目次
EDHECビジネススクール(MBA)の基本情報
EDHECビジネススクールの基本情報
基本情報
- 正式名称:EDHEC Business School (École des hautes études commerciales du Nord) Business School
- 公式HP:https://www.edhec.edu/en/
- 所在地:Nice Campus: 393, Promenade des Anglais – BP3116
06202 Nice Cedex 3 – France - 提供プログラム:1年制フルタイム (最短10ヶ月)、パートタイム(16-19ヶ月)、ヘルスケア、イノベーション&テクノロジー分野専門パートタイム(16-19ヶ月)、オンラインMBA(24ヶ月)
特徴
EDHECビジネススクールは、1906年創立、南フランスのニースにあるフランス独自の高等専門教育機関であり、専門分野においての高度専門職を養成する「グランゼコール」のひとつです。
EDHECのMBAの最大の特徴は、持続可能な社会への視点を全面的に押し出したプログラムとなっていることです。
最短で10ヶ月という短期集中のコースの中で、ESGプロジェクトなど、最新のヨーロッパらしいトピックや、持続可能性(サステナビリティ)を全面に押し出したユニークなプログラムを提供しています。
前半の半年間で、必須科目として戦略的なファンデーションを学び、後半で選択科目と専攻を選び、学習を深めていくことができる大変内容の濃いプログラムとなっています。
EDHECのあるニース近郊には、ヨーロッパのシリコンバレーとも呼ばれる工業地帯のSophia Antipolisがあります。
Sophia Antipolisは、IBMやテキサス·インストゥルメンツ、ヒューレット·パッカード、シーメンスなど、コンピュータや情報機器メーカー、ハイテク関連の研究所などが集積し、多文化、多国籍、多人種が集まるユニークな地域です。
コース終盤に行われるコンサルティング・プロジェクトでは、フランステレコムやフィリップス等、多くのハイテク企業がプロジェクトを提供しています。
そのため、EDHECビジネススクールは、技術系の企業に進む卒業生が多いことで知られています。
EDHECが提供するMBAプログラム
EDHECは1つのフルタイムMBAの他に、2つのパートタイムMBAプログラムとオンラインMBAのプログラムがあります。
- 正式名称:エグゼクティブMBAヘルスケアイノベーション&テクノロジー
- 英語でのプログラム
- 期間:16ヶ月~19ヶ月
学費とクラスプロファイル
EDHECビジネススクールのフルタイムMBAの概要は下記のとおりです。
学費
- プログラム期間:10ヶ月
- 学費(2024年):€51000
クラスプロファイル
- 学生数(Full-time MBA):75名
- 女性比率:39%
- 留学生比率:97%
就職状況・平均給料
EDHECのMBA世界ランキング
QSグローバルMBA及びファナンシャルタイムズのランキングで以下のようになっています。
- 51位(世界)
- 20位(ヨーロッパ)
- 5位 (フランス)
- 47位 (世界)
- 14位(ヨーロッパ)
- 5位(フランス)
EDHECビジネススクールのMBAカリキュラム
GLOBAL MBAと呼ばれるEDHECのフルタイムMBAは、最短で10か月のプログラムですが、インターンシップまたは交換留学を専攻することで延長となるため、12か月での卒業が平均となっています。
必須科目・選択科目と選考科目
必須科目:最初の6ヶ月の戦略的ファンデーションコース (9月ー2月)
戦略、イノベーションと管理、財務、分析とリスク、個人および組織のリーダーシップ
《参照:EDHEC MBA プログラム 》
選択科目:スキル取得に焦点を当てたモジュール (3月ー4月)
マクロ経済、ビジネス開発、コーポレートファイナンスのケーススタディー、データの視覚化、戦略的先見、アジャイル思考
《参照:EDHEC MBA 選択科目 》
専攻:1ヶ月の専攻モジュール (3月ー4月)
以下の4つの専攻モジュールから1つを選択します。
- インターナショナルファイナンス
- グローバルリーダシップ
- 起業
- デジタルイノベーション
専攻したモジュールによって、金融ハブであるロンドンへの研修、その他シンガポールやシリコンバレーなどへと選ばれた国への1週間の学習研修が含まれています。
