世界中からエリート学生が集まるアイビーリーグ。
アイビーリーグとはアメリカ北東部にある名門私立大学8大学の総称です。
アイビーリーグに属している大学はいずれも歴史ある伝統校。
入学難易度は「最難関」となっており、世界の大学ランキングでは常に上位にランクインするなど、名門大学として国際的に高い評価を得ていることは周知のとおりです。
今回は、アイビーリーグの中から「ブラウン大学」をピックアップ。
ブラウン大学は、大西洋に面するアメリカで最も小さな州であるロードアイランド州の州都プロビデンスにキャンパスを構える名門大学。
豊かな自然に囲まれた大学の敷地内には、赤茶色系に統一された古い建物と現代的な建物が混在し、1年中を通してそれら建物と四季折々に色づく木々の美しい風景を楽しむことができます。
そんな自然豊かで落ち着いた雰囲気のキャンパスが魅力のブラウン大学について詳しく解説していきましょう。
筆者紹介:Antie やや
タイ在住。語学力を活かし現地でボランティア活動を中心に毎日を過ごす。バンコクでインターナショナルスクールを卒業し、現在イギリスの大学で心理学とマーケティングを学ぶ息子あり。
監修者:ウメンシャン
日中英のトリリンガル・言語オタク。英語圏留学経験なしからIELTS8.0、TOEFL104、GRE322。コロンビア大学・ペンシルバニア大学・ニューヨーク大学・メルボルン大学教育大学院に合格実績を持つ。慶應義塾大学大学院卒。1児の母。
目次
アメリカの名門校:ブラウン大学とは
ブラウン大学の基本情報と歴史
基本情報
- 名称:Brown University(ブラウン大学)
- 所在地:Page-Robinson Hall 69 Brown Street Providence RI 02912 United States
- 電話番号:+1 (401) 863-1000
- 創立年:1764年
- 学校形態:大学・大学院・プロフェッショナルスクール
- 学生数: 学部生 6,792 名 大学院生 2,561名 医学生 595名
※ プロフェッショナルスクール(Professional School)とは、特定の職業の専門家になるために必要な学位を取得するためのスクールです。
歴史
ブラウン大学の前身である「Rhode Island College(ロードアイランド大学)」は、イギリス植民地時代の1976年春にロードアイランド州議会によって承認。
ニューイングランドで3番目、アメリカでは7番目に古い歴史ある大学です。
ロードアイランド州ウォーレンにキャンパスを構えていたロードアイランド大学は、州都プロビデンスの著名なビジネスマンで卒業生(1786年卒業)であるニコラス・ブラウンからの寄付金により、1770年に現在ブラウン大学がキャンパスを構えるカレッジヒルへ移転。
1804年には「ブラウン大学」へと名前を改称しました。
バプティスト系の教育機関として設立されたブラウン大学でしたが、同様に宗教系大学として設立された他のアイビーリーグ校とは異なり、設立当初からバプティスト以外の宗教の信仰者や、人種・性別にかかわらず入学を承認。
幅広い宗教を受容する最初のアイビーリーグ校であり、現在のリベラルな校風にはこういった歴史的背景が関係しています。
ブラウン大学の特徴と学部紹介
特徴
地域と大学が連携してまちづくりを展開している学術都市に位置し、学業に専念できる環境が整うブラウン大学。
インターンシップや交換留学プログラム、地域貢献など実践的な経験を積む機会が多く提供されています。
学生と教員の比率は6:1※であるなど授業は少数精鋭。
受け身になりがちな大きな教室での講義とは異なり、少人数の授業では学生の発表や議論を中心として授業が進められるため、主体性をもって学業に取り組むことができます。
※ 参照元:Brown at a Glance/ Academic
ブラウン大学では、専門的な分野に特化するのではなく、幅広い分野を横断的に学びながら教養を身につける「リベラルアーツ教育」に主眼を置く独自のカリキュラムを実施。
勉強は学生主体で、一人ひとりの興味や能力に応じた教育が行われるべきであるという理念が基となっています。
カレッジとスクール
ブラウン大学では、学部および大学院プログラムに加えて、工学部、プロフェッショナルスクール、公衆衛生学部、ウォーレンアルパート医学部の6つのカレッジとスクールで構成されています。
- The College(学部)
- Graduate School(大学院)
- School of Engineering(工学部)
- School of Professional Studies(プロフェッショナルスクール)
