静岡県出身。中高をIBで学び、海外留学したい×医者になりたいという2つの夢の着地点がチェコ医学部という結論に至り入学。アイドルオタクで推し活動に日々勤しんでいる。歌うことと踊ることが好き。
北海道出身、宮城県育ち。公立高校に通うが高校3年で休学しアメリカのミネソタへ1年間留学。帰国後の受験勉強中に海外医学部の存在を知りチェコ医学部への進学を決意。趣味はお菓子作りだが甘いものは苦手。
目次
出願時の英語力・経歴など
出身・経歴
Hana: 私は静岡県の国際バカロレア(IB)一条校出身です!
Jablko:私は、北海道で生まれたのですが、仙台の公立高校(普通科)を卒業しました。
でも、高校3年生で1度休学をしてアメリカのミネソタ州にある高校に留学をしていました。戻ってきてからもう1度高校3年生をやり直したイメージですね。
仙台の卒業校において、海外大学に進学することはそこまでメジャーな選択肢ではありませんでした。
海外大学を選んだきっかけ
Hana: 私の通っていた高校がIB校だったのですが、当時はIBから日本の大学の医学部に進学する選択肢が少なかったんですね。他にも、周りのクラスメイトの多くが海外大志望だったので、自ずと私も海外大学を目指すようになりました。
そんな中、学校に掲示されていたチェコ医科大学事務局のポスターを見たことがきっかけで、チェコの医学部という選択肢に出会いました。
Jablko:私は昔から医学部に入りたいなと思っていたので、高校3年生の12月までは日本の医学部を志望していました。
でも、ヨーロッパの大学の医学部はアメリカの大学よりも費用を抑えて留学できることを知ってから、海外大学の医学部も視野に入れ始めました。
英語力/SATなど
Hana: 私は出願時にTOEFL IBT が93点、英検1級を持っていました。SATやACTを受験したことはなく、IBの試験だけを受けました。
Jablko:私は、留学前後で自分の英語力の伸びを測ろうとTOEICを受けたのですが、留学から帰ってきた後のTOEICの点数は935点でした。他にはACTを1回だけ受けたことがあります。
*参考出典:https://www.czech-medical.org/guideline/
チェコについて
にゃんこ先生が解説、チェコ基本情報
チェコを選んだきっかけ
Hana:アメリカで医者になる場合、まず4年間医学部ではない普通の大学を卒業してからメディカルスクールに改めて通う必要があります。でも、ヨーロッパの大学の医学部は、6年制で最初から医学にフォーカスして学べます。
さらにヨーロッパの医学部の中でも、大学と提携している日本事務局が駐在している国が安心できるし良いなと思いました。
大学の日本事務局が存在するのは、チェコ・ハンガリー・ブルガリア・スロバキア・ルーマニアの医学部なのですが、一番住みたいと思ったのはプラハなので、カレル大学を選びました。
Jablko:検索して出てきたハンガリー医科大学事務局の存在を知ったことがきっかけでした。
のちにチェコの存在も知り、受験できるところは全て受けてその中で行きたかったのがチェコの大学でした。
チェコの魅力
Hana: まず、 本当にプラハの街は綺麗でただ散歩するだけでも心が躍る素敵な街です。
ラグジュアリーではないけれども、必要最低限のものが揃っているし、都会すぎないところも気に入っています。
また、チェコ人は日本人に対して好印象を持っている人が多かったり、時間に対してそこまでルーズじゃないところも好きですね。
プラハも治安が良い方だと思います。夜友達とお酒を飲んだ後に中心街を1人で歩いても大丈夫だし、置引き等もあまりありません。逆に、街の人が「危ないよ」って教えてくれる時もあります。
Jablko:チェコはすごく住みやすい国だと思います。チェコ人は明るい国民性ではなく最初は冷たく感じるかもしれないのですが、他人に興味がないだけで話しかければすごく優しく接してくれます。
あと、ビールが有名でプラハの中心街ではそこらじゅうにパブがあるせいか街が明るく、安全に生活することができています。
チェコの天候
Hana: チェコの冬は日が短く、16時ごろに日が沈んでしまうのですが、逆に夏は21時過ぎまで日が明るく、暖かくカラッとして気持ち良い天気です。
Jablko:天候は住みやすくて、仙台に少し似ています。雨もそこまで降りません。
カルチャーショックとして感じたこと
Hana: ペットがしつけされててリードなしで歩いているのが、まずカルチャーショックでした。犬の数も比較的多くて、動物に優しい国なんじゃないかな。
Jablko: 私も猫を飼っています。大学の寮でもフラットでも、周りでペットを飼っている人が多いです。
他にカルチャーショックを感じた場面として、チェコはビールが有名でみんなたくさん飲むので、ビール=アルコールの認識ではない人が多いです(笑)。
なので、メディカルヒストリーを書くときに、「アルコールは飲みますか?」ではなく「ビールは何杯飲んでいますか?」と他のアルコールとは別に聞かなければいけないことがカルチャーショックでした!