研修では専門分野のリーダーとトレンドや問題ついて話し合い、授業で学んだ理論が現実の世界でどのように機能するかを確認することができることができます。
《参照:EDHEC MBA 専攻 》
持続可能性インパクトチャレンジプロジェクト
EDHECの目玉の、ESGに焦点を当てたプロジェクトです。
チームでプロジェクトに取り組み、各チームには提供企業から解決すべき課題が与えられます。
プロジェクトの中には、海外への学習研修も含まれています。
2023年のチャレンジの参加企業と、トピックスは以下のとおりでした。
チャレンジ参加企業:
Air Liquide、Atradius、Vulog、IBM、Schneider Electric、Somfy、EO2、SBM Offshore、Technique Solaire、Circul’R
トピック例:
- 生物多様性の保全
- 脱炭素化
- さまざまな CO2 クレジット、リスク、機会の明確化
- 皮革産業の循環経済モデルの開発
- 課税規制と委任行為の影響を特定
《参照:EDHEC MBA サステーナブルインパクトチャレンジ 》
MBAプロジェクト
最後に、6つの選択肢から1つ選ぶこととなります。
①コンサルティングプロジェクト
過去のプロジェクトの例:
Airbus, Air Liquide, Amadeus, Calderys, indenico group, IZICAP, John Taylor Real estate, Johnson&Johnson, Le Redoute, ThaleAlenia Space, Orphoz
- 国際市場での新製品の発売
- 既存の製品を新しい海外市場用に開発
- ジェンダーの多様性に関する世界的な調査を実施し、推奨事項を提示
- スタートアップ企業のポジショニングを変更し、事業計画を修正し、資金調達方法を特定
- 世界中の B2B クライアント向けに包括的なモバイル製品を開発
- 投資銀行業務の組織構造変更の選択肢を模索
②持続可能プロジェクト
③リサーチプロジェクト
④ビジネス計画 (起業向き)
⑤インターンシップ (6ヶ月まで延長可能)
インターンシップ先の例:
Amadeus (フランス), Amazon (ルクセンブルク、英国、フランス), Nielsen (オランダ), MARS/Royal Canin (フランス), Nissan (フランス), Sodexo (フランス), VMware (米国) , Schneider Electric (フランス)
⑥交換留学
EDHECビジネススクール(MBA)に留学する理由
持続可能な社会への視点を全面的に反映したプログラム
EDHECのMBAは、ファイナンシャルタイムズの世界のESG教育ランキングで、世界3位のMBAにランキングされています。
EDHECの必須コースの80%にESGトピックが組み込まれており、例えばマーケティング のコースの中で、グリーンウオッシング(環境配慮をしているように装いごまかす実態を伴わないビジネス行為)、財務会計のコースの中でESGファイナンスを学ぶことができます。
また、必須プロジェクトとしてすべてのMBA学生が5か月にわたるサステナブル・インパクト・チャレンジに参加し、企業が提示する実際のESG 問題を解決します。
より集中的にESGについて学びたい学生のために、ビジネス倫理、持続可能性とCSR、持続可能なビジネスモデルなどのモジュールも提供しています。
更に、インターナショナルファイナンス専攻のクラスでは、EDHECの気候金融研究センターである EDHEC-Risk Climate Impact Institute(※)と協力して「持続可能な金融(サステーナブルファイナンス」というコースを提供しています。
(※)EDHEC-Risk Climate Impact Institute は、EDHECの気候関連の金融リスクと、気候変動の緩和と適応に対する金融および金融ツールの影響についてさらなる研究を追求するシングタンクです。
《参照:EDHEC risk climate impact institute》
IT関係への就職が多い
EDHECのあるニース近郊には、ヨーロッパのシリコンバレーとも呼ばれる工業地帯のSophia Antipolisがあります。
そのためテクノロジー企業と繋がりが強く、EDHEC MBA の卒業生の就職先の主要分野はテクノロジーとなっています。
