





アメリカの大学進学を目指す多くの日本人高校生が、最初にぶつかるのが「何をどう準備すればよいのか」という壁である。
日本の大学入試のように試験だけで合否が決まるのではなく、アメリカでは「総合的な審査」が行われる。
高校の成績(GPA)やSAT/ACTなどの標準化テストのスコア、課外活動、エッセイ、推薦状など、さまざまな要素が審査対象となる。
さらに、アメリカの大学は学生の「個性」や「目標」を重視する傾向が強い。
そのため、どんな活動をしてきたのか、どのような目標を持っているのか、そして自分が大学で何を実現したいのかを明確に伝える準備が必要だ。
今回はアメリカ大学入試に必要な情報を分かりやすく整理した。この記事を通じて、最初の一歩を踏み出してほしい。
目次
アメリカの大学入試の特徴
アメリカの大学受験で合格を勝ち取るためには、その特徴を正しく理解し、それに応じた対策を講じることが不可欠。
アメリカの大学では、どのような方法で、出願者の何を評価するのだろうか?
アメリカの大学入試における「総合的審査」とは?
学生の多様性や個性を重視するアメリカの大学では、日本のような一発勝負の筆記試験はなく、日本のような一律の偏差値制度も存在しない。
アメリカの大学入試は、大学ごとに定められた出願期限までに出願書類一式を提出し、書類審査(Application Review)によって合否が判断される方式が一般的である。
書類審査では、学力だけでなく人柄・リーダーシップ・課外活動への取り組みなども含めた総合的な審査が行われる。
これを「総合的審査(Holistic Review)」と呼び、多くの大学で採用されている。

アメリカの大学入試では出願者の何を評価する?
アメリカ大学入試における総合的審査(Holistic Review)の中核をなすのが、「The Significant Six(6つの重要な要素)」と呼ばれる評価項目である。
これらは、アメリカの大学が特に重視する6つの観点で、書類審査の評価の土台となっている。
審査基準は大学によって異なり、特定の項目を重視する場合もある。
評価項目 | 説明 |
GPA | 高校時代の学業成績。科目の難易度や履修内容も考慮される。 |
SAT/ACT | 標準化テストのスコア。数学や読解力を測る試験で、大学入学の準備度を示す。 |
エッセイ | 自己アピールや将来の目標を示す文章。個性や経験を伝える重要な要素。 |
推薦状 | 教師や指導者による評価。学業成績だけでなく、性格、リーダーシップ、協調性などが評価される。 |
課外活動 | ボランティア、クラブ活動、スポーツ、インターンシップなど。受験者の熱意や多様性、情熱を示すもの。 |
面接 | 一部の大学や奨学金審査では面接を実施。出願書類だけでは伝えきれない人柄、熱意、将来の展望などが直接評価される。 |
これらに加えて、受賞歴(学術コンテストやスポーツ大会、芸術活動での受賞経験)や特別な実績も補足的に評価される要素として扱われる。
なお、英語を母語としない出願者には、TOEFLやIELTSといった英語能力試験のスコア提出が求められる。
大学の授業についていける英語力があるかを判断するために使用され、多くの大学で最低スコアが定められている。


アメリカ大学の入学時期と出願時期は?
アメリカの大学では、入学時期は基本的に「秋(9月頃)」がメインとなっており、多くの学生がこの時期に新年度をスタートさせる。
中には春入学(1〜2月頃)を受け入れている大学もあるが、選択肢や奨学金のチャンスが限られるため、特別な事情がない限りは秋入学を前提に準備を進めるのが一般的である。
出願時期については、日本のような一斉試験ではなく、大学ごとに独自の出願期間(アプリケーション・デッドライン)が設定されている。
早い大学では高校3年生の秋(11月)に締切を迎えることもあるため、出願準備は遅くとも1年前(高校2年の終わり)から始めるのが理想だ。
出願方式は大きく分けて以下の3種類ある。
- 一般出願(Regular Decision(RD)):締切は1月上旬〜中旬が一般的で、3月〜4月に合否が通知される。
- 早期出願(Early Decision(ED)/Early Action(EA)):通常、11月上旬〜中旬が締切で、合否は12月中に通知される。
- 随時審査(Rolling Admission):締切が設けられていない、または幅を持たせている方式。早く出願するほど有利な傾向がある。
また、芸術系専攻や一部の特別プログラムでは、通常よりも早い締切が設けられている場合もあるため、各大学・学部の公式サイトで最新情報を確認しておく必要がある。


