目次
GMAT Verbalの正答率をあげる!消去法の重要性
GMATのVerbalで正答率を高めるための、消去法のプロセスについてまず話したい。
僕からの提案は、消去法のスキルを身につけて、全ての問題に対してそれを使うこと。消去法で、正しい答えを見つけるための可能性を最大限向上させることができる。
SCの例題を見てみよう。全てのSCの問題では、本文中に下線があって、下線部分は選択肢の(A)だね。僕たちは、(A)〜(E)の5つの選択肢の中から、下線部分に一番適切なものを選ばなければならない。
まず、本文と質問文をしっかり読んで、間違いや落とし穴があるかどうか吟味しよう。
もし直感で、(A)の選択肢が明らかに正解のように見えてたら、(A)を正解として選ぶのは普通かもしれない。それは絶対にやってはだめ。90%以上の確率で、間違える。
ここで役に立つのは消去法。全ての選択肢を個別に吟味して、間違いがないかチェックする必要がある。
消去法を実践してみよう!SC例題
例題で消去法の流れを確認してみよう。
Question1
Retail sales rose 1% in August, intensifying expectations of personal spending increasing.
(A) of personal spending increasing
(B) that personal spending increased
(C) that personal spending would increase
(D) of personal spending, that it increased
(E) of personal spending, that it would increase
(A) はどこにも文法的な間違いがないから、これを選んで次の問題に進みたくなるかもしれない。けど、そういうことをやってはいけないよ、もっと良い答えがあるかもしれない。消去法を使って答えよう。
(B)は、expectation(予測)という、未来を表す言葉に対して、increasedという過去形を使っているから間違いだ。
(C)のwould increaseは、未来を表すexpectationsと合っているから良さそうだ。残りの選択肢を見てみよう。
(D)は、(B)と同じで、increasedの時制がおかしい。さらに、that itが文章構造を不自然にしている。
(E)は、このthat itが(D)と同じ理由ででいらないね。つまり、(E)のpersonal spending, that it would increaseより、(C)のpersonal spending would increaseで意味は伝わるから、that itは必要ない。SCでは、同じ意味がで伝わるのであれば、文章は短い方が良い。
さて、残った(A)と(C)を比べてみよう。違いはincreasingかwould increaseだね。increasingの方がwould increaseよりも短いから正解!ではない。(A)と(C)は意味が変わってくる。
(A)のincreasingは今も伸び続けているという進行形の意味がある。しかし、expectationは未来の話だから、「今も伸び続けている」っていうのはおかしいね。それに対して、(C)はきっちりpersonal spending would increaseとwouldを使って未来の話をしている。
だから、(A)ではなくて(C)が正解になる。
Question2
Retail sales rose 1% in August, intensifying expectations of personal spending in the July-August Quarter more than doubling that of the 1.5% growth rate in personal spending for the previous quarter.
(A) of personal spending in the July-August Quarter more than doubling that of
(B) that personal spending in the July-September quarter more than doubled that of
(C) that personal spending in the July-September quarter would more than double
(D) of personal spending in the July-September quarter, that it more than doubled
(E) of personal spending in the July-September quarter, that it would more than double that of
さて、このレベルが実際のGMATで出るような問題だ。もしかしたら、問題を読んで文章を分析するのに数分かかってしまうかもしれない。
しかし、GMATは見た目よりも全然簡単だ。問題作成者は意図的に選択肢を長くして、複雑な文章構造を使ってくる。でも、そこにはいつも正解を導くためのヒントがある。
この問題は、 文章が長くて難しそうに見えるけど、実はQuestion1と全く同じポイントが問われている。消去法のプロセスを自分で試してみよう。
消去法のまとめ
さて、消去法のプロセスは如何だっただろうか?
