






「単語を覚えたのにスコアが上がらない」
「公式問題集を解いているのに、正解率がなかなか伸びない」
「時間が足りなくて、最後まで解き終わらない」
こうした悩みを抱えている人も多いのではないだろうか。
実際、単に語彙を増やすだけでは、IELTSリーディングのスコアを大きく伸ばすことは難しい。
高得点を取るためには、次の4つのポイントを意識した学習が必要になる。
- 英文の構造を理解する(文法・英文解釈)
- 語彙力を戦略的に強化する
- 多読でリーディングスピードを上げる
- 試験形式を分析し、過去問をやり込む
この4つをバランスよく取り入れることで、英文をスムーズに理解できるようになり、設問への対応力も上がる。
この記事では、IELTSリーディングで8.5を獲得した学習法をもとに、効果的な勉強法を詳しく解説する。
目次
IELTSリーディングの基礎
リーディング力を伸ばすには、単純に過去問を解くだけでは不十分だ。
英語の「構造」を理解することと、試験に必要な「語彙力」を強化することが重要なポイントになる。
特にIELTSのリーディングは、文章の流れを正しく理解しながら速読する能力が求められるため、英文解釈の力と語彙力の両方を鍛えなければならない。
英文法と英文解釈を強化

英語の構造を理解することが長文読解のカギ
IELTSリーディングの問題を解いていると、「単語の意味は分かるのに、文章の意味がつかめない」という経験をしたことがある人も多いはずだ。
これは、英文の構造を理解する力=英文解釈力が不足していることが原因である。
英語は「語順」と「文のつながり」が命。例えば、以下のような英文を見てみよう。
The policy, which had been widely debated among economists, was finally implemented after extensive revisions.
ここで主語・動詞をすぐに把握できるだろうか?
実は、「The policy(その政策)」が主語で、「was implemented(実施された)」が動詞だ。
しかし、間に挟まった「which had been widely debated among economists(経済学者の間で広く議論されていた)」が邪魔をして、文章の構造が見えづらくなっている。
こうした複雑な英文をスムーズに理解できるようになるためには、「英文法+英文解釈」をしっかり固めることが必要なのだ。
単語を知っていても読めない理由
IELTSのリーディングでは、知らない単語が出てくることは避けられない。
しかし、「単語の意味が分かれば解ける」と思っていると、大きな落とし穴にはまる。
例えば、以下の文を読んでみよう。
Despite his arduous efforts, the project was a failure.
「arduous(骨の折れる)」という単語の意味を知っていたとしても、
「Despite ~」が逆接(対比)を示すことを知らなければ、「努力したのにプロジェクトは失敗した」という意味が正しく理解できない。
つまり、IELTSのリーディングで大切なのは、単語の意味だけでなく、文章の構造や論理関係を正しく理解する力を鍛えることなのだ。
おすすめの文法・英文解釈教材
- 『超・英文解釈マニュアル』
「長文を読むのに必要なルール」が体系的に学べる一冊。この本は、英文解釈の基礎をシンプルなルールで学べるので、文の構造を把握する力をつけるのに最適だ。
- 『英語長文がロジカルに読める本』
「文章全体の構造」をつかむ練習に最適。IELTSリーディングでは、筆者の意図を正しく把握する力が必要だ。この本では、論理的に文章を読む方法が解説されている。
- 『ポレポレ英文読解プロセス50』
「複雑な構造の英文を正確に読む力」をつける。関係詞・分詞構文・仮定法など、IELTSで頻出の難しい構造をマスターするのに役立つ。




英語が読めないのは勉強不足でも頭が悪いからでもなく、学校の教え方がまずいから。英語にも“てにをは”があるのに君はそれをまったく習っていない!! 分厚い文法書など必要なし。単語帳以外に必要なのはこのマニュアルのみ!







従来の参考書とは一味違う、「なぜそうなるかのプロセス」を重視した問題演習書。読解に絶対必要な基本プロセスが身につく。


語彙力を戦略的に鍛える

IELTSリーディングで重要な単語の覚え方
IELTSのリーディングでは、日常会話レベルの単語では太刀打ちできない。
特に、学術的な内容やフォーマルな表現が多く使われるため、試験に特化した単語を効率的に覚えることが必要だ。
また、IELTSでは「言い換え(パラフレーズ)」の問題が頻出するため、1つの単語を覚える際に、類義語も一緒に覚えるのが効果的。
- surge(急増する)
- escalate(段階的に増加する)
- amplify(拡大する)
- proliferate(急激に増える)
語源を活用して効果的に覚える
単語を暗記するのが苦手な人は、語源を活用すると、記憶の定着率がグッと上がる。
IELTSでは、ラテン語やギリシャ語由来の単語が頻出するため、語源を知っていると、新しい単語の意味を推測しやすくなる。
語源 | 意味 | 例 |
bio- | 生命 | biology(生物学)、biodegradable(生分解性の) |
graph- | 書く | photograph(写真)、autograph(サイン) |
dict- | 言う | dictionary(辞書)、predict(予測する) |
port- | 運ぶ | transport(輸送する)、import(輸入する) |



