池田隼
カリフォルニア工科大学1年、コンピュータサイエンスまたは数学専攻予定の池田隼と申します。
目次
出願時の英語力・経歴など
出身・経歴
出身は東京都で、海城高校という私立高校の普通科を卒業しました。
高校3年次に文理選択はしたのですが、そこまでかっちりと文系理系に別れたわけではありませんでした。
出願時の英語力
大学出願時の英語力はTOEFL109点で、これは高校3年生の夏に受けた時の点数です。
TOEFLは高校1年生から勉強を始めて、高校2年生の夏と高校3年生の夏に断続的に2回受験しました。
GPA/SATについて
GPAについては、学校の先生が公式の成績表を大学やCommon Appに直接送ってくれましたが大学に直接自己申告もしました。
SATは、高校2年生の冬に2回、高校3年生の5月に1回受験しました。
最初は独学で勉強してから受験したのですが、もう少しSATのスコアメイクをしたいなと思ってからは、ベネッセのコースを受講していました。
課外活動について
課外活動は、数学・教育・国際政治を軸に活動していました。
特に大きなウェイトを占めていたのが数学の研究です。
研究といっても、最初は授業で習ったことや特別講座で習った数学の問題を自分なりに計算することからはじまりました。
そこから、数学に興味がある学校の同級生がいるという話を聞き、その友達と数学の問題について研究するようになりました。
具体的には最初に面白い式を発見したのですが、もっと簡潔な証明ができると思い、研究したところ発見することができました。そしてこれを学校の先生に報告したところ、論文への掲載に至りました。
数学の研究以外には学校内の部活として地学部に参加したり、アプリ開発をしたり、模擬国連やボランティアに参加したりもしていました。
大学について
海外大学を目指すようになったきっかけは中学3年生の時に海外研修でハーバード大学を見学した時です。この時に、海外で学んでみたいと思うようになりました。
そこで、実際に海外の大学を受験したのですが、特にアメリカの大学は25校程度受験しました。
そうですね。でも、実際にSupplimentaly Essayに書くことは限られていたので、エッセイを使いまわすことはできました。
ちなみに、アメリカの大学以外にも東京大学とカナダの大学にも魅力を感じていたため出願し、合格しました。
最終的に、進学先はカリフォルニア工科大学、専攻は数学とComputer Scienceのダブルメジャー にしました。カリフォルニア工科大学では専攻を決めるのはいつでもいいのですが2年生に入る直前で決意を固める人が多いようです。
カリフォルニア工科大学(通称カルテック)について
カリフォルニア工科大学の概要
にゃんこ先生解説、カリフォルニア工科大学について
どうしてその大学を選んだのか
カリフォルニア工科大学を選んだ理由として、まず圧倒的に興味がある数学/CSの分野に強い点が挙げられます。
他にも、自分のアプリケーションを読んだ教授から連絡が来てカリフォルニア工科大学の魅力を語り尽くしてくれたことも、進学を決めたきっかけです。
その教授がアピールしてくれた、生徒同士の協力(コラボレーション)を重視しているというカリフォルニア工科大学の特徴にも魅力を感じました。
マサチューセツ工科大学(MIT)だと入学後も生徒同士で競争しあうイメージがあるのですが、カリフォルニア工科大学だと入学後は、課題をやるにしてもお互い助け合います。
入学前に競い合うからこそ入学後は助け合う風潮に惹かれて、カリフォルニア工科大学への進学を決めました。
大学の良いところ
立地・気候
まず気候がすごく良いですね。日照時間が長くて暖かく、冬も湿潤な気候です。
また、東京からの飛行機がすごく安いところも魅力の一つですね。
あと、治安も良いですね。銃撃事件が車で30分ぐらいのところで発生したことがあるのですが、大学の徒歩圏内は高級住宅街のため治安が良い方だと思います。
ちなみに、大学はダウンタウンから車で30分ぐらいのところにあります。
研究
他にも、研究プログラムを4年間でほとんど全ての学生が経験するほど、充実しているのも魅力の一つです。
大学内外にかかわらず、プログラムへのアプリケーションのサポートがしっかりしていて、自分で研究することもリサーチアシスタントになることもできます。
最後に、小さいキャンパスに有名な科学者がたくさんいるのも大学の良い点ですね。食堂などで「あっあの科学者だ!」ってなることもあるし、教授と話をできる機会も多いです。
通っている学生だからこそ感じる、大学のちょっと残念ポイント
まず、何より大学が小規模(一学年240人のうち30人程度が留学生)なので、何か起こるとすぐ周りに知れ渡る点が残念ですね。
でも、大学が小規模だからこそ同学年のみんなの顔を知っていたり、逆に自分が日本人だから顔を覚えてくれるというメリットもあります。
他に残念な点として、みんな自分の寮中心に動いていて、あまり他の寮に行くことがありません。でも、寮対抗でスポーツ大会があったり、寮ごとに対抗することは多くあります。
カリフォルニア工科大学での勉強
課題
課題は基本、数学・物理・化学の問題を解くことが多いです。
他にも、プロジェクトを完成させる課題も多くて、日本の大学と違うのは、JAVA(プログラミング言語)「で」何かを作るのではなくて、JAVA「を」作るような課題が出る点ですね。
