



海外大学院(特に文系や公共政策、一部の理系プログラム)に出願する際、GREのスコアメイクにおいて意外と高い壁になるのが、Analytical Writing(分析的ライティング)セクションです。
現行版のGRE(2023年9月以降)では、ライティングは「Issue Task(30分・1問)」のみへと大幅に短縮されました。
これに伴い、以前存在した「Argument Task」や、GMATの「AWA(Analytical Writing Assessment)」は完全に過去のものとなりました。
試験時間が短くなったのは喜ばしいことですが、だからといって採点基準が甘くなったわけではありません。
GREのライティングは、「私はAが好きです。なぜなら〜」という主観的なエッセイではなく、与えられた複雑なテーマに対して「論理的な根拠」と「多角的な視点(譲歩や反論への言及)」を持って議論を展開する能力が求められます。
そのため、何の対策もせずに臨むと、純ジャパ(日本生まれ日本育ちの受験生)の多くが「3.0」や「3.5」という低いスコアで停滞してしまいます。トップ校を目指すなら、「4.0」以上を安定して獲得する戦略が必要です。
本記事では、現行GREの唯一のライティング問題である「Issue Task」に特化し、ネイティブと同等に評価されるための最強の文章構成テンプレートと、高得点を獲得するための具体的な対策法を徹底解説します。
正しい「型(テンプレート)」を身につければ、試験本番で構成に迷う時間を極限まで減らし、論理の組み立てと具体例の記述に集中できるようになります!
- 💡 結論:現行GREのライティングは「Issue Task(30分)」のみ!
- Argument Taskは完全に廃止されました。しかしTOEFLとは異なり、ネイティブと同じ土俵で「論理性」と「多角的な視点」が厳しく評価されます。
- 📝 高得点の鍵は「譲歩(反論への配慮)」:
- 単に自分の意見を押し通すのではなく、「反対意見にも一理あるが、総合的に見て自分の主張が正しい」と論破する段落が絶対不可欠です。
- 🏗️ 30分で書き切る「5段落の型」:
- 「導入 → 理由1 → 理由2 → 譲歩 → 結論」の骨格を事前に作り、丸暗記(盗作扱いを避けるため)ではなく自分専用のオリジナルテンプレートに仕上げておきましょう。
- 🧠 「ネタ出し」と「具体例のストック」が必須:
- 出題テーマは公式サイトで全公開されています。事前に全トピックの構成案を考え、どんなテーマにも使える客観的な具体例(歴史や科学など)をストックしておくのが鉄則です。
詳しくは記事本編で徹底解説!👇
目次
GREライティング(Issue Task)とは?【現行版の形式・採点・対策】
最新のテスト仕様:Issue Task(30分・1問)のみに変更
GREのAnalytical Writing(分析的ライティング)セクションは、2023年9月のテスト形式変更に伴い、「Issue Task(30分・1問)」のみへと大幅に短縮されました。
以前のテスト(およびGMATの旧AWA)で出題されていた、他人の文章の論理的欠陥を指摘する「Argument Task」は完全に廃止されています。
現在は、与えられた1つのトピック(Issue)に対して自分の立場(賛成・反対、あるいは条件付きの賛成)を明確にし、具体的な理由と事例を用いて論理的に展開する、という形式のみが課されます。
スコアは0.0〜6.0点(0.5点刻み)で評価されます。
TOEFLのライティングとの違い(ネイティブも受ける過酷さ)
Issue Taskの形式自体は、TOEFL iBTの「Independent Task(現在はWriting for an Academic Discussionに変更)」に似ているため、「TOEFLで高得点を取れたからGREも余裕だろう」と考える純ジャパ受験生が非常に多いです。
しかし、GREのライティングは、英語を母国語とするネイティブスピーカーも全く同じ基準で採点されるという点で、TOEFLとは次元が異なります。
TOEFLが「基本的な文法ミスがなく、意味が通じるか(英語力)」を測るテストであるのに対し、GREは「大学院レベルの複雑な論文を書けるだけの、高度な語彙力、説得力のある論理構成、そして多角的な視点(反論への配慮)があるか」を測るテストです。
そのため、「私はAに賛成です。なぜなら理由は2つあります。1つ目は〜」といった、幼稚な構成や平易な単語ばかりを使っていると、文法的に正しくても「3.0」や「3.5」といった低い評価しか得られません。
目安となる文字数
GREのライティングには文字数の制限(上限・下限)は一切ありません。
しかし、自分の主張を十分に論証し、説得力のある具体例(歴史、政治、科学など)を盛り込み、さらに「反対意見への配慮(譲歩)」まで含めた論理的な文章を組み立てるためには、必然的にある程度のボリュームが必要になります。
公式サイトに掲載されている満点(6.0点)の模範解答は、軒並み600語を超えています。
純ジャパが30分という制限時間内で600語を書くのは現実的ではありませんが、ロジックが破綻せず、文法や単語も適切なレベルを保てるという前提で、最低でも「300〜400語」を書くことが、高得点(4.0以上)を狙う上での現実的な目安となります。
実際の例題(Issue Task)
Issue Taskのテーマは、教育、テクノロジー、政治、社会、芸術など非常に多岐にわたります。
本番でどのような問題が出るか、ETSの公式問題プールから実際の例題を見てみましょう。
Scandals are useful because they focus our attention on problems in ways that no speaker or reformer ever could.
