仕事や学業で忙しい中、英語学習を続けることは簡単ではない。
毎日少しでも時間を確保しようと決意しても、長時間の会議や予想外のタスク、家事や人付き合いに追われ、気づけば1日が終わっていることが多い。
また、限られた時間の中で何をどのように学ぶべきかが分からず、モチベーションが続かないという悩みもよく聞かれる。
学習の手順やツールの選択を間違えると、努力が実らないという不安もあるだろう。
本記事では、忙しい社会人や学生でも効率よく英語を学び続ける方法をツールと共に提案する。
目次
英語学習ツールを選ぶポイント
英語学習ツールは数多く存在するが、目標や学習状況に合ったツールを選ぶことが重要だ。
目的別のツールの選び方
リーディング強化
リーディング力を向上させるには、試験対策にとどまらず、本質的な英語力アップにフォーカスすることが大切だ。
- Kindleや洋書を使った多読を日課にする。興味のあるトピックや、以前日本語で読んだ本を英語版で読むと、内容を理解しやすく学習の負担も軽減される。
- TANZAMを使って、語彙力を集中的に強化する。TANZAMはイメージやゲーム感覚で単語を覚えられるため、学習が継続しやすい。1日10単語を目標に設定し、通勤時間に学習。
スピーキング/ライティング強化
スピーキングとライティングは独学が難しいため、以下のようなツールを使ってアウトプットの練習を取り入れるべきである。
- DMM英会話やCamblyを使い、毎日短時間でもネイティブスピーカーとの会話を行う。
- ライティングはGrammarlyやQuillBotを活用して、文法や語彙を修正しながらスキルを向上させる。
リスニング力向上
リスニング力を強化するには、英語音声への日常的な接触が鍵となる。
- TED TalksやBBC Learning Englishは多様な話題のスピーチやニュースを提供し、リスニングの幅を広げる。
- 初心者はNHK World Japanや簡単な英語ニュースから始め、徐々に難易度を上げると良い。
無料ツールの賢い使い方
無料ツールはコストを抑えながら効率的に学習を進めるための強力なリソースである。賢く使うためには、以下を意識することが大切だ。
- 多機能ツールを使い倒す
例えば、DuolingoやTANZAMはゲーム感覚で語彙力を鍛えることができ、楽しみながら学習を続けられる。
- 特化型ツールを組み合わせる
リスニングはTED Talks、ライティングはGrammarlyなど、各スキルに特化したツールを併用する。
- 時間を決めて取り組む
無料ツールは時間制限がないため、ダラダラ使わないように1日30分など目安を設定する。
有料ツールの活用タイミング
有料ツールは、高度な機能や個別指導を受けられる点で効果が高い。ただし、タイミングを見極めて使うことが重要である。
- スコアアップが急務の場合
短期間でTOEFLやIELTSのスコアを引き上げたい場合、有料模試やオンラインコースを活用すると良い。
- 無料ツールで限界を感じた場合
独学でのスコア向上に行き詰まりを感じたら、有料の個別指導や学習プランを検討する。例えば、英会話スクールのオンラインプランやオンライン模試プランは費用対効果が高い。
- 長期的なスキルアップを目指す場合
ビジネス英語やアカデミックライティングを磨きたい場合、edXやCourseraの専門講座を取り入れることで、体系的に学ぶことができる。
【4技能別】おすすめ英語学習ツール&サイト集
読む:リーディングを強化するツール
リーディングは英語の基礎スキルであり、多読を取り入れることで効果的に伸ばすことができる。
全員におすすめ
- Kindle
リーディング力を伸ばしたいが教材が続かない人、趣味を兼ねて学習をしたい人におすすめ。
まずは、読んだことのある日本の本を英語で読んでみよう。
Kindleは辞書機能があり、電子辞書は不要、そして調べた単語は単語カードに記録・蓄積されるため、紙の本を読むよりもフラストレーションがたまらない。
- 洋書
初心者向け
中級者向け
上級者向け
聞く:リスニングを伸ばすツール
リスニング力を向上させるには、多様な音源を使い、興味を持ちながら学習を続けることが重要だ。
隙間時間を活用して聞く時間を増やしていこう。
