この記事の著者:てつ
新しい言語を学ぶことや違う文化に触れることに楽しさを感じ、高校時代にニュージーランドへの現地高校留学を経験。その後、海外大学進学の夢を持ち、オーストラリア・ロイヤルメルボルン工科大学に進学。現在、コロナウイルスの影響により一時休学し、タイ語と東南アジア文化への理解を深めるため、タイに滞在中。
目次
オーストラリアが進学先に選ばれる6つの理由
アジア圏とのつながりが強い
オーストラリアは日本と強いつながりを持っています。2019年時点、日本はオーストラリアの貿易総額にて、2位を占めています。
輸出入ともに、日本とオーストラリア間の貿易はとても盛んで、これからますます増えるかと思われます。
オーストラリアの大学を卒業したということが、日本で就活をする際、有利なポイントの一つです。
また、オーストラリアの大学には非常に多い数のアジア圏の学生がおり、授業を共にすることで、欧米の価値観に触れるだけでなく、アジアの異なる国のことについて、理解を深める良い機会にもなります。
特に、シドニーやメルボルンの都市圏の大学にはアジア圏の留学生が集中しており、アジアンレストランや日本食材店もたくさんあるため、生活には困りません。
大学の授業にもアジアの文化やアジアとオーストラリアの繋がりを学ぶ授業が多数あり、より豊富な知識を身につけることができます。
(コミュニケーション学部PR専攻の選択授業の一部)
そして、何よりオーストラリアは欧米諸国と比べて、日本との時差が少ないです。サマータイムやタイムゾーンなどにより変更もありますが、1時間〜3時間ほどの時差なので、日本にいる家族や友人との連絡がとてもしやすいです。
※サマータイムやタイムゾーンによって異なります。
大学のレベル高・現地就職のチャンス大
一番最初に紹介したように、オーストラリアにはレベルの高い大学がたくさんあります。レベルは高いですが、アメリカのSATのような統一試験がないため、入学しやすいといえます。
私の通っているRMIT大学を含め、Group of Eight 以外の大学でも世界大学ランキングで高い順位を獲得しているため、卒業後、オーストラリアや日本に限らず、世界中の国で評価されます。
このため、どの大学も非常に高い卒業後就職率を誇っています。
また、ランキングの順位の近いアメリカやイギリスの大学と比較した際に、学費が安い傾向があります。
一年の学費が安いのと同時に、ファウンデーションコースに通う必要がない大学は3年間で大学を修了できるため、学費を重視している方にはおすすめです。
この他にも、オーストラリアには卒業生ビザというものがあり、学士の学位を取得した場合、取得した学位の分野に関係なく、卒業後に1.5年〜2年間のビザを申請することができます。
この期間を使い、現地で仕事探しをし、職業経験を積むことが可能です。
私自身、海外で働きたいという夢があり、そのために海外大学進学を決めたので、同じ目標を持っている方には、卒業生ビザの制度があるオーストラリアをおすすめします。
移民文化
オーストラリアは世界でも有数の移民大国です。アジア圏からの移民はもちろん、世界各地からの人がオーストラリアに移り住んでいます。
このような多文化の環境は、学問を追求する上でも大事なもので、自分の視野を広げるきっかけになります。そして、より大学生活を豊かなものにしてくれます。
私自身、南米のクラスメイトと課題を進める機会があり、初めての経験で非常に有意義なものになりました。
欧米の文化はもちろん、世界中の文化に興味がある方には、オーストラリアがとても合っていると思います。
また、オーストラリア政府は移民を迎え入れる政策を数多く出しているため、将来海外移住を視野にいれている方は、そのチャンスが高いといえます。
治安
さらに、オーストラリアは治安面でいうと、世界平和度指数で日本と近い順位を記録しており、イギリスやアメリカと比べ、比較的安全な留学先といえます。
気候
気候面では、オーストラリアの気候は比較的安定しており、気温も日本とあまり変わらないです。
気候は、留学生の精神面に大きく影響する要素の一つなので、安定した気候は勉強を進める上でとても大事です。
自然
最後に、私がオーストラリアを留学先に選んだ1番の理由は、その広大な自然と世界遺産です。
グレートバリアリーフやウルルなどの世界遺産はもちろん、都市からも山や海といった自然が近いです。勉強で疲れる毎日に、自然の癒しがあるのは大事です。
↑グレートバリアリーフ↑