(スキャンダルは、いかなる演説家や改革者にもできない方法で問題に注意を向けさせるため、有用である。)Write a response in which you discuss the extent to which you agree or disagree with the claim. In developing and supporting your position, be sure to address the most compelling reasons and/or examples that could be used to challenge your position.
(この主張にどの程度賛成するか、あるいは反対するかについて論じなさい。あなたの立場を展開し支持するにあたり、あなたの立場に反論するために使われ得る、最も説得力のある理由や事例に必ず言及すること。)
この指示文の後半にあるように、「自分の意見に対する反論(反証)」にも必ず触れて論破することが、GRE特有の厳しい採点基準をクリアする鍵となります。
GRE Issue Taskのテンプレートと構成【30分で書き切る型】

たった30分という短い時間で、問題文を読み、論理構成を考え、具体例を捻り出し、PCで300語以上タイピングするのは至難の業です。
だからこそ、「文章全体の骨格(構成)」と「各段落の書き出し」は、本番前にあらかじめテンプレートとして体に染み込ませておく必要があります。
高得点を安定して獲得するための、全5段落からなる最強のテンプレートと、各段落の役割を解説します。
第1段落(導入):テーマの提示と自分のスタンス
最初の段落では、問題文で提示されたテーマが「複雑で一筋縄ではいかない問題である」ことを認めつつ、自分が「賛成」か「反対」か(あるいは条件付きの賛成か)というスタンスを明確に宣言します。
【テンプレート】
The issue of whether [テーマの要約] is a complex and controversial one. Different people hold different views due to their respective angles. On one hand, as is well-known and has often been advocated, [賛成派の意見の要約]; on the other hand, others probably insist that [反対派の意見の要約].
We do not have to look very far to see the valid standpoint of this matter. In the following analysis, I would like to reason and provide evidence favoring the former/latter one and refuting the latter/former one.
(※または、よりニュートラルな立ち位置を取る場合)
The complex nature of the above issue requires us to consider it on a case-by-case basis. In my point of view, whether one has advantages over the other depends on the specific circumstances.
第2・3段落(本論):理由と具体例の展開
第2・3段落では、自分のスタンスを裏付けるための「強力な理由」と「具体的な事例(歴史、政治、科学など)」を展開します。
TOEFLのように「個人的な経験」を例に出すのは説得力が弱くなりがちです。誰もが知っている客観的な事実や歴史的な出来事を用いて論証してください。
【テンプレート:第2段落(最初の理由)】
In the first place, the important reason that can be presented to develop my position is that [理由1].
A good example may be found in the case that [具体例1].
Under this circumstance / Therefore, it is obvious that [理由1の結論].
【テンプレート:第3段落(2つ目の理由)】
In addition, there is another reason for me to choose the former statement / consider the latter statement to be wrong. The reason is not far to seek: [理由2].
To illustrate, a case in point in this respect is that [具体例2].