最初は聞き取れなくて辛いかもしれないが、英語の教科書よりは興味が持てるものもあるだろう。
初心者向け
NHKの英語版。日本のニュースを英語で配信しており、内容が身近で理解しやすい。
初心者にとって入り口として最適なリスニング教材である。
- BBC Learning English
BBCの英語学習プログラムは、自然なスピードの音声でリスニング力を鍛えるのに最適である。
おすすめコンテンツ:
- 6 Minute English:短くテーマに集中できる構成で、初心者にも取り組みやすい。
- The English We Speak:イディオムやスラングを学ぶことで、実用的なリスニングスキルが身につく。
中級者向け
TEDは様々なトピックを短時間で学べるプレゼンテーション動画を提供している。
中級以上のリスニング力を持ち、新しいトピックに興味を持つ学習者におすすめだ。
字幕機能を活用することで、聞き取りづらい部分も確認しながら学習できる。
- ポッドキャスト
英語学習者向けのポッドキャストが豊富で、イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語などのアクセントに慣れることができる。
おすすめポッドキャスト:
- The Daily(New York Times):アメリカ英語を学びたい人向け。
- Luke’s English Podcast:イギリス英語を楽しく学びたい人に最適。
上級者向け
- Audible
洋書のオーディオブックを聞くことで、リスニング力と発音の両方を強化できる。
ナレーターの発音がクリアで、英語に慣れるための練習に最適。
すでに基礎的なリスニング力を持ち、長文を聞くことに抵抗感がない学習者におすすめだ。
一度読んだことのある洋書や、気になっている洋書をAudibleで聞き込もう。
- ドラマ・映画
英語のドラマ・映画を、日本語字幕なし、又は英語字幕で見よう。
- 英語の授業
無料でハーバードやスタンフォード、MIT等の有名大学の授業が受講できる。難易度はネイティブが受けるレベルなので高い。
中には、ETSが提供するTOEFLや語学学習者用の授業もあるため、初心者も受講可能だ。
話す:スピーキングを鍛えるツール
スピーキング力を高めるためには、実際に声を出して練習する機会を増やすことが重要だ。
特に、日本では英語を話す環境が限られているため、オンラインツールや発音練習アプリを活用することで効率的なトレーニングが可能となる。
短くても毎日なんとか話す時間を作っていこう。
オンライン英会話
DMM英会話、レアジョブ英会話は、月7,000円程度で毎日25分のプランが売り。
ネイティブキャンプは、月6,700円程度でまさかのやり放題。しかし、先生は選べない。初回の先生と毎日自己紹介をする必要はありそうだ。
ビズメイツは若干高額だがビジネス英語に特化しており、大人の英語学習者には検討の余地がある。
発音
- ELSA Speak
ELSA SpeakはAIを活用した発音矯正アプリで、ユーザーの発音を分析し、ネイティブスピーカーとの違いを具体的にフィードバックするツールである。
単語やフレーズ単位で練習でき、苦手な発音をピンポイントで改善できるのが特徴だ。
- YouGlish
YouGlishは、特定の単語やフレーズを含む動画を検索し、その発音や実際の使い方を学べるプラットフォーム。
アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語などのアクセントを選択可能。発音を動画で確認しながら、実際の会話での使い方を学べる。
自分が発音を苦手とする単語を検索し、イントネーションやリズムに注意して動画を真似してみよう。
言語交換
英語ネイティブで日本語を勉強をしたい人と、言葉を教え合う。
実は、外人で日本語を勉強したい人は、日本に興味があるだけでほとんど日本語ができないというパターンがあり、一方的に英語の勉強ができてしまうケースも多い。
いくつかおすすめのランゲージエクスチェンジのコミュニティを紹介する。
≫参考:HelloTalk(ハロートーク)歴3年超の私が言語交換のコツを解説
完全無料。伝統的なlanguage exchangeのサイトだ。メールで文通、スカイプでチャット(会話も含む)等、言語と媒体を指定して友達を探す。