週末に世界有数の綺麗なビーチに行ったり、ハイキングに行く生活ができる留学先は、世界を見ても少ないと思います。
オーストラリアのおすすめ大学留学先
主な大学の紹介
オーストラリアには Group of Eight と呼ばれる、トップ8に選ばれた大学のグループがあります。こちらは、世界的に見ても高いランキング・教育水準・研究結果を誇る大学たちで、
の8つがあります。
これらの大学は全て、オーストラリアの州都に位置しており、都会の大学といえます。
この中でも、メルボルン大学、シドニー大学、オーストラリア国立大学の三つの大学は、日本の東京大学や京都大学と世界大学ランキングで肩を並ぶ大学です。
Group of Eight は高い教育水準で知られていると同時に、学費が高い傾向にあります。特に先ほど紹介した、3つの大学はランキングが高い分、学費も高いです。
有名なメルボルン大学の商学部学士を例に挙げてみると、一年で350万ほどの学費がかかります。(2022年時点)しかしながら、オーストラリアの大学はアメリカと異なり、3年制のため、早く修了することが可能です。
3年制のオーストラリアの大学ですが、 Group of Eight の大学は、日本の高校からの進学だとファウンデーションコースという、大学進学準備コースを一年間修了する必要があります。(例外ケースあり)
私の大学の紹介
私は先ほど紹介した Group of Eight の大学ではなく、ロイヤルメルボルン工科大学(通称:RMIT)という大学に通っています。
メルボルンの市内中心にカラフルな広いメインキャンパスがあり、世界中に10万人近い生徒を抱えている、オーストラリアでも規模が特に大きい大学です。このうち2万人近い留学生がいます。
デザイン、ファッション、建築の学部は世界トップクラスで、ファッション学部はオーストラリアで一位を誇ります。数々の有名なデザイナーを始め、起業家、政治家なども輩出しています。
私は、この大学で2020年にファウンデーションコースを修了し、これからコミュニケーション学部にてパブリックリレーションズ(PR)を専攻する予定です。
コミュニケーション学部の中にも、メディア学、ジャーナリズム、広告学などの専攻があり、専攻の選択肢がたくさんある一方、一つ一つの専攻で専門的な知識が学べるのがいいところです。
日本の大学で一般的なのが、経営学部や教養学部のように幅広い分野の学問を、4年間通して学ぶことですが、オーストラリアの大学は専門的なものをより深く学べる印象です。
オーストラリアの大学の方が、しっかりとした知識やスキルがつきます。
コミュニケーション学部の他にも、教育学部、法学部、生物科学部、コンピューターサイエンス学部など幅広くあります。
RMIT大学は、都市の中心で専門的なものを学びたい、という方にはおすすめできる大学です。
Group of Eight の大学でパブリックリレーションズだけを学士の段階で専門的に学べる大学はほぼありませんし、日本の大学では全くないと思います。
具体的にオーストラリアの大学はどう選ぶ?
ここまで紹介してきた中で、具体的にどう大学を選べば良いのでしょうか。
大学のホームページ
オーストラリアの全ての大学には、公式のホームページがあります。
それぞれの大学が提供しているコースや大学の写真、雰囲気、サポート体制、その他課外アクティビティなどの情報を、ホームページから知ることができます。
また、直接担当者とメッセージでやりとりができるのはもちろん、新留学生のための冊子をPDFで見ることもできます。
これらを参考にした上で、この大学のこのコース興味あるかも!というコースを見つけてみてください。
オーストラリア留学フェア
- オーストラリア大使館主催の『オーストラリア留学フェア』
- ICCコンサルタンツ主催の『オーストラリア大学・大学院留学フェア』
2つのメジャーな留学説明会が、年に一度ずつ開催されます。
留学フェアを主催している団体はたくさんありますが、オーストラリアの大学を考えている方はこちらの2つが特におすすめです。
大学の担当者と直接話せ、日本人スタッフがいる大学も多数あるので、ホームページ上に載っていない情報について知ることができます。
私自身このフェアに参加したからこそ、得られた情報がたくさんありました。個人個人の状況に合った進学方法について、アドバイスをくれます。
新型コロナウイルスの影響でオンライン上での開催になっているかと思いますが、担当者とお話しできることに変わりはないので、是非参加してみてください!
