この記事の著者: うりぼー
日本の大学を卒業した後に、2015年イギリスのリーズ大学の修士課程に進学し、翌年に卒業。在英中に就職活動を実施し、現在は日本の外資系IT企業で働いております。純ジャパニーズ(海外の長期滞在経験0)でありながら大学時代に一念発起し、イギリス大学院進学の準備をはじめ、大学卒業後にストレートで進学したうりぼーが自身の経験をもとに、皆さんへ勉強法・出願プロセス・現地での生活等をシェアしていきたいと思います
目次
STEP1 : 留学目的を明確に
留学といえども、留学には多くの種類がありますよね。語学そのものを学びに行く語学留学もあれば、ワーキングホリデーといったものも見方によっては留学と言えます。
学生の皆さんがイメージする留学ですと、語学留学、交換留学、正規留学かと思います。社会人の皆さんですと、語学留学や正規留学をイメージされると思います。
私自身は日本の大学卒業後、イギリスの大学院へ留学したというバックグラウンドがあるので、ここでは語学学校への留学ではなく、正規留学に焦点を当てて、話を進めていきますね。
海外大学留学のメリット
そもそも、海外大学へ進学するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
日本の大学進学でも代わりはありませんが、大学とは社会にでる前の最後の教育機関であり、自分のキャリアのベースを形成するものでもあります。
といった意味では、海外大学へ進学するメリットは、国際的な環境で自分のキャリアを考えることができること、勉強を頑張った結果として英語力・多様性に適応する能力を身に着け、バイリンガル人材となる可能性があること、世界中の人と競えること等があげられるかと思います。
大学の選び方
海外大学への進学を視野に入れ、その後のキャリアまで考えた時、どの大学に行くかという選択が非常に重要になります。
どこに行くのか(アメリカ、欧州、オーストラリア 等)、何を勉強するのか、都市部か/地方か、お金はどのくらいかかるか、留学生比率は多いか等が検討事項かと思います。
私の例ですと、まず何を勉強したいかを決め、その勉強はどこの地域が先進国かを調査し、行きたい専攻のある大学を片っ端からリストアップをしました。
そこから、大学ランキングを参考に点数着けを実施し、上位5校へ進学先を絞りました。
もちろん金銭的な条件などもボトルネックにはなりますが、妥協地点を探る前に、ベストな進学先を洗い出すことが重要です。
» ドイツに留学を完全解説!(入学条件・費用・出願流れまで)
STEP2 : 海外大学進学に必要な準備/方法を把握
日本の大学出願との違い・必要書類
海外大学と日本の大学の大きな違いは、出願可能時期が長いことです。
例えば、日本ですと3月に入試があるとすれば、海外の大学は、11月までに出願書類を揃えて出願だったり、海外留学生を随時(Rolling)受け入れの場合もあります。イギリスの大学はほとんど後者です。
また、国別に大きな違いがあるわけではありませんが、一般的な入学時期9月頃であるのに対し、オーストラリアの一部の大学では1月入学といった制度を設けているところもあります。
共通の入試があるわけではないので、入学に必要な条件をそろえ次第、願書を提出することができるわけです。
主な必要書類は以下の通りです。もちろん大学によってはその他書類が必要となることもありますので、Admission officeのHPを確認してください。
必要書類(例)
- Personal statement(入学志望動機書)
- 成績表(GPA)
- 推薦状
- 英語力証明(TOEFL又はIELTS)
- SATのスコア(アメリカ留学の場合)
※後述しますが、出願時点で理想のスコアがそろっていなくても、出願自体は可能です。
条件付き合格とは?
さらに興味深いところは、海外大学では、合格通知がConditional offer(条件付き合格)とUnconditional Offer(無条件合格)の2種類があります。
Conditional offerについて解説すると、入学/設定期日までに、この条件をクリアしたら、入学させてあげるよというものです。
先ほど、理想のスコアがそろっていなくとも出願できると述べましたが、このConditional offerと深い関係があります。
例えば、出願自体は早めにしたいが、英語力が入学条件に達していないといった場合、一旦は現時点のスコアで出願することが可能です。
そういった場合に大学側からもらえるものがConditional offerです。この猶予が与えられるシステムが海外大学入試の大きな特徴かと思います。
海外大学では、教育の品質を担保するため、あらかじめ定員を厳しく設定しているケースも多く、応募者数が一定の数に達すると、出願締め切り前に募集を締め切ってしまうケースもあります。
といった意味では、Conditional offerを入手し、自分の席をとりあえず確保する重要性をわかっていただけるかと思います。
留学準備期間
ここまで、すべての入学条件を満たしていなくとも、出願は可能と述べてきましたが、もちろん備えあれば憂いなしということは間違いありません。ではどのくらいの準備期間が必要か説明したいと思います。
海外大学留学を目指すのであれば、中学3年生・あるいは高校1年生の頃から計画的に英語試験やSAT対策(アメリカ留学の場合)を始めることをお勧めします。
純ジャパにとって何が一番ボトルネックかというと、間違いなく英語要件です。
例えば、イギリスの大学で必要なIELTS6.5以上、アメリカ大学で必要なTOEFL80点以上を取るにはおおよそ1年以上は必要かと筆者は考えております。
トップ校を目指すのであれば、IELTS7.0、TOEFL100は必要になります。
加えて、SATなどの試験も加わると、準備期間はさらに伸びます。
学生の皆さんなら、時間の余裕が比較的あるはずなので、1年~2年を見積もった方が間違いないかと思います。
もちろん、皆さん必ずこれくらいの期間が必要とは言いませんが、入念な準備は留学自体への成功に大きくかかわってくるものだと筆者は考えております。
理想的な出願準備スケジュールと受験プロセス