誰も読んでくれない英作文よりも、相手のいるメールの方が、やる気が出るのではないだろうか。
こちらは有料サイト。興味を持った相手に無料でイイね(Hi)を送る。有料会員でないと、こちらからメールは送れない。
しかし、プロフィール欄に自分のアドレスを書いておけば、自分に興味を持った相手からメールが送られてくるため、無料でネイティブとやりとりすることができる。
書く:ライティングを上達させるツール
Grammarly
基本無料でスペルミスはもちろんのこと、動詞の単複やaやthe、複数形などの基本的なミスを添削してくれるサービス。
より自然な英語を目指したい初心者〜中級者におすすめだ。
英語日記やエッセイ、メールの英文法チェックで活用したい。
英語勉強のためには無料版でも十分のため、一度便利さを体験して見ることをおすすめする。
DeepL
DeepLは無料の翻訳ツール。Google翻訳よりも自然で正確な翻訳を作ってくれることで話題になった。
DeepLは英語→日本語の翻訳で長文読解の助けになるだけでなく、日本語→英語で翻訳された例文から新しい表現やフレーズを学ぶためにも適している。
ラングリッジエクスチェンジでメールやテキストを瞬時に翻訳するのにも便利だ。
英語学習を習慣化するコツ
英語学習を継続する上で、モチベーションに頼ることは非効率。
なぜなら、モチベーションは日によって上下するため、安定して学習を続けるには「習慣化」が最も重要である。
ここでは、英語学習を日常に組み込む具体的な方法を紹介する。
隙間時間を活用したルーティンの確立
日々の生活に自然に学習を取り入れるには、隙間時間に特定の行動を習慣化することが効果的だ。
- 通勤通学中に必ずアプリを開く
朝の通勤時間にTED動画を視聴し、夜の帰宅途中にTANZAMで単語復習をするなど、行動を固定化する。
- 朝食後や寝る前に机に向かう
決まった時間に机に座るだけでも良い習慣のスタートになる。最初の5分間は軽い作業(単語の復習やリーディングの一部)から始めることで、負担感を減らせる。
- 料理や運動中はオーディオ学習をする
ポッドキャストやオーディオブックを聴きながら、料理やストレッチをする習慣をつける。
学習時間を固定し、ルール化する
学習を習慣化するためには、毎日のスケジュールに「学習のための時間」をあらかじめ組み込むことが必要だ。
- 時間と場所を固定する
毎朝7時にリーディング、夜10時にリスニングの時間を作るなど、特定の時間を決める。さらに、学習場所を固定することで、環境が学習モードを助ける。
- アクションを小さく始める
例えば、1日10分だけ学習することから始めるとハードルが低くなり、徐々に時間を増やすことができる。重要なのは「毎日続けること」だ。
- タイマーを活用する
1回25分間学習して5分休憩する「ポモドーロ・テクニック」を取り入れることで、集中力を維持しやすくなる。
時間確保の例
例:平日(30分学習)
- 朝(10分):TANZAMで新しい単語を10個覚える。
- 通勤時間(10分):TED動画を視聴し、主要なフレーズをメモ。
- 夜(10分):Grammarlyを使い、1日分の日記を添削。
例:休日(3時間学習)
- 午前(1時間):Kindleで洋書の1章を読む。重要な単語やフレーズをメモ。
- 午後(1時間):オンライン英会話で25分×2セッションを行う。
- 夜(1時間):Audibleで洋書のリスニング。分からない単語は辞書で確認。
トリガー行動を設定する
学習の習慣化を強化するには、特定の行動を「トリガー」にする方法が効果的だ。例えば:
- 朝のコーヒーを飲むタイミングで英単語アプリを開く
- 通勤電車の座席に座ったらTED動画を再生する
- 歯磨きの後に必ず英単語アプリを開く
- 寝る前の時間にKindleを1ページ読む
これにより、特定の行動が学習のきっかけとなり、意識せずとも英語学習を始められるようになる。
まとめ
英語学習や海外大学院進学の成功には、継続的な努力と効果的なツールの活用が欠かせない。
本記事で紹介したリソースや方法を取り入れることで、4技能を効率よく強化し、自分の弱点を補おう。
モチベーションに頼らず、学習を日常生活に組み込む仕組み作りがキーとなる。
適切なリソースと計画で効率的に学び、目標に向けて一歩ずつ進んでいこう。