- School of Public Health(公衆衛生学部)
- The Warren Alpert Medical School(ウォーレンアルパート医学部)
世界大学ランキングでの評価
2021年度入学の合格率はわずか5.5%※ (1)であるなど入学最難関大学の1校として知られるブラウン大学。
Wall Street Journal から U.S. News World Report まで、2022年度の著名なランキングと調査により、ブラウン大学はその独自のカリキュラムによる学生の満足度、高水準な教育、世界も認める研究力の高さなどで高い評価を獲得。
さまざまな項目における全米および世界的なランキング評価は、ブラウン大学を世界のトップ大学の1つに位置づけています。
以下は Wall Street Journal と Times Higher education が発行した、アメリカ国内Best College 2022※ (2)によるランキングとなります。
ランキング | 大学名 | 都市 |
1 | ハーバード大学 | Cambridge, MA |
2 | スタンフォード大学 | Stanford, CA |
3 | マサチューセッツ工科大学 | Cambridge, MA |
4 | イェール大学 | New Haven, CT |
5 | デューク大学 | Durham, NC |
6 | ブラウン大学 | Providence, RI |
7 | カリフォルニア工科大学 | Pasadena, CA |
8 | プリンストン大学 | Princeton, NJ |
9 | ジョンホプキンス大学 | Baltimore, MD |
9 | ノースウェスタン大学 | Evanston, IL |
11 | コーネル大学 | Ithaca, NY |
※ (1) 12位以下の詳しいランキングについてはExplore the Full WST/ THE 2022 Rankings Listを参照
※ (2) Brown at a Glance
ブラウン大学の著名な卒業生
ブラウン大学独自の教育システムである「オープンカリキュラム」は、教育を多様化し学生自身が自分のためのカリキュラムを構築することが可能となりました。
このような学習環境に加えて、優れた研究機関でもあるブラウン大学は、王族から政財界まで多くの著名人を輩出。
各分野で活躍する日本人卒業生も多くいます。
セオドラ・ティス・エラザス(1983~)
1983年イギリスロンドン出身。ギリシャ王族の子孫。アメリカのノースウェスタン大学へ2年間通った後、ブラウン大学へ入学し、2006年に人文学の学位を取得。
Emma Charlotte Duerre Watson(エマ・シャーロット・ドューレ・ワトソン)
1990年イギリス出身。映画「ハリーポッター」シリーズのハーマイオニー・グレンジャー役でデビューを果たし女優として活躍中。
優秀な学業成績を修め、イェール大学、ケンブリッジ大学などにも合格しましたがブラウン大学へ進学し、2021年に英文学の学位を取得。
平岳大(ひら・たけひろ)
1974年東京都出身。日本の俳優。暁星小学校、暁星中学校を経て単身渡米。
ロードアイランド州にあるモーゼス・ブラウン・スクールを卒業後、ブラウン大学の理学部応用数学科へ進学し卒業。その後、コロンビア大学院修士課程へしたが中退。
国谷裕子(くにや・ひろこ)
1957年大阪府出身。日本のニュースキャスター。幼少期時代から父の海外転勤に伴い海外生活を経験。
聖心インターナショナルスクール卒業後、ブラウン大学にて専攻/ 国際関係学、副専攻/国際経済学を修了し学士号取得。
ブラウン大学の学費・留学費用と奨学金
学費と留学費用の目安
4年間の学部留学の場合、1年間(2022-2023年度)の学費を含む留学費用の主な内訳は以下のようになります。
おおよその留学費用を算出する際の参考にしてください。
Tuition | $65,146 |
Room & Board | $15,840 |
Estimated personal expenses (books, supplies, health insurance) | $8,255 |
Total | $89,241 (11,954,367万円) |
参照元:International Students/ Undergraduate admission
※ 2022年6月為替レート
留学生向けの奨学金制度
アメリカでは多数の奨学金制度を提供していますが、その中で返済不要の給付型支援が「スカラーシップ (Schoarship)」とよばれるものです。