大学のオープンキャンパス
現地に渡航する必要があるのですが、一番大学の様子や雰囲気などがわかる方法だと思います。
2021年5月時点、オーストラリアは国境を閉鎖しているため、実際に参加できないですが、オンラインにて同時開催している大学もあります。
実際にオーストラリアの大学の卒業生、在学生から話を聞く
私はSNSを通じて、自分の興味のある大学の日本人在学生に、専攻の選び方や大学の特徴などを聞いていました。
入学担当のスタッフ方よりも、メリットとデメリットの両方を含んだ、リアルな話が聞けるかと思います。
以上の四つを参考にした上で、学費面や入学難易度面、立地面など様々な要素をよく考慮した上で大学を決めましょう。
学費が安いことを理由に、不便な場所にある大学を選ぶと、後々の生活に影響することがあります。また、ランキングの高い大学は、授業の難易度がとても高い傾向にあります。
日本ではランキングが高ければ高い方が良いという考え方ですが、オーストラリアでは大学のランキングより、何を学んでどのようなスキルがあるかが卒業後、重視されます。
特に現地就職を考えている場合、とても大事になります。
自分の興味関心のある専攻を考慮せず、上位の大学という理由で、大学選びをするのはおすすめできません。
これらを踏まえて、私自身、都会の大学を希望していたこともあり、RMIT大学を選びました。ご自身の優先順位を今一度振り返ってみてください。
オーストラリアの大学の様子(ファウンデーションコース)
ファウンデーションコースとは?
冒頭に紹介したように、オーストラリアの大学では日本の高校から大学に入学する場合、ファウンデーションコースを一年間修了する必要があります。(直接入学が可能な大学もあり)
ファウンデーションコースはいくつかのコースに分かれており、私が通ったRMIT大学には”ジェネラル”、”ビジネス”、”アート・デザイン・建築”、”科学・工学・ヘルス”の四つがありました。
希望する学部に合った、ファウンデーションコースに入る必要があります。
また、ファウンデーションコースから学部に進むためには、一定の成績を得ることが必要ですが、その成績を獲得すれば、試験などは必要ありません。
ファウンデーションコースの授業
ファウンデーションコースの授業は1クラス20人ほどの少人数で行われます。(大学による)
また、基本的には、現地生と留学生のクラスに分かれているため、様々な国の留学生と授業を進めることになります。
あくまで、ファウンデーションコースは学部入学のための準備コースのため、授業のスピードはゆっくりで、学部と比べ、難易度は比較的簡単です。
先生たちも留学生の指導に慣れているため、すべて細かく説明してくれます。このため、学部の授業に向け、基礎を積むことができます。
ファウンデーションコースでは、アセスメントやプレゼンテーション、エッセイ、レポート、期末試験など、学部で出されるものと同じようなものが出されます。
授業の形式を含めた、大学のシステムを理解できる一年になると思います。
私はファウンデーションコースで、必修の英語の授業を4つと心理学や経済学入門などを履修しました。
授業の内容は、勉強する予定のコミュニケーション学に、直接的な関係はあまりないものもありましたが、エッセイの書き方やリサーチの仕方などを十分に学ぶことができました。
課外アクティビティ・大学側のサポート
在学中は他の留学生との親交を深めるアクティビティが多々ありました。スポーツクラブやハイキングクラブ、学校主催の郊外トリップなどもありました。
また、大学側からのサポートも豊富で、常駐のカウンセラーや医療スタッフ、ITスタッフなどすぐに助けを求められる環境でした。
アセスメント前などには、セミナーも開かれ、高得点を狙うコツも教えてくれます。
オーストラリア大学への進学方法
IELTSなど英語試験のスコア
出願において一番大事になるのが、英語試験のスコアになります。
オーストラリアの大学の学部に入学する場合、入学試験のようなものはありません。そのため、英語試験のスコアがメインの判断基準になります。
オーストラリアでは、IELTSがメインの英語試験です。
RMIT大学のファウンデーションコースでは、IELTSでトータルスコア5.5以上(そのうち各セクションが5.0以上)が入学基準でした。
