開催日:2025年3月29日(土)
場所:ハイアットリージェンシー東京
時間:14:00~17:30
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海外でのMBA取得を考えている方に向けて、各国のMBAプログラムの特徴を紹介するシリーズ。本日は「ヨーロッパのMBA」をご紹介します。
海外でMBAといえば、ビジネススクール発祥の地であるアメリカやイギリスを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、イギリス以外のヨーロッパにも、世界的に評価の高いビジネススクールが数多く存在します。
ヨーロッパのMBAは基本的に英語で履修できるうえ、ヨーロッパならではのビジネスに焦点を当てたカリキュラムや、独自のビジネス文化を学ぶことができます。
そのため、将来的にヨーロッパと関わるビジネスを考えている方にとって、大きな武器となることは間違いありません。
今回は、ヨーロッパのMBAの特徴から、ランキング、学費、入学基準まで、詳しく解説していきたいと思います!
ヨーロッパのMBAの特徴・メリット
ヨーロッパらしいプログラム
グリーンディール政策と呼ばれる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする気候中立を実現する政策を推進しているヨーロッパでは、今サステイナビリティ(持続可能性)が大切なビジネスの動きとなっています。
その動きの中、ヨーロッパのMBAプログラムの多くは、サステイナビリティを取り入れた科目が用意されています。
他にもデジタルや起業など、ヨーロッパで主流なビジネスの動きを抑えたプログラムを学ぶことができます。
またイタリアのSDAボッコーニやフランスのESSECは、ヨーロッパらしくラグジュリーブランドマネジメントのコースも用意しています。


ヨーロッパのビジネス文化が学べる
ヨーロッパは、欧州連合(EU)ですが、国によって固有の文化があり、ビジネス文化も大きく違っています。
ビジネススクールのプロジェクトやインターンシップまたは交換留学での、ヨーロッパの会社と仕事をする機会を通して、留学した国文化だけえなく、ヨーロッパ各国のビジネス文化の違いに触れることができます。
1年間のプログラムが多い
ヨーロッパのMBAは、10ヶ月から12ヶ月と短期間のプログラムが多いことも特徴です。
ヨーロッパの物価は高いものの、MBAの期間が比較的短いため、滞在費を抑えられるというメリットがあります。
また、休職期間が短く済むことで、キャリアのブランクを最小限にしながらスムーズにステップアップすることが可能です。


GPAや GMATよりも実務経験を重視
ヨーロッパのMBAは実務経験を重視しており、学生の年齢層も比較的高め。平均して5〜6年の職務経験を持つ学生が多いです。
また、GMATのスコアについては、最低スコアを明記していない学校が多く、平均スコアも600台と比較的低めです。
アメリカのトップ校では平均700以上のスコアが求められることを考えると、ヨーロッパのトップ校にはアメリカの中堅校並みのスコアで入学できる可能性があります。
さらに、GPAに関しても、多くのヨーロッパのビジネススクールは平均値や最低スコアを公表していません。


グローバルなMBAプログラムが多い
ヨーロッパのビジネススクールの中には、複数の国にキャンパスを持つ学校もあります。
例えば、INSEADはフランスとシンガポール、ESCPはフランス、イギリス、ドイツ、スペイン、イタリアにキャンパスを構えるなど、グローバルな学習環境を提供しています。
さらに、ヨーロッパのビジネススクールはアメリカと比べても交換留学が非常に盛んです。
多くの学校では、短期間のプログラムでありながら、約3ヶ月間アメリカ、アジア、オセアニアなどのビジネススクールへの交換留学が可能なシステムを採用しています。


ヨーロッパMBAのランキングトップ校と入学の難易度
ヨーロッパMBA大学別の難易比較表
下表は、QSグローバルMBAランキング(2025年)とFT MBA ランキング(2024年)のランキングトップ校をピックアップして、出願に必要な資格をまとめたものです。
※()内が世界ランキング
学校名 | QS ランキング(2025) | FT ランキング(2024) | 平均GMAT | 最低TOEFLiBT | 最低IELTS | 最低職務経験 |
HEC Paris (フランス) | 1(6) | 4(12) | 690 | 100 | 7.0 | 2年 |
IE (スペイン) | 2(9) | 6(20) | 680 (620-740) | 100 | 7.0 | 3年 |
IESE (スペイン) | 3(10) | 3(5) | 690 (580-750) | 100 | 7.0 | 3年 |
INSEAD (フランス) | 4(11) | 1(2) | 710 | 105 | 7.5 | 2年 |
SDA Bossoni (イタリア) | 5(20) | 2(3) | 665 | 94 | 7.0 | 3年 |
ESADE (スペイン) | 6(21) | 5(17) | 660 | 100 | 7.0 | 2年 |
IMD (スイス) | 7(24) | 8(36) | 680 | 105 | 7.5 | 2年 |
Copenhagen Business School (デンマーク) | 8(26) | 11(95) | 650 | 94 | 7.0 | 3年 |
ESCP (フランス) | 9(27) | 7(25) | 640 | 100 | 7.0 | 3年 |
ESSEC (フランス) | 10(28) | 8(54) | 615 | 100 | 7.0 | 3年 |
ERASMUS (オランダ) | 11(32) | 10(61) | 640 | – | – | 4年 |
Frankfurt School of Finance (ドイツ) | 12(40) | 12(98) | 640 | 90 | 7.0 | 3年 |
EDHEC (フランス) | 13(47) | 9(57) | 650 | 100 | 7.0 | 3年 |
Mannheim Business School (ドイツ) | 13(47) | 650 | 95 | 7.0 | 3年 |
《参照 QS グローバル MBA 2025年ランキング》
《参照 FT MBA 2024年ランキング》
ヨーロッパMBAの入学要件
英語要件 (TOEFLiBT/ IELTS)
ヨーロッパのビジネススクールの英語要件は高めで、ほとんどの学校がTOEFLiBTは100、ILTSは7.0となっています。
GMAT
GMATのスコアは、最低スコアを明記していず、平均スコアは600台と低めです。
職務経験
3年以上の職務経験を明記している学校が多く、平均は5-6年で、実務経験を重視していることがわかります。
面接
ヨーロッパのMBAでは、面接が必須の要件です。