スカラーシップは、学生の経済的な必要性に応じて支給される「ニーズベース型 (need-based scholarships)」と、学生の能力に基づき支給される「メリットベース型 (merit-based scholarships)」との2つに大別されます。
ブラウン大学では、留学生のためにニーズベース型奨学金を用意。教育費の不足分を補うために支給されるもので、財政援助の対象となるためには決められた期限までに申請書類 (CSS Profile) を提出する必要があります。
CSS Profileは記入項目が多いだけではなく、事前に準備するべき書類も多々。書類を揃えるためには保護者の方の協力が不可欠となり、また作成には時間を要するため早めの準備が必要です。
CSS Profileについての詳細はこちら→ CSS Profile/ Getting Started
ブラウン大学の教育アプローチ
ブラウン大学独自の教育カリキュラム
出典:The College/ Design Your Education
「Design your education」を理念に掲げるブラウン大学。その哲学の基軸になるのは「自分自身」です。
一人ひとりの人格と個性を尊重し、その限りない可能性を開花させるための「人間教育」、すなわち自らの人生と社会に価値を創造する知性と人格を兼ね備えた人材を育成することを目的とした教育が行われています。
一般教養科目の規定がなく、大学での学びは自分自身でデザインするオープンカリキュラムが大きな特徴であるブラウン大学。
自らが「問題」を発見し「解決」できる力が身につけられるよう、複数の学問分野にわたり幅広い知識を学修するリベラルアーツ教育に重点を置いています。
ブラウン大学のオープンカリキュラムでは、自分の興味、強み、将来の目標に合わせた学位取得プログラムを設計することが可能。
チャレンジ精神や向上心を育みます。
ブラウン大学オープンカリキュラムの定義
- 特定の専攻科目を決めず、さまざまな学問分野から履修科目を選択できる
- 成績平均点 (GPA) やクラスランキングを成績評価に用いない
- 単位を取得する科目の選択が可能 (a letter grade or satisfactory/ no credit)
- ブラウン大学では専攻科目 (Major) ではなく集中科目 (Concentrate) と称する
ブラウン大学のリベラルアーツ教育が提供する学び
書くこと、話すことの重要性
社会人基礎力の1つである考え抜く力・思考力を鍛えるためには、「書く」「話す」「考える」3つのサイクルを確立することが重要であると考えるブラウン大学。
思考を固定させるためにも特に「書く」ことに重点を置くブラウン大学では、Writing Center を設置し学生をサポートしています。
グローバル社会で活躍できる人材の育成
世界で活躍できる人材の輩出を目的とした教育が構想されるブラウン大学では、異文化理解を深めるために、語学教育、海外諸機関との連携・交流などの機会を提供しています。
人格形成に及ぼす環境要因の分析
人種差別や植民地支配の問題を社会学的に分析し、それらが人格形成にどのように影響するかを学びます。
文化や歴史等に対する理解を深める
グローバル化が進む中で、他者や異文化、さらにはその背景にあるルーツを理解することの重要性が一層高まり、世界的広がりを持つリベラルな教養が重要であると考えるブラウン大学。
幾多の歳月をかけて育まれてきた異なる国や地域の分野や歴史等に対する理解を深めます。
大学で学ぶべきサイエンス教育とは
サイエンスの進歩とその活用は、人間と社会のあり方を左右する重大な要素であるばかりか、人間社会や自然環境を含む地球全体の持続にも深く関わる課題です。
サイエンスを学ぶことは社会とつながり、現代の社会を生きていく人間にとって重要な教養の1つ。
サイエンス教育は、人間、社会、科学技術という三者の関係を踏まえて構築される必要があると考えています。
抽象化思考を高める
思考の軸として重要な要素に「具体と抽象」があります。
具体化思考とは、物事の意味や様子を細分化してはっきり明確に考えていく思考のことであり、抽象化思考とは、物事を具体的に捉えるのではなく、大きな概念(まとまり)を広い視点で捉える思考法。
ブラウン大学では、言語学、哲学、コンピューターサイエンス、数学および音楽のコースを通じて、物事の全体像と各部分の関係性を理解しながら本質的な部分を考える抽象化思考を高めていきます。
理解の幅を広げる
読解力とは「文章を読んでその内容を理解し解釈する力」のこと。