また、IELTSでトータルスコア6.5以上(そのうち各セクションが6.0以上)でコミュニケーション学部に直接入学することもできました。
Group of Eight の大学や他の学位・ファウンデーションコースごとなどでスコアのクリア基準が異なるので、試験を受ける前に確認しましょう。
基準スコアを高校3年生の1学期ごろまでに取得することをおすすめします。私は、時間に余裕のある夏休みの間に取得しました。
コツコツ勉強を進めましょう。基準スコアにどうしても届かない場合は、語学学校経由で大学に入学する方法もあります。
高校の成績
高校在学時の成績は、英語試験のスコアに次ぐ大事な材料となります。
RMIT大学では明確な基準はなかったのですが、多くの大学では、5段階評価のうち3以上から4以上と基準を設けている大学が多いです。
海外の大学に進学したいという目標ができたら、英語の他に高校での勉強にも集中するようにしましょう。
こちらの基準も、入学する大学やコースにより異なり、応募する年度によって異なることもあるため、確認が大切です。
以上の二つのみがメインの出願書類になります。オーストラリアの大学出願は、日本の大学や他の欧米諸国の大学出願と比べて、とても簡単に感じます。
その他必要書類
基本的には先ほど紹介した二つがあれば、出願はできるのですが、直接学部入学を考えている方は、他に必要書類がある場合があります。
一部の例ですが、
- 高校の先生の推薦書
- 志望理由書
- 作品のポートフォリオ
- インタビュー
- 卒業証明書
などが必要な場合もあります。
RMIT大学でも、学部に直接入学する場合これらが必要になることがあります。
オーストラリアの大学への出願方法
自分でオンラインで行う方法
オーストラリアの大学は必要書類が揃っていれば、オンラインにて簡単に出願することができます。
RMIT大学の場合ですが、それぞれのコースのページに”Apply”という項目があるので、そちらからユーザー登録、項目欄の入力、必要書類の添付などという順番で進めることができます。
ほとんどの大学は、出願条件を満たしていれば、同じようなシステムで出願手続きをオンラインで行うことができます。
出願してから、オファーをもらうまでの時間は人それぞれですが、平均して1ヶ月〜3ヶ月ほどです。また、オファーの結果には、合格・条件付き合格・不合格の三つがあります。
条件付き合格とは、高校の成績や英語試験のスコアが一定の水準に達しておらず、オファーをもらった時点から入学時までに、その水準に達する必要があります。
エージェントを通じて行う方法
私は、自分自身で出願を行うことに不安を感じたため、エージェントを通して出願を行いました。
大学の選び方のセクションで紹介した、留学フェアを開催されているICCコンサルタンツさんを利用し、無料で出願をしていただきました。(大学に払う必要がある出願費は別にあり)
出願前から、大学選びや学科選び、卒業後の進路などについても個別相談に乗ってくださり、IELTSのレッスンなども提供しているので、エージェントを通じて出願するのをおすすめします。
Group of Eight の大学を始め、オーストラリアにあるほとんどの大学への出願サポートを提供してくれます。
また、他の生徒の出願サポートも今までたくさんされている経験があるため、安心して任せることができ、臨機応変に対応してくれます。
オファー取得後の流れ
- ビザ申請・家探し・渡航
希望の大学からオファーレターがメールで届いたら、オファーを受諾します。
こちらもオンライン上で、手続きが可能です。入学時に必要な学費もオンライン上で支払うことができます。その後、ビザ申請や現地での住まい探しを始めましょう。
学生が暮らせる場所として、
- 学生寮
- シェアハウス
- ホームステイ
- 通常の賃貸
などがあります。オーストラリアは特に都心部の家賃が高いので、余裕を持って予算を考慮しながら、早めに家探しすることをおすすめします。
ビザ申請と家探しが終了すれば、あとは航空券を買って、渡航するだけです!授業開始やオリエンテーションの日程をよく確認しましょう。
最後に受験生へのメッセージ
オーストラリアの大学への留学を考えている皆様が、希望の大学に入学できるよう祈っております。