第4段落(譲歩):反対意見への配慮と反論(★超重要)
ここがGREのライティングにおいて最も重要であり、高得点を左右する段落です。
GREでは「自分の意見を押し通すだけ」の文章は評価されません。
「確かに、反対意見にも一理あるよね(譲歩)」と相手の立場を認めた上で、「しかし、総合的に見ればやはり私の意見の方が正しい(再反論)」と論破することで、初めて論理的で成熟した議論として認められます。
【テンプレート】
Admittedly, there is no denying that [反対意見のメリットや、例外的な状況] in some conditions. As we know, [反対意見を支持する具体例や理由].
However, this alone does not constitute sufficient support to [相手の結論]. When the advantages and disadvantages are carefully compared, the most striking conclusion is obvious.
To sum up, while it may be true in exceptional cases, I agree that [自分の本来の主張].
第5段落(結論):スタンスの再確認とまとめ
最後に、これまで述べてきた理由を簡潔にまとめ、改めて自分のスタンスを主張して文章を締めくくります。ここでは新しいアイデアを絶対に追加しないでください。
【テンプレート】
Consequently, I advocate that [自分のスタンスの再主張], because: (1) [理由1の要約]; (2) [理由2の要約].
Due to the above-mentioned reasons, which sometimes intertwine to form an organic whole and thus become more persuasive, we may safely arrive at the conclusion I support.



GREライティングで4.0以上を狙う勉強法3選
テンプレートで文章の「骨格」を作れるようになったら、次はその中身(コンテンツ)の質を高めるトレーニングが必要です。
純ジャパが独学で4.0以上のスコアを勝ち取るための、超実践的な3つのステップを紹介します。
① 公式の問題プール(Issue Pool)で「ネタ出し」の特訓をする
実は、GREのライティングで出題されるトピックは、事前にETSの公式サイトで全て公開されています。本番の試験では、絶対にこのリストの中から1問が出題されます。
約150問あるトピックの全てに対してフルエッセイを書くのは不可能です。
しかし、「すべてのトピックに一度目を通し、日本語でいいので箇条書きでアイデアを出しておく(ネタ出しの特訓)」ことは絶対にやってください。
「このテーマなら自分は賛成する。理由はAとB。具体例は歴史上のC事件を使う。反対意見のDについては譲歩パラグラフで論破する」といった構成案を、1テーマにつき2〜3分で瞬時に思い浮かべる練習を繰り返しましょう。
本番で「何を書こう…」とフリーズする時間をゼロにすることができます。
② 質の高い英文(NYTなど)を読み、具体例のストックを作る
Issue Taskで最も点差が開くのが「具体例の質」です。
「私の友人が以前〜」といった個人的なエピソードは、説得力がなく低評価に直結します。
高得点を取るためには、誰もが納得する客観的な事実(歴史、政治、ビジネス、科学技術、芸術など)を証拠として提示しなければなりません。
そのためには、日頃からのインプットが欠かせません。「The New York Times」や「The Economist」などの質の高い英文メディア、あるいは自分の専攻分野の学術記事を毎日読みましょう。
「ガリレオの地動説(科学と権威)」「産業革命(技術と環境)」「ウォーターゲート事件(政治とスキャンダル)」など、どんなテーマにも使い回しやすい万能な具体例(エピソード)を自分の中に5〜10個ストックしておくと、本番で非常に強力な武器になります。
③ 必須のライティング練習ツール「Grammarly」の活用
どんなに素晴らしい論理と具体例を思いついても、文法がボロボロでは高得点は望めません。
スペルミス、単数・複数形の間違い、時制、冠詞(a / the)の抜けなど、基本的なミスを極限まで減らすことが重要です。
普段のタイピング練習では、Wordのスペルチェック機能ではなく、文法のミスを論理的に指摘し、よりアカデミックで適切な語彙・表現を提案してくれるGrammarly(グラマリー)という無料添削ツールを必ず導入してください。