日本の数学や物理の教育は進んでいるので、数学と物理の授業についていくことができるのですが、やはり課題が難しいです。
5個の授業(コアカリキュラムの数学・物理・化学・CS2・CS)を取ったら全ての授業で一週間に一回課題が出るほど課題が多くて、各課題に問題が5-6問ぐらい出題されています。
クラスメイトと話し合ってもなかなか解法が出てこないことも多くて、教授のオフィスアワーに行くこともあります。
テスト
ルールと制限時間を守ればいつ受けても良いスタイルのテストがPDFで送られてきます。長くて1科目6時間のテストなので、集中が全然続かない時もあります。
高校生の時は、課外活動が中心で学校の勉強は適当にこなしていたのですが、大学生の今の方が勉強しているなと感じます。英語「で」授業を受けるというのも個人的には大きな変化でした。数学に関しては、英語で論文を読んだり書いたりしています。
物理は日本の高校で学んだことと比べて内容が簡単なので比較的大丈夫なのですが、やはり化学が難しいです。大学で英語で学ぶ化学は知らない単語だらけだったり、知識のベースが違うと感じることがあります。
でも、だんだん授業で聞き取れるようになってきましたし、オフィスアワーや友達に聞いたり等、初めての経験が多くとても新鮮です。だからこそ、謙虚になったな〜と感じる時もあります。
カリフォルニア工科大学での生活
1日のスケジュール
学校がある日は、こんなスケジュールで1日を送っています。勉強や課題で忙しい毎日です。
課外活動
授業や課題で忙しくて、なかなか課外活動やサークルに時間を割くことができませんが、数学の研究は続けています。
カリフォルニア工科大学にはスポーツサークルや天体撮影同好会などがありますが、アカデミックではない課外活動はあまり活発ではない印象です。
また、教授も参加する研究グループもあります。
休日の過ごし方
休日も課題をすることが多いですね。小テストやファイナルなどのテストを平日に受ける余裕がないので、休日に受けています。他にも、数学の研究をすることもあります。
遊ぶときは、ダウンタウンに友達といくことが多いです。他にも、寮の文化でチョコレートシロップを掛け合って逃げる遊びをしたり、他の寮を襲撃したりすることもあります(笑)。
大学生活を過ごしてみて、どんな成長/変化を感じますか?
大学生活は、すごく楽しいです。数学やCSの勉強も楽しいし、ずっと実家暮らしだったからこそ寮生活も楽しいです。
自分で感じる変化としては、最初は言語の違いがあるからこそ気合を入れて友達に優しくしていたのですが、だんだんリラックスして生活できるようになってきました。
大学のみんなが受け入れてくれるのもあるのかなと思います。
大学での費用
年間の学費、その他雑費(教材、健康保険等)
教材は、PDFが流通したり図書館で借りられる本もあるので、あまり購入はしないですね。健康保険は、大学が用意してくれている保険に入っています。
生活費・食費・住居費等の相場感
柳井正財団の海外大学留学奨学金を受給しているため、カルフォルニア工科大学で学ぶために必要な学費や生活費をカバーすることができています。
ですが、カルフォルニア工科大学の学費が奨学金の上限をオーバーしているため生活支援金を学費に回しています。
大学にいる時は、全然お金を使っていませんね。大学ではミールプランに入っているので、大学で3食食べることが多いです。たまに休日に日本食を食べに行ったり、寮のスキー旅行に行く時ぐらいしかお金を使わないです。
物価としては、ラーメンが$15程度と高めです。
受験について
受験方式
カリフォルニア工科大学を受験するには、コモンアップを通して出願する必要があるため、コモンアップエッセイを提出する必要があります。
また、カリフォルニア工科大学が独自に提出を求めるサプライメンタリーエッセイを提出する必要もあります。
スケジュール
- 中3の冬に海外進学というものを知る
- 高1くらいにぼんやりと意識し始める
- 今までやってた課外活動を続ける
- 高3の夏に奨学金用のエッセイ書き始める
- 11月〜1月に出願
受験をする上で大変だったこと
自分は、エッセイが一番大変でしたし時間をかけましたね。
今まで日本の大学にいたからこそエッセイを書いたことがなかったので、エッセイ内での表現が最初はうまく行きませんでした。でも、表現や伝わり方等の添削を通して徐々にできるようになっていきました。
出願ワンポイント
アメリカの大学受験は、出願数の制限がありません。
現在の米国大学の受験の傾向として、出願者が増えていて合格率が下がっているため、できるのであれば出願する大学の数を増やすことをお勧めします。
また、エッセイを侮らずにきちんと時間をかけて夏頃から丁寧に取り組むことをお勧めします。
最後に
通っている大学は、どんな人におすすめ?
カリフォルニア工科大学は、深くSTEMについて学びたい人・授業の質を求める人にお勧めです。
勉強量は多いのですが大学のサポートが充実してて、セラピーや留学生向けのメンタル面でのサポートを受けることができるので安心です。気軽に頼れるTeaching Assistant も多くいます。
じゅんさんにとって、海外で学ぶとは?:メッセージ
自分にとって、海外で学ぶとは「基礎を学びつつ常に最新の研究に触れること」です!
海外大受験はやるべきことが多いので、計画的に進めましょう!