来の自信。 (mext.go.jp)
②地方自治体
地方自治体が提供している留学支援制度もあります。
たとえば、埼玉県では埼玉県国際交流協会による奨学金が提供されています。ご自身の都道府県等のサイトから検索することが可能です。
③日本の民間団体・財団
民間団体・財団が提供しているものもあります。「民間財団 海外大学院 奨学金」と検索すればまとめサイト等が表示されますので、参考にしてみてください。
④海外政府
留学先の海外政府が提供している奨学金があります。JASSOのサイトから、各国の奨学金制度を確認することが出来ます。
参考:外国政府等の奨学金 | 海外留学のための奨学金 | 海外留学支援サイト (jasso.go.jp)
⑤海外大学院が独自に提供しているもの
留学先の海外大学院が独自に提供している奨学金もあります。大学院のサイトにScholarshipという項目があるので、そちらから確認してみてください。
ただし、日本人向けに提供しているものは数が少ない印象です。
貸与奨学金について
給付奨学金以外には、貸与奨学金が選択肢に入ります。
JASSOが提供している第二種奨学金が主なものとなるため、返済が必要です。しかし、留学後の返済が可能ですので、利用されるのも一手かと思います。
海外大学院進学のスケジュールを立てる
何年後の入学を目指すのか
海外大学院進学では大学院合格というゴールに対して何を行っていくのか逆算して、マイルストーンを置くことが求められます。
特に英語要件を満たしていない場合、いつまでに点数をクリアするか細かく目標設定していくのが良いでしょう。また、推薦状は他者に依頼するので、余裕を持って対応しておく必要があります。
以下はスケジュールの例です(ヨーロッパの大学院は9月入学の学校がほとんどで、前年の10~11月頃に出願していくケースが大多数です)。
20XX年5月 奨学金サイトで出願できそうなものを探す 20XX年6月 出願する国・大学院のサーチ開始 20XX年6月 英語の試験の受験 20XX年7月 志望動機書・CVの作成開始 20XX年8月 推薦状の依頼(9月末までに回収) 20XX年9月 志望動機書・CVの作成完了 20XX年10月 出願開始 翌年 20XW年9月 大学院入学
志望校を決める
国・大学院選び
1、2でご説明した通り、専攻内容、大学院卒業後のキャリア(現地企業に就職したいか否か)、および金銭面を考慮し、どの国の大学院に進学するか決める作業になります。
世界ランキングのサイトで国別に絞れば各国の大学院ランキングが表示されますので、調べる上で有効になります!
有名なサイトは以下の通りです。
- Times Higher Education
参考:World University Rankings 2024 | Times Higher Education (THE)
- Top Universities
参考:QS World University Rankings: Top global universities | Top Universities
専攻選び
専攻から大学院を選ぶ手順もできます。
例えば、以下のサイトでご自身の興味のある専攻分野を入力(例:Adult Education)すれば、その名前で授業を提供している大学院の一覧が表示されます。
海外大学院出願に必要なもの
大学院ごとに細かな条件は異なりますが、通常以下の書類が出願時に必要になります。
英語試験のスコア
英語で授業が行われる場合、TOEFL iBTあるいはIELTSの試験結果の提出が必要になります(TOEICは多くの大学院で、出願書類として認められていないので気を付けましょう)。
例えば、イギリスの大学院の場合、出願時に英語の要件を満たせていない場合でも出願可能なことが多いです。
合格した場合、英語のスコアが未達の状態なので、「条件付き合格(Conditional Offer)」になります。
この場合、大学院入学までにスコアを取得するか、あるいは入学前にPresessional Courseに通い、英語試験に合格する必要があります。
※Presessional Courseとは、大学院が留学生向けに開講している英語のプログラムです。
TOEFL iBTとIELTSは試験の内容が異なるので、自分に合った試験を受けるのが良いかと思います。
まずは、TOEFL iBTとIELTSの参考書を読み比べる、あるいは過去問を実際に解いていただいて、出題問題の違いを把握されるのがベストです。
大まかな違いとしては、以下の通りです。
- 申し込みの締め切り日の違い
TOEFL iBTは1週間前に対してIELTSは4週間前。IELTSは事前に試験日を決める必要あり。
- 試験方式
TOEFL iBTはすべてコンピューターで行うのに対して、IELTSはペーパーテスト&実際に試験官と対面し面接。
志望動機書
志望動機書は必ず出願時に提出するものですので、自分で作成したものを他人からフィードバックしてもらうのを強くお勧めします。
中でもネイティブチェックがあれば、不自然な英語ではなくなり、志望動機書を読む大学教授の心象も良くなります。
志望動機書は各人によって構成の仕方が異なるので、一概にテンプレートを出すことは出来ませんが、例えば学生の場合、
- ご自身のこれまでの専攻分野(学部)
- 自分のスキル・経験・性格
- なぜこの大学院のこの学部を志望するのか
- 自分が合格者にふさわしい理由
を含めると読み手側にも熱意が伝わると思います。
履歴書(CV)
CVとは日本でいういわゆる履歴書のことで、学歴や職歴、スキル等を記載する書類です。
学部生の場合CVが求めれないケースもありますが、社会人経験がある場合、CVの提出は多くの場合求められます。
特に職歴では自分がどのような役割を担っていたのか詳しく記載し、面接官にアピール出来る絶好のチャンスです。
また、これまでの奨学金の授与や、学会等の発表の経歴も記載することで、学問への熱心さや優秀さを伝えることもできます。
ただし、長すぎても面接官は途中で飽きてしまうため、最大2ページが良いとされています。
学業成績書・卒業証明書
既に大学を卒業している人は、学業証明書と卒業証書を卒業校から取得する必要があります。
出願時に大学4年生の場合は、卒業後に提出することが求められます。一方で、スウェーデンの大学院では高校の卒業証明書を求められる場合もあるので、その場合は出身高校から書類を取得する必要があります。
大学のGPAの要件は大学院によって異なりますので、募集要項を確認することが必要です。
しかし、場合によってはGPAに関しては、満たしていなくても出願できる可能性があります。満たしていない場合、大学院に問い合わせすることをおすすめします。
例えば、イギリスの大学院では、大学の成績が first-class or 2:1 honours degree と記載されている場合があります。これは、全体の成績の70%以上のスコアを取得している必要があるという意味です。
イギリスの大学院によっては、各国によって出願要件が異なり、Japanという項目からGPA等を確認することが出来ます。
参考:イギリスのWarwick大学が公表している各国の大学のGPA出願要件
参考:イギリスのEdinburgh大学が公表している日本のGPA出願要件
To meet minimum entry requirements for postgraduate programmes you should have a Bachelor’s degree (Gakushi) from a prestigious Japanese university.