日本とアメリカの大学入試の違いは?
アメリカの大学入試システムは、試験形式から審査内容、受験時期に至るまで、日本の大学受験とは大きく異なる。以下に主な違いとなる。
項目 | アメリカ大学入試 | 日本の大学入試 |
---|---|---|
試験形式 | 総合的審査(Holistic Review) | 一発試験(筆記試験中心) |
審査内容 | GPA、SAT/ACT、エッセイ、課外活動、推薦状など | 共通テスト、個別試験 |
出願プロセス | Common Appや独自のオンラインシステムを使用 | 一部オンライン、郵送提出など |
受験時期 | 通年で柔軟 | 主に冬季に集中 |
合否判定の基準 | 学業以外の活動や個性も重視 | 学力試験の結果が最重要 |



アメリカ大学入試で審査される6つの要素の詳細と対策
ここからは、アメリカの大学入試(書類審査)において評価される6つの重要な要素をさらに深堀して解説する。評価されるポイントをしっかりと理解して合格につながる準備を始めよう。
GPA:成績の高さと学習への挑戦姿勢が評価される
GPA(Grade Point Average)は、高校の成績を数値化した指標であり、アメリカの大学入試で最も重視される要素のひとつである。
単に高得点を取るだけでなく、履修した科目やその難易度も重要な評価材料となる。
合格につながる対策
- 難易度の高い科目に挑戦する
専門性や発展性のある科目に挑戦する姿勢が評価されやすい。AP(Advanced Placement)やIB(International Baccalaureate)など、大学レベルの内容を含む上級コースを選んでいると、より高く評価される。 - コア科目をバランスよく履修する
数学、理科(科学)、英語、歴史といった基本科目はどの志望分野でも重視される。 - 志望分野に関連した科目を履修している
例えばSTEM分野(理系)を志望する場合は、物理・化学・微積分などを履修していると評価が高くなる。 - 学年を通じて安定した成績を維持する
成績の一貫性や、時間をかけて成績が伸びていることも高く評価される。

SAT/ACT:大学で学ぶための基礎学力を示す
アメリカの大学入試で広く用いられている標準化テストであり、主に数学、読解、ライティングなどの学力を測定する。
高いスコアは有利に働くが、テスト結果だけで合否が決まるわけではない。成績やエッセイ、課外活動などと合わせて総合的に判断される点が特徴。
各テストの概要
- SAT:2セクション(Reading and Writing、Math)/1600点満点/年7回実施
- ACT:4セクション(English, Math, Reading, Science)+オプションのWriting/36点満点/年7回実施
合格につながる対策
- 複数回受験し、ベストスコアを提出
年に7回受験のチャンスがあるため、複数回受験し、最も良いスコアを提出するのが一般的。 - 準備は高校2年からが理想
長期的に計画を立てて学習することで、安定したスコアが得られる。

エッセイ:自分の価値観や経験を伝える自己表現の場
エッセイは、アメリカ大学入試において受験者の個性を示す絶好の機会。
特に名門校ではGPAやテストスコアが似通った志願者が多いため、エッセイが合否を左右する要素になり得る。
志願者の価値観、成長の過程、将来の展望などが評価対象となり、入学審査官が志願者の大学コミュニティへの貢献度を測るための重要な指標となる。
合格につながる対策
- 自分の経験から学んだことを掘り下げる
困難を乗り越えた経験、家族や文化から影響を受けた話、他者との関係で得た気づきなど。 - 将来の目標と現在の努力をつなげる
将来のキャリアを見据え、今なぜその大学で学ぶ必要があるのかを論理的に示す。 - 大学とのマッチングを意識
大学が求める人物像を理解し、それに自分がどう適合するかを示す。