さらに深く理解の幅を広げるためには、情報の取り出し、解釈/ 理解、熟考/ 判断、そして自分の意見を表現する力が求められています。
今後必須とされるこれら「思考力」や「表現力」を身につけるためには、テキストの内容だけでなく、図表やグラフ、コードなどの資料と合わせて読み解く力が必要。
ブラウン大学ではこうした読解力を身につけるためのサポートを提供しています。
感性を磨く
視覚芸術、舞台芸術、音楽、文学などのコースでは、美術文化の継承と創造への関心を高め、芸術のよさや美しさを鑑賞するとともに、感じる力や思考する力を豊かに育成。
自分の思いを語り合ったり、自分の価値意識を持って批評し合ったりすることで、一人ひとりの芸術への理解が深まり知識の習得となります。
多様性を受け入れる
リベラルアーツ教育の卓越性を実証するためには、幅広い分野の教養を身につけるだけではなく多様性を受け入れることも必要。
多様化する社会では、異なる文化や価値観を理解/ 尊重しつつ自己を相対的に捉え、文化的/ 社会的背景の異なる他者との的確なコミュニュケーションを図ることが求められます。
手厚い指導とサポート
「少人数制」「専門性の高い研究より幅広い分野の教育に力を入れている」といった、リベラルアーツの理念が息づいているブラウン大学。
少人数制の指導体制で、学業面、生活面ともにきめ細かなサポートを提供しています。
さまざまなコミュニティと交流する
ブラウン大学では、学内外での活動充実のためのサポートやインターンシップ/ 就職支援等を行うキャリアセンターを設置。
地域連携プロジェクトやインターンシップなどへ参加することで、実際の社会における問題から具体的な課題を発見し、さらには課題解決の方法を体得することができます。
→Explore the Open Curriculum
偏差値は?ブラウン大学に合格するためのヒントと入学条件
偏差値と難易度
アメリカの大学には日本のような偏差値・入試という概念はなく、高校の成績、英語力試験、エッセイ、SATスコアなど、総合的な出願要件や合格率によってその難易度が判断されます。
一発勝負の試験で合否が決まる日本の大学受験と違い、アメリカの大学受験はアメリカ人にとっても未知の世界。
アイビー校をはじめとする名門大学の合格率は一桁であるなど、その入学審査は非常に厳しいものとなっています。
ここからはブラウン大学に出願する際の留意点について具体的に解説。
はっきりとした「合格基準」が示されていない入学審査において、大学が何を重視するのかを理解しておきましょう。
ブラウン大学が求める人物像を理解
ブラウン大学が求めているのは、強い意欲を持って学ぼうとする志の高い学生、卒業後に実績を積み大学の評価を高めてくれる人材、そして多様化を構成し尊重する人物です。
また、豊かな人間性を培い、専門的知識を持って地域社会および国際社会に貢献する人材を育成することを目標としているブラウン大学での高度な学びのためには、以下の能力が必要。
- ブラウン大学で学ぶのにふさわしい基礎的な知識を身につけた者
- 高校までの学習を通じて思考力や表現力などの能力を身につけた者
- 自ら主体性を持って学ぶ態度、知的探究心を身につけた者
ゆえに入学審査ではこれら能力について、多面的、あるいは総合的に評価できる入学者選抜を行い、将来性のある多様な学生を受け入れます。
高校での優秀な学業成績(GPA)
アメリカのトップ校といわれる大学の入学審査では、成績やテストスコアなどの数値からだけでなく人間性も重視されますが、これは成績がよいことが前提。
2021年度に入学した学生のおよそ95%は、高校での学年トップ10%以内※に入るなど優れた学業成績を修めています。
ブラウン大学が発表した 2021-2022年度の Common Date によると、最重要視とする7つの入学要素の中でも、学業に関する項目として「高度な科目に挑戦」「クラスランキング」「学業成績 (GPA)」が挙げられています。
内申書の評価は、9年生(日本の高校1年生)からの成績全てが重要。
成績のカーブが上昇傾向にあるのか、高いレベルの科目を履修しているかなどが問われます。
※ 引用元:News and Events/ Highlight from the admitted Class of 2025
課外活動でのリーダーシップとコミュニティ参加
毎年何万人もの学生からの出願書を受け取るブラウン大学。入学審査ではその中から最も才能のある数パーセントの学生を選抜し受け入れます。
優れた学業成績を示すことは、ブラウン大学への合格のチャンスを大幅に増やすことになりますが、成績優秀な受験生同士での競争の中、それだけでは足りません。