カレル大学について
カレル大学について
Hana: カレル大学は中央ヨーロッパで一番古い大学で、大学のキャンパスも歴史を感じる建物が多いです。
カレル大学第一医学部について
Jablko:まず、カレル大学は大きな総合大学なので、第1医学部から第5医学部まであります。
各医学部はキャンパスの場所やカリキュラム、勉強の仕方(どの順番で医学を習うかなど)が色々違います。
例えば、第1医学部はプラハの街中にあるのですが、第5医学部はプラハから電車で1時間半以上かかるところにあります。
第1医学部の特徴
Hana: 第1医学部の勉強スタイルは、自分でどんどん自学自習していくスタイルです。
なので、授業などによる時間的拘束が少ないのが魅力だし、自分で勉強する力が身につきます。また解剖等の設備も整っています。
カレル大学第1医学部の残念ポイント
Hana: 勉強スタイルが基本的に自学自習なので、自分で独立して勉強できないと難しい点が残念ですね。
ドロップアウト率が全体の1/3程度であると言われていて、日本の医学部よりもドロップアウト率が高いです。
また、日本人でストレート(6年間)で卒業できるのが半分以下とも言われています。
Jablko:このドロップアウト率や自学自習スタイルの理由として、学ぶことがあまりにも多すぎて、授業でカバーしきれない点にあると思います。
また、「口頭試問」という、引いたトピックについて教授にプレゼンテーションをする試験がメインなので、引いたトピックや教授によって試験の合格率が左右されてしまいます。
そのため、かならずしも勉強したからといって結果が比例するわけでもないのが難しい点です。
カレル大学第1医学部での勉強
Hana: カレル大学第1医学部では、1年生から医学に関わることを学びます。
ほとんどの授業が必修で、それに加えて何個か選択科目を取らなくてはいけません。この選択科目は医学に関することではなくてもいいのですが、周りのクラスメイトは大体医学に関わるものを選択しています。
授業形態について
Jablko:カレル大学第1医学部の授業は、レクチャー・セミナー・プラクティカルの3つに分かれています。
まず、レクチャーは講義のようなもので週に2回、1時間半のコマで行われます。セミナーは、全ての教科にあるわけではないのですがディスカッション形式で授業が進みます。
プラクティカルでは、実験であったり、医学で使う機械の使い方を学びます。このプラクティカルは週に1回、2-3時間あります。それに加えて、学年によっては解剖実習や微生物学実習などもあります。
試験について
Hana: カレル大学第1医学部は、9月末〜1月末のウィンター学期の、2月終わり〜6月頭までのサマー学期の2学期制です。各学期の終わりの1月末〜2月末と、6月末〜からテスト期間があって、口頭試問の日付を自分で予約して受験します。
なので、早く口頭試問を受けることができたら、その分休みが長くなるのですが、試験が終わらないと休みが短くなってしまいます。だからこそ、この試験の計画・スケジューリングがすごく難しいです。
チェコ語について
Hana : カレル大学第1医学部では、実際にチェコの病院にいくためチェコ語を3年間必修で学ぶ必要があります。
最初の3年間がPreclinical Yearという座学で、次の3年間はClinical Yearという病院実習になります。このClinical Yearではチェコの病院で授業を受けたり、病棟に行ったり、外来や手術を見学したりアシスタントを努めます。
そのため、病院実習に必要なチェコ語を3年間学びます。
Jablko: 実際、チェコ語で簡単な会話やレストランでのオーダーもできるようになりました。
医学に関わるチェコ語でいうと、メディカルヒストリーをチェコ語で取れないと3年生を修了できないので、かなりできるようになりました。
でも、普段英語で日常会話をしているので日常的なチェコ語を使う機会はありません。