ヨーロッパMBAの出願スケジュール
ヨーロッパのMBAの入学時期は、8月または9月が一般的で、一部の学校では1月入学も可能です。
8月・9月入学の場合、出願期限は3月~5月頃、1月入学の場合は8月頃までとなっています。
ただし、ヨーロッパではローリングアドミッションを採用しているMBAプログラムも多いです。
ローリングアドミッション方式では早めに出願することで合格の可能性が高まりますので、計画的に準備を進めるようにしましょう。
出願準備のスケジュール感
8月、9月入学の場合のヨーロッパMBA出願に向けた具体的な準備スケジュールを以下にまとめました。
出願までの流れを効率的に進めるため、1年前から計画を始めることをおすすめします。
期間 | 準備項目 | 詳細 |
1年前 (6月~8月) | 学校選定、出願戦略の策定 | 希望するMBAプログラムの調査、各校の締切や奨学金情報を確認。 |
スコアメイク(GMAT/GRE、TOEFL/IELTS) | 初回模試を受験し、目標スコアと現在のスコア差を把握。 | |
9月~12月 | スコアメイク強化 | スコア達成に向けた学習期間。複数回の模試や本試験受験を計画的に実施。 |
エッセイ作成準備 | 自己分析を行い、過去の経験や目標を言語化。学校ごとのテーマに合わせて構成を作成。 | |
推薦者との相談 | 推薦状を書いてもらう上司や同僚と事前に相談し、必要な情報を共有。 | |
翌年1月~3月 | エッセイ作成と出願書類準備 | エッセイを完成させ、学校ごとのオンラインポータルに出願情報を入力開始。 |
面接練習 | 模擬面接を通じて、質問への回答をブラッシュアップ。 | |
3月~4月 | 出願完了、面接準備 | 必要に応じて複数校に出願。合格後の奨学金交渉や入学手続き準備を進める。 |
ローリングアドミッション方式の概要と戦略
ローリングアドミッションとは、出願期間中であれば随時審査が行われ、合否が決定する方式です。
ヨーロッパのMBAプログラムの中には、この方式を採用している学校も多いです。
早期出願には以下のようなメリットがあります。
- 早期出願による合格率の向上
早めに席が埋まるため、締切間近よりも有利に働く可能性が高い
- 奨学金獲得のチャンス
早い段階で合格すれば、奨学金の応募枠も多く確保できる
- 複数校への出願戦略が立てやすい
1校目の合否を確認しながら、次の出願先を決定できる
ヨーロッパMBA取得に必要な費用
ヨーロッパMBA取得に必要な目安は1,000万円〜2,500万円
下表は、上記で紹介したランキング上位20校の学費・総費用の目安です。
ヨーロッパのMBAの授業料は年々上昇傾向にあります。また、9月入学と1月入学で異なることもありますので、参考としてご覧ください。
学校名 | 学費 | 教材費・施設費 | 家賃・食費 | 生活費・交通費 | TOTAL | 期間 |
HEC Paris (フランス) | €99,000 | €1,000 | €15,925 | €7,900 | €123,825 | 12/16ヶ月 |
IE (スペイン) | €82,300 | €1,200 | €22,500 | €2,475 | €108,475 | 11/15/19ヶ月 |
IESE (スペイン) | €110,000 | €32,700 | €142,700 | 15/19 ヶ月 | ||
INSEAD ( フランス) | €103,500 | €1,500 | €17,000 | €5,589 | €127,589 | 10ヶ月 |
SDA Bossoni (イタリア) | €82,000 | €23,400 | €5,400 | €110,800 | 12-15 ヶ月 | |
ESADE (スペイン) | €78,500 | €230 | €22,500 | €8,400 | €109,630 | 12/15/18 ヶ月 |
IMD ( スイス) | CHF 97,500 | CHF 17,500 | CHF 20,335 | CHF 15,665 | CHF 151,000 | 12ヶ月 |
Copenhagen Business School (デンマーク) | €48,900 | €1,150 | €18,550 | €68,600 | 12ヶ月 | |
ESCP (フランス) | €57,900 | €2,600 | €38,500 | €24,750 | €123,750 | 10-22ヶ月 |
ESSEC (フランス) | €50,000 | €22,000 | €72,000 | 12ヶ月 | ||
ERASMUS (オランダ) | €65,000 | €18,000 | €83,000 | 12ヶ月 | ||
Frankfurt School of Finance (ドイル) | €42,250 | €24,000 | €66,250 | 12ヶ月 | ||
EDHEC (フランス) | €52,500 | €30,000 | €82,500 | 10ヶ月 | ||
Mannheim Business School | €45,000 | €14,000 | €59,000 | 12-15 ヶ月 |
《参照:各大学のHPより抜粋》