推薦状:先生や指導者による信頼ある評価
推薦状(Letter of Recommendation)は、受験者の学力や人柄を第三者の視点から伝える重要な書類である。
数字では伝えきれない誠実さや協調性、リーダーシップなどを、具体的なエピソードを通じて評価する役割を担う。
多くの大学では2通の推薦状が求められ、主に高校の授業担当教員が作成する。
合格につながる対策
- 具体的なエピソードを書いてもらえる人物を選ぶ
- 推薦者に自分の志望理由や活動実績を事前に共有する
- 早めに依頼し、十分な時間を確保する
推薦状に書かれる内容の例
- 学問への情熱を示す具体的なエピソード
- クラスや部活で発揮したリーダーシップ
- 誠実で協調的な人間関係の築き方
- 自主性や好奇心が感じられる学びへの姿勢

課外活動:数字に表れない個性と情熱を伝える
課外活動(Extracurricular Activities)は、アメリカの大学入試において、学業以外の側面から受験者の個性や価値観、熱意を評価する重要な要素である。
合格につながる対策
- 関心のある分野で継続的に活動する
長期間継続した活動や、自分なりの目標を持って取り組んだ経験は評価されやすい - 活動の目的と意義を言語化する
「なぜその活動を始めたか」「何を得たか」を具体的に伝える - 成果や役割を明確に伝える
受賞歴、リーダー経験、プロジェクト立ち上げなど。数字や具体例を交えて、自分の努力がどのような結果を生んだかを伝えると説得力が増す。
活動内容の例
- 科学コンテストでの受賞や研究発表
- 地域のボランティアや福祉活動
- スポーツ、文化系クラブでのリーダー経験
- 社会問題への取り組み(環境、ジェンダー、教育など)
- インターンシップや自主的なプロジェクト

面接(インタビュー):人柄とコミュニケーション力を伝える場
一部の大学では、出願後にオンラインまたは対面で面接を実施することがある。
成績やエッセイでは伝わりきらない熱意や人柄、志望理由を直接伝える機会となる。
合格につながる対策
- よく聞かれる質問への回答を準備する(Why this college? / Tell me about yourself など)
- エッセイとの一貫性を意識して話す
- 模擬面接などで練習し、自然な受け答えを身につける
アメリカ大学受験の理想的なスケジュールと準備ステップ
アメリカの大学に出願するには、事前にしっかりとスケジュールを立てることが重要である。ここでは、受験準備の流れについて、順を追って解説する。
アメリカ大学受験の理想的なスケジュール
アメリカの大学では、日本のように一斉の入試日が設定されているわけではなく、各大学が独自に出願期間(アプリケーション・デッドライン)を設けている。
そのため、まずは志望校の出願方式と締切日を早めに確認し、逆算してスケジュールを立てることが合格への第一歩となる。
アメリカの大学受験では、計画的な準備が成功の鍵を握る。出願準備には時間がかかるため、志望校のリサーチや試験対策は高校2年生の終わり頃、つまり1〜2年前から始めるのが理想的。
以下は、秋入学(Fall Admission)を前提とした準備の流れの一例だ。
自分の状況に合わせて調整しながら、無理のないペースで進めていこう。
時期 | 具体的な準備内容 |
---|---|
1~2年前 | – 志望校リサーチ: ランキングだけでなく、自分の専攻や環境に合った大学を選ぶ。 – TOEFL/SAT対策: 試験内容を把握し、スコア達成に向けたスケジュールを立てる。 – 課外活動の充実: ボランティアやクラブ活動で実績を積み重ねる。 |
1年前 | – 試験の受験: TOEFLやSAT/ACTを最低1回受験し、スコアを記録。 – 推薦状依頼: 教師や指導者に推薦状を依頼し、具体的なエピソードを伝える。 – エッセイの構想: エッセイで伝えたいメッセージを整理し、ドラフトを開始する。 |
9~6か月前 | – エッセイの仕上げ: フィードバックを受けながら完成度を高める。 – 課外活動記録: 活動内容や成果をリスト化し、記録をまとめる。 – 出願ポータル登録: 各大学のオンライン出願ポータルに登録し、要件を確認する。 |
6~3か月前 | – 書類の最終確認: 提出前に全書類の内容を確認。 – 締切遵守: 締切日を厳守し、遅れがないよう計画的に進める。 |
合否発表後 | – ビザ申請: I-20フォームを基に学生ビザを申請。 – 住居手配: 大学寮やアパートを選択。 – オリエンテーション参加: 入学前のオリエンテーションで必要な手続きを確認。 |