We are looking for students who have performed very well throughout their degree and received a GPA of 3.0+.
推薦書
推薦書も大学院によって何通必要かバラバラです。イギリスの大学院でも、1通で良いところもあれば2通必要なところもあります。
学生の場合は、2名の教授からもらうケースがほとんどかと思います。
教授に記載してもらう内容としては、
- 勤勉であること
- 性格面(例えばゼミでリーダーシップを取った等)
- 出願予定の大学院でも必ず成果を出してくれると期待していること
の3点を含むと魅力的な内容になると思います。
一方で、社会人経験がある場合、1通は卒業大学の教授から、もう1通は現在の職場の上司または同僚からのケースが多い印象です。
社会人経験がある場合、
スキル(他者と協調出来るなど)
学習意欲が高いこと
出願予定の大学院でも必ず成果を出してくれると期待していること
の3点を含むと魅力的な内容になると思います。
教授、同僚どちらにせよ、勉強熱心だったり、魅力的な性格やスキルを持っていることを記載してもらえば特にマイナスの評価にはならないかと思います。
一点、必ず推薦書はヘッドレターに記載する必要があります。大学の紋章あるいは企業ロゴが入っているレターでないと、推薦書を偽造したとみなされてしまうので気を付けてください。
教授に依頼した場合、推薦書は封に閉じられて返されることもあるかと思いますが、そのまま封を開けてしまって大丈夫です。現在、出願では推薦書をPDF化して、出願システム上でアップロードする必要があるためです。
留学エージェントについて
出願に不安を抱える場合、留学エージェントを利用することは1つの手段だと思います。
特に留学エージェントの有料プランでは、ネイティブによる志望動機書やCVの添削、そして出願代行等、すべてエージェントが対応してくれます。
一方で、留学エージェントの無料プランでも、出願代行をしてくれたり、合格後何をすればよいのかレクチャーをしてくれるケースもあるので、有料・無料プランどちらが自分に合っているか見極めたうえで利用するのが一番です。
有名な留学エージェントは、以下の通りです。
- 留学ジャーナル:アメリカ・カナダ・イギリス・ヨーロッパ等幅広い国の大学院の情報を扱っています。
- British council:イギリスの公的な機関のため、イギリス留学に絞っている方はまず候補に挙がるエージェントです。
- SI-UK:こちらもイギリス・アイルランド留学支援に長けているエージェントです。
- beo:学生の留学支援の実績が豊富なエージェントです。無料プランでも丁寧にカウンセリングをしていただくことが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。海外大学院への合格を目指す場合、まずはスケジュール設定を細かく行ってください。
ご自身で決めた各タイミングで、奨学金の検索、推薦状等の必要書類の作成・依頼、英語試験の受験、実際の出願…を行ってください。
おさらいになりますが、まずは出願半年前ほどから、奨学金の検索を始めてください。奨学金の応募は、実際の留学開始の1年以上前から始まるスケジュールで行われますので、ご注意ください。
次に、他者に依頼する推薦状についても余裕をもって用意してください。特に大学の教授は忙しい方が多く、依頼しても返事が来ないケースがありますので、万が一返事が来ない場合、次に誰に依頼するか決めておくのも手でしょう。
逆に英語の試験について、英語要件を満たすことも大切ですが、Conditional Offer(条件付き合格)の制度も大学院によってはありますので、その場合は焦って取得する必要はありません。
大学院合格まではとても長い道のりだと思います。
英語の試験の結果が芳しくなく、心が折れてしまうこともあるかと思いますし、奨学金も倍率が高いのでなかなか通過しにくいと思います。
それでも、最後には大学院への合格を手にすると信じて頑張ってください。