費用を安く抑えたいならオンラインMBAという選択肢も
ヨーロッパでオンラインMBAを提供しているビジネススクールは多くありますが、ランキングの高い学校の中でオンラインMBAがある学校は、下記の2校です。
IE (スペイン) | 9月または3月始まり ・期間:18ヶ月または24ヶ月 |
EDHEC (フランス) | 10月または3月始まり ・期間:24ヶ月 |
ヨーロッパMBAの奨学金について
ヨーロッパのMBAでは、ほとんどの上位校で奨学金制度が充実していることも大きな魅力です。
ここでは、日本人が対象となる奨学金のある上位校の一部をご紹介します。
HEC パリ (フランス)
HECパリ MBAに入学したすべての出願者は、 応募しなくても、出願時に自動的に選考の対象となり、選ばれた場合には、合格と同時に連絡がある奨学金が多くあります。
奨学金によっては、出願時に追加のエッセイを提出する必要があるものもあります。
毎年100 万ユーロを超える奨学金が受給されます。
奨学金名 | 金額 | 数量 | |
HEC Paris MBA Scholarship for Excellence | HEC Parisによって支給される奨学金 | 50%まで授業料免除 | 複数 |
Forté Scholarship for Women Candidate | 女性のための奨学金 | €26,000まで | 複数 |
HEC Paris MBA Scholarship for Diversity | 多様性の奨学金 | 50%までの授業料 | 複数 |
30% Club Scholarship | 女性のための奨学金 | 1年目の授業料50%まで | 複数 |
Laidlaw Scholars Program | 女性への奨学金 | 授業料免除 | 10名 |
L’Oreal Scholarship | 女性への奨学金 | €10,000 | 1名 |
《参照:HEC Paris奨学金》
IE (スペイン)
IEには、MBAだけでなく、修士過程の学生対象の奨学金が多くあります。
奨学金名 | 金額 | 数量 | |
IE High Potential scholarship | 学業優秀者への奨学金 | 未定 | 複数 |
IE Business School Dean’s Award | 学業優秀者への奨学金 | 70%の授業料 | 2名 |
IE Scholarship | 財務的に必要のある生徒への奨学金 | 10-40% の授業料 | 複数 |
IE Women Scholarship | 女性のための奨学金 | 10-40% の授業料 | 複数 |
IE Asia Pacific scholarship | アジアの学生のための奨学金 | 10-40% の授業料 | 複数 |
IE Women in STEM scholarship | STEM関係の経験をもつ女性への奨学金 | 10-40% の授業料 | 複数 |
IE Women in Finance scholarship | 金融業界に興味のある女性のための奨学金 | 10-40% の授業料 | 複数 |
IE High Achiever’s scholarship | 優れた学生への奨学金 | 10-40% の授業料 | 複数 |
IE Entrepreneurship Scholarship | 起業家への奨学金 | 10-40% の授業料 | 複数 |
IE scholarship for technology & innovation | デジタル変革に取り組む学生への奨学金 | 10-40% の授業料 | 複数 |
IE Forte MBA fellowship | 女性への奨学金 | €10,000~€25,000 | 複数 |
INSEAD (フランス)
INSEADは、150を超える奨学金基金が用意されていて、フォンテーヌブローとシンガポールの両方のキャンパスに適用されます。
奨学金には、ニーズベース、実績ベース(出身国、職歴、リーダーシップ能力などを組み合わせに基づいて授与)、また入学時に申請を必要とせずにすぐに授与される奨学金の 3つのカテゴリがあります。
2025年度入学のMBAクラスは、40%の学生が奨学金を受け取り、平均賞金は€21,200ユーロでした。ちなみに授業料免除の奨学金はありません。
《参照:INSEAD奨学金》
まとめ
本記事では、ヨーロッパのMBAの特徴やメリット、ランキング、学費、入学基準などについてまとめました。
ヨーロッパのMBAの魅力は、ヨーロッパらしいプログラムを通じて、現地のビジネス環境を深く学べることです。特に、将来的にヨーロッパと関わる仕事をしたい人に最適な選択肢となります。
さらに、1~1.5年と短期間で修了できるプログラムが多いことも大きなメリットです。
本記事が、皆さんの挑戦の手助けになれば幸いです!