志望校選びのステップ
志望校選びは、アメリカ大学受験の成功を左右する重要なステップである。
まず、自分が学びたい専攻や将来のキャリア目標を明確にし、都市部か郊外かといった希望するキャンパス環境も考慮する。
次に、大学の公式サイトやランキングをチェックし、留学生向けのサポート体制や奨学金情報をリサーチすることが大切だ。
大学リストを作成する際は、挑戦校(少し難しい大学)、適正校(実力に合う大学)、安全校(合格しやすい大学)に分類すると計画が立てやすい。
また、可能であればキャンパス訪問やオンラインツアーを活用し、大学の雰囲気や学内環境を直接確認するのが望ましい。
最終的には、志望校リストを3~7校程度に絞り込んだ上で、出願書類の準備に集中することが重要である。このプロセスを通じて、自分に最適な大学を見つけることができるだろう。
志望校選びのポイント | 具体的な確認事項 |
---|---|
専攻プログラム | 希望する専攻や分野のプログラムが充実しているか。 |
キャンパスの雰囲気 | 大学の規模、立地、学生の雰囲気が自分に合っているか。 |
費用と奨学金 | 学費や生活費が予算に収まるか、奨学金制度が利用できるか。 |
ランキングや評判 | 全体的なランキングや専攻分野ごとの評価が高いか。 |
卒業後の進路 | 卒業後の就職率や大学のネットワークが活用できるか。 |
多様性とサポート | 留学生に対するサポートが充実しているか、多文化環境で学べるか。 |

出願書類の準備
アメリカの大学出願では、以下の書類が求められる。各項目を計画的に準備し、締切を厳守することが重要だ。
特にエッセイや推薦状は他者の協力が必要なため、早めの着手をおすすめする。
項目 | 詳細 |
---|---|
GPAと成績証明書 | 高校の成績証明書を英訳して提出する。履修コース選択や成績が評価の対象となるため、科目の選択や努力が重要。 |
TOEFL/IELTSスコア | 学校ごとの最低スコアを確認し、余裕を持ったスコアを目指す。複数回受験が可能なため、締切に間に合うよう計画的に進める。 |
SAT/ACTスコア | 大学が要求する場合、いずれかの試験スコアを提出。最高スコアを選んで提出できるため、複数回受験が推奨される。 |
エッセイ | 自分の個性や価値観をアピールする重要な要素。過去の経験や具体的なエピソードを用いて、独自性を伝える。 |
推薦状 | 教師や指導者に依頼し、具体的なエピソードを交えた推薦状を作成してもらう。自分をよく知る人物を選び、依頼する際には十分な時間的余裕を持つことが大切。 |
課外活動の記録 | ボランティアやクラブ活動などの成果を記録し、そこから得たスキルや成長を具体的に示す。活動内容だけでなく、それが自身の目標にどう繋がるかを記載することで評価を高めることができる。 |