2022年の卒業生の23%がテクノロジー関連企業に就職しました。 16%が金融サービスの職に就き、18%がコンサルティングのキャリアを選択し、包装商品、小売および電子商取引、エネルギー(グリーン)が上位6業界を占めています。
就職先の例:アマゾン、Amadeus、Brut.、 Izicap、 Boston Scientific、Schneider Electric
《参照:MBA就職先》
南フランスのニースという立地
EDHECのMBAは、南フランスの一年中温暖な気候の高級リゾート地、コート・ダジュールの中心都市、ニースにあるキャンパスで行われるコースです。
南フランスには、観光地が多く、またイタリア、スペイン、モナコなどにも週末に訪れることができます。
南フランスにランキングの高いMBAプログラムのある学校は少ないため、EDHECは立地的にも魅力があります。
グランゼコールからのMBA取得というフランスでの高いステータス
EDHECは、フランスのアイビーリーグの位置付けのグランゼコールの1つです。
グランゼコールは、フランスのエリート教育機関で、卒業生のかなりの割合がフランス社会の最高レベルを占めています。
フランスではグランゼコール卒業が政府、行政、大企業のトップの地位に就くための必須資格とみなされているとさえ言われています。
教育の質が高いトリプルクラウン校
EDHECは、マネジメント教育の品質を評価する組織である米国AACSB International、英国AMBA 、欧州EQUISの3つの国際認証機関から認証を受けたトリプルクラウン校です。
「トリプルクラウン」の称号を持つビジネススクールは、世界のビジネススクールの1%以下です。(2023年8月時点で世界で125校のみ)
What makes EDHEC’s Global MBA unique?
EDHECのMBAの偏差値は?出願の難易度や入学条件
海外の大学には、偏差値とという概念がないため、出願の難易度は出願の要件から判断することになります。
MBAの難易度と出願要件
EDHEC MBAへの出願で必要なものは以下の通りです。これはほとんどのMBA留学準備では同様になります。
このように、海外のMBA進学の難易度は、英語力や学力の証明など各種スコアの準備やエッセイ、インタビューなどの準備がハードルとなってきます。
EDHECではIELTS6.5から英語力スコアを認めているため、スコア準備の難易度は若干低めの設定となる。
- 学士学位
- 大学成績書
- 履歴書(最低3年の仕事経験)
- エッセイ
- 推薦状2通
- GMAT / GRE
- TOEFL / IELTS/ Duolingo
- インタビュー
- 平均GPA(またはレンジ):3 or higher
- 平均GMAT:650
- 最低語学要件:英語力:IELT: 6.5, TOEFL iBT: 95
出願準備はTOEFL/IELTS対策から
学費と奨学金
学費(2024年9月入学)
Global MBA学費:€51000
※合格通知から3週間以内に最初の支払いを終えれれば、5%の割引があります。
奨学金
日本人も応募できる様々な奨学金があります。
- 優等生 (GMAT スコアが640以上の学生へ)40%まで
- ESG貢献奨学金 30%まで
- 女性リーダー 40%
- 文化的多様性 20%(各国3名限定)
《参照:Global MBA 奨学金》
出願の流れと出願期限
オンラインでの出願からショートリストされた学生は、40分の対人での、またはオンラインでの面接に招待されます。
最初は、入学事務局マネージャーと45分から1時間、そしてビデオでの質問という2部構成の面接となっています。
また、同窓会のメンバーとの短い面談もあります。
出願期限
出願締切日は、5月31日です。
EDHECは、随時入学審査(ローリングアドミッション)を採用しているため、早めに申請すればするほど、受け入れられる可能性が高くなります。
《参照:Global MBA fees and admission》
まとめ
EDHECのMBAは、温暖な南フランスにあるフランスの名門校で、10ヶ月という短期間の学習です。
最新のトピックの持続可能な社会への視点を全面的に反映したプログラムで、また卒業後にテクノロジー関連の企業に就職が多いこともEDHECの魅力です。
温暖な観光地、南フランスで短期間で最新のMBAトピックを履修したい方には最適なコースです!