Sentence correctionは、「機械的に文法的な正解と不正解の選択肢を見つける」ものではないということを理解してほしい。それぞれの選択肢には正解を導くためのヒントがいくつも隠されている。
それぞれの選択肢はユニークで、それぞれの文章のもつ強みと弱みを、一つ一つ吟味する必要がある。間違いの可能性が高い選択肢を一つ一つ消去していき、残ったものが最も正解となる可能性が高い選択肢となる。
SC頻出エラーの一つ:Misplaced Modifier
次は、GMATで頻出のエラーである、Misplaced Modifierを学んでいこう。Misplaced Modifierは、日本の学校では習わない言葉のため、ここでしっかりコンセプトを抑えよう。
聞いたことのない言葉だからといって、怖がる必要はない。これは、とてもシンプルなルールなんだ。
Misplaced Modifierとは?
次の例文を読んでみよう。
Led by the charismatic Zidane, the 1998 football world cup was won by France.
間違えは見つかっただろうか?もし、正しいと思ったら、もう一度良く見てみて。
まずは、最初の文を読んでみよう。
Led by the charismatic Zidane
「何かがジダンに導かれて」とあるね。”何が”ジダンに率いられたかどうかを理解するために、次のセンテンスをみる必要がある。
the 1998 football world cup was won by France.
次のセンテンスは、Independent clause* と呼ぶ。Independent cluseはその名の通り、その文章だけで完結する。
* Clauseは節と呼び、主語と動詞から成り立つ。節は、例文の後ろ半分のセンテンスのように、その文章のみで完結している場合に、独立した節(Independent clause)と呼ぶ。
1988年のワールドカップは、ジダンに率いられていない、ということはわかるよね?仮に、君がサッカーのファンじゃなくても、ワールドカップは、たくさんのチームが競技するイベント、ということはわかるはず。
ワールドカップは、リーダーやキャプテンを持たない。一方で、フランス、あるいはフランスのチームは、リーダーかキャプテンに率いられているだろう。
だから、このセンテンスは間違い。正しいセンテンスはこれだ。
Led by the charismatic Zidane, France won the 1998 football world cup.
このようなタイプのエラーを、GMATではMisplaced Modifierと呼ぶ。Modifierというのは、単語か、いくつかの単語からなる文章で、他の単語か文章に意味を付け加える(修飾する)ものを言う。 Misplaced Modifierは、Modifierが間違った対象を修飾するときに起こる。
この文章でいうと、Led by the charismatic ZidaneがModifierで、後の文章を修飾している。
Misplaced Modifierの見つけ方
一般ルール:Modifierは、修飾するものの隣になければならない。
さて、ルールがわかったら、例題を見てどのセンテンスにMisplaced Modifierが起こっているのか探してみよう。もし、間違いを見つけたら、それを正しいセンテンスに直してみよう。
例題
- Dave sometimes jogs to work, who has a larger appetite than most.
- The pair of cats belonged to the elderly ladies, just sitting all day on the coffee table and sunning themselves.
- Running down the street, the car hit me.
- Proposed by Albert Einstein, the theory of relativity is an enigmatic expression of reality.
- Once a very powerful nation, Mongolia’ status is no more the same.
- Installed on most computers, I find the web browser the most important piece of software.
- Though beloved by its creator, most people found little use for the automatic egg spinner.
- Controlling most of the air space, bombs rained down from the Air Force onto the rebel bases.
SC頻出エラーの一つ:as、like、such as
さて、ここではGMATのverbalで役立つ文法要素の一つである、as, such asとlikeの使い方について学んでいこう。簡単に見えて奥が深いこれらの単語、違いは何だろうか?
As とlikeの使い方
As
- Asは、①動詞や動作を比較するため、又は、②機能、役割を示すために使う。
- Asで①動詞や動作を比較するときには、asは節(名詞+動詞)と結びつく。②機能や役割を示す際には、Asは名詞と結びつく。
Like
- Likeは、①名詞や物、ingで終わる動詞を比較する、又は、②類似性を示すために使う。
- Likeは、比較又は類似性を示すために使われ、名詞又は代名詞と結びつく。
例題(正解 or 不正解?)
セット1
- That house is just like ours.
- That house is just as ours.
- ○
- ×
Houseとour houseの名詞を比較しているため、likeが正解。
セット2
- I work as a teacher.
- I work like a teacher.