英語力の強化(TOEFL・IELTS対策)
アメリカ大学進学には、TOEFLやIELTSといった試験を通じた高い英語力の証明が求められる。
特に名門大学ではTOEFL iBTで100点以上、IELTSで7.0以上といった高スコアが基準となる場合が多い。そのため、早い段階からスコア目標を明確にし、計画的に対策を進めることが重要である。
これらの試験はリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能を評価するが、単なる試験対策以上に、学問的な英語力を身につける良い機会となる。
リスニングやリーディングのスキルは大学の講義や課題で必須であり、スピーキングやライティングは出願エッセイや面接準備にも直接結びつく。
試験準備と並行して、出願エッセイやスピーキング力の向上に目を向けることで、英語力を総合的に高めることができる。これにより、アメリカ大学進学後の学業や生活での自信につながるだろう。



高校の成績の維持
アメリカ大学の入学審査では、高校での成績、特にGPA(Grade Point Average)が非常に重要な役割を果たす。
GPAは、学業の一貫した努力や科目の難易度を示す指標であり、大学側が受験者の学問的な能力や適性を評価する際の重要な基準となる。
例えば、トップランクの大学では、通常4.0スケールで3.8以上のGPAが求められることが多い。
高校生活でGPAを維持するためには、以下のポイントを押さえておくと良いだろう。
- 時間管理の徹底:課外活動や試験勉強とのバランスを取りながら、計画的に勉強時間を確保する。
- 得意科目の強化と苦手科目の克服:得意科目ではトップレベルの成績を維持し、苦手科目では早めに補習や勉強計画を立てる。
- 教員とのコミュニケーション:疑問があれば早めに解決し、授業に積極的に参加することで理解を深める。
GPAの維持は単に大学進学のためだけでなく、学問への真摯な姿勢や自己管理能力を育む上でも意義がある。
高校生活では課外活動や英語試験の準備にも忙しくなるが、GPAをおろそかにしないようにバランスを意識し、計画的に取り組もう。

アメリカ大学入試のよくある質問(FAQ):出願準備編
アメリカ大学入試に関するよくある質問をまとめた。受験準備を進める中で疑問が生じた際の参考にしてほしい。
GPAが低くても合格できますか?
GPAが低くても、アメリカの大学入試では合格の可能性がある。
「ホリスティックレビュー(総合的審査)」により、エッセイや課外活動、推薦状など、学業以外の強みを活かしてアピールできるためだ。
例えば、課外活動でのリーダーシップや成果を具体的に示し、エッセイで努力や成長の過程を語ることで、審査官に強い印象を与えられる。また、推薦状を通じて学業以外の特性(リーダーシップや創造性など)を補完することも有効である。
一方、イギリスの大学はGPAや試験成績を重視するため、アメリカのように学業以外の要素で補うのは難しい。

SAT/ACTのスコア提出は必須ですか?受験するべき?
近年、アメリカの大学ではSATやACTのスコア提出を任意とする「Test-Optional」ポリシーを導入する大学が増加しており、出願時にスコアを提出しない選択も可能になってきている。
さらに一部の大学では、提出されたスコア自体を審査に用いない「Test-Blind」ポリシーを採用しており、この場合はスコアの有無にかかわらず評価対象とはならない。
しかし、提出が可能な場合は、SATやACTのスコアが高いほど合否に有利に働くことが多いのが現実である。
特に名門大学や競争率の高い専攻では、Test-Optionalであってもスコア提出者の方が評価されやすい傾向がある。
提出するかどうかの判断ポイントは以下のとおり。
- 他の出願要素(GPA、エッセイ、課外活動)と比較して、スコアに自信があるか
- 出願先の大学・学部がTest-OptionalかTest-Blindか、最新の方針を確認しているか
- 奨学金や特別プログラムでスコア提出が求められていないか