そんな競争からあなたを際出せるためには「ユニークさ」をアピールし、他の出願者との差別化を図ることがポイント。
そのためにも学内外での課外活動が重要となり、成績やテストスコアからでは読み取れない出願者のより具体的な特徴を伝えることができます。
課外活動から出願者を評価するポイントには、
- 興味や関心
- リーダーシップ
- 協調性
- 継続力
- 責任感
- 学業との両立
などが挙げられます。
好奇心旺盛でいろいろなことに興味を持つこともいいですが、大学が評価するのは浅く広く行う活動よりも、1つか2つの活動に深く関わり長く続けること。
自分の興味のある活動にしっかりと取り組むことが大切です。
個人のストーリーを伝えるエッセイ
ブラウン大学では、2種類のエッセイの提出を求めています。
パーソナルエッセイ
パーソナルエッセイは、共通願書であるコモンアプリケーションを通じて提出する書類の1つのこと。
決められたエッセイトピック(Prompt)の中から1つを選び、250文字から650文字以内でまとめます。
2022-2023年度のトピックは以下の7つで構成されています。
これらとは別に「COVID-19 and natural disaster」に関する質問を設定。これはあくまでも追加情報として、受験者がどのような影響を受けたかを理解するためのものとなります。
パーソナルエッセイについての詳細はこちら→2022-2023 Common App Essay Prompts
Brown University Specific Questions(サプリメントエッセイ)
大学が独自に課しているエッセイとなり、ブラウン大学では3つの質問に回答。以下は2021-2022年度の質問となります。
Question 1
(200-250 words)
Question 2
(200-250 words)
Question 3
(200-250 words)
ブラウン大学が知りたいことは、出願者が何に興味を持っているかだけではなく、さまざまな経験を通じて「何を学びどのように成長したのか」ということ。
「◯◯クラブのリーダーとしてイベントに100人を集客した」という事実より、
苦労した経験→解決するために講じた対策→その経験からどのように自分が変わった
など、自身の内面変化に重点をおいて伝えることが重要です。
その上で、成長した自分がブラウン大学にどのように貢献できるのかまでを記述すると、より論理的な回答に仕上がります。
ビデオポートフォリオを作成
出願者は書面のアプリケーションに加えて2分間のビデオポートフォリオ (Video Introduction) を提出することができます。
Video Introduction の提出は任意ですが、ビデオによる自己紹介は書面からだけでは伝わらない人物像を伝えるためにも有効な方法。可能であれば提出を推奨しています。
ブラウン大学 Video Introduction についての詳細はこちら→Video Introduction
効果的な推薦状の作成
ブラウン大学合格へ導く大学入学審査書類には、魅力的な推薦状が欠かせません。
推薦状とは選考を受ける大学に対して、カウンセラーや教師などからの第三者目線から受験生の人柄や功績を評価してもらい推薦してもらう書類のことです。
より効果的な推薦状を作成していただくためにはいくつかの準備が必要です。
推薦状を書いていただくのに適した人物を選ぶ推薦状は入学審査において重要な書類の1つ。
内容が大切であるため、自分のことをよく理解してくれてる教師など信頼できる相手に作成してもらいます。
推薦状に載せてほしい内容を伝える
推薦状を書いていただく相手に効果的な推薦状を作成してもらうためには、しっかりと意思疎通を図ることが大切。
載せてほしいアピールポイント、志望する大学の特徴、提出期限などを伝えておきましょう。
SAT/ACT等のテストスコア
2022年秋入学のための出願サイクルでは、コロナ前まで出願時に求めていたSATやACTなどのテストスコアの提出を任意とすると発表しました。※
提出しない場合でも入学審査で不利になることはありませんが、ブラウン大学のCommon Dateによると、2021-2022年度の出願者のうちの 51%がSAT、30%がACTのスコアを提出。
提出した場合には、その他の出願書類と共に引き続き考慮される要素の1つとなります。
以下の表は、実際に入学した学生のテストスコアを示しています。
TOEFL/IELTS等の英語力証明
ブラウン大学では、学部生向けの第二言語としての英語のコースを提供していないため、入学にし高い英語力を身につけていることが必須。
