「英検2級に合格したいけど、何をしたらよいか分からない..」
「単語やリスニングの勉強法が不安..」
「合格に必要な日々の学習時間を知りたい..」
今回は高校生のこんな悩みを解決できる記事を用意しました。
この記事で紹介する「英検2級対策」を実施すれば、最短3ヵ月で合格できますよ!
なぜなら、実際に僕が指導してきた高校生もこの方法で、英検2級を取得できたからです。
記事前半では、学習法や参考書について、後半では学習スケジュールを解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
みなさんもこの記事の内容を理解して英検2級に合格しましょう!
この記事の著者:じゅん
大学卒業後、私立高校で勤務。英語教員として、高校生を8年間指導してきました。特に英検2級と準1級の指導が多く、校内では外部英語検定チームの一員として英検研究に励んでいます。2次面接対策も生徒に行うことが多く、ほとんどの生徒は1発で2次試験に合格しました!英検1級所持者。
目次
英検2級の試験概要
試験内容
英検2級では、4技能を筆記試験や面接で測ります。
- リーディング(1次試験)
- リスニング(1次試験)
- ライティング(1次試験)
- スピーキング(2次試験)
1次試験はリーディング&ライティングの85分間とリスニングの25分間の試験です。
出題される問題形式や内容は下記の画像を参照してください。
2次試験のスピーキングでは英語での面接が約7分間行われます。
(英検公式サイトより引用)
英検準2級との違い
英検2級の目安は高校卒業程度の英語力と言われており、準2級よりも難易度は高いです。
そして、合格するには準2級との違いを理解をする必要があります!下記の表に主な違いをまとめてあるので、確認してください。
技能別 | 英検準2級との主な違い |
リーディング | ・長文の総語数が570語増加 ・会話文の空所補充がなくなる |
リスニング | ・会話の応答文選択がなくなる ・1問あたりのスクリプトの語数が15語程度増加 |
ライティング | ・ライティングの指定語数が30語増加 |
スピーキング | ・イラストについての質問が1問に減少 |
英検2級のレベル 〜合格率と保有率〜
これから英検2級を受験するみなさんは「結局、英検2級はどれくらい難しいの?」という疑問を持っていると思いますので、合格率や保有率について説明します。
2016年に英検が発表した調査結果によると、高校生の英検2級1次試験の合格率は約34%でした(参考:日本英語検定協会)。
また私が今までに指導してきた1500人以上の高校生の実績からも、この数字は現在も大きく変わっていません。
みなさんが学校で受けている模試で偏差値50後半を取れているならば、この合格率は格段に上がります!そして、英検2級の英語力があれば、大学入試共通テストでは6〜7割を取れるでしょう!
また、GMARCHと呼ばれる大学を目指している高校3年生の70%ぐらいは英検2級を所持していると考えてください。
高校生が英検2級に合格するメリット3つ
日本英語検定協会によると、2021年度の英検受験者のうち中学生や高校生が約75%も占めています。
いまの中高生にとって、英検は「受験して当たり前」の試験です(参考:日本英語検定協会)。
そこで、高校生が英検2級に合格するメリットの3つを紹介します!
- 英語力に自信を持てる
- 大学受験でアドバンテージを得る
- 外国人の方と、よりコミュニケーションができる
メリット1:英語に自信がつく
英検2級を所持していることで、みなさんは高校卒業程度の英語力が証明できます。合格すれば、「高校卒業程度の英語力があるんだ!」と英語に自信を持てますね!
そしてこれだけの英語力があれば、模試でも英語の偏差値が伸びたり、英語の授業にも積極的に参加でき、英語学習がもっと楽しくなります。
みなさんも英検2級を取得して英語力に自信を持てるようになりましょう!
メリット2:大学受験で有利になる
みなさんが、英検2級を所有していると、大学入試で優遇措置を受けることができます。
例えば、東洋大学の一般入試前期日程では、英検2級(CSEスコア1980点)を所持している場合、英語のみなし得点は80点です!
(東洋大学公式サイトより引用)
ただし、優遇措置の内容については、各大学で異なりますので、最新版の入試要項を必ず確認しましょう!
多くの高校生が英語外部検定利用を活用して、大学受験を有利に進めています。
大学受験の英検活用については、下の記事でもさらに詳しく説明しているので、是非読んでみてください!