自分の書いた英文の「どこがネイティブにとって不自然なのか」を客観的に指摘してもらうことで、本番でのケアレスミスを劇的に減らすことができます。詳しくは下記の記事を参考にしてください。
文法の改善。英語学習者の必須アイテム “grammarly”


まとめ:GREのIssue Taskは「大学院生活への助走」
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
Argument Taskが廃止され、30分間のIssue Taskのみとなった現行のGREライティングですが、その分「あなた自身の思考力と論理的展開力」がより純粋に、かつシビアに問われるテストへと進化しました。
ただの英語のテストだと思って臨むと、ネイティブと同じ土俵で評価される厳しさに打ちのめされてしまうかもしれません。
しかし、このIssue Taskで「反論(譲歩)を踏まえた上で自説を証明する」という高度なアプローチを身につけることは、将来、憧れの海外大学院で膨大なレポートや修士・博士論文を英語で執筆するための、最強の「助走(トレーニング)」になります。
まずは本記事で紹介した「最強の構成テンプレート」を自分なりにパラフレーズして手に馴染ませてください。そして、公式の問題プールで「ネタ出し」の特訓を繰り返し、世界中で通用する客観的な具体例をストックしていきましょう。
純ジャパであっても、確固たる「型」と「ロジック」を持てば、必ず4.0以上の高得点は勝ち取れます。大学院合格、そしてその先の研究生活に向けて、自信を持って書き切ってくださいね!応援しています。












いつも楽しく拝見しています。
ISSUEのテンプレは()内も記載する感じでしょうか?
中身がなかなか思いつかないので、具体的なトレーニング方法を教えていただきたいです。
()の中の言葉は適宜入れ替えても良いという意味だよ。
中身は自分の意見を書けば良いので、普段から例題演習でブレインストーミングをしてアイディア出しの特訓をしよう。
具体的には、GREの170問の問題を使って一日数問アイディア出し(できれば書いてみる)の練習をしよう。一部サンプル回答も共有しているので資料請求してね。実際の試験問題はこの170問から出るので、目を通しておくと本試験でも焦らないはず!
あとは、普段からニュースや新聞を読むときに、自分だったらこう考える、なぜなら・・みたいなことも意識すると良いと思う。意見には正解不正解がないので、自分の主張を強める理由を(ツッコミどころがあっても良いので)なんとなく探してみよう。
資料頂きました!とても参考になります!!
本サイトでTOEFLのミニマムをクリアし、今はGRE対策をしています。
issue のテンプレのパスワードが分からないのですが、教えていただけますでしょうか。
パスワードはファイル名に書いてあるよ!vicinity
GRE頑張ってね!
有益な情報をいつもありがとうございます。
御相談なのですが、GRE Analytical Writingのオンライン添削をしてくれるサイト・機関はあるのでしょうか。
文法的誤りの検出、表現の多様化等のためにはGrammarlyで十分であるところ、文章の論理性や構成についてはエキスパートの確認を何度か受けておきたい、と考えております。
もし信頼のおけるものを御存知であれば、共有をいただけますと幸いです。
何卒、よろしくお願いいたします。
個人的には、TOEFLのライティングで24点以上の人であれば、ここのテンプレの運用とGrammarlyの添削を活用するだけで、GREのAWでは基本4点が取れるはず。
4点ぐらいは、大体の大学院に申請可能なスコアであり、出願書類全体に影響しないよ!
ネット上に様々な添削サービスがあるけど、GREのAWに特化したクオリティの高い添削サービスはあまり見ないよね。。。(そもそもニーズが少ないからかも)
>>にゃんこ先生
迅速な御解答、ありがとうございます。
TOEFLである程度点が取れるのであれば必ずしも第三者の添削が必要でないということで、少し安心いたしました。
私も目指すところは4.0であるため、テンプレートとGrammarlyを活用しつつ、引き続き対策を進めさせていただきます。
どういたしまして!何か不安や質問があればいつでもコメントしてね!応援しているよ!
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もしかすると、迷惑メールに入っているか入力したメールアドレスが間違っている可能性があるので、チェックしてみてほしい!また、学校や会社のメールアドレスだと、団体側の設定で共有できないこともあるので、もしそうなら違うアドレスを使ってみてね。
ページ内にあるテンプレートをそのまま使った例文はありますでしょうか?有料でもよいので、あれば購入したいです。
テンプレートを使った例文はないね。。
各自でテンプレートを活用してね!