- ○
- ×
Teacherは機能又は役割を示しているため、as+名詞が正解。
セット3
- I work as a horse.
- I work like a horse.
- × Horseは機能でも役割でもないため、asは使えない。
- ○ likeは私と馬の類似性を表している。
セット4
- He has joined the army as his father.
- He has joined the army as his father did.
- He has joined the army like his father.
- × His fatherは機能でも役割でもないため、as+名詞は使えない。
- ○ 彼が軍隊に参加したこと(動作)と、彼の父親が軍隊に参加したこと(動作)を比較しているため、asの後ろには名詞+動詞が必要。
- ○ His fatherは役割や機能を持たないただの名詞のため、likeが使える。意味は②と同じ。
セット5
- The nanny cooks for the children like a mother.
- The nanny cooks for the children as a mother does.
- ○ a motherは役割や機能を持たないただの名詞のため、likeが使える。
- ○ 乳母が料理をすること(動作)と、母親が料理をすること(動作)を比較しているため、asの後ろには名詞+動詞が必要。
セット6
- He hunts as a lion does.
- He hunts like a lion.
- ○ 彼が狩ること(動作)とライオンが狩ること(動作)を比較しているため、asの後ろには名詞+動詞が必要。
- ○ ライオンは役割や機能を持たないただの名詞のため、likeが使える。
どちらが間違ってる?
Do as I say, not as I do.
Do like I say, not like I do.
穴埋め問題
- The leopard, ______ the tiger, is a solitary hunter.
- Some youth behave ______ elderly people.
- He did exactly ______ he was taught.
- His bag is just ______ mine.
- Mike flies in his rocket to party, just ______ I do.
Such as と like の使い方
以下のセンテンスの間違いは何だろう?
I have been to many European nations like France, Italy, Spain and England.
これは、likeの使い方が間違っている。likeは類似性を示す、又は、比較をする際に使われる。likeは例を挙げるためには使われない。
例を挙げるためには、Such asが使われる。
She loves many flavors of ice cream such as vanilla, chocolate and butterscotch.
SC頻出エラーの一つ:イディオム
次の頻出エラーはイディオムについて。
イディオムはGMATのセンテンスコレクション(SC)で出題される主要な要素の一つ。イディオムは、選択肢の中に含まれることが一般的だ。そのため、イディオムを知っておくことは、不正解の選択肢を削除するために役に立つ。
イディオムは、いくつかの単語の組み合わさって特定の意味を持つものだ。
どうしてその組み合わせがその意味を持つのか、なんでそんなルールがあるのかを心配する必要はない。イディオムは、覚えれば良いんだ。
センテンスコレクションの問題で消去法を使っている時に、慎重に選択肢を吟味して、ぱっと見良さそうに見えたとしても、イディオムのミスがあるかもしれない。イディオムで使われる単語の組み合わせが間違っていないか確認しよう。
一点追加すると、イディオムはGMATでテストされる他のポイントと組み合わせて出題されることがある。
例えば、イティオムはParallelism(パラレル、平行)のルールと一緒に出題されたりする。詳細に関しては、クラスや他の記事で学んで行こう。
簡単な例で言うと、‘Not only…but also’。
Not onlyが文章にあれば、必ずbut alsoも文中になければならない。Only と but alsoしかなかったら間違いだし、Not only … and alsoであれば、andが間違いだ。また、Not only〜but also〜の、〜の部分は、パラレルになる必要がある。
以下にGMATで頻出のイディオムリストを紹介する。
Idiom List
TO
Forbid…to / 禁止する
I forbid you to smoke in my presence.
Ability to …/ する能力
His ability to sense danger was uncanny.
Attribute…to …/ に起因する/のせいにする
Many great compositions are attributed to Mozart.
Require…to / 要求する
Before you enter the temple you are required to take off your shoes.
Responsibility to …/ する責任
You have a responsibility to live joyfully.
Permit…to / 許可する
We are not permitted to smoke in public.
Superior…to …/ よりも優れている
We are neither superior to nor inferior to anybody.
Try…to / 試す
Try to stay awake during boring lectures. You might learn a lot.