メリット3:外国人の方と英会話ができる
英検は日常的な話題や場面をテーマにした試験です。なので英検2級を持つことで、外国人の方とのコミュニケーションも困らなくなります。
例えば、みなさんの住んでいる地域や高校で国際交流会があるなら、積極的に英語で話すことができますよ!また、最近では、オンライン交流会も盛んになっているので、英語が使える場面も増えています。
実際に学んだ英語を使って、交流することで、今後の英語学習モチベーションをあげていきましょう!
英検2級に合格するための勉強法と参考書
2016年の日本英語検定協会の発表によると、約7割の高校生が英検2級1次試験で落ちています(参考:日本英語検定協会)。
「じゃあ、合格するために具体的にどんな勉強をすればいいの」
おそらくみなさんはこんな悩みを抱えているでしょう。
英検2級に合格するには、この6つを対策してください。これに合わせて過去問演習も行いましょう。
- 語彙
- 文法
- ライティング
- リーディング
- リスニング
- スピーキング
今回はそれぞれの学習法や使うべき参考書も紹介しますね!
語彙学習
英検2級に合格するためには、新たに2500語の単語を覚える必要があります。1次試験を突破するには約5000語の単語が必要ですが、中学校までで約2500語しか学んでいないからです。
また、多くの高校生は、中学校で学んだ単語も一部忘れています。場合によっては、約500語覚え直す必要もあるでしょう。
また英検2級に出てくる単語は大学受験でも必要不可欠です。なので、語彙を網羅することで、みなさんは大学受験も有利に進めることができます。
この語彙学習で、オススメな単語帳は『英検2級 でる順パス単』、過去問は『英検2級 過去6回全問題集』です。
特に単語帳の種類が多くあり、選ぶのに悩むと思いますが、単語帳はこの1冊と過去問演習で充分足ります。
実際に、僕が教えてきた多くの生徒もこの1冊をやり込み、過去問でわからない単語を全て覚えることで、合格できていますよ!
『英検2級 でる順パス単』に載っている単語や熟語は約1700語。実際にみなさんが高校の授業で学んだ単語も多くあるので、新たに暗記が必要な単語はこの数より少ないでしょう。
語彙暗記は復習の頻度を増やし、「この単語見たことがある!」という状況を作り出す必要があります。
もしみなさんが最短かつ効率的に学習を進めたいなら、以下の手順がおすすめです。
- でる順パス単を1か月で最低4周
- 過去問を解き、分からない単語を全て暗記
実際に、私が指導してきた生徒は夏休みや冬休みを活用して、単語暗記を一気に終わらせています。
「分からない単語が減り、普段の英語の授業も理解できるようになった」という声も多く、まさに一石二鳥です。
» 【無料】英単語アプリ『TANZAM』イメージで覚える最先端の暗記法
文法学習
英検2級では、第1問の約3問/20問が文法に関する問題です。この文法問題は出題範囲が限られているので、対策をすれば高得点を取ることができます。
主な出題分野は以下の4つです。
- 助動詞+have+過去分詞
- 関係詞
- 分詞構文
- 仮定法
しかし、高校1年生の時点では、これらの文法事項を習っていない場合があります。
高校1年生のみなさんは、『総合英語 FACTBOOK これからの英文法 NEW EDITION』を使って、文法知識を固めてください。
この本には文法事項ごとにQRコードもあり、動画で文法の説明も聞くことができます。
文法の知識を入れたら、過去問題演習を通じて解けるようにしていきましょう。
差がつく文法事項をマスターすれば、英語の授業も理解しやすくなります!
ライティング
次にみなさんが対策するべきは、ライティングです。
1次試験の合否を決める英検CSEスコアのうち、ライティングが3分の1を占めています。
実際に、英検合格者のうち10%の生徒はリーディングやリスニング5割程度でも、ライティングで9割取ることで1次試験を通過しています。
もしみなさんも最短で英検2級に合格したいなら、まずはライティング対策から行いましょう。
使うべき参考書は『最短合格! 英検2級 英作文&面接完全制覇』です。
(MP3音声無料DLつき)最短合格! 英検2級 英作文&面接完全制覇 (英検最短合格シリーズ)
この本はスピーキングの対策にも使うことができるので、コストパフォーマンスも良く人気があります。
実際の学習方法は以下の通りです。
- Chapter 2を読み自分が使えそうな表現をピックアップする
- 音読などをして、実際に①の表現を自分が使えるようにする
- Chapter3や過去問題のトピックで英作文を書いてみる
- 学校の先生に添削をしてもらう
この流れを試験2〜3ヶ月前から行いましょう!