Hana:そうですね、プラハだったら英語で生活ができます。でも、プラハを少し離れると英語が通じないところが多いです。
Jablko:ちなみに、チェコ人の教授も英語で授業をしてくれるのですが、チェコ訛りですね。
チェコでの生活
学校がある日の1日のスケジュール
Preclinical の学年(1年生から3年生)
7:15〜8:45 | チェコ語の授業 |
12:00-13:45 | レクチャー |
14:00-17:00 | プラクティカル |
Clinical Year (4年生から6年生)は、8:00-12:00まで病院で授業を受けます。
午後は何もないのですが、2週間ごとに科が変わりその度にテストがあるので、午後は勉強していることが多いです。
課外活動
Jablko: カレル大学全体では、サークルがたくさんあるのですが、英語で活動できるサークルは5〜6個ぐらいしかありません。でも、その他にも学生団体やイベント・ボランティアサークルに入ることもできます。
休日の過ごし方
Hana:試験があるときは基本的に勉強していますが、試験が無い時はYoutubeの編集をしたり、買い物に行ったり、Netflixを見たりしてリラックスしています。でも、毎週試験が来るので、基本的に土日は勉強で潰れてしまいますね。
Jablko:私は、休日にアルバイトをしています。他にも、バスケをしに行ったり、ハマっているクライミングに行ったり、買い物をしに行ったりご飯を食べに行ったりします。
大学生活を過ごしてみて、どんな成長/変化を感じますか?
Hana:私は今まで勉強を先延ばしにしてしまう癖があって、高校時代もたくさん勉強をしたとは言えませんでした。
でも、大学に入ってから毎日コンスタントに勉強をできるようになって、勉強能力と知識量が増えました!
高校の時に学んでいた国際バカロレアと比べると、大学での勉強の方がしんどいかな。口頭試問というテストの形式のスタイルがやはりストレスに感じる時もあります。
他にも、一人暮らしをしているので、生活力も上がりました!
Jablko:アメリカにいた時は、友達と話せるぐらいの英語力で論理的な勉強の話などはあまりできなかったのですが、だんだんアカデミックな英語がちゃんと使えるようになってきました。
他にも、ストレスと向き合えるようになった気がします!
カレル大学第一医学部での費用
年間の学費
Hana: 私たちは、学費が年間36万CZK (230万円程度*)なのですが、年々学費が上がっているようで、今年入学する人たちの学費は50万CZK(318万円程度*)です。
Jablko: 学費の他に教材等も買う必要があるのですが、先輩から譲ってもらったり大学のセール等で買っているので、そこまでお金はかかりません。他にも、学費・教材費の他に、病院で必要なシューズや白衣、解剖用のメスなどを買う必要があります。
*2023年5月時点
生活費・食費・住居費等の相場感
Hana: 私とJablkoは今は別々の部屋を借りて住んでいるのですが、チェコで家賃や物価が上がりすぎているのもあって一緒に住むことを考えています。
プラハの中心部で部屋を借りると、家賃や光熱費込みで円安の影響もありますが月10〜15万円ほどかかるのですが、部屋をシェアするともう少し安く生活することができます。
Jablko:ちなみに、大学の寮には月2〜3万円で住むことができます。でも、寮があまり綺麗ではなかったり少し遠かったりで、私とHanaは1人暮らしをしています。周りのクラスメイトも、1人暮らしやフラットシェアをしている人が大半です。
Hana: 食費に関しては、スーパーでの買い物や外食などもあわせて月2-3万円あれば十分です。物価は日本に比べたらそこまで高くないと思います。
Jablko:外食をするにしても、1食1500円以内で食べれるので、他のヨーロッパの国と比べたら安い方だと思います。
受験について
まず、チェコの大学の医学部を受験するにあたって、日本事務局から申し込むことができます。