AS
Define…as …/ として定義する
The three sector model is defined as the basis of macroeconomics.
Regard…as …/ を…とみなす
Architecture lovers regard Rome as one of the greatest cities.
Not so…as …/ ほどに…ではない
He is not so much smart as cunning.
So…as to be …/ 結果として
She is so magical as to be divine.
Think of…as …/ のことを…と考える
Think of him more as a part of life than a devil.
See…as …/ を…とみなす
Many people see life only as a process of studying, working, making family and dying. It is not. Life offers many magical possibilities. If we look hard enough, we will find them.
The same…as …/ と同じ
I have the same resources as do you.
As…as …/ ぐらい
Gossiping with friends is not as much fun as preparing for GMAT.
AT
Target…at …/ をターゲットにする
Barbie dolls are majorly targeted at younger girls.
FOR
Responsible for …/ の責任を持つ
You are responsible for the quality of your life.
FROM
Prohibit…from / 禁止する
She was prohibited from studying because of the color of his skin. So he studied on his own and became a highly successful person.
Different…from …/ と異なる
Japanese people are not so different from other people. If they learn the strategies and practice intelligently, they will score like students from high scoring nations.
OVER
Dispute over/ 論争する
The soldiers had a dispute over how to treat the enemy. The side who wanted to treat the enemy with respect prevailed.
THAT
So… that / 結果として
He was so lost in the activities of life that he missed life itself.
Hypothesis…that …/ という仮説
The hypothesis that meditation can lead to peacefulness does not capture the entire truth. It can lead to much more.
TO BE
Believe…to be …/ と信じる
It is funny that so many things are believed to be true.
Estimate…to be …/ と見積もる/ 推定する
The amount of time humans have spent fighting is estimated to be more than tolerable.
WITH
Credit… with …/ において、信用を与える/ 評価する
Albert Einstein is credited with the discovery of the theory of relativity.
Associate…with …/ とかかわる
A wise person will not be associated with a useless company.
Contrast…with …/ と比較する/ 対比する
Parents often contrast the grades of their children with that of other children. It is an unproductive habit.
前置詞を伴わない動詞
Consider…(nothing) …/ としてみなす
Architecture lovers consider Rome one of the greatest cities.
2つ以上の前置詞が使える動詞
Distinguish…from …/ から…を区別する
I can’t distinguish orange from red. Maybe I have color blindness.
Distinguish between…and …/ と…を区別する
I can distinguish between black and white.
Native (noun)… of …/ (土地)の人
Anaconda is a native of South America.
Native (adjective)…to …/ 原産の
The Royal Bengal Tiger is native to the Indian sub-continent.
比較や類似
Not only…but also …/ だけでなく…も
She is not only beautiful but also smart.
Not…but …/ ではなく…だ
People are not stupid but unaware.
Either…or …か…/(二者択一)
She said she is from Korea. She must be from either South Korea or North Korea.
Neither…nor …/ でもなく…でもない
She is neither from South Korea nor North Korea.
Both…and …/ 両方とも
Because I am blessed, I choose both life and death.
More…than; Less…than …/ より(比較級)
The Jupiter is much larger than the earth.
As vs. like
Asは動作を比較するために使われ、Likeは名詞を比較するために使われる。
He did not eat the cake, as I did.
Her eating choices are just like mine.
Like vs. such as
Likeは似ていること(〜のような)、Such as は具体例を出す際に使われる。
The tiger, like the lion, is a close relative of the cat.
The electromagnetic spectrum consists of many wavelengths such as ultraviolet rays, radio waves, and visible light.
The more…the -er / もっと…(であれば)、もっと…(になる)
The more you try, the easier it gets.
From…to …/ から…まで
Winter lasts from November to March.
Just as…so too …/ と同じく、…も(そうなる)
Just as our ancestors have lived, laughed and died, so too will we.
その他
Each vs. all or both:
Eachはものが一つ一つ別れていることを強調したい時に使う。Bothは2つの物の一体感、allは”2つ以上の”全ての物の一体感を強調したい時に使う。
Each of the students is unique.