よく英検1週間前になってから、英作文の添削依頼をする生徒がいますが、対策が遅すぎます。最低でも1か月前からは週1本の英作文を書いて添削してもらいましょう。
学校の先生にお願いしにくい場合は、オンライン英作文添削サービスやオンライン英会話などもを活用してください!
リスニング
「リスニング対策で何をすればわからない」
この質問は私が生徒から最もよく受ける質問です。
「過去問題を解く→答え合わせ」のサイクルだけでは、いつまで経っても聞き取れるようになりません。リスニング力を上げるには正しいトレーニングが必要だからです。
この具体的な方法は以下の通りです。
- 問題を解く
- 答え合わせをする
- スクリプトを見てわからない単語やわからない文法を全てなくす
- 本文を見ながら、音源と一緒に音読する(=オーバーラッピング)
- 本文を見ずに、音源と一緒に音読する(=シャドーイング)
みなさんが話せない英語は聞き取ることもできません。なので、⑤のシャドーイングを通じて、英文を見ずに音源と同じスピードで言えるようになりましょう。
特に英語の音読が苦手と言う生徒は、④のオーバーラッピングの回数を増やしてください。音源と一緒に音読をすれば、リスニングのスピードについていけるようになります。
リーディング
リーディング対策を効率的に進めるには、語彙学習を8割程度は完成させることが重要です。
もし単語暗記が不十分だと、過去問を解いても、
- 「単語がわからないから解けない」
- 「わからない単語が多くて、復習に時間がかかる」
と悲惨な状況に陥ってしまいます。
学習効率を下げないためにも、語彙学習をしっかり終わらせておきましょう。
リーディング対策では、この2つの学習を行ってください。
- 問題を解く
- 解説や和訳なども読み、わからない単語やわからない文法をなくす
英検では、同じような単語や文法が繰り返し出題されます。わからないところをなくしておくことが英検合格への最短ルートです!
スピーキング
スピーキング対策でオススメの参考書も「最短合格! 英検2級 英作文&面接完全制覇」です。
ライティング対策をやっておけば、面接でも必要なアウトプット力が身に付いているはず!なので(実際に2次試験の合格率は8割程度)、今回はスピーキングで差がつくイラストの説明問題について対策方法をお伝えしますね。
この参考書にある「面接No. 2イラスト描写フレーズ」を覚えましょう。
実際に模擬面接をしていると、高校生はこの設問では正しい動詞が思いつかずに、苦戦しています。
このフレーズが言えるようになったら、この参考書や過去問に載っている第2問を全て解いてみてください。
自分でトレーニングを行っておくことで、学校の先生との模擬面接がより効果的になります。
過去問演習
英検は過去の問題を再度出題する傾向があります。なぜなら、新しい問題を作り出すには限界があるからです。
例えば、2022年度第2回では、大問1の(6)でquantityという選択肢が出題されています。これは、2019年度第3回でも、同じくquantityが大問1の(6)の選択肢として出題されていたのです!
また、Readingだけではなく、Writingも、過去に出題されたトピックと似たものが出題されます。
これらの事実から英検が過去の問題をある程度リサイクルしているのは間違いないでしょう。
だからこそ、過去問演習は英検合格には必須と言えます。長文に出てきた単語や不正解の選択肢も覚えるなど、過去問を最大限有効活用することも合格への近道です。
上記で紹介した勉強法と合わせて、過去問演習もぜひ取り入れてください。
高校生が英検2級に合格するためのスケジュール
次に実際に英検2級を取得するためのスケジュールを紹介します。
学校行事や課外活動の予定も確認しながら、計画的に対策を行ってください。
いつまでに2級に合格するべきか
英検2級は遅くても高校3年生の11月までに取得しましょう。この時期までに合格しておけば、大学受験の一般入試で活用できますよ。
また学校型選抜や総合型選抜に利用したい場合は、11月より早めに合格してください。もし高校2年生までに取っておけば、英語を得意科目にすることができます。
英検2級が高校1年生の間に合格できれば、高校在学中に英検準1級の合格を目指すことも可能です。
どれくらいの期間が必要か
毎日2~3時間を英検対策に使うことで、最短3ヶ月で合格できます。学校の授業や部活で忙しくて、30分程度しか勉強できない場合は1年程度は必要です。
時間がかかる語彙学習などを長期休み中に終わらせておけば、効率的に対策ができます。
学習時間を確保する方法については、次の項目で説明しますね。
1日にどれくらい勉強するべきか
最短で合格するには、1日あたり2~3時間費やすことが理想ですが、まずは1日30分を英検対策に使いましょう!