書類審査を事務局の方でやってくれて、書類審査の後、筆記試験と英語力を見る面接が1次審査としてあります。どちらも、基礎レベルの問題だったなと思います。
そのあと、二次試験としてチェコの大学の先生が日本に来て筆記試験と面接を受けます(※コロナ後からはオンラインになっています)。
この筆記試験や面接は大学によって違うのですが、イギリスのAレベル程度の難易度でした。
日本の試験のような計算問題よりも、概念を理解しているか否かを見ているなと感じました。IBのChemistryHLを選択していれば、化学は問題ないと思います。Biologyは、人間にフォーカスする問題が多かったですね。
ちなみに、一次試験に受かると予備コースという大学が運営している予備校のようなものに合格します。二次試験を受けずに(また落ちてしまった場合は)予備コースに通ってから翌年に二次試験を受けます。
日本人の学生は、直接受ける人よりも予備コースに行ってから入学する人の方が多いです。予備コースでは、1年間かけて高校理科を英語で学びます。他にも、チェコ語や医療倫理の授業などもあると聞きました。
受験をする上で大変だったこと
Jablko:私は、センター試験までは日本の大学を受験していたので、センター試験が終わってからチェコの大学の医学部入試の対策を始めました。
生物を今まで学んだことがなかったので、事務局が送ってきてくれた過去問をベースに、独学で一から勉強したのが大変でした。
出願ワンポイント
Hana: 私は、もしも金銭的に余裕があるのであれば事務局が開設している講座を受講することをお勧めします。
私は今まで生物を習ったことがなかったのですが、受験用に凝縮された内容をハイペースで学ぶことができました。そのおかげで合格したと言っても過言ではないです。
Jablko:私は自分が受けたい大学のウェブサイトのシラバスを確認して、ひたすら過去問を解くことをお勧めします。
他にも、英語力を見るために二次試験の面接は口頭試問のような形のところが多いので、きちんと自分の言いたいことを説明できるように英語力を鍛えるといいと思います。
最後に
カレル大学医学部は、どんな人におすすめ?
Hana:カレル大学第1医学部は、とにかく向上心があってやる気がある人におすすめです。
日本の医学部に受からなかった、という理由でカレル大学に来ると勉強量の多さや辛さなどでつまづいてしまうかもしれません。
Jablko:私は、自分で勉強できる人・自分で自分を律することができる人、やってやるぞ!という気持ちを持っている人にお勧めしたいです!
受験生へのメッセージ
海外医学部での6年は茨の道かもしれませんが、日々医学に触れ合って勉強が楽しいと感じられますし、綺麗なヨーロッパの街で、英語で学べるという環境に日々刺激を受けています。
自分に挑戦したい方はぜひ!チェコでお待ちしています!
卒業後の目標
卒業後は、EUの医師免許をもらえるので、その国の言語さえ話すことができたらEU内どこでも働くことができます。
カレル大学第一医学部での6年生は、ライセンス試験が1年を通してずっとあるイメージなので、日本の国家試験のように1回の試験ではないです。
Jablko:私は、将来産婦人科になりたいです。元々は卒業後海外で働きたいと思っているのですが、奨学金を日本で借りている関係で日本で9年間、まず働く必要があります。そのため、一度帰国して日本の国家試験を受ける予定です。
Hana:私は、まだ迷っています。色々な科を回るたびに全て魅力的に感じてしまうので全然絞れません(笑)。
Hana:私たちは、まず国家試験を受験する前に厚生労働省で試験を受ける必要があります。
Jablko:カレル大学の卒業は6-7月なのですが、その年度の日本の国家試験は2月に行われるので、卒業から2月まで日本の国家試験の対策をすることができます。なので、日本の大学でいうとトータルで7年間、医者になるまで必要なイメージです。