Both of them went south.
All of them went to Japan.
Whether vs. if:
二つの選択肢/可能性を表す場合、whetherが正解になる。
Ifは仮定法でしか出題されない。「〜かどうか」という使い方は、GMATではifが間違いで、whetherが正しいということだ。
They were not sure whether there will be alcohol at the party.
If there is a party, there will be alcohol.
例題
練習問題
イディオムに関連する練習問題を用意した。正しい答えを選んでみよう。
- He said that he wanted not only a mango ______ a pear. (but also/and also)
- It is not true that blind people cannot distinguish day ______ night. (from/and)
- I can differentiate between donkey _____ mule. (from/and)
- Risa loves many colors ______ pink, orange, red and blue. (like/such as)
- That dress is just _____ mine. (like/as)
- The mule, _____ the donkey, was commonly used in old cultures. (like/as)
- The artist not only wanted money, _______ popularity. (but also/but also wanted)
- He likes running, just _____ I do. (as/like)
実践問題
以下に、Sentence Correctionの例題を用意した。消去法を利用して問題を解いてみよう。
間違えの選択肢を発見するために、イディオムや他のエラーに注目しよう。イディオムはそれだけで出題されるのではなく、他のポイントを合わせて出題されることが多い。
例題:
解説
イディオムリストで、likeは名詞を比較するということを習ったよね。だから、“like 名詞’を見たら、その後は比較が来ることがわかる。
また、cellの後のwhichのフレーズは、embrynocic germ cellsに関する追加情報で、問題を解くためには必要ない情報だ。それに気づいたら、元々の文章をシンプルにしよう。
“Like embryonic germ cells, embryonic stem cells have the ability of developing themselves into different kinds of body tissue”.
さらに、イディオムリストからability ofは正しい使い方ではなことがわかる。これに気づけば、消去法で(A)と(E)は削除できる。さて、残った3つのオプションを見てみよう。
“Like embryonic germ cells, embryonic stem cells have the ability of developing themselves into different kinds of body tissue”.
(A) embryonic stem cells have the ability of developing themselves into different kinds of body tissue
(B) embryonic stem cells have the ability to develop into different kinds of body tissue
(C) in embryonic stem cells there is the ability to develop into different kinds of body tissue
(D) the ability to develop themselves into different kinds of body tissue characterizes embryonic stem cells
(E) the ability of developing into different kinds of body tissue characterizes embryonic stem cells
選択肢の(C)は、不要なinが入っているから間違いだ。2つ以上のものを比較するときには、比較するものは同じ文法構造を持っていないとダメ。つまり、今回の比較で、正しい文法構造は“Like X(名詞), Y(名詞)”。
(D)は、文法構造は正しいけど、比較対象がおかしい。何かしらのcells(細胞)は、何かしらのcells(細胞)と比較するべきで、細胞と能力を比べることはできない。
残った(B)が正解となる。
GMATのSCで英文法はどれほど大事?
おすすめ文法書
世界で最も読まれている文法書の一つが、Wren and Martinの「English grammar & Compsotion」だ。これは、文法の概念の説明と、練習問題が豊富で、とても優れた教材だ。
これは、GMATの準備だけでなく、英語力の土台となり、これからの英語人生にも役立つだろう。
この本は、「Grammar」と「Composition」の二つのパートからなる。「Grammar」のパートでは、英語のルールを学ぶ。これは、多分、君が知っている文法のコンセプトを、良い意味で変えてしまうんじゃないかな。全部を勉強する必要はない。
例えば、いくつかのトピックを読んだ後、Parts of SpeechのNoun、Adverb、Adjectiveの練習問題を解くと良い。Phrases、Clauses、Tenses、Participle、Gerund、Conjugation of the verb ‘love’、Preposition、Words followed by prepositionも見てみよう。
「Grammar」の学習に少し時間を使った後は、「Composition」のパートに移ろう。こちらのパートはもっと重要で、できる限り時間を使って学習する必要がある。
Analysis of simple sentences、全てのphrasesと、Clauses及び SentencesのSimple、Complex、Compoundを学習しよう。このほかには、Noun Clauses、Adjective ClausesやAdverb Clausesの練習問題もおすすめだ。
とても多くの練習問題があるから、一度に一つずつ集中して行うのが良いだろう。それぞれのトピックから、少しずつ問題を解いて、ルールの理解を深めるのが良いだろう。その後、余裕があれば追加で問題を解くのも良い。
文法よりもっと重要なこと
英文法を学ばなくて良いと言っている訳ではない。文法をマスターすることも、GMATで高得点を獲得するための一つの方法だ。
しかし、文法を完璧にマスターするには、5~10年、あるいはそれ以上の時間がかかるだろう。それゆえ、全ての文法を学ぶ(間違った選択肢の背景にある文法的要素を学ぶ)のは得策ではない。シンプルに、GMATと戦うための戦略を学び、それを適用すれば良い。
もちろん、例題を1問や2問やっただけでは、その極意が学べる訳ではない。時間をかけて、問題練習をすることでしか、その本意を理解することはできないのだ。
戦略・知識と同じぐらい大切なものは何?