今から-6月 | - TOEFL/IELTSのスコア獲得 |
- 推薦状を準備 | |
- 学校での成績(GPA)を極力上げる/キープ | |
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今年7, 8月 | - 学校に成績表を依頼、 |
- 留学エージェントにエッセイ等各種書類の添削を依頼 | |
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今年9-12月 | - 出願書類をまとめて、UCAS経由で志望校へ提出(最大5校まで) |
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翌年1-4月 | - Offer受領 |
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翌年5-8月 | - ビザ申請・現地での生活拠点等を探す |
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翌年9月 | - 現地渡航 |
これはイギリス留学のラフなスケジュール感です。アメリカ留学の場合TOEFLスコア以外、SATのスコアも必要なので、更に半年〜1年ぐらいの準備期間を入れて考えましょう。
大学・学部によってもデッドラインは異なりますし、入学直前まで出願を受け付ける学校もあります。
そのため、何を学びたいのか、どこの学校を目標とするのかをある程度決めた後は、デッドラインを確認し、学校ごとにいつまでに何をしないといけないのかをざっくり把握し計画を立てることが大切です。
参考記事
STEP3 : モチベーション維持
海外大学進学に向け、長期の準備が必要であることは分かっていただけたかと思います。ゴールまでの道筋が分かっているのであれば、そこに向かってコミットしていくのみです。
しかし、長期の留学準備となれば、常にモチベーションの維持が課題になります。何が、きついか、きつかったかを私の経験をもとにお話しさせていただきますね。
海外大学への留学の実現には、おおよそ1年から、2年の準備期間が必要な想定ですがが、その8割程度は英語力の底上げに費やされるものと思います。
正直、先の見えない英語の勉強が海外大学進学準備の中では、一番つらいです。本当に英語力が伸びているのか、自分が合格できるのかといった不安が常に付きまとうからです。
短期留学をしてみる
自分一人、なおかつ日本で勉強しているのがつらいという現状があるのであれば、自分が入学したい大学に実際行ってみたり、Webinarに参加したり、短期留学に行くことが、モチベーションアップに非常に重要かと思います。
実際に、私はオーストラリアに短期留学に行ったことで、海外大学に進学したいと心に決め、暗黒期(ひたすら図書館にこもり、IELTSの問題をこなす日々)を乗り切れたので、非常に有効な手段かと思います。
実際に、海外のいろいろな学生と会うことも重要で、多くの刺激を受けることも重要かと思います。
大都市で、海外生活を味わいながら、勉強のモチベーションも高めたいという方ですと、EFの春休み留学はおすすめです。EF直営の語学学校は世界中の都市にもありますし、EFも様々な英語研修プログラムを提供しているグローバル企業でもあります。
EFでは海外トップ大学への進学を目指す生徒さんを対象に海外進学準備プログラムをご提供しています
留学エージェントに相談する
一番大変かつ、モチベーションに影響があったのは、周囲に同じ境遇の人がいないこと、どれだけ勉強が大変かなど、理解者・共感者がなかなかいないことでした。
さらに追い打ちをかけるのは、IELTSといった英語力が上がらないことへの恐怖です。
試験の結果以外に、定性的にしか英語力の上昇を測ることができないので、本当にこの勉強で英語力があがるのだろうかという不安は常につきまといます。
私はそんな不安を打ち消すために、外部の留学エージェントのカウンセリングをちょくちょく受けに行っていました。
モチベーション維持のほかに、留学への不安を少しでも取り除いてくれる海外大学進学コースは頼り甲斐がありますので、ぜひ利用してみてください。
加えて、留学までのスケジュール管理や、エッセイの添削、出願状況の確認等についても、留学エージェントはサポートしてくれますので、本来集中すべき英語学習に焦点をあてることができます。
留学エージェントは単なるサポーターではなく、あなたの留学に関する問題を解決してくれるトラブルシューターの役割も担ってくれます。
積極的に活用することで、留学の実現に向け、足元を固めることができます。
終わりに
留学は、現地に行けば終わりというわけではなく、現地に行ってからがスタートです。
そして、留学が終わってからこそ、その留学が成功だったか、どうかを判断できるものだと思っています。
学生の皆さんなら、次のステップにて留学で学んだことが活かせるかどうかでしょうし、社会人の皆さんなら、キャリアに活かせるかどうかだと思います。
留学そのものの実現にはいかに目的を設定し、タイムラインを意識したうえで、コミットできるかです。情報収集や、モチベーション維持を怠らず、ぜひ留学を実現させてください!
もしよろしければなんですけど、ここの出願準備スケジュールにSATのスケジュールも追加していただきたいです!検討よろしくお願いいたします。
さえさん
コメントありがとう!返信が遅くなってごめんね。
SATのスコアは、TOEFLまたはIELTSのように2年後に失効ということがないので、先に着手することもできる。
この場合は、中3や高一からSATの準備を始め、高2までスコア獲得、そこから本格的にTOEFL・IELTS対策・受験、高3はエッセイ等出願準備という感じかな。
一方で、計画通りにスコアが取れないことも多いので、TOEFLとSATが同時並行になってしまう人も多いだろうし、
ほとんどの日本人高校生の場合は、いきなりSATに取り掛かるのは英語力が足りないことが考えられるので、TOEFLを中心に勉強してリーディング力を伸ばしてからSATに取り掛かることも考えられるので、ケースバーケースではあるね。
参考になれば幸い!