リスニング学習は継続的なトレーニングが必要なので、優先的に行ってください。
「30分も勉強できないよ」と不安になる場合は、まずは5分でもいいので英検に向けた勉強をして、徐々に時間を増やしていきましょう。
英検2級合格後にやるべき3つのこと
英検2級に合格した後に、ぜひみなさんに取り組んでほしい3つのことを紹介します!
- 英検準1級対策
- 入試レベルの問題演習
- 他教科の学習
1つ目:英検準1級の勉強をする
英検2級に合格したら、英検準1級を目指していきましょう。英検準1級を持っていることで、他の受験生よりも大きくリードすることができます。
実際に私が指導してきた生徒のうち、準1級所有者は総合型選抜や一般入試で良い成績を残すことができました。
英検2級対策よりも時間がかかるので、合格したらすぐに準1級の対策も始めていきましょう。
2つ目:大学入試問題にチャレンジする
英検2級に合格できる語彙力や読解力があれば、大学入試問題を解き始めることも可能です。学校の教科書や副教材だけでなく、入試問題にも積極的にチャレンジしてください。
ただし、大学入試問題では英検2級よりも文構造が複雑になっています。1文が長くなると、英文が読めなくなる人は、精読に特化した問題集を先に終わらせておきましょう。
3つ目:他教科への学習時間に充てる
英検2級に合格したら、みなさんにとって英語は武器になってます。
英語を極めようとせずに、他の教科に時間を割くことも効果的です。特に理系の人は数学や理科に勉強時間を割く必要が出てきます。
英語以外の教科にも学習時間を割いて、教科バランスを良くしてみましょう!
【Q&A】よくある質問2つ
質問1:他の英語資格を受けるべきか?
みなさんが海外留学も考えているのであれば、英検2級取得後にIELTSやTOEFLにチャレンジしてみてください!
海外留学を考えてない場合は、TEAPに挑戦していくこともオススメです。TEAPは英検と異なり、以下の特長があります。
- 合否ではなく、スコアが算出
- 1日で4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)を測る
また、英検と同様に大学入試では優遇措置を受けることができます。英検よりもアカデミックな内容理解が求められ、大学入学後に直結した英語力が必要です。
英語に時間を割くことができるならば、上記の試験を受けるのもいいでしょう。
質問2:どうしたら勉強時間が確保できるのか?
高校生は授業、部活動、課外活動など多くの取り組みをしているので、学習時間の確保も難しいと思います。
そこで、私が指導してきた1500人以上の高校生で、勉強時間の確保に成功した例を紹介しますね!
- 毎日学習できる時間を確保する(通学時間や帰宅後など)
- その時間帯にやるべきことを固定する(通学時間は語彙学習・帰宅後はリスニングなど)
また、学習時間が確保できないよくある原因は、「何から勉強したらいいかわからない」と悩み、勉強をスタートできないことです。
まずは5分でもいいので、
- 帰宅後に必ずリスニング対策を行う
- 電車の中の帰りの10分間だけは単語学習を行う
など、毎日確保できる時間を英語学習に使いましょう。
みなさんも日々の学習時間を確保し、英検2級に合格してください!
まとめ
この記事では、高校生が英検2級に最短で合格する方法を説明しました。
英検2級は高校卒業レベルですが、しっかり対策をすれば合格することができます!
高校の英語の授業だけでなく、模試や入試でも良い結果を出せるようになりますよ。
そのためには、毎日英語学習の時間を確保し、
- 語彙対策
- 文法対策
- ライティング対策
- リスニング対策
- リーディング対策
- スピーキング対策
- 過去問演習
を実践してください。
みなさんだけでなく、全国の高校生が2級合格のために英語学習に励んでいます。
みなさんも、高校生のうちに2級を取得して、今後の高校生活をより充実させていきましょう!