最後に、GMATの準備をする上で、正しい戦略と同様、とても重要な点を取り扱う。
正しい戦略は、それを学んで、練習した全ての人が使えるようになる。主導権は自分自身にあるから、自分で責任を持って、準備を進めなければならない。GMATの準備は、君の心の中から始まる。正しいマインドセットを持つことは、誇張してもしきれないぐらいに大切なんだ。
では一体、何が正しいマインドセットなのだろう?
マインドセットは、心の状態のこと。僕たちは、これを”心地よさ”と理解している。
GMATは、極度の緊張化で、賢く、理論的に考える力をテストされている。GMATのVerbalは、41問を75分で解かないといけない。つまり、1問にかけられる時間は約110秒だ。少し考えて見ても、問題を全て解くために十分な時間ではないことは明らか。
だから、従来の一般的な問題の解き方は、単純に、GMATでは通用しない。僕たちは、正しい戦略に加えて、正しいマインドセットが必要だ。闇雲に練習しても、良い結果が出るとは限らない。
僕たちは、君が、GMATを理解して、戦略を学び、十分に練習することを提案した。この練習は、単純に問題を解きまくるだけじゃなくて、君が、戦略に心のそこから納得して、熟知することを意味している。
GMATを理解して、パターンを認識し、冷静を保つこと、ポジティブな気持ちでいること、そして、タイムマネジメントも同じぐらい重要だ。これら全ての要因が、君がどうやってGMATと戦うかを決定的に変えるだろう。
Victors win first and then go to war.
これは僕の大好きな孫子の「兵法」からの言葉だ。
兵士のマインドセットを身につける必要はないけど、”心地よさ”を身につけることはとても重要だ。GMATの準備に、心地よさを感じてきたら、少しづつ、不安とストレスがなくなってくる。少しづつだけど、GMATの準備プロセスを楽しめるようになってくる。
君がGMATを楽しいと感じる時がきた時、もう、ゴールはすぐそこまできている。
“The right mindset means to be able to enjoy the process”.
GMAT Verbal 心構えの復習
最後に、GMAT Verbalの学習をする上で、大切な心構えを復習しておこう。
- GMATは、英語力を試す試験ではない。しかし、良いスコアを取るためには英語で練習する必要がある。
- GMATは、極度の緊張化の元、文法ルールを賢く適用する試験である。
- GMATは、受験者にストレスを与えて緊張するように作られている。正しい戦略が重要だ。
- GMATは、受験者が”間違った選択肢を選ぶように”作られている。正しい戦略が、効率的に間違いを見つけ、罠にハマらない手助けをする。
- GMATは、受験者を疲労させ、それゆえに、長く難しい試験に見えるだろう。練習を通じて、GMATに慣れ、リラックスして受験プロセスを楽しもう。
- GMATに、絶対に正しい選択肢はない。正しい選択肢を見つけることに時間をかけるのではなく、消去法で間違った選択肢を見つけよう。残った選択肢が正解となる。