おすすめの単語帳&アプリ
おすすめ単語帳
- 『Cambridge Vocabulary for IELTS』(ケンブリッジ公式単語帳)
IELTS頻出単語をリーディング・リスニングの文脈の中で覚えられる。試験対策に特化した内容になっており、セクションごとに演習問題も付いているので実践的な学習が可能。
- 『English Vocabulary in Use』シリーズ(初級~上級レベル別)
例文とセットで覚えられるので、単語を暗記するだけでなく、実際の文脈の中で意味を理解しやすい。語彙力を段階的に伸ばしたい人におすすめ。
おすすめ単語アプリ
- TANZAM
画像を活用したユニークな学習法で、単語の意味を直感的に理解できる。
記憶の定着率を高める工夫がされており、効率よく語彙力を強化できる。特に、視覚的に学習したい人に向いている。
- Anki(フラッシュカード式)
忘れやすい単語を効率的に復習できる。
自分で単語カードを作成することも可能で、間隔反復のアルゴリズムにより、記憶の定着を最大化できる。
- Quizlet(単語テスト機能あり)
IELTS用の単語セットが多数公開されており、クイズ形式で学習できる。
単語リストを自分で作成できるため、自分の苦手な単語を重点的に学習するのに適している。


IELTSリーディングのスコアを伸ばす実践法
IELTSのリーディングは、ただ単に読解力が高いだけでは高得点が取れない。
スピード、正確性、そして試験の特性を理解した対策が必要だ。
このセクションでは、スコアアップのための具体的な勉強法を紹介する。
速読力を上げる多読トレーニング

英語を英語のまま理解
IELTSリーディングでは、限られた時間内に大量の英文を正確に理解する能力が求められる。
そのためには、単語を見た瞬間に意味を理解し、英語を英語のまま処理できる「多読」が重要だ。
おすすめの洋書(レベル別リーディング教材)
IELTSリーディングのスコアアップには、「英語を英語で理解する」習慣を身につけることが重要だ。
しかし、いきなり難しい英文に挑戦すると、挫折してしまうことが多い。
そこで、英語学習者向けに作られたレベル別リーディング教材を活用するのがおすすめだ。
日本の英語学習者向けに作られたリーダー教材で、5段階のレベルに分かれている。日本人が苦手とするポイントを考慮して作られているため、読みやすい。音声付きの教材も充実しているので、リスニング強化にも活用できる。
- Oxford Bookworms Library(オックスフォード・ブックワームズ)
世界的に有名な英語学習者向けのリーダー教材。Starterからレベル1~6まで分かれており、1冊あたりの語数が決まっているので、無理なく多読できる。内容も名作文学からミステリー、ノンフィクションまで幅広い。
Pearson社が出版する、多読向けのリーダー教材。レベル0(Easystarts)からレベル6まであり、映画や小説を簡単な英語にリライトしたものが多い。




- 図書館を活用する
日本の図書館でも英語の本を借りられる。県内の図書館で連携している場合、遠くの図書館の本も取り寄せ可能。 - Kindle Unlimitedを使う
月額制で洋書を無制限に読めるサービス。英語学習者向けの本も充実している。 - オンラインの無料リソースを活用
「Project Gutenberg」などの無料で読める英語書籍サイトもおすすめ。




試験対策としての問題演習
リーディング力を伸ばしたら、次は試験形式に慣れることが重要だ。
IELTSのリーディングは、時間内に正確に解答するスキルが求められるため、過去問を活用して実践的な対策を行おう。
- 問題を先に読む:本文を読む前に設問を確認し、どの情報を探すべきか把握する。
- キーワードを意識する:本文と問題の共通の単語や類義語を手がかりにする。
- 段落ごとのポイントを押さえる:段落ごとに要点をまとめ、どこに何の情報があったか記憶しておく。


過去問&公式問題集の活用法
公式のIELTS問題集を活用し、実際の試験形式に慣れることが大事だ。
- 時間を測らずに解く(まずは正確に解くことを重視)
- 間違えた問題を分析する(なぜ間違えたのかを確認)
- 時間を意識して解く(試験本番のペースに慣れる)



終わりに
IELTSリーディングのスコアを伸ばすには、文法・語彙・速読力をバランスよく鍛え、試験形式に慣れることが欠かせない。
単に単語を覚えるだけではなく、文章の構造を理解し、効率的な読み方を身につけることが重要だ。
最初は難しく感じるかもしれないが、焦らずに続けていけば、徐々に英語を英語のまま理解できるようになっていく。
この記事で紹介した方法を実践すれば、リーディングのスコアは確実に伸びるはずだ。