英語力はどのくらい必要ですか?
アメリカの大学に出願する場合、英語を母語としない学生はTOEFLまたはIELTSのスコア提出が求められるのが一般的。
大学の授業についていけるだけの「アカデミックな英語力」が必要とされるため、単なる日常会話レベルでは不十分である。
多くの大学では、以下のスコアが目安とされている。
- TOEFL iBT:80〜100点以上
- IELTS(Academic):6.5〜7.5以上
名門大学や競争率の高い専攻では、特に高いスコア(100点以上、IELTSで7.0以上など)が求められる場合もある。
また、スコアが出願条件を満たしていても、リスニングやリーディングだけでなく、スピーキングやライティングでもバランスよく得点することが重要。
エッセイや面接、授業参加に必要な英語力を備えていることが、入学後の学業の成功にも直結する。
課外活動は何をすればいいですか?
課外活動は、受験者の個性や情熱を示す重要な要素であり、興味や将来の目標に基づいて選ぶことが重要だ。
ただ多くの活動に参加するのではなく、深く取り組むことで具体的な成果や学びを示すことが求められる。
「深掘り」とは、単に活動に参加するだけでなく、特定のプロジェクトや役割に集中し、リーダーシップや独自性を発揮することである。
例えば、ボランティア活動であれば、単なる参加ではなく、問題解決の提案や新たな仕組みの導入など、積極的な貢献が評価される。
「情熱」とは、自分が本当に興味を持ち、継続的に取り組みたいと思えることに時間を注ぐことである。
例えば、環境問題に関心があるなら、地域の清掃活動に加え、自ら企画したキャンペーンや啓発活動を通じて、自分の熱意と影響力を示すことができる。
活動を通じて得たスキルや経験を明確に伝えられるようにし、「この学生だからこそできたこと」を入試審査でアピールしよう。
推薦状は誰に頼めばいいですか?
推薦状は、受験者の学業や人間性を評価する重要な書類である。自分をよく知っている教師や指導者に依頼するのが望ましい。
- おすすめの依頼先:
- 成績や態度を高く評価してくれる科目担当教師。
- 課外活動やボランティア活動を直接指導した指導者。
- 依頼時のポイント:
- 具体的なエピソードやアピールポイントを共有する。
- 早めに依頼し、時間に余裕を持たせる。
推薦状をお願いするタイミングはいつが良いですか?
推薦状は、少なくとも出願締切の3~4か月前に依頼するのが理想的。
教師や指導者が内容をじっくり考える時間を確保できるからだ。
また、依頼時には自分の活動履歴やアピールポイントを簡潔にまとめて伝えると、具体的な推薦状が得られる。
高校1年生から何を始めれば良いですか?
高校1年生の段階では、GPAを高く維持するための勉強習慣の確立が最優先。
また、課外活動をスタートし、継続的な実績を積むことが重要だ。
この時期から試験(TOEFL、SAT)の内容を理解し始めることで、2~3年生でのスムーズな準備につながるだろう。
アメリカ大学入試のよくある質問(FAQ):入試システム・用語編
アメリカの大学入試は、日本の大学入試と比べて大きく異なる点が多い。アメリカ独自の入試システムや関連する用語を知っておこう。
「APコース」や「IBコース」を履修しているとアメリカの大学受験で有利になると聞きました。
アメリカ大学入試で評価されるGPAや履修科目の選択に関連して、「APコース」や「IBコース」という言葉が登場することが多い。
これらは、学業の難易度を高め、大学進学を目指す学生にとって重要な要素となる教育プログラムである。
特徴 | APコース | IBコース |
---|---|---|
提供機関 | College Board | 国際バカロレア機構 |
学習範囲 | 個別の科目を選択して学ぶ | 幅広い分野を網羅(6つの科目群を履修) |
難易度 | 高校の成績に応じて選択可能 | 一貫した厳しいプログラム |
評価方法 | 科目ごとの試験スコア(5段階評価) | 各科目のスコア(1~7点) |
利用可能な大学 | 主にアメリカの大学で単位認定や評価に活用 | 世界中の大学で広く認知 |
どちらもアメリカ大学入試において高い評価を得られるため、自分の目標や学びたい分野に応じて選択すると良い。