- 英語での授業の内容を理解する事ができる
- スピーキングおよびライティングにて瞬時に考えを明確に表現できる
- 英語での高い読解力が身についている
といった能力が求められ、出願時には一定のスコアを修めた英語能力証明書の提出が必要となります。
TOEFL
Paper-based exam 600以上
IELTS
Duolingo Test
ブラウン大学への出願方法
ブラウン大学では、共通願書であるCommon Application(コモンアプリケーション)または Coalition Application(コアリションアプリケーション)からの出願が可能。
基本情報をはじめとする出願に必要な情報、エッセイなどを入力し、各大学へ一括して提出をすることができます。
ここではコモンアプリケーションからの出願の大まかな流れを確認していきましょう。
Early or Regularの選択
ブラウン大学への出願方法には、Early Decision(早期申し込み)とRegular Decision(一般申し込み)の2つがあります。
Early Decision(早期申し込み)
出願期限:11月1日
合否判定:12月半ば
出願できる大学数:早期申し込みでの大学は1校のみ
制約:あり
- 合格した場合必ず入学しなくてはならない
- 合格の通知がきたら、一般申し込みで出願した他の大学に出願取り消しの連絡を入れる
- 合格したら必ず入学するという念書にサインをする
Regular Decision(一般申し込み)
出願期限:1月5日
合否判定:4月上旬頃
出願できる大学数:何校でもよい
制約:なし
ブラウン大学が第一志望校であり、出願期限までに準備が整っている場合には早期申し込みでの出願を検討してもよいかもしれません。
必要書類と出願準備
① Common Application(願書)
まずはコモンアプリケーションのアカウントを作成。ログインをし画面の指示に沿って各項目への入力を行います。
コモンアプリケーションの入力内容などについての詳細は、Application Guide for first-time studentsまたはKhan Academy Filling out the college applicationをご参照ください。
② テストスコア(オプショナル)
③ 英語能力証明書
④ Transcript(成績証明書)*
⑤ School Report(高校の評価報告書)*
高校についての基本情報と在学生のレベルや人数などの一般情報、学年全体の他の生徒と比較し評価される点を、コモンアプリケーションサイトからダウンロードし所定のフォームに記入します。
⑥ Midyear School Report and Transcript*
アメリカの高校生の場合、大学への出願は高校最終学年が始まって間もなくです。
そのため早期出願の場合には、その時点の成績証明書が入手でき次第提出。また一般出願の場合には、最終学年1学期終了時の成績証明書を提出する必要があります。
日本の高校に通っている学生で、中間成績証明書が発行できない場合には、その旨をコモンアプリケーションの追加情報欄に記載してください。
⑦ Counselor Recommendation(カウンセラーからの推薦状)1通*
⑧ Teacher Evaluations/ Recommendation(教師からの推薦状)2通*
⑨ Final School Report and Transcript(最終成績証明書)*
* スクールカウンセラーまたは学校関係者から直接送付される必要がある書類
出願料の支払
出願料75ドルを支払い出願が完了。数日後に書類受領のお知らせメールが届きます。
ブラウン大学への出願についての詳細はこちら→How to Apply
最後に
今回は、アイビーリーグ校の中でも自由かつアットホームな雰囲気が魅力のブラウン大学をご紹介。
独自のカリキュラムにより個性を重んじ、一人ひとりに目の行き届く教育体制が整うブラウン大学は、将来に向けた目標がはっきりしている人にも、どんなことに興味があるまだわからない人にもおすすめの大学。
ブラウン大学に興味のあるみなさんの情報収集にご活用ください。
大学受験に向けて新たなスタートを切ることとなったみなさんの中で、具体的な志望校をまだ絞り切れていない人も多いかと思います。
進学先は自分に合った大学を選ぶことが重要。
大学生活を有意義に過ごすためにも、積極的に情報を集めたうえで、保護者や学校の先生ともしっかり相談しながら準備を進めていきましょう。