早期出願(Early Decision(ED)/ Early Action(EA))はどのような出願方式ですか?
アメリカの大学入試には、Early Decision(ED)とEarly Action(EA)と呼ばれる早期出願制度がある。
いずれも締切は11月上旬〜中旬、合否通知は12月中旬頃と早く、進路をいち早く決めたい学生に適している。
- Early Decision(ED):
第一志望の大学1校のみに出願できる制度で、合格すると入学が義務づけられる拘束力がある。合格率がやや高くなる傾向がある一方で、他大学との比較ができない、奨学金交渉が難しいなどの注意点もある。 - Early Action(EA):
複数の大学に出願可能で、合格しても進学の義務はない非拘束型である。準備が早く整った受験生や、第一志望が明確な人にとっては非常に有利な選択肢となる。ただし、一部の大学ではRestrictive Early Action(REA)と呼ばれる、他校へのEA出願を制限する形式を採用しているため、出願先のポリシーを必ず確認することが必要だ。
早期出願には、合格率の上昇・早期の進路確定・大学への志望度アピールがしやすいといったメリットがあるが、出願後の選択肢が狭まる可能性もある。
すべての大学がED/EAを採用しているわけではないため、出願前に各大学の公式情報をしっかり確認しておこう。
随時審査(ローリング・アドミッション方式)はどのような出願方式ですか?
ローリング・アドミッション方式(Rolling Admission)は、アメリカの一部の大学が採用している出願方式で、定められた一斉の締切がなく、出願を受け付け次第、順次審査・合否通知を行う仕組みである。
多くの場合、出願開始は秋(9〜10月頃)で、締切は春先まで設けられているが、定員が埋まり次第締め切られることもあるため、なるべく早めに出願するのが有利とされている。
合否通知は出願後2〜6週間程度で届くことが多く、他の出願方式よりも結果を早く得られるのが大きな特徴だ。
Rolling Admissionでは、合格しても進学の義務はないため、ED/EAやRegular Decisionと並行して利用しやすい柔軟な制度として活用されている。
また、安全校(Safety School)として出願することで、早い段階で進学先の確保ができるという安心感も得られる。
ただし、人気のある大学では早期に募集枠が埋まる可能性があるため、「締切がまだ先だから大丈夫」と油断せず、できるだけ早いタイミングで出願準備を整えることが重要となる。
Common App(コモン・アプリケーション)とは何ですか?使い方と重要性は?
Common App(コモン・アプリケーション)は、アメリカの多くの大学が採用しているオンライン出願プラットフォームだ。
一度アカウントを作成すれば、1つのアプリケーションを複数の大学に送信できるため、出願プロセスを大幅に簡略化できる。
記入項目の例は以下のとおり。
- 基本情報(氏名、住所、学校など)
- エッセイ(自己アピールや将来の目標)
- 課外活動のリスト
- 成績証明書や推薦状
ただし、各大学ごとに追加のエッセイ(サプリメント)を要求される場合もあるため、事前に確認し、それぞれの大学に合った準備を進める必要がある。
終わりに
アメリカ大学入試は、日本の一発試験型の入試とは異なり、学業成績や課外活動、エッセイ、推薦状といった多様な要素を総合的に評価するシステムだ。
入試に必要な準備は確かに多いが、一つひとつ取り組むことで、自分自身の強みや可能性を見つけることができる。
課外活動を通じて情熱を深め、エッセイでは自分らしさを伝え、推薦状では周囲の信頼を示す。そのどれもが、単に合否を決めるためのものではなく、自分の成長につながるステップだ。
何か不安や不明点があれば、いつでもコメントで質問してほしい!



